渋沢栄一をブームで終わらせない

庁内連携強化に知事のリーダーシップを

Q 江原久美子 議員(県民)

この2月から渋沢栄一を主人公とした大河ドラマ「青天を衝け」が始まり、16日には渋沢栄一青天を衝け深谷大河ドラマ館がオープンしています。この間、コロナ禍で様々な制約がありましたが、地元はもとより、埼玉県からも様々な支援や取組を進めていただきました。こうした皆さんの努力が実り、すばらしいスタートがきることができ、うれしい限りです。
大河ドラマの波により報道等の露出も日増しに多くなっていますが、私はメディアが取り上げる理由と、埼玉県がPRも含めた施策を行うのは別であると思っています。もちろんメディアがPRしてくれるのはありがたいことですが、エンタメ業界はブームとともに流れていきます。
翻って、県はブームで終わらせてよいのでしょうか。私は、これまでの一連のPRや様々な施策は、県民が興味を持って郷土の歴史や埼玉県の偉人が残してくれた功績を語り継いでいく、後世に伝えていくことにつながることこそ意味があると考えています。
今年は大河ドラマ、3年後には1万円札の発行と絶好のチャンスであることは確かです。しかし、渋沢栄一は郷土の歴史や功績を残した人を深く知ってもらう入り口であり、きっかけに過ぎないのです。
埼玉県には多くの偉人が生まれています。来年は「鎌倉殿の13人」が始まりますし、埼玉県の様々な地域にいる郷土の偉人を通して地域を学び、郷土愛を育み、そして地域の誇りを高めること、これこそが県の役割なのではないかと考えます。
そのような認識の下、質問いたします。
県庁のような大きな組織では縦割り行政の難しさがありますが、全庁的な取組と位置づけ庁内連携プロジェクト会議を立ち上げ、情報を共有し、それぞれの施策実施時期の調整を図るなど、県庁が一体となり取り組む体制は整いつつあると思います。それでもまだ県として渋沢栄一翁を認知してもらう取組は十分でなく、更に精力的に進めていただきたいと考えます。
こちらは、深谷市が全庁統一して作成したのぼりとポスターです。市内のどこでも、これらが24時間、PRしてくれています。
しかし、県では、それぞれの部の事業に割り当てられたポスターはありますが、県独自のPRポスターは見当たりません。全庁的な取組と位置づけているならば、県有施設や県立高校全てに県独自のポスターを貼るなど、各部署が連携しなければできない取組が欲しいところです。
そして、もう一つ全庁的な取組として、県の有料施設はたくさんありますが、例えば川の博物館やこども動物自然公園、さいたま水族館など主に子供が利用する施設と、近代美術館や歴史と民俗の博物館など主に大人が利用する施設の共通利用券を発行してはいかがでしょうか。その際、チケットは1万円札をイメージしたらいかがでしょうか。
これはオリジナル10万円札の肖像画にする運動で地元でつくったものですけれども、例えばこんな入場券、お札のチケット、偽札ではございませんが、こういった例えば新1万円札をイメージしたチケット、共通券が発行されれば、大河ドラマに関心のある人もない人も、子供も大人も、様々な層をターゲットにでき、話題性は抜群、注目されること間違いなしだと思います。加えて、チケットの裏には人生の支えともなる渋沢の名言を入れたり、チケットに通し番号を振って埼玉県産のプレゼントが当たるなど、様々な要素を詰め込んでみてはいかがでしょうか。
このように、所管を超えた施策が全庁的な取組であると考えます。
そこで、伺います。
全県民に更に認知を深めてもらうため、庁内連携プロジェクト会議を有機的に機能させ、思い切った横ぐし展開の取組が必要だと考えます。そのためには、知事の強いリーダーシップが必要だと考えますが、知事の見解を伺います。

A 大野元裕 知事

渋沢翁を一過性のブームにせず、より深く知っていただくとともに、郷土愛をも育むためには、好機を逃さず部局横断的に取り組み、全庁を挙げて県民に向けたPRを行うことが重要です。
議員からは、全庁的な取組として県独自のポスターや県有施設の共通利用券など、具体的な御提案をいただきました。
県では、大河ドラマの放送という大きなチャンスをしっかり捉え、全庁一丸となり本県が誇る偉人・渋沢翁をPRし、認知度の更なる向上を図っております。
現在、正に旬である大河ドラマの高い波及効果を生かすため、NHKとの連携により、渋沢翁を絡めて埼玉150周年や本県の観光などをPRする独自のポスターを制作しております。
県の施設はもちろん、市町村や金融機関にも御協力をいただいて掲出いただくなど集中的にPRし、渋沢翁の認知度の更なる向上に努めます。
また、埼玉150周年の特設WEBサイトにおいても部局横断的に情報を集約させ、渋沢翁を含めた3偉人特集ページを設け広くPRをしています。
令和6年の紙幣刷新で渋沢翁が1万円札の肖像に採用されることは、大河ドラマに続くビッグチャンスとなります。
私が指示し、再編をいたしました「庁内連携プロジェクト会議」の枠組みを最大限活用しアイデアを出し、議員の御提案も参考にさせていただきながら、実現可能なものから実現をしたいと思います。
地元深谷市や関係機関との連携体制も、より一層強化をしながら、「渋沢翁と言えば埼玉の深谷」という認知度の獲得を目指し、私が先頭に立って取り組んでまいります。

子どもたちの学びに渋沢栄一を

Q 江原久美子 議員(県民)

深谷市では、郷土の学びの中で渋沢栄一を学びます。地元の小中学生は夢七訓を暗記していますし、浅い深いの差こそあれ、地元で渋沢栄一翁のことを知らない人はいません。
しかし、現実には渋沢翁があまりメジャーでないことに驚愕するばかりです。社会に出る前に、道徳や経済の両立を唱えた渋沢翁の精神を知ることができれば、人々の人生の様々な困難を乗り越えられる強さが得られるのではないかと思います。
そこで、例えば県内小中高校への派遣事業を行うのはいかがでしょうか。
地元にはたくさんの渋沢研究家がいますし、教育関係者や渋沢関連での活動や勉強会などをしている団体がたくさんあります。そうした方たちを活用して出前講座的な派遣事業を行えば、先生の負担も少なく渋沢栄一の精神を広めることが可能です。
また、渋沢はかなりの読書家でもありました。それゆえ、経済人として渋沢は多くの名言を残していますし、経営者は皆、渋沢翁の本をこぞって読んでいます。
県内で将来を担う子供たちにも、渋沢翁を知るきっかけをつくってあげるべきと思います。
そこで伺います。
渋沢翁の人生観や経営、経済、歴史、漢詩など、場合によっては漫画でも良いと思いますが、市町村の学校図書館に渋沢関連書籍を置くように呼び掛けたり、各県立高校の司書が選んだお勧めの渋沢関連書籍を配架するなど、手軽に渋沢関連書籍を手に取ることができる環境作りが必要と考えますが、教育長の見解をお伺いします。

A 高田直芳 教育長

私も江原議員同様、深谷市の出身でございますので、今回、渋沢栄一翁が大河ドラマや1万円札に取り上げられることを、大変嬉しく思っております。
議員御指摘のとおり、渋沢栄一翁は埼玉が誇る偉人であり、その教えから児童生徒が学ぶべきことは多いと考えます。
県内の偉人を学校図書館で取り扱う取組としては、例えば、地域の偉人を知るための掲示コーナーを設置したり、伝記を数多く読んだ児童生徒に賞状を出すといった事例がございます。
小・中学校につきましては、今後、市町村が集まる会議等においてこうした好事例を周知するなど、渋沢栄一翁を始めとした本県の偉人に関する書籍を学校図書館で取り扱うよう働き掛けてまいります。
また、全ての県立高校には司書を配置しておりますので、司書の集まる研修会等を活用して、各学校のニーズや特色に応じた渋沢関連書籍を配架し、生徒に推奨するよう促してまいります。
今後、より多くの児童生徒が、関連する書籍を通じて渋沢栄一翁を始めとした埼玉ゆかりの偉人の業績や生き方などを学び、郷土・埼玉への誇りと愛情を育むことができるよう取り組んでまいります。

豊富な人材と所蔵の品を生かして

Q 江原久美子 議員(県民)

「青天を衝け」は、逆境に負けることなく立ち向かう姿を想起させますが、若き日の渋沢栄一が読んだ漢詩が由来です。資本主義の父や経済で有名な渋沢翁ですが、実は書家でも功績を残しています。
大河ドラマに合わせて150周年事業として様々な展示が行われます。県立熊谷図書館ではミニ展示が、歴史と民俗の博物館ではNHK大河ドラマ特別展が開催され、私も大変楽しみにしています。
先月、深谷市役所では、深谷の郷土古美術愛好会の方々の所蔵の品である渋沢翁自身や渋沢翁のお孫さんの大蔵大臣を歴任された渋沢敬三さんの書、また渋沢翁の師でもある尾高惇忠の直筆の書の展示会が開催されました。これほど貴重なものはめったに見ることはできませんし、これらの書を解説付きで見ていくと圧巻としか言いようがありません。そして毎年、趣向を変えて行っているとのことです。
これだけではなく、数多くの所蔵の品や栄一の切り口があると思います。県において今後も継続的に展示していくことで、更に県民に深く知っていただくことができると思います。
今後も、特別展や常設展でもそのような事業を継続していくことが大切だと思いますが、教育長の見解を伺います。

A 高田直芳 教育長

議員お話しのとおり、大河ドラマの放送は、本県の歴史や文化を広く発信できる絶好の機会であり、渋沢栄一翁を深く知っていただく入口になると考えます。
そこで、歴史と民俗の博物館では、3月20日からNHK大河ドラマ特別展「青天を衝け~渋沢栄一のまなざし~」を開催することとしております。
この特別展は、大河ドラマに取り上げられ、若き日の渋沢翁も舞った、血洗島諏訪神社獅子舞の獅子頭や、日米の友好関係を築くためにアメリカから贈られた青い目の人形のうち、本県に残された12体などを展示いたします。
また、特別展終了後の常設展示では、大河ドラマ放送期間中「渋沢栄一コーナー」を設け、渋沢翁が設立に関わった富岡製糸場の煉瓦をはじめ、地元深谷市の方から御寄贈いただいた資料などの展示を予定しております。
大河ドラマ放送終了後につきましても、より多くの方々に渋沢翁を始めとした郷土の偉人や歴史などについて理解を深めていただけるよう、継続的な展示を検討してまいります。

県立高校の再編整備に発想の転換を

Q 江原久美子 議員(県民)

私は、学校が地域にあるということの意味、町から学校が消えてしまうということがどういうことなのか、県北部で生活をしながら考えています。私の感覚的なものかもしれませんが、生徒の学力や先生の指導力が低下している。優秀な人材が県北を離れてしまっている。北部の地盤沈下を日々憂慮しています。
地域の社会、経済を担っていく人材の育成は非常に重要です。そういった人材を輩出する学校の存在は必要不可欠であり、学校があることによって、街がどう輝いていくのか、地域経済にどのような影響を与えているのか、答えはなかなか見つかりませんが、考え続けなければならないと感じています。
県立高校の再編整備につきましては、今までも様々な角度から質問に取り上げられています。今、正に進められている再編整備については、今後の生徒が6万2,000人から5万6,000人に減少するという予測を踏まえ、適正な学校規模を下回る学校については、入試倍率や生徒減少率、学校・地域の状況を考慮しながら統廃合を検討するということだと理解しています。
具体的には、南部地域から2から4校、東部地域から2から4校、西部地域から2から4校、北部・秩父地域から2から3校と、一見、各地域で平均的に統廃合を進めているように見えますが、面積や人口、学校数の割合を考えると、北部・秩父地域に暮らす身として強い危機感を持っています。
再編整備の必要性は理解します。ですが、学校がなくなるということが、地域社会や経済に与える影響を当事者の身になって考えていただきたい。学校再編、又は減らすことありきではなく、どうしたら人を集められるような学校になるのかという発想の転換が必要なのではないかと思っています。
例えば、今では大変有名になりましたが、離島留学で成功している島根県海士町にある県立隠岐島前高等学校は、寄宿舎も整備して県内はもとより日本全国からの生徒を積極的に受け入れている学校です。今では人気の高校になり、高校を中心に過疎化が進んでいた海士町が輝きを取り戻しています。県立高校が町の再生の中心を担っているのです。
もちろん、埼玉県でも魅力ある県立高校作りは行われています。しかし、それぞれの学校がそれぞれの特色を図り、ブランド力を高めるというものです。もちろん、各学校の底上げは必要だと思います。しかし、果たしてそれで人を集められる学校になるのでしょうか。もっととがった特徴を持つ学校作りをするという発想が必要だと考えます。
私は、全国から注目されるような何か突出した特色を持つ県立学校を新たにつくるべきではないかと考えますが、教育長の見解を伺います。

A 高田直芳 教育長

今後、グローバル化の進展が更に進むとともに、AIやIoTなどの技術を活用した超スマート社会が到来すると予想されております。
このように社会が大きく変化する中で、時代の要請に応えられる創造性豊かな人材を育成するためには、県立高校の一層の活性化・特色化を図り、学校のブランド力を高めていく必要があると考えております。
本県ではこれまで、他県に先駆けて総合選択制を導入した伊奈学園総合高校や、全国初の芸術系総合高校である芸術総合高校など、全国から注目される特色のある高校を設置してまいりました。
また、鴻巣女子高校の保育科や大宮光陵高校の書道科など、全国にもあまり例のない特色のある学科も設置しております。
県内の中学校卒業者数は、今後も減少傾向が続くことが見込まれており、県立高校の再編整備は避けて通れない課題であると認識しております。
再編整備に当たっては、単に統廃合を進めるだけではなく、社会の変化や地域の特性、企業が求める人材像などを踏まえ、中学生にとって入学したいと思えるような特色ある高校を整備していくことが重要であると考えております。
県といたしましては、地域のバランスにも配慮しながら、時代の変化などに対応した、特色ある県立高校の整備についてしっかりと検討してまいります。

あなたの時間を倍にする「聴く本(オーディオブック)」の導入を

Q 江原久美子 議員(県民)

世の中がめまぐるしく変わり、私たちは忙しい毎日を送っています。パソコンやスマホなど本以外の情報ツールが進化していることも一つの要因ですが、最近、本をゆっくり読んでいる時間がないなと思っている人も多いのではないでしょうか。また、年を取ると目がかすんできたり、長時間、本を読む体勢はつらくなってくるものです。最近の私もそうです。
そこで提案したいのが、聴く本(オーディオブック)です。
昔、私がドイツに留学していたときによく利用したのがヒアブックです。直訳すれば聴く本。もちろん、図書館で借りられましたし、本屋さんに行けば様々なジャンルの聴く本が買えました。日常的に利用している人も多かったと思います。
聴く本は音楽を聴くのと同じ要領で、自転車で大学に行く途中に聴く本、掃除をしながら聴く本、洗濯をしながら、料理をしながら様々な場面でながら読みができるので、かなり便利に使っていたと記憶しています。とても気に入ったので日本に帰ってきてから日本語の聴く本も探しましたが、当時はまだなく少し残念に思っていました。
しかし、なぜスピードラーニングが流行ったのかを考えると、日々忙しい時間の中で生活している私たちにマッチしたもの、つまり私たちが時間を有効に使うことができるツールだからです。大げさに言えば、24時間が48時間になるのです。また、最近では、アマゾンや飛行機の機内でもオーディオブックは時間を有効に使えるということで広く知られるようになっておりますし、八王子図書館や奈良図書館では聴く本の導入がされると伺っています。
さて、先日会派で熊谷点字図書館に伺いました。点字図書館は点字図書とデイジー図書を所蔵しています。デイジー図書とは、視覚障害をお持ちの方のための音声図書であり、まさに聴く本です。しかし、利用は基本的には視覚障害者に限られています。
大野知事は、県立図書館の整備に当たっては時代の要請に応じた新しいニーズを取り入れ、その役割や機能について議論を進める必要性を認め、新しい形の県立図書館の実現を目指し目下検討中であると聞いています。
コロナ禍で私たちの生活は大きく変わりつつあります。忙しい時代だからこそ、図書館へ足を運ばなくても借りられる聴く本のニーズがあると思います。視覚障害者へのサービス拡大はもちろんのこと、本を読むことが難しくなっている方にも、もちろん一般の方や学生にも、オンライン手続で利用できる聴く本の可能性とニーズは、今後計り知れないと考えます。
以上の理由から、県立図書館に聴く本を導入すべきと考えますが、教育長の見解を伺います。

A 高田直芳 教育長

パソコンやスマートフォンで聴くことができる本、オーディオブックにつきましては、ビジネス書や小説など生活に身近な本を中心にサービスが提供されており、新しい読書スタイルとして注目されております。
県内の図書館では導入事例はございませんが、オーディオブックは来館しなくても借りることができ、日常生活の中で本に親しむことができるため、今後ニーズが高まってくるのではないかと考えられます。
県立図書館には市町村立図書館では行っていない新しいサービスをモデル的に実施する役割も期待されております。
一方で、県立図書館に導入するに当たっては、専門的な図書・資料を提供する県立図書館の方針に合うオーディオブックのコンテンツが少ないことや、貸出を行うシステムの大幅な改修が必要となるなどの課題がございます。
オーディオブックの導入を含めたデジタル資料の提供や非来館型サービスの充実は大変重要であると考えておりますので、今後の県立図書館の役割や機能を議論する中で、しっかりと検討してまいります。

コロナ後の県庁の働き方について

テレワークの推進について

Q 江原久美子 議員(県民)

現状は埼玉県テレワーク試行実施要綱による働き方のままであると聞いています。この「試行」を取っていく必要性もありますし、そうしていかなければなりません。
県は、県内企業に対してテレワークを推奨し、出勤者の約7割削減を求めています。また、企業に対する様々な支援メニューやサポート体制を整えています。今後、新型コロナウイルス感染症がどのように落ち着くのかはワクチン次第でもありますが、この1年間で進んだテレワークを今後どう活用していくのか、それとも以前の県庁に戻ってしまうのかということを改めて考えなければならない時期であると思います。
埼玉県庁が県内企業のお手本となり得るような組織体制をつくり上げていただきたいという思いを込めて伺います。これまでのコロナ禍におけるテレワークの実績や普及を踏まえ、コロナが収束した後も、県庁のテレワークを働き方改革として積極的に推進していくつもりがあるのか、総務部長に伺います。

A 北島通次 総務部長

新型コロナウイルスの感染リスクの低減のために、昨年2月から急遽、進めてまいりましたテレワークの試行でございますが、これまで約7割の職員がテレワークを経験し、1日当たり最大1,360人の職員がテレワークを実施いたしました。
こうしてテレワークを実施していく中で、企画立案業務などテレワークに向いている業務がある一方で、個人情報が書かれた紙資料、こういったものを扱う業務など、現状ではテレワークが困難な業務があることも次第に分かってきております。
テレワークを推進するためには、紙資料を電子化するなど業務のデジタル化、デジタルの推進が不可欠となっております。
また、テレワークを本格導入するためには、持ち出し可能なパソコンへの切替えなど在宅勤務環境の整備や、労務管理の在り方なども確立していかなければなりません。
一方、こうした業務のデジタル化は、テレワークを推進するだけではなくて、業務の効率化や県民サービスの向上にも直接つながっていくものと考えております。
テレワークは通勤時間が削減できることなどから「仕事と生活の両立」を図り、働き方改革を進める有効な手段と考えております。
御指摘のように、緊急事態宣言などを踏まえ、これまで「試行」として運用してきたテレワークでございますが、課題解決を図りながら、できるだけ早期に本格実施できるよう積極的に取り組んでまいります。

ICT環境の課題解決に向けて

Q 江原久美子 議員(県民)

県で実施してきたテレワークは、在宅勤務、モバイルワーク、サテライトオフィス勤務などが挙げられます。しかし、限られたアカウント数での遠隔操作によるリモートワークであるため、希望する職員が全てに対応できていなかったり、ネットワークの不安定な状況が各所で発生しているといった問題もあると聞いています。また、職員にはサテライトオフィスも人気であったと聞いていますが、今後増やしていくのか気になるところです。
これまでの様々な課題を解決していくためにテレワークを進めていくに当たっては、ICT環境の整備が非常に重要であると考えますが、具体的にどのように課題を解決していくのか、企画財政部長に伺います。

A 堀光敦史 企画財政部長

県では、テレワーク推進のため、職場のパソコンを自宅などから安全に遠隔操作できるシステムを導入しています。
緊急事態宣言などを踏まえ、今年1月には4000ライセンスを追加調達し、現在、8000ライセンスまで拡充したところでございます。
また、職員用のパソコンにつきましては、令和3年度からリース満了時に合わせて順次、通信機器SIMが内蔵されたモバイルパソコンに更新するとともに、令和2年度に導入したパソコンについても、外付けSIMを導入して、庁外で利用できるパソコンを拡充します。
併せて、モバイルパソコンを庁外で紛失した場合に情報漏えいを防ぐため、遠隔でデータが消去可能なセキュリティシステムを導入します。
また、令和2年度から3年度にかけて、県庁LANの回線の増強も行い、テレワークやウェブ会議の利用拡大による通信量の増加に対応してまいります。
一方、サテライトオフィスは、自宅で仕事に集中できる環境が整っていない場合や、出張時の空き時間がある場合に活用されており、利用者が増加傾向にあります。
今年度新たに浦和美園駅にオフィスを新設し、席数も既存施設の充実分も含めて25席から40席に増加したところです。
ポストコロナの働き方改革の観点からも、テレワークを推進するための環境整備につきましては、今後もしっかりと進めてまいります。

職員のICTスキルを踏まえた人材配置について

効果的な人材配置について

Q 江原久美子 議員(県民)

行政のデジタル化が叫ばれDXを推進するに当たっては、県職員も様々な部局においてICTスキルが程度の差こそあれ今後ますます必要になってくることは明らかです。
人材配置をするに当たり適材適所は当然のことですが、ICTスキルを仕事に生かしたいという本人の希望をよく確認し、具体的に配置する際にはICTスキルの客観的判断材料が必要であると考えます。例えば、IT全般の知識では、ITパスポートはかなりメジャーな国家資格になっていますが、基本情報技術者や応用情報技術者などもあり、エンジニア系、マネジャー系など様々な資格があります。
そこで、人事異動に当たっては、こうした職員のICTスキルを把握し適材適所に配置することで、より効果的な人材配置ができると考えていますが、見解を総務部長に伺います。

A 北島通次 総務部長

効果的な人材配置のためには、職員自身の希望を尊重しつつ、その能力を客観的に把握し、適材適所の配置を行うことが重要と考えます。
県では、職員が職務への適性や異動に関する希望を自ら申し出る「自己申告制度」というものを実施しております。
この自己申告におきまして、活用してほしい自身の能力や保有する免許資格等を申告させております。
例えば、現在、庁内で情報処理技術者の資格を有する職員は、御質問にもございました基本情報技術者が44名、応用情報技術者が12名となっております。
さらに、より高度な知識・技能が求められるITストラテジストやプロジェクトマネージャ、ネットワークスペシャリストなどの資格を有する職員もおり、実際に情報処理関連分野に配置をしておるところでございます。
御指摘のとおり、業務のデジタル化を進めるに当たりまして、職員個々のICTスキルの状況を踏まえた人材配置を行うことは、ますます重要になってくると考えております。
今後は、議員の御指摘も踏まえ、より丁寧に職員のICTスキルを把握し、県庁全体のICTリテラシーを高められるよう効果的な人材配置に努めてまいります。

体系的なICT教育・研修を

Q 江原久美子 議員(県民)

今後ますますICT関連企業との専門的な折衝が増えていきます。県庁職員全体の底上げももちろん必要だと思いますが、まずはICTスペシャリストの体系的な研修、育成を進めていくことが喫緊の課題であるとも考えます。先ほど申し上げたIT全般、エンジニア系、マネジャー系など、いわゆるICTスペシャリストを育成していかなければならないと考えます。
こういった今後のDXを担える人材育成のための資格取得を含めた体系的なICT教育・研修が必要だと考えますが、企画財政部長の見解を伺います。

A 堀光敦史 企画財政部長

職員のICT教育につきましては、基礎から応用まで体系的に実施できるように努めているところでございます。
まず、ICT基礎研修として、ネットワークやセキュリティに関する基本的な知識の習得を目的とした座学中心の研修を行っております。
これに加え、令和元年度からは、AIやRPAなど最新の技術に関する実践的な研修を行っているほか、今年度は残念ながら新型コロナで開催を見合わせましたけれども、サーバーの構築やネットワークの設計について、実際に機器を稼働させるなど実務に役立つ研修も実施しています。
一方、地方公共団体情報システム機構や民間企業が実施している業務改革やプロジェクトマネジメント、アプリ開発など、より高度な内容の研修にも職員を参加させております。
また、彩の国さいたま人づくり広域連合におきましても、ビッグデータを活用した政策形成などの研修を行っております。
さらに、職員が最新技術の知見を得るために民間企業のICT技術部門への長期派遣研修を継続して行っております。
この分野は日進月歩であり、必要な専門知識も刻々と変化していくため、職員を継続的に育成していくことが重要です。
御指摘の資格取得を直接に目指すものではございませんけれども、こうした専門的な研修を体系的に実施していくことで、職員の育成を進め、ICT分野の事業者と専門的な折衝がしっかりと行えるように努めてまいります。

増加する計画策定への対応について

Q 江原久美子 議員(県民)

先ほど来、御答弁いただいているように、県庁もコロナ対策としてテレワークの環境や服務の制度を整え、できるところから進めているということは評価しております。しかし、それ以前にそもそも県庁の多様で膨大な業務そのものについての見直しを行うことも欠かせません。コロナが終息しても行政に対するニーズは複雑化、高度化していくことを踏まえれば、少ない職員で効率的に対応していかなければなりません。
県には主要計画プラン一覧として、総合的な計画や分野ごとの計画が主要なものとして26示されていますが、その他を含めると膨大な数の計画を県は所管していると思います。その中には国の法律に基づいて計画策定の努力義務等により増加したものも含まれており、何とか整理できないものかと感じています。
調べてみますと、川崎市が計画策定業務を課題と捉え、内容に応じた複数の法定計画をまとめて一つの計画として策定をする取組を行っていることが分かりました。それでも毎年、計画策定の努力義務が増えて、業務量の増加や策定経費の負担などに苦慮しているとのことです。
そこでお伺いいたします。
埼玉県としても、川崎市のように計画策定において工夫を行っていると思いますが、地方分権改革の観点から具体的にどのような対応をしているのか、企画財政部長の答弁を求めます。

A 堀光敦史 企画財政部長

議員御指摘のとおり、全国知事会の調査によると、法律により地方に計画の策定を求める規定は、平成13年の197件から令和元年には390件まで増加しています。
政策的に関連の深い複数の法律において、個々に計画の策定が求められた場合、結果的に県が作成する計画に盛り込まれる内容に重複が生じてしまうことがあります。
そのため、本県では、川崎市と同様に、国の指針がある場合には、政策的に関連の深い複数の法定計画をまとめ、一つの計画として策定する取組を行っております。
例えば、「埼玉県子育て応援行動計画」や、第2期の「埼玉県地球温暖化対策実行計画」などは、複数の法律や通知に基づく都道府県計画を一体のものとして策定したものでございます。
計画を一体的に策定する利点としては、業務がより効率化することはもとより、類似の計画が整理されることにより、県民からみて分かりやすい計画体系となることなどがあげられます。
全国知事会では、地方分権改革の観点から、昨年12月にワーキングチームを発足させ、計画策定に関する規定の見直しに向け法定計画の調査・分析に着手しています。
現在、本県もこの調査に合わせて、庁内関係課の状況を改めて詳細に調査しているところでございます。
今後、調査結果をしっかり分析し、本県としての考え方を整理した上で、計画策定に関する課題を明確にし、全国知事会と連携しながら、国に対して必要な要望などを検討してまいります。

骨髄移植ドナー登録を更に増やすために(保健医療部長)

ドナー休暇制度を増やすべき

Q 江原久美子 議員(県民)

企業でも様々な取組が行われています。例えば、骨髄を提供する場合の特別休暇です。通常の有給休暇とは別に、骨髄を提供するときに使える制度です。この制度は会社にとっては社会貢献のイメージアップに、また社員にとっては骨髄を提供することを後押しする大きな要因の一つになります。
つまり、ドナー休暇制度を導入する企業が増えれば骨髄提供を後押しするのはもちろんのこと、埼玉県、市町村が負担している補助金が減ることにつながります。
現在、全国では649社が特別休暇制度を導入していますが、人口が全国第5位の埼玉県の状況は、僅か13事業所と少し残念に思います。一時的には日本骨髄バンクが導入企業を増やす取組をすべきと思いますが、併せて県としても、県内企業にドナー特別休暇制度を導入するよう働きかけるべきと考えますが、保健医療部長に見解を伺います。

A 関本建二 保健医療部長

ドナー休暇制度の導入は、ドナー候補者の方が企業や団体にお勤めになっている場合に、職場の上司や同僚の方に長期の休暇を取得することについて、理解を得やすい環境を整備する意味で大変重要と考えています。
実際、ドナー候補者となっても「仕事への影響」や「仕事の都合がつかない」という理由で、6割の方がドナーとなることを辞退されているとのことです。
そのため、企業や団体がドナー休暇制度を導入することで辞退される方が大きく減少することが期待できます。
ドナー休暇制度導入の普及促進を積極的に進めている日本骨髄バンクと協力し、県内企業や団体への働き掛けを積極的に行ってまいります。

骨髄移植ドナー助成制度の見直し

Q 江原久美子 議員(県民)

埼玉県は、全国で初めて骨髄ドナー提供者へのドナー助成制度を始めました。この制度はドナー登録者が骨髄を提供するとき、会社や仕事を休んで提供しなければならないため、県がおおむね2万円を補助する制度です。
それまでは提供者が患者さんとHLA型が合致しても、会社や仕事を休むことになるのでなかなか提供に踏み出せない状況が続いていましたが、埼玉県がこの制度を創設し市町村へ粘り強く働き掛け、現在、63市町村全てで補助制度が適用されています。埼玉県が骨髄ドナー助成制度の大きな流れをつくり、その後全国に広げたフロントランナーであると認識しています。
状況にもよりますが、骨髄を提供するためには3日から4日の入院と、その前に検査や健康診断が必要になります。しかし、多くの会社では特別休暇は入院のみが対象であることが多いと聞いています。
今の埼玉県の助成制度は、企業にドナー休暇制度があると市町村ヘは助成制度を申請できないという仕組みになっているため、骨髄提供の前に行う検査や健康診断などは対象外になっております。企業も休暇制度を導入し努力してくださっているのですから、職場にドナー休暇制度がある方への対象とならない日数もカバーとなるような制度に改善する必要があると考えます。
骨髄提供を更に後押しする仕組みに見直すべきと考えますが、保健医療部長の見解を伺います。

A 関本建二 保健医療部長

埼玉県では、県内全域で助成が受けられるよう、全市町村が骨髄移植ドナー助成費補助制度を制度化し、県から市町村に補助する制度を整備してまいりました。
この助成制度は、お勤めの方がその企業等にドナー休暇制度がない場合、有給休暇を使って骨髄提供を行うことの不利益を補うものとして実施しているものです。
そのため、議員御指摘の検査や健康診断が企業等のドナー休暇の対象から外れる場合には、制度の趣旨を踏まえ、検査や健康診断のために有給休暇を取得した日数について補助対象に含めるよう検討が必要と考えます。
まずは、県の要綱を整理した上で、本事業は市町村の補助事業として実施しておりますことから市町村との調整が必要となりますが、制度の趣旨について丁寧に説明をし理解を求めてまいります。

活動団体への支援

Q 江原久美子 議員(県民)

命を救う活動として、骨髄バンクの登録人数を増やすために登録説明員が必要不可欠です。実際の登録はたった2ミリリットルを採取するだけなのですが、献血とは異なり、ドナー登録前から骨髄移植後の内容まで様々な項目について説明を受けないと登録できない仕組みになっているからです。
登録者数を増やすために、説明員はボランティアという形で献血の活動と一緒に地道な努力を続けています。活動に使う資材などもちろん日本骨髄バンクからの配付はありますが、骨髄バンク登録のお願いのパンフレットも会費や手作り小物などを販売して作成しています。
そこで伺いますが、命を救う活動である骨髄バンクドナーを増やす団体の活動補助などの継続的な支援をしていただきたいと考えますが、保健医療部長の見解を伺います。

A 関本建二 保健医療部長

議員御指摘のとおり、骨髄バンクドナーを増やす活動をしているボランティア団体の地道な努力と活動こそが骨髄バンク登録制度を支えていることは、承知しております。
そして、ボランティア団体の活動は、そこで活動する登録説明員の方々の力に負うところが大きいと理解をしております。
そのため、県といたしましては、これまで新たな登録説明員の養成を進めるほか、骨髄バンクドナーの拡大に向けて、登録説明員の方々と連携して活動するなどさせていただきました。
ボランティアである活動団体の主体性を保ちつつ、新たな活動を展開する際には、積極的に支援を検討してまいります。

移動交番車について(警察本部長)

効果を発揮する条件とは

Q 江原久美子 議員(県民)

まず、埼玉県警は警官一人でカバーする人数が全国で一番多いという状況下の下で、日々奮闘していただいていることに感謝しています。来年度からは、少数勤務体制の交番の見直しや、治安情勢などに対応した交番の適正配置、警察官OBによる交通相談員を含む警察官の効果的配置を全県で進めると聞いています。県内にある交番は250から243に減らす予定ですが、検討を重ねた結果の効果的配置なのだろうと思います。
ところで、交番と同じ又は交番以上の意味を持つものとして、移動交番車があります。千葉県は知事の肝煎りで全国で最も多く導入し積極的に活用していることで知られており、全ての警察署に配置し日常的に出動しているとのことです。
しかし、最近、他県でも多くこの移動交番車が注目され活用が増えています。石川県では街に警察官がいる安心感と機動力を生かして、地域の安心安全を高めることを目的に2019年に導入されました。香川県でもこれまであまり活用されてこなかった移動交番車にラッピングを施し、今年度から運用を本格化させています。神奈川県でも交番廃止に伴う利便性が低下しないように、ワゴンタイプのアクティブ交番を配備する予定です。
このように、各県が取り組んでいる移動交番車は、各種書類の届出や住民相談などをはじめ、住民の安心や交通事故、犯罪抑止につながる取組であり、さらにはAEDを搭載するなどした救命活動にも対応できます。
そこで伺います。
他県の状況などを参考にどういった用途や地域ならば有効であると考えるのか、警察本部長の見解を伺います。

A 原和也 警察本部長

当県の移動交番車は、赤色灯を備えたワンボックスタイプの警察車両であり、現在、県下17警察署に18台を配備しております。
移動交番車には、県民の方々に一見して移動交番であることが分かっていただけるよう、車体の両側面に警察署の名前ですとか、「移動交番」であることを大きく明示しております。
移動交番車につきましては、その機動性を踏まえ、交番から離れた地域や犯罪の多発地域におけるパトロール活動、人出が多く、落し物が多い商業施設での遺失届や拾得届の受理、観光客が多く集まる各種イベントや祭礼等における警備など、平素の地域警察活動を強化する必要がある場合等に運用することが有効であると考えております。

運用の可能性は

Q 江原久美子 議員(県民)

千葉県警では、ホームページを見ると、移動交番車の出動スケジュールが見られます。先ほどの答弁にありましたけれども、埼玉県は18台の移動交番車を保有しております。ですが、運用されていること自体、あまり知られていないように思います。
先ほどの埼玉県の移動交番車がこんな感じでございます。もっと工夫した活用方法があるのではないかと私は考えています。先ほど例として挙げた香川県警では、人口当たりの交通事故数の増加を何とか減らそうと導入したとのことですが、千葉県と同じようにカラフルにペイントされた移動交番車を使うことで、パトカー警らとは全く違う警察のイメージを与えたり、県民に身近に感じてもらうことなど、違ったPR効果が図られています。
これは埼玉県のものです。こちらは上が身近に感じてもらうラッピングになっておりますけれども、香川県警。そして下のは「ザ・警察」という感じの交番になっているかと思いますが、神奈川県警のものです。このように、他県では様々な観点から取組が行われています。
そこで、移動交番の運用をどう考えるのか、警察本部長に伺います。

A 原和也 警察本部長

移動交番の運用についての御質問でございますが、県警察では、これまで、大型ショッピングモールの開業により、多数の買い物客が集まることが予想されたことから、その最寄り駅に移動交番を開設し、各種届出の受理や広報啓発活動を実施した事例や、住民からのパトロール強化の要望に基づき、移動交番を開設した事例があるほか、一昨年10月の東日本台風による大雨のため、駐在所が浸水被害を受けた際には、その代替として移動交番を開設した事例がございます。
このように移動交番車は、平素の地域警察活動を強化する場合等に運用することが有効であり、今後も、その特性を踏まえた効果的運用に努めてまいります。

再Q 江原久美子 議員(県民)

先ほど来からの質問から、どういった用途や地域が有効か、またいくつかの事例を挙げていただきまして、運用していただいているということは理解いたしました。また、引き続き移動交番車を運用していくということも理解いたしました。
先ほど例にも挙げましたけれども、ラッピングカーでの警らは通常のパトカーとは異なるインパクトを県民に与えますし、また要望があった地域で運用しているという印象を持ちました。要望を待つというのではなくて、県警が主体的に移動交番の用途や有効性をしっかり捉えていただいて、より積極的に運用していくべきと考えますが、見解を伺います。

再A 原和也 警察本部長

当県の移動交番車につきましては、車体に移動交番であることを明示しておりますが、議員ご指摘のとおり、一部の他県警察においては、移動交番車にラッピングを施すなどして運用を行っている例もあるものと承知いたしております。
移動交番車につきましては、その機動性を踏まえ、ご指摘の地域住民 の方々からの要望があった場合はもとより、管内の治安情勢、交番・駐在所の配置状況等から、平素の地域警察活動を強化する必要がある場合等に各警察署の判断で運用してきたところでございます。
県警察といたしましては、ご指摘の他県警察の取組を参考としつつ、安全で安心して暮らせるまちづくりのため、移動交番車のより一層の効果的運用に努めてまいります。 

上記質問・答弁は速報版です。
上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。