1 埼玉版スーパー・シティプロジェクトと移住促進について

(1)埼玉版スーパー・シティプロジェクトについて(知事)

Q 松坂喜浩 議員(県民)

初めに、私は今まで高齢化や人口減少社会の対応策の一つとして、地方創生と移住促進について質問、提言を行ってきました。今回の質問においても、この2点について質問をさせていただきます。
まず、地方創生の要となる埼玉版スーパー・シティプロジェクトについてお伺いいたします。
市町村の持続可能なまちづくりを支援する埼玉版スーパー・シティプロジェクトに本年度新たに17市町がエントリーをし、プロジェクトに取り組む市町は46となりました。一方で、現在、未エントリーの17市町村もプロジェクトに取り組む意向があると伺っております。エントリー団体のうち、地域まちづくり計画を策定した団体は具体的な事業に取り組んでおりますが、まちづくりそのものの成果は10年、20年を要することから、その実効性を確保するために未エントリー団体を早期にエントリーできるよう促していただきたいと考えます。
現在、エントリーに向けて庁内調整を行っている団体や、立地適正化計画の策定に合わせたエントリーを予定している団体があると伺っております。団体が抱える地域の課題、その課題の原因は様々であり、将来的な事情を正確に予想することは困難でもあります。そのことで、エントリーまで時間を要してしまう団体もあるのではないかと考えます。
そこで、未エントリー団体に対して早期のエントリーを促すため、県が市町村に対してきめ細やかな寄り添った支援が必要と考えますが、県としてどのように対応していくのか、大野知事の見解をお伺いします。
あわせて、スーパー・シティプロジェクトは県の事業であり、進捗管理を市町村に任せるのではなく、県としてしっかり進捗管理すべきと考えますが、併せて大野知事の見解をお伺いいたします。

A 大野元裕 知事

まず、「埼玉版スーパー・シティプロジェクトと移住促進について」のお尋ねのうち、「埼玉版スーパー・シティプロジェクトについて」の未エントリー団体に対する支援についてでございます。
今年度当初に県が実施した各市町村へのアンケートでは、未エントリー団体におけるプロジェクトに取り組む上での主な課題として、進め方や適切な取組が分からないなどの「ノウハウ不足」のほか、「職員不足」、「財源不足」が挙げられています。
「ノウハウ不足」や「職員不足」に対する支援として、県では、市町村を個別に訪問し、都市整備の手法に関する技術面での助言・提案を含め、まちづくりの構想段階から市町村の支援に取り組んでおります。
また、民間企業等のノウハウを市町村のまちづくりに生かせるよう、「市町村と企業等との交流会」や「ガバメントピッチ」などの取組により、市町村と企業等とのマッチングを支援しております。
「財源の不足」に対する支援としては、令和4年度に補助制度を創設し、市町村による事業化に向けた調査・検討やまちづくりに関するソフト・ハード事業の実施等を支援してまいりました。
これに加え、令和6年度当初予算案においては、既にエントリーした団体の事業傾向を踏まえ、利用しやすいスキームを盛り込むこととし、プロジェクトを加速させる新たな市町村支援として、高齢者や子供を地域で見守るコンパクトなまちづくりを進めるための認知症高齢者グループホーム等や子供支援活動拠点の整備などに対する補助制度を創設するほか、市町村事業と連携することにより相乗効果が期待できる、県道や水辺の整備などの県事業を実施することといたしております。
これらの支援を通じ、各市町村が取り組みやすい環境を可能な限り整備し、プロジェクトへの早期エントリーを促進してまいります。
次に、プロジェクトの進捗管理についてであります。
県では、エントリー市町村ごとに、庁内の関係課で構成する「市町村事業化支援チーム」をオーダーメイドで編成をし、市町村の取組の具体化を支援するとともに、プロジェクトが県の基本的な考え方に沿って進められているかについて、常に確認を行っております。
また、地域の実情に応じて市町村ごとの取組内容が大きく異なることから、県では、市町村が地域まちづくり計画を策定する際に、評価指標を設定していただくこととしており、具体的な指標の例もお示しをしているところでございます。
その達成状況については、各市町村において毎年度自らが評価していただくとともに、県としては、その評価結果等を市町村と共に分析しながら、改善策等について助言・提案を行うことといたしております。こうした取組により、プロジェクトに取り組む市町村のまちづくりが目標に向かって着実に進むよう、県として支援を行うとともに、進捗管理を行ってまいります。

(2)移住促進について(企画財政部長)

Q 松坂喜浩 議員(県民)

総務省は昨年11月、移住促進都道府県と市町村が令和4年度に受け付けた移住に関する相談が37万332件だったと発表いたしました。その要因の一つとして、コロナ禍をきっかけとしたテレワークの普及で東京圏で働きながら地方に住む、転職なき移住への関心が高まってきていることがうかがえます。
その移住に関する相談件数ですが、全国41都道府県で増加したものの、上位10位に埼玉県は残念ながら入っていませんでした。しかし、埼玉県内の状況を見ますと、令和4年度に受けた移住相談数は3,777件で、過去最多を更新しております。順位も小川町、秩父市、飯能市と続き、その順番は定位置となっております。この上位自治体は、単に市町村を紹介するだけでなく、地域を知ってもらう入口として移住セミナーのテーマを工夫したり、特に農業を取り入れたり、地域と関わる関係人口を増やそうと力を入れてきた自治体が結果を出してきているかと考えられます。
そういった成功事例の下に、県央西北部のような若年層の転出超過数が多い地域へ他県の成功事例等を研究していただき、支援していくことが必要と考えますが、企画財政部長の見解をお伺いいたします。

A 中山貴洋 企画財政部長

コロナ禍を契機とした地方移住への関心が高まる中、移住相談や移住実績の高い市町村ではそれぞれ特色ある取組を進めております。
例えば、小川町では元料亭を改修した専用の相談窓口や石蔵を活用したコワーキングスペースの設置など、工夫を凝らした施策を展開しております。
一方で、専門の部署がないなど、移住の取組は市町村によって温度差があるのが実情でございます。
こうした中、議員御指摘のとおり他県の成功事例などを研究し、その成果を横展開することは重要であり、県の役割でもございます。
今年度、本県の特徴を踏まえて他県の先進事例を分析した結果、民間との連携体制の構築や複数市町村によるエリア単位での取組に大きな成果が期待できると考えました。
このため、県では、令和6年度に、新たに県、市町村、民間事業者を構成員とする協議会を立ち上げることとしております。
この協議会では地域別や世代別の転出入の状況などを共有するとともに、今後の移住・定住施策の方向性を議論した上で、適切な役割分担に基づくエリア単位での効果的な取組などを実施していく予定でございます。
今後も県内外の成功事例の研究を積み重ね、地域毎の特徴や強みを生かした施策が展開できるよう市町村の移住・定住の取組を積極的に支援してまいります。

2 埼玉県立高校の共学化について(教育長)

Q 松坂喜浩 議員(県民)

埼玉県立の男子高校が女子が女子であることを理由に入学を拒んでいること、女子の入学は当然認めるべきであり、女子差別撤廃条約に違反している事態は是正されるべきと、令和4年4月12日付けの苦情の申出から埼玉県男女共同参画苦情処理委員の合議によりまして、昨年8月30日に埼玉県教育委員会教育長宛てに勧告を行いました。その勧告の趣旨として、男女別学は男女差別撤廃条約上、男女別学であることだけでは条約違反とされていないものの、男女共学での教育が奨励されており、男女の役割についての定型化された概念の撤廃が求められること。また、埼玉県立高校の男女別学校における管理職や教職員の格差における問題が浮き彫りになっていることは明らかであり、共学化が早期に実現されるべきとしております。
遡ること平成14年3月28日における苦情処理委員の勧告の趣旨では、高校生活の3年間を一方の性に限ることは人格形成からも、男女共同参画社会づくりの観点からも問題である。高校生という多感な時期に異性と真剣に向き合い、共に協力し合って問題を解決していく体験こそ重要である。公立の高校として男女の性差にとらわれることなく、個人の能力、個性を発揮していくため、男女別学校の共学化を早期に実現する必要があるという、男女共学の必要性を訴えたものに対しまして、県教育委員会の報告は、将来にわたって共学化を進めていくという立場に立ちながらも、本県の数少ない別学校は多くの県民の強い支持があること。各学校の主体性を尊重する必要があることなどから、早期に共学化を実現するという結論には至らなかったというものでありました。
それから早くも22年が経過しましたけれども、今回の勧告を踏まえ、マスコミが様々な観点から記事として取り上げられております。男女共同参画自体は正しいことでありますが、それを実現するための公立高校共学化というのには疑問を感じます。別学を希望する生徒も多く、その受け皿も必要であることから、私はこのたびの提出された勧告に反対する一人として、まずは埼玉県立高校の管理職や教職員の格差等については県教育行政の問題であり、今回の共学とは趣旨が異なるものと考えます。
このことを踏まえ、以下、現在の埼玉県立高校の状況について、教育長に伺います。
1点目、令和4年度の管理職数についてであります。男子校では、女子管理職数の割合が0パーセント、女子高では女子管理職の割合が32パーセント、県立高校全体における女子管理職の割合は14.3パーセントとなっておりますが、男子校での女子管理職の割合が0パーセントという実態をどう捉えているのかお伺いいたします。
2点目、教職員数についてであります。男子校では女子教職員数の割合が21.4パーセント、女子校では49.1パーセントとなっております。男子校と女子校の女子教員数の割合に2倍以上の差が生じていることに対し、それをどう捉えているかお伺いいたします。
3点目、男子校における管理職、特に校長及び教頭の女性割合を増加させることについて、どのように考えているのかお伺いをします。
4点目、本勧告書では男女別学は男女差別撤廃条約上、男女別学であることだけでは条約違反とされていないものの、男女共学での教育が推奨されており、男女の役割についての定型化された概念の撤廃が求められるとされておりますが、共学化すれば、その概念が撤廃されるという捉え方はいかがかと考えますが、見解をお伺いいたします。
5点目、男女別学校の近隣に共学校が存在することから、共学化については地域要件も大きな要素の一つとして考え、別学制も選択肢として存続させることが望ましいと考えますが、見解をお伺いいたします。

A 日吉亨 教育長

まず、男子校での女性管理職の割合が0パーセントという実態をどう捉えているのかについてでございます。
県立学校の管理職につきましては、管理職としてのリーダーシップや管理・運営能力、実績等を重視し、適材を適所に配置することを基本方針としております。
現在、県では、女性管理職の積極的な登用に努めているところですが、令和4年度の男子校の女性管理職が0パーセントであったことから、今後、改善の余地があるものと捉えております。
次に、男子校と女子校の女性教職員の割合に2倍以上の差が生じていることに対し、それをどう捉えているのか、についてでございます。
教職員の人事異動につきましては、教職員人事異動方針に基づき、教職員の性別、年齢、教科等の構成の均衡に配慮しながら実施しております。
その際、校長の経営方針や教職員の希望なども考慮しており、教職員の男女の割合は、学校により異なりますが、均衡を図っていく必要があるものと捉えております。
次に、男子校における管理職、特に校長及び教頭の女性割合を増加させることについてでございます。
女性管理職の登用につきましては、教育委員会として積極的に推進していく必要があると認識しております。
男子校の女性管理職については、令和5年度に、事務部長1名を配置しておりますが、校長及び教頭の配置を含め、改善すべきものと考えており、積極的な登用に努めてまいります。
次に、共学化すれば、「男女の役割についての定型化された概念」が撤廃されるという捉え方についてでございます。
女子差別撤廃条約第10条では、「すべての段階及びあらゆる形態の教育における男女の役割についての定型化された概念の撤廃を、この目的の達成を助長する男女共学その他の種類の教育を奨励することにより、また、特に、教材用図書及び指導計画を改訂すること並びに指導方法を調整することにより行うこと。」と規定されています。
このことから、「共学化しなければ、男女の役割についての定型化された概念が撤廃されない」とまでは言っているものではないと、捉えております。
次に、共学化については地域要件も大きな要素の一つと考え、別学制も選択肢として存続させることについてでございます。
現在、県立高校の中には、男女別学校が12校ございます。
今回の勧告では、「中学生も含めた県民全体の意識調査を行うなどの積極的、主体的な取組が必要である」と指摘されていることも踏まえ、様々な意見を丁寧に伺うことも必要と考えております。
今後の県立高校の在り方について、これらの意見も参考にしつつ、責任をもって、検討してまいります。

3 障害者支援について

(1)発達障害児への支援について(福祉部長、総務部長)

Q 松坂喜浩 議員(県民)

令和4年2月定例会において、早めの気付きがより良い支援の第一歩、早期支援を充実させるためには気付きを支援につなげる相談体制や支援体制が幼少期から求められる中で、各自治体で助産師、保健師による発育・発達相談が実施されていますが、現実は県内自治体でまちまちなのが現実だと話させていただきました。
自閉症を含む発達障害は、できる限り早期に発見し、適切な支援につなげていくことは言うまでもございません。1歳6か月及び3歳児を対象とした健康診査で発達障害の早期発見に留意するだけでなく、身近な保護者や周囲の方が正確な知識の下に早い時期から気付くことが重要であり、県内の保健センターにて発達障害に関する対応能力のレベルアップを図るため、研修動画を編集し、発達障害の早期発見、切れ目のない支援の充実に取り組んできたかと思いますが、その成果はいかがであったか、少し心配な部分もあります。
発達障害の中には、注意欠陥多動性障害など3歳児の健康診査の後、保育園、幼稚園などの集団生活の中で問題が明らかとなる場合があります。このため、保育園、幼稚園などにおいて的確に気付き、保健指導につなげていくことが重要と考えます。
一部自治体では5歳児を対象とした健康診査、発達相談を実施されているところもあり、その取組が期待もされます。発達障害と思われる子供への対応の遅れによっては、二次的な障害にもつながり、生徒指導上の問題やいじめ、不登校、虐待など様々な問題に直結することなどで重要な視点でもあると思います。
そこで、以下、発達障害児支援について伺います。
1点目として、サポート手帳は継続的な支援を行っていくために必要なツールでありますが、現場の方から十分に利用されていないと伺っております。この点について改善が必要と考えますが、福祉部長に見解をお伺いいたします。
2点目として、精神障害者保健福祉手帳及び療育手帳の取得に至らずとも、専門家の判断により特別な配慮を必要とする子供たちを支援する体制づくりが必要と考えますが、いかがでしょうか。同じく福祉部長に見解をお伺いいたします。
3点目として、2点目と同じく特別な配慮を必要とする子供たちを受け入れる幼稚園への支援や、保育園に対する加配措置も必要と考えます。総務部長及び福祉部長に見解をお伺いいたします。

A 金子直史 福祉部長

サポート手帳は乳幼児期から成人期までのライフステージを通して、障害の特性や支援内容を記録し、福祉、医療、保健、教育、就労等の関係機関が情報を共有し、一貫した支援をするためのツールです。
家族だけでなく支援に携わる方々に活用していただく必要があり、保育士や幼稚園教諭等対象に利用方法等の研修を実施してまいりました。
サポート手帳については「児童が小学校に上がる時などライフステージが変わる際に、より正確かつ詳細な引継ぎが行える」などの声を伺っており、発達障害児が成人期まで、より良い支援を受けるためのとても有効なツールとなっております。
今後、サポート手帳の意義や効果を保育所や幼稚園、小学校、福祉施設、医療機関などの関係機関に改めて周知し、現場でなおより一層利用いただけるよう取り組んでまいります。
次に、精神保健福祉手帳等の取得に至らない子供たちへの支援体制づくりについてでございます。
県では、精神保健福祉手帳や療育手帳の有無に関わらず、特別な配慮を必要とする子供に早期に気付き、その特性に応じた支援ができるよう、保育士や幼稚園教諭、小学校教諭等を対象とした研修を実施し、毎年度1,600人を超える方に受講いただいております。
また、県が設置している9カ所の地域療育センターでは、こうした子供たちに対して、作業療法士等の専門職による療育や親への支援等を行っています。
地域療育センターでは、毎年度、延べ8,000人以上の方にご利用いただいており、利用者からは、「感情のコントロールが苦手だった子供が、落ち着いて対応できるようになってきた」などの声をいただいています。
今後とも、精神保健福祉手帳等の取得の有無に関わらず、特別な配慮を必要とする子供たちが適切な支援を受け、その可能性を伸ばすことができるよう支援体制の強化に取り組んでまいります。
次に、特別な配慮を必要とする子供たちを受け入れる、保育園に対する加配措置についてでございます。
本県では、保育所等において、障害児の心身の発達の特性に応じた保育を安定的に実施できるよう、障害児を担当する保育士を加配する場合には、県独自の補助事業を行っております。
具体的には、政令市、中核市を除く市町村に対し、保育所等で障害児3人につき保育士1人を加配した場合に係る経費を補助しております。
一方、障害児保育の加配に係る経費については、保育の実施主体である市町村に対し、国から地方交付税として財源措置がされております。
障害児の範囲は、重度障害児から発達障害の可能性がある、いわゆる気になる子までとされており、各市町村が保育所等の実情に応じて保育士の加配に係る事業を実施することとなっております。
現在、県内でこの財源を活用した加配を行っている市町村は、46市町となっております。
県といたしましては、全ての市町村で障害児への加配がしっかりと行われるよう、着実な実施及び更なる充実を働き掛けてまいります。

A 三須康男 総務部長

特別な配慮を必要とする子供たちを適切に支援していくためには、議員お話のように周囲がその特性に早期に気づいてあげることが、まず何よりも大事です。
幼稚園の役割も重要になってきます。
本県の私立幼稚園でも、例えばプレ保育の機会を有効に活用する、教職員間で指導方法を統一するなど、それぞれの園が工夫を加えながら障害のある子供たちを受け入れております。
県としても、こうした取組を多くの園に情報共有するほか、特別支援教育費補助金によって、追加の人件費などを支援しています。
また、きめ細かなチーム保育を実施する幼稚園に対しては運営費補助金の加算も行っております。
近年、幼稚園の現場からは、教職員や保護者が子供の発達について正しく理解し、保育面での不安を解消できるよう専門的な第三者の見解を望む声を多くいただいております。
令和6年度予算案では、「子供の発達カウンセリング支援事業」を新たに立ち上げ、心理士や作業療法士など知見のある専門家に定期的な助言を求める幼稚園に対して補助を行うこととしています。
今後も、特別な配慮を必要とする子供たちができるだけ多くの幼稚園で集団生活を送ることができるよう、丁寧にサポートしてまいります。

(2)生活介護事業所への支援について(福祉部長)

Q 松坂喜浩 議員(県民)

この件に関し類似する質問を度々行ってきましたが、慢性的な医療的ケアが必要な高等部卒業生を受け入れてくれる事業所不足を何とか改善できないか、保護者団体から引き続き要望が寄せられ、また、施設整備補助が受けられず、資金繰りに苦労されている事業者からも改善要望が寄せられております。
まずは、医療的ケア児者受入設備整備事業についてであります。生活介護事業所で医療的ケア児を新たに受け入れる場合、県と市町村で設備補助をしております。補助内容といたしましては、ベッドや間仕切りなどの設備や医療キットなどの備品を事業所が設置又は購入する場合と限られておりますが、その備品の項目については事業者の裁量である程度幅を持たせてはいかがでしょうか。福祉部長の見解をお伺いいたします。
また、18歳以上の障害支援区分について、最も重度とされる区分6については重症度の高い方の中でも障害の状態が様々であります。特別なケアが必要な重症度の高い方の受け入れを断られることもあり、事業所が不足していることを感じております。この問題を解消するには、重症度が高い方を受け入れる事業所の報酬を手厚くするなど、報酬に差をつけることが必要だと考えますが、福祉部長の見解をお伺いいたします。

A 金子直史 福祉部長

医療的ケア児者受入設備整備事業は、喀痰吸引等を必要とする障害児者が地域で安心して生活できる体制を整備することを目的として、令和元年度から実施しております。
この事業は、市町村が実施主体であり、補助金の対象は、新たに事業所で受け入れる医療的ケア児者が必要とする設備や備品であり、消耗品は対象外となっております。
設備や備品については、ベッドや間仕切り、医療キット等の例示をしておりますが、項目を特定しているわけではなく、市町村で疑義が生じた場合は、市町村からの相談に応じて、適宜、必要性等を確認しながら柔軟に対応しています。
次に、「重症度が高い方を受け入れる事業所の報酬について」でございます。
議員お話しのとおり、最も重度の障害支援区分6については、医療的ケアが必要な方や強度行動障害の方など障害の特性が多様となっているため、幅が広くなっており、事業所は人員配置を厚くするなどの対応が必要となります。
障害福祉サービスの提供においては、基本報酬に加えて、重度障害者に対する手厚い支援体制が整えられている場合などに、その内容に応じた加算制度がございます。
例えば、生活介護事業所においては、人員基準を超えて生活支援員や看護職員を配置した場合など、重度障害者を受け入れるための体制整備を行うと重度障害者支援加算の対象となります。
さらに、令和6年度の障害福祉サービス報酬の改定では、生活介護事業所において新たに入浴支援加算や喀痰吸引等実施加算の創設、常勤看護職員等配置加算などの拡充が予定されております。
県といたしましては、こうした情報を各事業者に周知するとともに、各事業者がこれらの加算を確実に取得できるように、研修や実地指導などの機会を通じまして丁寧に支援してまいります。

(3)精神障害者保健福祉手帳2級所持者の医療費無償化について(保健医療部長)

Q 松坂喜浩 議員(県民)

令和2年7月、埼玉県精神障害者家族連合会は、精神障害者保健福祉手帳2級の患者を県と市町村が実施する重度心身障害者医療費助成の対象にし、医療費の負担をなくすよう求める8,000人余りの署名を県に提出いたしました。これは3つの障害、すなわち知的障害、身体障害、精神障害がある中で、2級や中度の医療費が健常者と同じ3割負担なのは精神障害者だけであり、他の障害者の扱いに近づけることを求めたものであります。
精神障害者は、ストレスの耐性や副作用のある薬を長期にわたって服用する必要から、精神科以外の病気にもかかりやすくなります。さらに、精神障害者保健福祉手帳2級所持者の多くは、生活できる収入の得られる仕事に就くことが難しく、経済的に苦しい世帯が多いのが実情であります。このことは、家族会が行った精神障害者の収入実態調査で、年収100万円未満の方が75パーセントを占め、生活困窮者が多いことが明らかになり、高騰する物価の中で医療費負担は更に大変になっています。
平成30年12月定例会で、精神障害者保健福祉手帳2級所持者にまで対象拡大を求める請願が採択され、また、令和3年9月定例会で精神障害者保健福祉手帳2級所持者まで対象を拡大し、医療費の自己負担が大きい障害者を支援する必要がある。本県議会では精神障害者の経済的基盤確立の促進を図るため、県において対象拡大の検討を行う措置を講じるよう強く求める旨の決議がなされました。
県が重度心身障害者医療費助成制度の対象拡大の請願を受けてから5年が過ぎましたので、できるだけ早い時期に具体化し、県として助成制度の拡大を行うことを決定し、助成対象拡大を実施する市町村を支援していただきたいと考えますが、保健医療部長の見解をお伺いします。

A 表久仁和 保健医療部長

重度心身障害者への医療費助成については、令和3年に助成制度の対象拡大について検討を行うこと及び検討にあたっては実施主体である市町村の意見をよく聞くことを求める県議会の決議がございました。
そこで、令和4年度に有識者会議を立ち上げ、助成対象拡大に伴う財政負担などの課題について検討を開始いたしました。
有識者会議における現時点での試算では、現在の精神障害者保健福祉手帳1級を対象とした県の事業費約2億円に対し、2級を対象に加えた場合には約13億円増加し、約15億円が必要となります。
助成対象を拡大した場合には、実施主体である市町村の新たな財政負担も生じます。
今後、市町村の意向もしっかり確認した上で、制度の持続可能性を考慮しながら、国に対して制度創設の要望を継続するとともに、助成対象拡大を検討してまいります。

4 がん対策について

(1)がん患者の雇用支援について(知事)

Q 松坂喜浩 議員(県民)

がん患者の雇用支援についてお伺いいたします。
国立がん研究センターの推計で、日本人が生涯でがんと診断される確立は2人に1人とされております。また、20代から60代の就労年代の3人に1人はがんにり患する状況にあると言われております。
がん治療の発達により、通院での治療を必要とする患者が増えております。今後は経済的な問題だけでなく、生きる意欲を持ち続けるためにも、がん治療と仕事の両立を支援することが必要であります。そのためには、がん治療のために離職してしまった労働者が再度就業しやすい環境整備が必要であり、東京都のようながん患者を新規に雇用した事業者に奨励金を支給するなどの再就職に向けた対策が必要と考えます。
私は、昨年の予算特別委員会でも同様の質問をしましたが、答弁として奨励金の創設については財政負担という課題もあることから、がん患者が治療と仕事を両立できるような就業環境の整備を行うため、企業にアドバイザーを派遣させていただく制度を設けているとありました。この制度がどれほど活用されているのか疑問があるところではありますが、私が調査したところ、やはり仕事と治療の両立を図るために環境整備に対する奨励金が一定の効果があるものと考えます。大野知事の見解をお伺いいたします。

A 大野元裕 知事

次に、「がん対策について」のお尋ねのうち、「がん患者の雇用支援について」でございます。
医療技術の進歩や医療提供体制の整備等により、がんは長く付き合う病気に変わりつつあり、働きながら通院している方も少なくありません。
しかしながら、県内企業からは、依然として通院、治療などの事情がある人の雇用を敬遠する声が多く聞かれます。
そのため、昨年3月の予算特別委員会では、まずは、がん患者が一定の配慮の下で働けることについて、企業の理解を促進していきたい旨を答弁させていただきました。
現在、埼玉労働局と連携し、各ハローワークや企業人材サポートデスクにおいて、各企業に対し、治療と仕事の両立への理解を啓発するとともに、就労上の配慮などに関する個別の相談に応じております。
加えて、来年度は新たに、難病患者の雇用を促進する専任のアドバイザーを配置して企業への働き掛けを強化することといたしており、がん患者を含めた就労に制限のある方の雇用上の課題についても調査をしてまいります。
他方、御質問の奨励金などの財政支援制度につきましては、既に制度を設けている東京都及び福岡県の実状について調査をしたところですが、両都県とも当初の想定より実績が上がっていないため、補助対象企業の見直しや周知方法の改善に取り組んでいるところだと聞いております。
今後は、他県の制度の効果を注視するとともに、就労時の計画書や医師の意見書といった申請手続の負担など、制度設計上の課題等 について更に研究してまいりたいと思っております。

(2)医療用ウィッグや乳房補正具等の購入費用に対する助成について(保健医療部長)

Q 松坂喜浩 議員(県民)

がん治療のために髪の毛が抜けたり、乳房を切除したりといった外見の変化が現れることがあります。国立がんセンターの調査によりますと、外見が変化したことで仕事や学校を辞めたり休んだりしたと答えた人が4割を超えております。これは、外見の変化や治療と仕事の両立を妨げる原因になることを示しております。
県内市町村の中にはウィッグや乳房補正具などの購入費用を助成しているところもありますが、治療と仕事の両立を支援するために県も市町村の取組を支援する必要があると考えますが、保健医療部長の見解をお伺いいたします。

A 表久仁和 保健医療部長

がん治療により、髪が抜ける、体の一部を欠損するといった外見の変化が現れることがあります。
こうした変化は、仕事や学習など社会生活を続ける上で支障をきたす場合もあり、患者の苦痛につながります。
外見の変化が気になる患者は、ウィッグや補正下着などのアピアランスケア用品を購入することがありますが、治療費など経済的な負担を強いられている患者にとっては、こうしたアピアランスケアにかかる費用は大きな負担となっています。
そこで、県では、アピアランスケア用品の購入費用を助成する市町村に対して、その2分の1を補助する事業費として、必要な経費を令和6年度当初予算案に計上させていただきました。
この事業を行うことにより、がん患者の苦痛を軽減し、仕事や学習などを治療前と同様に行われるよう支援してまいりたいと考えております。

(3)がん検診の受診率向上について(保健医療部長)

Q 松坂喜浩 議員(県民)

この件に関しても、たびたびの質問となります。
がんは早期に発見が必要であります。早期に治療すれば、およそ9割は治ると言われております。
しかしながら、埼玉県はがん検診受診率の目安であります50パーセントには達しておりません。がんになっても治療をしながら仕事を続けてもらうために、がん検診受診率を向上させ、早期発見し、早期治療をする必要があります。
県として、受診率向上に向けてどのような取組を行っていくのか、保健医療部長の見解をお伺いします。

A 表久仁和 保健医療部長

県では、埼玉県医師会に御協力をいただき、県が作成した受診を呼び掛けるリーフレットを用いてかかりつけ医を通じたがん検診受診の個別勧奨を行っております。
医師からは、リーフレットは呼び掛けの際に大変有効であるとのご意見をいただいているところです。
また、企業等とがん啓発やがん検診に関する連携協定を結び、チラシを活用した顧客への啓発活動、著名人をはじめとするがん経験者を招いたセミナーの開催などに取り組んでおります。
セミナー参加者からは、がん検診の大切さがわかったとのご感想をいただいております。
今後もこうした取組を通じ、がん検診受診率向上に取り組んでまいります。

(4)在宅療養を行うがん患者への支援について(保健医療部長)

Q 松坂喜浩 議員(県民)

18歳から39歳までのがん患者は、介護保険の対象にならず、在宅での療養に対する公的支援制度がないのが現状であります。県は、介護保険サービスを利用できないこの世代のがん患者に、ヘルパー派遣など在宅療養に必要な費用の支援を行うべきと考えますが、保健医療部長の見解をお伺いいたします。

A 表久仁和 保健医療部長

議員御指摘のとおり、18歳から39歳までの世代のがん患者は、介護保険サービス等の公的支援制度の狭間にあり、経済的な負担が大きいため、在宅での療養がなかなか進んでいないという現状があります。
この世代の終末期患者の在宅療養の希望がかなうよう、訪問介護や福祉用具の購入等にかかる費用を助成する市町村に対して補助する事業費として、必要な経費を令和6年度当初予算案に計上させていただきました。
県内すべての市町村においてこの事業が実施され、どこに住んでいても同様の支援が受けられるよう取り組んでまいります。

5 看護師・准看護師への支援について(保健医療部長)

Q 松坂喜浩 議員(県民)

私の令和2年12月定例会での質問、昨年6月定例会で尾花議員の質問にもありましたが、看護師・准看護師の確保は喫緊の課題です。
第7次埼玉県地域保健医療計画において、医療・介護需要の大幅な増加を見込んだ2025年も来年に迫ってきました。現在、第8次埼玉県地域保健医療計画が策定中ですが、計画の4つの柱の一つに今後増大する多様な医療需要に対応できる医療従事者の確保が掲げられ、認定看護師資格取得や特定行為研修の受講支援などにより、専門性の高い看護師職員確保に取り組むとしております。
私は、看護職員を確保する上では、まず患者の生命・健康を支える重要な職種であります看護職員の処遇改善があった上で、看護職員の職場復帰支援や確保・育成支援に取り組むことが必要と考えます。処遇改善につきましては、埼玉県として国に対し、処遇改善のための実効性ある対策を講じるよう今年度要望しましたが、まだ詳細は十分に判明しておりませんが、令和6年度の診療報酬改定においてベースアップのための一定の措置が図られる見込みと伺っております。
そこで、更なる看護職員の確保のため、少子化や人口減少を踏まえた離職防止、定着促進、再就職を軸とした総合的な看護職員確保対策を強化していく必要があります。その中で、不足する看護職員の確保に当たっては、看護職の資格を持ちつつ一旦職場を離れた未就業の潜在看護師の方に職場復帰していただくことが大切だと考えます。
昨年の質問から、令和4年度には約1,000人の潜在看護師の方が復職されたと答弁がありました。潜在看護師が復職するに当たっては、それぞれのニーズに合った求職支援も必要だと考えます。一般的に病院からの求人では夜勤を求められることもあると思いますが、地域の診療所を希望する求職者には子育て中のため、また、自宅から近い場所で夜勤がないことを条件に仕事を探す方も多いと伺っております。
さらに、潜在看護師の復職支援と併せて、新たに看護職員を確保・育成していくことも必要でございます。
そこで、保健医療部長に質問いたします。
1点目、看護職員確保に向け、潜在看護師への具体的な支援等について見解をお伺いします。
2点目、新たな看護師の確保・養成には若年層を対象としたセミナー等、看護師の必要性を知っていただき、進路の一つであることを認識してもらう支援も必要と考えますが、見解をお伺いします。

A 表久仁和 保健医療部長

まず、潜在看護師への具体的な支援策等についてでございます。
未就業の看護職員の復職支援については、県が指定している埼玉県ナースセンターにおいて、求職者それぞれに合った就職先を紹介する無料職業紹介やハローワークに出向いての巡回相談を行っています。
無料職業紹介では、求職者が求める様々な働き方が選択できるよう、求人施設に対して勤務条件の設定の仕方などについて助言を行っています。
また、復職に当たって技術に不安がある方に対しては、県からナースセンターに委託して、医療現場における最新の知識や技術を学んでいただく再就業技術講習会や経験や希望に応じて個別の技術を学ぶことができるオーダーメイドの講習会などを実施しています。
今後とも、これらの事業の実施を通じて、潜在看護師の再就職を支援してまいります。
次に、若年層を対象としたセミナー等、看護師の必要性を知ってもらい、進路の一つであることを認識してもらう支援についてでございます。
少子化が進む中で、若い世代の方々に看護職を選択してもらうため、看護の魅力を伝える取組は重要であると考えております。
現在、看護協会において学校に出向いての看護の出前授業や「ふれあい看護体験」など、看護業務の魅力を伝える取組を行っています。
また、県では、看護職を将来の進路として選択してもらうために、資格取得の方法や県内の看護師等養成所の一覧を掲載した「看護への道」という冊子を作成し、県内全ての高校へ配布するほか、ホームページに掲載しています。
さらに、令和6年度は、小・中学生が個人で参加できる看護業務の体験セミナーを地域の看護師等養成所において開催できるよう、現在、調整を進めているところです。
県では、引き続き、看護協会等の関係団体とも連携し、看護の魅力発信に努め、看護職員の確保に取り組んでまいります。

6 「セルフ・ネグレクト」対策について(福祉部長)

Q 松坂喜浩 議員(県民)

近年、健康や社会生活の維持に必要な住環境の衛生や整備又は健康行動を放任・放棄し、高齢者が生活に必要な介護や医療のサービスを求めずに、また、外部からの勧めに対しても拒否するなど、地域で孤立し健康的な生活が維持できない、いわゆる「セルフ・ネグレクト」が問題になっております。
急速に高齢社会が進展している本県においては、「セルフ・ネグレクト」の更なる増加が予想されます。単身高齢者世帯における「セルフ・ネグレクト」は、孤立死との関連も指摘され、早急に解決策を見出さなければなりません。
そこで、「セルフ・ネグレクト」について今後、支援体制を構築していく必要があると考えますが、福祉部長に見解をお伺いいたします。

A 金子直史 福祉部長

高齢社会の進展に伴い認知症の方の増加が見込まれることや、人間関係の希薄化が進んでいることなどから、セルフ・ネグレクト状態の高齢者の増加が懸念されております。
セルフ・ネグレクトは、生命・身体に重大な危険が生じる恐れがあることなどから、関係機関の連携体制の構築に努めるよう国からも通知が発出されております。
こうしたことを踏まえ、県では市町村や地域包括支援センターに対して、研修の機会を通じて、セルフ・ネグレクト状態の高齢者への対応に関する周知を図ってきたところでございます。
今後は、より迅速な支援につなげられるよう、市町村を通じて民生委員や自治会などに対しても、セルフ・ネグレクトについて周知を進めてまいります。
また、各市町村では、民生委員等のほか、郵便や新聞、水道など高齢者と接する機会の多い事業者で構成される「要援護高齢者等支援ネットワーク」を構築し、高齢者の日常生活の変化に気づいた場合に、市町村や地域包括支援センターに連絡し、支援につなげる取組を行っています。
ネットワークを通じてセルフ・ネグレクト状態の高齢者を発見し、関係機関が連携して施設への入所や成年後見人の選任などの支援をした例もございます。
県といたしましては、ネットワーク会議での情報共有を通じて、このような好事例の横展開を促進し、セルフ・ネグレクトに対する地域の支援体制の一層の強化を図ってまいります。

7 地元問題について(県土整備部長)

(1)九十九川及び新江川の整備について

Q 松坂喜浩 議員(県民)

まず、九十九川及び新江川の整備についてであります。
令和元年東日本台風では、私の地元の一級河川越辺川や都幾川、新江川の堤防が決壊し、また、九十九川でも越水したことから、大規模な浸水被害が発生をしたところでもあります。加えて、令和4年7月の大雨でも、九十九川において浸水被害が発生してしまいました。
県は、令和元年東日本台風を契機に九十九川と新江川において調節池や排水機場の整備を進めており、昨年10月、11月には私も出席した住民説明会が開催され、地元の皆様も事業が動き出したことを実感しております。そこで、九十九川と新江川について、私は5年をめどに完成させてほしいと提言をしておりますが、現在の進捗状況と今後の見通しについてお伺いいたします。

A 金子勉 県土整備部長

九十九川と新江川では、令和元年東日本台風において甚大な浸水被害が発生しました。
このため、九十九川は越辺川との合流点付近、新江川は市野川との合流点付近において、それぞれ調節池や排水機場などを整備することとしております。
九十九川では、これまでに、調節池と排水機場の整備に必要な設計を進めるとともに、用地取得にも着手し、すでに用地買収率は90パーセントとなっております。
引き続き、残る用地取得に努めるとともに、調節池の堤防工事にも着手してまいります。
次に、新江川では、調節池と排水機場に必要な設計や用地測量を進めております。
今後は、用地取得に着手してまいります。
九十九川と新江川の整備に当たりましては、地元の皆様の御理解と御協力をいただきながら、事業を推進してまいります。

(2)市野川の整備について

Q 松坂喜浩 議員(県民)

市野川は東松山市や吉見町、川島町を流れ、荒川に合流する一級河川であります。現在、市野川左岸の吉見町江綱地区では今年度整備が終了し、残すは大串地区の一部区間が未整備となっております。
令和元年に東日本台風による大雨で市野川が増水した際も、越水の危険から地元の方々から心配の声が寄せられていました。市野川の支線でもあります新江川に抜ける整備が進んでいるものの、その下流に位置する大串地区が未整備となっている状況は、私も大変心配しているところであります。また、新江川合流点から上流にある諏訪堰周辺の整備については、新しい諏訪堰が完成し、現在、旧諏訪堰の撤去工事が進められています。
地域の安心・安全を確保するためにも、大串地区並びに諏訪堰周辺の早期完成が必要と考えますが、これらの整備の見通しについてお伺いをいたします。

A 金子勉 県土整備部長

市野川では、荒川合流点から約7.9キロメートルまでの整備が、吉見町大串地区の約500メートル区間を除き、完了しております。
未整備区間につきましては、一部境界が確定しないため、用地が取得できない箇所がございますが、まとまって用地が確保できた箇所から、順次工事に着手しております。
次に、諏訪堰周辺の整備につきましては、新しい堰が令和3年度に完成し、現在、その下流にある古い堰の撤去を進めるとともに、この区間の河道整備を進めております。
今後も、地元の皆様の御理解と御協力をいただきながら、これらの未整備区間の早期完成に努めてまいります。

(3)安藤川の整備と県道鴻巣川島線船原橋の架換えについて

Q 松坂喜浩 議員(県民)

安藤川は、入間川合流点から圏央道が交差する付近まで改修は終了しているものの、その上流部は未着手であります。令和元年東日本台風による豪雨では、この未改修区間において多くの農地や道路が冠水し、また、未改修区間には県内を南北に通る県道鴻巣川島線の船原橋がございます。この船原橋は老朽が進んでいることから、現在、架換えに向けての検討が進められております。
そこで、安藤川の未改修区間の整備と船原橋の架換えについてお伺いをいたします。

A 金子勉 県土整備部長

安藤川では、入間川合流点から上流に向けて整備を進め、圏央道付近の上八ツ林排水路合流点までの約3.9キロメートルの区間の整備が完了しております。
御質問の未改修区間につきましては、河道内の樹木伐採や、堆積した土砂の撤去を行い、洪水の流れを阻害しないよう、維持管理をしてまいりました。
今後も適切な維持管理に努めるとともに、未改修区間の整備に向けた検討を進めてまいります。
次に、県道鴻巣川島線の船原橋は、老朽化が著しいため、令和元年度に架換え事業に着手いたしました。
これまでに、橋の形式を決定するための、予備設計が完了しております。
令和5年度は、船原橋周辺の水路移設に向け、川島町と協議を進め、今後は、橋りょうの詳細設計を実施してまいります。引き続き、地元川島町と連携しながら、安藤川の整備と船原橋の架換えに向けて取り組んでまいります。

(4)都市計画道路本町通線の整備について

Q 松坂喜浩 議員(県民)

都市計画道路本町通線は、東松山市の市街地を南北に貫く幹線道路で、かねてから交通量が多い道路であります。昨今では、若松町一丁目交差点付近に大型商業施設がオープンしており、この道路の交通量は更に増大をしております。
おかげさまで整備を進めていただいております都市計画道路と交差する東松山駅入口交差点に右折帯が整備されたことから、この付近の渋滞は大幅に緩和されました。しかし、この交差点の南側、若松町一丁目交差点までの700メートル区間は道路幅員が狭く、歩道も未整備であり、車両が混雑している状況であります。
以前、同僚議員からも質問があり、私のところにも以前からこの区間の渋滞緩和と歩行者の安全確保を求める声が寄せられております。そこで、この区間の整備の見通しについてお伺いいたします。

A 金子勉 県土整備部長

この都市計画道路の東松山駅入口交差点から若松町一丁目交差点までの約700メートル区間は、道路幅員が8メートル程度で、一部を除き歩道は未整備となっております。
また、若松町一丁目交差点は、変則な形状の5差路であり、交差点の北側には右折帯が無いため、大型商業施設方向に向かう多くの右折車両により渋滞が発生しています。
このため、この区間について、令和4年度から市道の管理者である東松山市と交差点形状などに関する協議を進めております。
引き続き、地元東松山市と連携しながら、整備に向けて検討を進めてまいります。