1 県立男女別学校の維持について

(1)苦情の申立人について(県民生活部長)

Q 八子朋弘 議員(県民)

まず初めに、1、県立男女別学校の維持について伺いたいと思います。
この問題につきましては、各会派、各議員によって様々な御意見があろうかと思います。よって、今日は私個人の考えとして質問させていただきたいと思っております。
また、この問題は教育委員会が決定するということも理解しておりますが、約20年前、同様の勧告が出された際には、県議会でも活発な議論が交わされておりました。よって、議会でも真剣に議論されるテーマであるとの認識の下、質問をさせていただきたいと思います。
一昨年、県立男子高校に女子が入学できないのは、女子差別撤廃条約違反であるとの苦情が県に寄せられました。それを受けて、男女共同参画苦情処理委員より、昨年8月、「条約違反とまでは言えないものの、男女共学が推奨される。県内に12校ある県立男女別学校を早期に共学化すべき」という勧告が出され、現在、県では、今年8月末までにそれに対する報告をするべく、様々な調査、検討を重ねていると思います。
まず初めに、教育委員会のこの間の丁寧な調査、対応を高く評価し、感謝します。
私は、大前提として、男女平等、男女共同参画は推進すべきであると考えております。そのような中で、私はこのテーマについては、県立男女別学高校を維持・存続させるべきであるとの立場であります。
今日は同じ立場に立つ県民の皆様、全てのOB・OGをはじめとする関係者、今、正に男女別学高校で青春を謳歌している現役高校生、そして男女別学高校への進学を希望する中学生をはじめとする未来の高校生たちの思いを代表し、皆さんの声を教育委員会にお届けしたいと思います。
それでは、まず、このたびの議論の出発点となった苦情について、基本的なことを確認したいと思います。
(1)苦情の申立人について、苦情を申し立てたのはどのような方なのでしょうか。
誤解しないでいただきたいのですが、私は決して申立人を特定したいわけではございません。申立人は男子校に入りたいという女子学生当人、若しくはその親族等の直接の関係者か、あるいは一般論として第三者から寄せられた苦情なのか、県民生活部長にお伺いいたします。

A 島田繁 県民生活部長

苦情申出につきましては、埼玉県男女共同参画推進条例第13条の規定により、「県が実施する男女共同参画の推進に関する施策若しくは男女共同参画の推進に影響を及ぼすと認められる施策についての苦情又は男女共同参画の推進を阻害する要因によって人権が侵害された場合の事案について、県内に住所を有する者又は在勤若しくは在学する者」が申し出ることができるとされております。
御質問の案件は、この要件に該当する方から、男女共同参画の推進に影響を及ぼすと認められる施策についての申出があったものでございます。

(2)勧告について

苦情処理機関が受け付ける申し出について(県民生活部長)

Q 八子朋弘 議員(県民)

勧告の趣旨には、「別学であることだけでは条約違反とはされていないものの」との記述がございます。つまり条約違反ではないと私は認識しておりますし、国も先日21日に質問主意書に対する答弁書で、明確に違反を否定しておりました。
そこで、伺いたいのですが、(2)勧告について、苦情処理機関が受け付ける申し出について伺います。
苦情処理機関は行政から独立した機関ではありますが、寄せられた苦情は「女子差別撤廃条約に違反している事態は是正されるべきだ」と、事実誤認をしていると思います。話の根本に関わる事実誤認を含む苦情でも受け付ける、そういうことでしょうか、県民生活部長にお伺いします。

A 島田繁 県民生活部長

苦情申出書については、担当課において形式審査を行い苦情処理委員に引き渡します。
その後の処理については、苦情処理委員の権限により行われることになります。
事実誤認であるかどうかを含め、苦情処理委員の権限において調査されます。

苦情処理委員の調査、勧告について(県民生活部長)

Q 八子朋弘 議員(県民)

苦情処理委員は、勧告文の冒頭で「条約違反とはされていない」としております。つまり苦情処理委員は、苦情の事実誤認を承知の上で調査を行って、勧告文でその事実誤認を補った上で、教員の数等、共学化せずとも解決できる点等を指摘して、早期の共学化を勧告していることになると私は見ています。私には、結論ありきの調査であると見えます。これが本当に公平であると言えるのでしょうか、県民生活部長に見解を伺います。

A 島田繁 県民生活部長

苦情処理委員は、知事から独立した第三者機関であることから、県としては、この度の勧告に至る一連の職務に関し、その公平性について申し上げる立場にはございません。

5月に修正された勧告の内容について(教育長)

Q 八子朋弘 議員(県民)

当初は、女子差別撤廃条約の引用で「『男女共学』での教育が奨励されており、男女の役割についての定型化された概念の撤廃が求められている」となっていたものが、「『男女共学その他の種類の教育』を奨励することにより、男女の役割についての定型化された概念の撤廃が求められている」に修正されました。この加筆修正された「その他の種類の教育」、これは何を意味するのか、国に聞いても回答がないようですが、教育長はこれを何だと考えますでしょうか。教育長御自身のお考えを伺います。

A 日吉亨 教育長

条約の解釈につきましては、県教育委員会に解釈する権限がなく、国からの回答もないことから、お答えすることはできないものと考えております。

「男女共学その他の種類の教育」とは何か(教育長)

Q 八子朋弘 議員(県民)

「男女共学その他の種類の教育」とは何かについて、更に伺いたいと思います。
私は、今回のこの修正の持つ意味は大変大きいと思っております。なぜ最初の勧告で、この「その他の種類の教育」を落としたのか。この「その他の種類の教育」は、普通に読めば別学を意味していると考えるのが私は自然だと思いますが、教育長の見解を伺います。

A 日吉亨 教育長

繰り返しにはなりますが、条約の解釈につきましては、国からの回答がないことから、お答えすることはできません。

「男女共学その他の種類の教育」の欠落について(県民生活部長)

Q 八子朋弘 議員(県民)

「男女共学その他の種類の教育」の欠落について伺いたいと思います。
苦情処理委員は県民生活部人権・男女共同参画課の所管です。この勧告は約20年前も出されておりまして、そのときの勧告文も読みましたけれども、そこには今回の欠落部分はしっかりと明記をされておりました。それなのに、なぜ今回の勧告文では欠落したのか。担当課は気付けなかったのだろうかと思うわけですけれども、県民生活部長にお伺いいたします。

A 島田繁 県民生活部長

当初の勧告書が作成されたときには、残念ながら担当課では気が付きませんでした。

苦情処理機関のあり方について(知事)

Q 八子朋弘 議員(県民)

今回のこの欠落を見つけられたのは、大野知事御自身であったと私は伺っております。苦情処理委員の単純なミスで終わらせていいのでしょうか。仮に欠落には恣意的な意図はなかったとしても、先ほどの事実誤認を拾った点といい、「その他の種類の教育」という重要な一言を落としていた点といい、私はお粗末過ぎるのではないかと思うわけです。
この委員の勧告を機に、別学か共学かという未来の子供たちの大切な高校生活のあり方が議論されてきました。また、教育委員会も、このために約1年間、膨大な時間と労力、費用をかけて議論してまいりました。この苦情処理機関のあり方について、知事の見解をお伺いしたいと思います。

A 大野元裕 知事

今回、修正部分につきましては、毎年作成をする報告書が私に提出された際に気が付いたものでありますけれども、私が修正の指示をしたということではなく、私から委員に対して、「男女共学」の後に続く「その他の種類の教育」が欠落していること、またこの条約第10条C項におきましては、「男女共学」等の推奨は手段で、その目的は男女の役割についての定型化された概念の撤廃でありますが、それにも関わらず、目的と手段が混同され、誤解されかねない書きぶりであると指摘をさせていただきました。これに対して、委員が自ら確認をし、修正をしたものであります。
この勧告書は男女別学校における「管理職の女性比率」、「教職員の女性比率」、「学科の偏向」等について問題点を掲げ、「共学化が早期に実現されるべき」との結論に至っております。
この修正は、あくまで、条文の和訳を忠実に記載し直したものであり、勧告書の結論に影響を及ぼすものとは考えていません。
このようなことを踏まえて申し上げますが、苦情処理委員はそれぞれの経験・専門等に秀でているということで、埼玉県男女共同参画推進条例に基づく第三者機関を構成していただいており、男女共同参画の視点から中立公平に職務を遂行していただいているものと考えております。

(3)管理職や教職員の数の格差の是正について(教育長)

Q 八子朋弘 議員(県民)

勧告の趣旨では、別学校における管理職や教職員の数の格差が指摘されておりますが、2月の定例会での松坂議員への答弁にあったように、これは令和6年度からでも取り組めることがあったと思います。直ちに取り組むべきであると考えるわけですが、今年度から改善したことがあるのかどうか、教育長にお伺いいたします。

A 日吉亨 教育長

まず、全日制高校の男子校の女性管理職の割合ですが、令和4年度の0パーセントから、令和6年度には25パーセントといたしました。
一方、全日制高校の女子校の女性管理職の割合は、令和4年度は32パーセントでしたが、令和6年度には36パーセントとしました。
したがって、男子校と女子校間の女性管理職の割合の差は、32ポイントから11ポイントに改善いたしました。

(4)男女別学校を維持すべき理由について(教育長)

男女別学校の役割、意義、成果について

Q 八子朋弘 議員(県民)

ここからは男女別学高校を維持すべきとの立場から、その理由を質問を通して示していきたいと思います。
まず初めに、男女別学高校の役割、意義、成果について伺いたいと思います。
県内にある男女別学高校が、これまでの長い歴史の中で埼玉の高校教育で果たしてきた役割、意義、成果について、教育長にお伺いいたします。

A 日吉亨 教育長

別学高校も含め、全ての県立高校では、これまでの歴史の中で、特色を生かした教育活動を行うことで、生徒の成長を支援し、社会に有為な人材を送り続けてきたものと考えております。

高額な私学助成から考える公立男女別学校の共学化について

Q 八子朋弘 議員(県民)

高額な私学助成から考える公立男女別学校の共学化について伺いたいと思います。
公費で別学はいかがなものかという意見がございます。調べてみますと、令和6年度予算ベースで私学助成は高校分だけで約322億円、少なくない税金が男女別学高校を含む私学にも助成をされております。それは、公的に支援すべき重要性があるからだと思います。このことから、公立の男女別学高校だけ狙い打ちにして共学化せよという勧告の内容はおかしいと考えるわけですが、教育長の見解をお伺いいたします。

A 日吉亨 教育長

私立学校について、お答えすることはできませんが、勧告につきましては、引き続き、県教育委員会において報告に向け対応をしてまいります。

公立高校の建学の精神について

Q 八子朋弘 議員(県民)

私学に関しては、建学の精神もあるので、それを尊重して別学も認めるとの考えがあるようですが、公立高校にも建学の精神はあり、尊重されてしかるべきです。今、明らかになったように、私学にも多額の公金が入っていること、そしてそもそも男女共同参画社会には公立も私立もないはずであることを考えると、公立、私立で分けて考えるべきでないと考えますが、教育長のお考えをお伺いいたします。

A 日吉亨 教育長

私立高校について、お答えすることはできませんが、県立高校における、男女共同参画の視点に立った教育につきましては、引き続き、推進してまいります。

学費面における多様な学校選択の保障について

Q 八子朋弘 議員(県民)

学費面における多様な学校選択の保障についてという観点からお伺いします。
万一、公立の男女別学校がなくなった場合、別学校に進学したいという希望者は、私学に進学するしか選択肢がなくなるわけですが、そうなると高い費用の問題が出てきます。私学は御承知のとおり入学金、授業料、施設整備費等々、公立に比べ高額な費用負担が求められます。つまり、私学助成があるとはいえ、経済的に余裕がないと進学できないということになります。果たして、それでいいのでしょうか。私は疑問であります。
県は、多様な学校選択を保障すべきであると思いますが、教育長はどうお考えになられますでしょうか。

A 日吉亨 教育長

現在、県教育委員会におきまして、勧告への報告について対応しているところでございます。
多様な学校選択の保障につきましては、高校教育に対するニーズを把握し、多様な教育課程を設定するなど、県立高校の特色化を図ることが重要であると認識をしております。

様々な希望を持つ中学生の多様な学校選択の保障について

Q 八子朋弘 議員(県民)

様々な希望を持つ中学生の多様な学校選択の保障について伺います。
中学生の中には、男女共学校で男女仲良く楽しい高校生活を送りたいと考える生徒もいるでしょう。一方で、様々な事情で男子だけ、女子だけで学びたい、異性の目を気にせず伸び伸びと高校生活を送りたいという生徒も確実に存在します。公教育が全て同じ共学、均質化ではなく、そのような希望を持つ中学生の受皿、選択肢を学費の心配をすることなく保障する意義は大きいと考えます。
また、私立高校は少子化が進む中で、今後、共学化の選択を選んでいく可能性が高いと見ています。そうなった場合、万一、公立の男女別学校がなくなると、中学生には男女共学校しか選択肢がなくなってしまいます。現に、視察した宮城県では2年前に男子校がなくなりました。
公教育だからこそ多様な学校選択を尊重すべきであると考えますが、教育長の見解を伺います。

A 日吉亨 教育長

県教育委員会として、多様な学校選択のニーズに対応できるよう、魅力ある県立高校づくりに引き続き、努めてまいります。

男女別学校を選択する理由の事例について

Q 八子朋弘 議員(県民)

次に、男女別学校を選択する理由の事例についてもう少し聞いていきたいんですけれども、異性の目を気にせず伸び伸びと学びたいと、そういう積極的な別学選択理由だけでなく、様々な事情があって異性が苦手という理由で別学を選択する事例も私、あると思っています。
先日放送されたNHKの特集でも、男子校の生徒が異性の目を気にして萎縮してしまうとか、あと、有識者からも共学の環境の方が性差を過剰に意識しているという意見も出ておられました。教育長、いかがでしょうか。

A 日吉亨 教育長

これまでの保護者からの意見聴取において、「異性を苦手とする子供にとって、学びやすい環境であることから別学校を選択した」とする意見もございました。

男女別学校の歴史や伝統の尊重について

Q 八子朋弘 議員(県民)

先ほども申し上げましたが、県内の別学12校は、男子校、女子校としてそれぞれ長い伝統、建学の精神、そしてそれに基づく校風をもって生徒を育んできています。長い年月を積み重ねて多くの関係者の不断の努力によってつくり上げられてきた歴史や伝統、目には見えないものの価値は、次世代にしっかりつなげていくべきものであると考えます。
一度失ってしまったら二度と取り戻すことはできません。そうした価値あるものを壊してまで共学化する必要があるのか、疑問であります。それは、共学化が男女共同参画の推進に資するとは必ずしも言えないと考えるからであります。
教育長は、この歴史や伝統の尊重についてどうお考えでしょうか、伺います。

A 日吉亨 教育長

全ての県立高校が築き上げてきた歴史や伝統は、大切なものの1つであると認識をしております。

男女別学校の教育的効果について

Q 八子朋弘 議員(県民)

男女別学高校を維持すべき理由の最後に、別学の方が教育的効果が高いという研究結果があることにも触れておきたいと思います。アメリカや韓国における研究結果では、別学の方が教育的効果が高く出るということが示されております。まだ研究の途上にあるとはいえ、このような結果があることについて、教育長の見解を伺います。

A 日吉亨 教育長

学校教育を進める上で、学術的な研究成果を踏まえることは重要であると認識をしております。
国内外の教育に関する研究成果に広く目を配り、より良い教育の実現を目指して取り組んでまいります。

(5)宮城県、栃木県の事例について(教育長)

Q 八子朋弘 議員(県民)

先ほども少し触れましたけれども、私たちの会派は、先月、共学化を行った宮城県、そして埼玉県同様、男女別学校が残る栃木県を視察してまいりました。
宮城県では、生徒も含め反対運動がある中、共学化を押し切った印象を持ちました。また、共学化から10年以上が経過した今もなお、旧女子校では女子の割合が9割近い高校を含め、全体として女子の比率が高い傾向にあることにも関心を持ちました。また、同窓会の関係者からは、共学化を受けて、男子特有あるいは女子特有の部活動の部員数が減り、活動が維持できなくなったり、共学になっても施設がそのままのため、これまでのように練習の時間が確保できなくなるといった弊害があるとも伺いました。
一方、栃木県では、共学化の方針を掲げながらも、各高校や地域の実情等に応じて行うとの方針を掲げ、丁寧に世論を見ながら進めていくとのことでありました。
他県の事例は大変参考になると思いますが、特に栃木県の丁寧な方針は傾聴に値すると思いますけれども、教育長の見解を伺います。

A 日吉亨 教育長

県教育委員会では、他県の状況について調査し、栃木県では、県民世論にも配慮しながら、各高校や地域の実情等に応じて、共学化を行ってきたと伺っています。
県といたしましては、今回の勧告に対する報告に向け、このような他県の状況等も参考にしつつ、対応してまいります。

(6)各校に対する意見聴取について(教育長)

男女別学校関係者に対する意見聴取について

Q 八子朋弘 議員(県民)

まず初めに、男女別学高校関係者に対する意見聴取について。
今年の1月より、県内全ての男女別学校関係者に対して順次意見聴取を実施していただきました。そこで得られた意見や結果をどう評価されておられますでしょうか、教育長に伺います。

A 日吉亨 教育長

関係者の皆様には御多用のところ、当日、お集まりいただきまして、感謝しております。
意見聴取の場では、貴重な御意見を多く頂き、関係者の方の学校に対する思いを感じているところです。
これらの意見を参考に、報告に向け、県教育委員会としてしっかり対応してまいります。

男女共学校関係者に対する意見聴取について

Q 八子朋弘 議員(県民)

次に、男女共学校関係者に対する意見聴取についても、その際得られた意見や結果はどう評価されておられるのか、教育長に伺います。

A 日吉亨 教育長

共学校の関係者の皆様につきましても、関係者の方には御多用のところ、当日、お集まりいただき、感謝しております。
意見聴取の場では、貴重な御意見を多く頂き、関係者の方の学校に対する思いを感じているところです。
これらの意見を参考に、報告に向け、県教育委員会としてしっかり対応してまいります。

(7)アンケートの結果について(教育長)

Q 八子朋弘 議員(県民)

県では、この問題に関して、これまで2種類のアンケート調査を実施いたしました。そのうちの一つ、中高生などを対象に県立高校の特色化に向けて実施したアンケートについては、先般、結果が公表されましたが、高校選びの観点として「別学か共学かを重視する」と回答した割合は、ほかの項目に比べると低い結果でありました。
ですが、私はこのアンケート結果で、「男女別学高校を重視する」を選んだ中学生が14.9パーセント、高校生が16.6パーセントもいたことに注目をしております。
というのも、男女共学校の数、男女共学校に学ぶ生徒が圧倒的に多い中で、これだけの数値が出ているということは無視できないと考えるからですが、その点についての教育長の見解を伺います。

A 日吉亨 教育長

このアンケートも含め、様々な御意見を参考に、勧告に対する報告に向け、対応してまいります。

(8)この問題に対するネット上のコメントや傾向について(教育長)

Q 八子朋弘 議員(県民)

本県の共学化をめぐる議論は、何か動きがあるたびに報道され、最近ではそれがネットニュースとして取り上げられることも多くなり、全国から、あるいは県教委実施のアンケート対象からは外れる埼玉県民からも多くの声が寄せられています。
主なコメントは、圧倒的多数が別学維持を支持している、今回の苦情のような理由での共学化は、多様化が進む中で逆行しているといったものであります。
栃木県教育委員会の視察で印象に残った言葉があります。それは、「県民世論を無視して進めることは難しい」であります。昨年も埼玉県議会が全国的な注目を集めましたけれども、その際は大きな世論の波が押し寄せたことは記憶に新しいところです。是非、世論がどこにあるのかしっかり見定めてほしいと思います。
教育委員会として、こうしたネットのコメントやその傾向を見たことがありますでしょうか、教育長にお伺いいたします。

A 日吉亨 教育長

報道等につきまして、県教育委員会としては、全てを把握しているわけではありませんが、できる限り情報収集には努めており、私自身もそれらに目を通すようにしているところでございます。
その中で、様々なコメントが寄せられているということは、承知をしております。

知事の所感について(知事)

Q 八子朋弘 議員(県民)

あるジャーナリストは、以下のように述べておられました。
男子だけ、女子だけで学びたいとすることが、具体的に誰のどんな権利を奪っているのか。これについては、例えば浦和高校に入りたいのに入れない女子がいる、浦和一女に入りたいのに入れない男子がいるという応答が考えられます。では、浦高に入りたい理由は何なのか、一女に入りたい理由は何か。その目的はほかの選択肢では達成できないのか、その目的を達成するために男子だけ、女子だけで学びたいとする人たちの権利を奪う正当性はあるのか、考えてみるべきである。
私は、そのとおりだと思いました。別学については需要もメリットもあり、共学化によって失われるものは大きいと考えます。そして、男女共同参画については、どのような教育をしたら男女共同参画社会になるのか、社会全体で考えていくべきであると思います。
私は、埼玉においては共学も別学も共存すべきであると思います。公立男女別学校の存在は、埼玉教育の特色でもあると思います。多くの子供たちが別学の維持を求めています。子供たちの希望に応えるのは、大人の責務です。
宮城県の共学化は、当時の浅野知事の肝煎りで進められたと語られることが多いですが、実際、御本人の講演会や宮城県を視察して分かりましたが、むしろ教育委員会主導で進められていたというふうに感じました。共学化の議論は、政治的な思惑やパワーバランスなどに左右されることなく、また、大人の価値観を押し付けることもなく、子供たちの意向こそ尊重すべきであると思います。
先日金曜日に放送されたNHKの特集、コメンテーターのある大学の先生は、埼玉県で東大に行きたい男子は浦高に行けばいいが、女子は東京の私立に行かなければならない。だから、差別ではないのかと発言をされておられました。
共学の大宮高校や女子高の浦和一女、川越女子からも東大に行く子もいます。この発言は事実誤認であるとともに、埼玉の公教育そのものや、埼玉県内の公立、私立を問わず、それぞれの学校で難関校を目指して頑張っているという全ての高校生に対して失礼極まりないものだと私は思いました。
最後に、これまでのやり取りを聞かれて、知事はどのように思われましたでしょうか。知事の所感をお伺いしたいと思います。

A 大野元裕 知事

これまでのやりとりを聞いての感想ということでございますが、議員にとっては消化不良という感情を抱かれたのであろうと、そういう印象を抱きました。県立高校共学化を含め、教育に関することについては、基本的に、教育委員会において決定をするものであります。
教育委員会での対応に影響を与えるようなお答えは私にもできませんが、あえて男女共同参画の観点から申し上げれば、性別にかかわらず、個人の能力と希望に応じた進学先の選択肢があることが重要であり、共学であれ別学であれ、男女の進学機会の均等が確保されていなければならないと感じています。
女子差別撤廃条約においては、女子に対する差別を撤廃するため「同一の教育課程、同一の試験、同一の水準の資格を有する教育職員並びに同一の質の学校施設及び設備」を提供すること、並びに「すべての段階及びあらゆる形態の教育における男女の役割についての定型化された概念の撤廃」などが求められています。
今後、高校入学者の減少が見込まれ、地域によっては定員の確保が困難となる学校もある中で、進学機会の均等を維持するためには、男女別学の是非のみならず、本県の各地域の特性も踏まえ高校教育の在り方を総合的に議論することが必要であり、そしてそれは今でなければならないのではないかと考えています。

2 特別支援学校の過密化、老朽化の解消について(教育長)

Q 八子朋弘 議員(県民)

私たちの会派が普遍の重要課題と考えているのが、公教育の充実です。特に、特別支援教育は大切と考えており、今年度に入ってからで言えば、和光南特別支援学校、川口特別支援学校及び県立盲学校である塙保己一学園を視察してまいりました。
和光南、川口の両特別支援学校は、過密化、老朽化が進んでおり、特別教室を普通教室に転用し教室を何とか確保しているものの、狭くて窮屈な教室でたくさんの子供たちが学んでおります。大変厳しい環境の中で教育が行われていることを改めて実感しました。
また、塙保己一学園を視察したときは体育館での授業を拝見しましたが、現在、体育館は雨漏りが発生しており、先生方がバケツで雨漏りを受ける様子や、できてしまった水たまりに対し懸命に床を拭きながら授業を行う様子を目の当たりにし、早急な対応が必要だと感じました。目に見える者には目で見て難を逃れることができますが、視覚障害を持つ生徒たちには、それが見えない。衝突やスリップ事故の危険性が高い状態にあります。今は先生方が献身的な作業でリスクを下げている状態です。
3校に限らず、一日も早く環境を改善しなければならないと考えます。埼玉県では、現在、令和4年度から6年度までの期間で、埼玉県特別支援教育推進計画に基づき、順次教育環境の改善に取り組んでいただいてはおりますが、先ほど申し上げた実態などを加味し、その流れを更に加速させていただきたいと思いますが、教育長の決意を伺います。

A 日吉亨 教育長

議員お話しの過密の状況は、特に県南部、県東部の知的障害特別支援学校でみられ、喫緊の課題であると重く受け止めております。
このため、県では、特別支援教育推進計画に基づき、新たな特別支援学校や高校内分校の設置など教育環境の改善を計画的に進めてまいりました。
また、令和8年度と令和10年度の供用開始を目指し、川口特別支援学校の校舎2棟を増築する予定としております。
一方、特別支援学校を含め、県立学校では、施設の老朽化が問題となっております。
このため、概ね30年を目途に大規模改修を行うとともに、体育館の雨漏り等、緊急に対応が必要な場合については、学校の教育活動に支障が生じないよう修繕を行っております。
現在、県では、令和6年度が終期となる特別支援教育推進計画の次期計画策定に向けて準備を進めております。
次期計画の中に具体的な過密対策を盛り込めるよう、今後の児童生徒数の推移を踏まえ、様々な方策を検討するとともに、大規模改修など計画的な老朽化対策を実施し、教育環境の改善に努めてまいります。

3 不登校をめぐる施策について(教育長)

(1)スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーの増員について

Q 八子朋弘 議員(県民)

現在、埼玉県では、総合的な不登校対策として国と県の費用でスクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーを、また、ボランティアでスチューデントサポーターを県内各校に派遣しておりますが、新型コロナウイルス感染拡大を機に不登校児童生徒の増加、特に小学校の不登校児童の増加割合が顕著となっております。この低年齢化の傾向に手を打たねば、その後、長期間にわたる不登校状態が続き、学業の遅れや進路選択上の不利益、社会的な自立が遠のくおそれがあり、早い段階での対策が有効だと考えられます。
しかしながら、現実は不登校児童生徒や困難な状況を抱える家庭に対する教育相談が、残念ながら追いついていません。小・中学校について更なる増員を求めたいと思います。
今年3月、教育委員会は児童生徒支援ガイドブックを作成し、学校がどのような対策を取ればいいのか、具体的な方策を示しました。この中にあるチーム学校による支援体制を機能させるためには、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーといった専門家の数が足りていないのではないでしょうか。
スクールカウンセラーの場合は予約が取りづらい状況、スクールソーシャルワーカーの場合は支援体制の構築がしづらい状況があると聞いております。増員について、教育長の見解を伺います。

A 日吉亨 教育長

近年、不登校児童生徒が増加する中で、一人一人に応じた支援を行うためには、教職員とともに、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーなどの専門職員が連携し、「チーム学校」として支援する体制の充実が必要と認識しております。
スクールカウンセラーなどの増員につきましては、令和5年度に小学校におけるスクールカウンセラーを、全体の8割の学校において、月1回の半日から、月1回の1日に配置の拡充をしたところでございます。
さらに、県では、配置したスクールカウンセラーなどの専門職員が、各学校において、より組織的かつ効果的に活用されるよう、本年3月に作成した児童生徒支援ガイドブックを配布し、校内の支援体制の点検を実施するよう働き掛けております。
今後の配置の拡充に向けては、教員と専門職員の役割分担の在り方や、組織的な活用の状況などについて検証し、配置拡充の効果が十分に上がっているかを見定める必要があると考えております。
現在、県では、そのような観点から、検証を進めているところであり、その結果を踏まえ、配置の在り方について、検討してまいります。

(2)管理職への研修について

Q 八子朋弘 議員(県民)

スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーの増員とともに、管理職の理解を深める取組もお願いしたいと思います。現場では最終的に管理職の判断が大きく影響します。
一方で、スクールカウンセラー等専門職の皆さんは会計年度任用職員という立場にあり、学校に対して改善点を言いづらいという状況もあるようです。チーム学校を機能させるために、管理職向け研修の充実も求めたいところですが、教育長の見解を伺います。

A 日吉亨 教育長

私も、校長を経験させていただきましたが、学校において組織的な支援を十分に機能させるためには、管理職が、専門職員の役割について十分に理解を深めた上で、専門職員の方と積極的にコミュニケーションを図るなど、マネジメントを的確に行うことが重要と考えております。
そこで県では、今年度から、チーム学校を機能させるための組織的な体制づくりや、学校外の支援機関との連携、専門職員の効果的な活用方法など、「児童生徒支援ガイドブック」の内容を踏まえた新任管理職研修を実施します。
また、その他の管理職に対しては、各種会議等において、同様の内容について周知してまいります。
引き続き、管理職を中心に、学校の不登校対策が一層組織的な対応となるよう、管理職向けの研修等を充実してまいります。

(3)不登校児童生徒の健康診断について

Q 八子朋弘 議員(県民)

学校保健安全法施行規則では、毎学年6月30日までに児童生徒の健康診断を行うよう規定されております。そのような中で、現在、不登校の児童生徒の多くが学校で行われている定期健康診断を受けられていないと伺っております。
学校では健康診断を受け損なった場合の予備日を設けていますが、不登校児童生徒はそもそも学校への登校自体が困難であるために、予備日も受診できていないケースがほとんどであります。予備日も受診ができない場合、児童生徒は個別に医療機関に出向き健康診断を受けることになりますが、その場合の対応は自治体によってばらつきがあると聞いております。
健康診断は子供たちの健康状態を確認するだけでなく、虐待の早期発見などの点からも極めて重要です。この問題は多くの自治体で共通しておりまして、より広域的な解決策として県全体で健診のための予算を確保したり県医師会との連携をお願いしたいところですが、教育長の見解を伺います。

A 日吉亨 教育長

議員お話しのとおり、不登校などで学校での健康診断を受診できなかった児童生徒への受診機会の確保は、児童生徒の健康を守る上で重要です。
学校では、不登校などで受診できない児童生徒の状況を把握し、必要に応じて、予備日での受診や、他の児童生徒と一緒にならないよう配慮した上での受診などについて、働き掛けているところです。
このように、受診できるよう努めておりますが、学校への登校が困難な児童生徒にとって、受診まで至らない場合もございます。
このような不登校児童生徒に対し、利用する教育支援センターでの受診や、指定の医療機関での心電図検査及び尿検査の受検など、保護者の費用負担が生じないで受診できるよう対応している市町村の事例がございます。
議員お話しの、県全体で受診するための予算を確保することについてでございますが、不登校児童生徒を含め、小・中学校における健康診断は、設置者である市町村において実施するものと考えております。
県では、学校の現状を把握した上で、不登校児童生徒の受診機会の確保につながる取組等を積極的に情報収集し、健康教育に関する説明会等で提供するなど、市町村を支援してまいります。
また、県医師会とも、この問題を共有し、不登校の子供たちが安心して受診できる環境づくりに取り組んでまいります。

4 社会保険労務士による学校における出前講座について(教育長)

(1)出前講座の意義について

Q 八子朋弘 議員(県民)

多くの人は学生が終わりますと働くことになります。そして、働いていく中でトラブルに巻き込まれたり、あるいは転職をするケースもあると思います。そんなとき、働いていく上でのルール、いわゆる労働法制を知っているかいないかで、場合によっては損をしてしまったり、また、なかなかトラブルが解決しないといったことも想定されます。
そこで、社会保険労務士会が提案している主に総合学習の時間を使った労働法制に関する出前講座を、中学生、高校生、特別支援学校生向けに積極的に展開してみてはどうかと思います。
高校生になると、アルバイトをする生徒も出てきます。卒業後、就職する生徒もいます。自分自身を守るという意味でも、専門家に働く上でのルールを教えていただくことの意義は大きいと考えますが、教育長のお考えを伺います。

A 日吉亨 教育長

議員お話しのとおり、働く者にとって、働いていく上でのルールである労働法制について学ぶことは、自分自身を守ることにつながるものと考えております。
中学校の社会科や、高校の公民科の授業においては、労働三法など労働法制に関する基本的な事項を学んでおります。
また、特別支援学校では、生徒の実態に応じ、授業において働く上での必要となる知識を学んでおります。
これらに加えて、労働法制の専門家である社会保険労務士の方から、出前講座で具体的な事例や、トラブルの対処法などについて直接教えていただくことも、生徒にとって理解を深める上で有効な方法の一つであると考えております。

(2)出前講座を増やしていく事について

Q 八子朋弘 議員(県民)

多くの人は学生が終わりますと働くことになります。そして、働いていく中でトラブルに巻き込まれたり、あるいは転職をするケースもあると思います。そんなとき、働いていく上でのルール、いわゆる労働法制を知っているかいないかで、場合によっては損をしてしまったり、また、なかなかトラブルが解決しないといったことも想定されます。
そこで、社会保険労務士会が提案している主に総合学習の時間を使った労働法制に関する出前講座を、中学生、高校生、特別支援学校生向けに積極的に展開してみてはどうかと思います。
高校生になると、アルバイトをする生徒も出てきます。卒業後、就職する生徒もいます。自分自身を守るという意味でも、専門家に働く上でのルールを教えていただくことの意義は大きいと考えますが、教育長のお考えを伺います。

A 日吉亨 教育長

議員お話しのとおり、働く者にとって、働いていく上でのルールである労働法制について学ぶことは、自分自身を守ることにつながるものと考えております。
中学校の社会科や、高校の公民科の授業においては、労働三法など労働法制に関する基本的な事項を学んでおります。
また、特別支援学校では、生徒の実態に応じ、授業において働く上での必要となる知識を学んでおります。
これらに加えて、労働法制の専門家である社会保険労務士の方から、出前講座で具体的な事例や、トラブルの対処法などについて直接教えていただくことも、生徒にとって理解を深める上で有効な方法の一つであると考えております。

5 地元問題

(1)富士見上南畑地区産業団地の進捗状況について(公営企業管理者)

Q 八子朋弘 議員(県民)

ららぽーと富士見の富士見川越バイパスを挟んで向かい側に建設される富士見上南畑地区産業団地は、昨年からいよいよ工事が始まり、富士見市民の期待も高まってきております。
進出する企業も内定しているとのことでございますが、現在の工事の状況と今後の見通しについて、公営企業管理者に伺います。

A 坂東博之 公営企業管理者

富士見上南畑地区産業団地は、施行面積約19ヘクタールを総事業費 124億円で、令和元年度から6年間をかけて整備する事業でございます。
工事の状況ですが、本団地の整備に当たっては、富士見市から浸水対策や公園の整備などについて様々な要望を頂いており、関係機関と協議を重ねてまいりました。
現在、協議が調いました調節池の工事に着手しており、工事全体の進捗率は、発注額ベースで約63パーセントとなっております。
次に、今後の見通しについてでございます。
立地企業の募集では、約14ヘクタールの分譲地に対し、17者から面積で2倍以上の応募があり、現在、4者を内定いたしました。
内定企業へは、敷地への出入口や上下水道の設置位置等の意向を確認しているところでございます。
今後、関係機関や内定企業との協議が調い次第、残りの地区内の道路や公園などの工事を行うとともに、引渡しに向け分譲地を整備してまいります。
引き続き、地元富士見市と協力し、早期に工事が完成するよう努めてまいります。

(2)水谷調節池の進捗状況について(県土整備部長)

Q 八子朋弘 議員(県民)

柳瀬川が増水した際、川の水を一時的に貯留するため、水谷東小学校に隣接するエリアに調節池の建設が進んでおります。令和2年から工事がスタートし、現在4年が経過をいたしました。富士見市水谷東地域の安心・安全のために、早期の完成が待たれます。
工事の現状と今後の見通しについて、県土整備部長にお伺いいたします。

A 吉澤隆 県土整備部長

柳瀬川で整備している水谷調節池は、新河岸川の合流点から約1.6キロメートルの左岸に位置し、面積約4.6ヘクタール、洪水調節容量約7万立方メートルの調節池でございます。
これまでに用地取得が完了し、現在は軟弱地盤対策や越流堤の工事を進めております。
令和6年度は、調節池の周りを囲む堤防の工事や池の掘削工事を行い、令和7年度末の完成を目指してまいります。

(3)国道254号バイパスの全線開通に向けた見通しについて(県土整備部長)

和光富士見バイパスの進捗状況と今後の見通しについて

Q 八子朋弘 議員(県民)

まず一つ目、和光富士見バイパスの進捗状況と今後の見通しについてです。
昨年7月、志木市役所前を通る県道さいたま東村山線から国道463号と交差する下南畑交差点までの区間が開通し、残すところを2.9キロとなりました。全線開通により、先ほど質問した上南畑産業団地の価値は一層高まり、富士見市民の東京方面への利便性も格段に向上します。
和光富士見バイパスにおける朝霞市内の県道朝霞蕨線から志木市内の県道さいたま東村山線までの残りの区間の進捗状況と今後の見通しを県土整備部長にお伺いいたします。

A 吉澤隆 県土整備部長

和光富士見バイパスにつきましては、延長約6.9キロメートルの内、約4キロメートルがすでに供用開始しております。
残る、県道朝霞蕨線から県道さいたま東村山線までの約2.9キロメートル区間につきましては、用地買収率が95パーセントとなっております。
令和6年度は、樹木伐採工事や整地工事を実施してまいります。
今後も、残る用地の取得に努めるとともに、順次、工事を推進してまいります。

和光バイパスの進捗状況と今後の見通しについて

Q 八子朋弘 議員(県民)

和光市内の県道の練馬川口線から外環道までの和光バイパス区間1.6キロの状況についても、県土整備部長にお伺いします。

A 吉澤隆 県土整備部長

県道練馬川口線から外環道までの和光バイパス約1.6キロメートル区間につきましては、これまでに、路線測量が完了しております。
バイパスに必要な用地の多くは、和光北インター東部地区土地区画整理事業の中で確保することとしており、令和6年2月には土地区画整理組合と費用負担に関する覚書を締結したところでございます。
令和6年度は道路の予備設計や地質調査を行ってまいります。
今後とも、地元の皆様の御理解、御協力を頂きながら土地区画整理事業と連携し、事業を推進してまいります。

(4)都市計画道路水子鶴馬通線の進捗状況について(県土整備部長)

Q 八子朋弘 議員(県民)

県道ふじみ野朝霞線の振替道路となります都市計画道路水子鶴馬通線、国道463号から性蓮寺の脇を通り、東みずほ台に抜けるこの道は、現道の渋滞緩和、通学路の安全対策といった観点からも、早期の完成が待たれます。
事業区間の現在の進捗状況と今後の見通しを県土整備部長にお伺いいたします。

A 吉澤隆 県土整備部長

都市計画道路水子鶴馬通線は、国道463号から富士見市中心部へ至る、延長約3キロメートルの道路です。
このうち、国道463号から水谷一丁目交差点までの720メートル区間について、県道ふじみ野朝霞線のバイパスとして、整備を進めております。
事業区間の進捗状況でございますが、令和4年度から用地取得を進め、現在、用地買収率は34パーセントとなっております。
令和6年度は、用地の取得に努めると共に、取得した用地の埋蔵文化財の調査を進めてまいります。
今後とも、地元の皆様の御理解、御協力をいただきながら、残る用地の取得に努めるなど、事業を推進してまいります。