難病患者の支援を充実すべき(知事)
難病への社会の理解状況の認識について
Q 石川忠義 議員(県民)
難病患者支援については、昨年の9月定例会でも一般質問を行い、知事から答弁をいただきました。令和2年度末時点においても、埼玉県内には5万人を超える指定難病患者の方がいらっしゃいます。
難病は、社会生活が難しいという印象を持たれるかもしれませんが、医療の発達などで症状が安定し、問題なく日常生活が送れる方も多くいらっしゃいます。その一方で、体調に波があり、通院と服薬など自己管理が必要な方もいらっしゃいます。
このように難病は一人ひとりの症状に違いがありますが、難病患者の方々からは難病への無理解から難病患者への偏見や心を傷付けられることも少なくないとお聞きします。難病そのものへの対処のほかにも、心理的な負担も大きいということです。原因が不明である難病は、誰にでも起こり得る病気です。
難病は、平成25年からは障害者総合支援法の対象となりましたが、社会に難病についての正しい理解がされているとはいえません。そこで、昨年の一般質問において、知事の所見などについて答弁をいただきましたが、その後の対応が不十分と言わざるを得ないものがあります。改善するべきですが、改めてそれぞれ質問をします。
難病への社会の理解状況について、知事の認識を伺います。
A 大野元裕 知事
難病には医療関係者にすら病名や症状が十分に知られていない病気もあることや、見た目では病気と分からない疾患も多く周囲の理解を得ることが難しい、などの問題があり、難病者が孤立しやすい状況にあると感じております。
病気の症状や障害が周囲から分かりにくいこともあり、困りごとがあっても周りの人に相談しにくかったり、障害者用のトイレやエレベーターなど、障害者が当然に利用できる施設が利用しづらいなどの現状も伺っているところであります。
また、難病の症状は千差万別であり、難病患者の困りごとも様々であることから、周囲の者がどのような配慮をしたらよいか分からないというような声も伺います
こうした現状を鑑みれば、病気そのものに対する理解や患者が置かれている立場に対する周囲の理解がまだまだ進んでいないと強く認識しております。
難病への社会の理解促進のために難病患者・患者団体による講演会を開催すべき
Q 石川忠義 議員(県民)
昨年の一般質問では、知事の難病への所見を踏まえて「難病への理解を深めるために、難病患者や患者団体による講演を行うべき」と質問しました。答弁では、「こうした機会を取り入れ、難病患者についての正しい知識が進むよう努めたい」としましたが、実態は令和3年度に2回開催した限りです。難病患者や患者団体による講演会開催について各保健所にお願いをしたということですが、コロナ対応に追われ負担が多くかかっていた保健所に開催を委ねるには無理があります。担当部署が計画的に進めるべきです。
改めて、難病の社会への理解促進のために患者等、当事者による講演会を開催すべきですが、知事に伺います。
A 大野元裕 知事
講演会や研修会につきましては、令和3年度、5保健所において7回開催をしております。
また、県が難病相談支援センター業務を委託している国立病院機構東埼玉病院において全保健所との共催により2回、同じく業務を委託している埼玉県障害難病団体協議会において4回、開催をしております。
そのうち、難病の当事者による講演は2保健所2回の開催になります。
これまでも担当部署が計画をして委託し、あるいは地域に身近な保健所において講演会や研修会を実施するよう努めてまいりました。
また、県では、難病相談支援センターで全県の難病患者の支援者を対象としたスキルを向上させるための専門医等による研修も実施しており、今後、更に充実をさせてまいります。
理解促進のためには難病の当事者のみならず様々な立場の方からの御意見が必要と考えます。
新型コロナ感染症下、難病をお持ちの方に講演を求めることが難しかった経緯はありますが、今後は、感染状況にも配慮しながら、難病をお持ちの方に講演会や研修会などで講演していただく機会を増やすなど、難病への理解が進むよう努めてまいります。
再Q 石川忠義 議員(県民)
1回目の質問のときに理解状況の認識についてまだまだ進んでいないというふうに知事はお答えになって、それからただ今の質問に対して今後も開催に努めていきたいということではありますけれども、実際に患者団体による講演が令和4年度もなかったというふうに伺っています。コロナの関係とかいろいろありますけれども、そういうことも考慮してでも、できれば今年度内にも時間が許せば行うべきですし、どんどん当事者による講演というのは増やしていくべきですがいかがか、お願いします。
再A 大野元裕 知事
先ほど、様々な立場の方からの意見が理解促進のためには必要と考えると申し上げました。特に、理解が進んでいないだけではなく、多様でかつ困難な場合がしばしば見受けられることから、御指摘がございましたとおり、当事者の方の立場というものも極めて理解促進には有効だと考えております。
したがいまして、感染状況に配慮することになりますけれども、部局に対しては、今年度、どのようなかたちで当事者からの講演会が開催できるかについて、積極的に取り組むよう指示してまいります。
難病への社会の理解促進のために新たなHPの開設ほかあらゆる手段を講じるべき
Q 石川忠義 議員(県民)
これも前回の一般質問で取り上げました。「難病の一般の方への理解促進のために現行のホームページとは別に新たにホームページを作成する」と知事から答弁がありました。ただし、進んでおりません。現在は、県ホームページの難病対策の数ある御案内の後段にやっと「難病とは」のコーナーがあります。昨年の質問に知事が答弁した「一般の方にも見つけやすく理解が広がるように」という趣旨とかけ離れた小手先の対応と言わざるを得ません。
一般の方への難病の理解が促進されるよう、ホームページの作成と啓発活動を行うべきですが、知事の考えを伺います。
A 大野元裕 知事
県では、一般の方にも難病への理解を深めていただけるよう、令和3年12月には、難病について分かりやすく説明したホームページを作成し、難病患者の理解促進に努めてまいりました。他方、議員から当該ページへの誘導について課題があるとの御指摘も頂きました。
見つけることが容易になるよう、難病ホームページの再構成に努めたいと考えております。また同時に、関連施策のページにリンクを貼るなどの工夫をしたいと思います。
さらには、難病に関する情報発信として、県公式のTwitter、Facebook、LINE、彩の国だよりを活用し、難病患者への理解を促したいと思います。
各難病対策地域協議会に難病患者等を選任すべき
Q 石川忠義 議員(県民)
この地域協議会は、保健医療圏ごとに難病患者への支援体制の整備を図り、県の施策を円滑に実施するために設けられています。県内9つの保健医療圏内に10の協議会が設置されています。同協議会は、難病患者の医療費助成のほか、療養生活の環境整備ほかを協議しますが、肝心な当事者である難病患者が委員に選任されているのは、10の協議会中4つの協議会だけです。半数以上が選任をしていません。
県では、同協議会の目的と役割から当事者の考えも生かされるよう、全ての協議会の設置要綱において委員の選任には関係機関などのほかに難病の患者・家族と定めています。しかし、それにもかかわらず難病患者・家族が選任されていない協議会があります。
各難病対策地域協議会の委員には難病患者等の選任を進めるべきですが、知事の考えを伺います。
A 大野元裕 知事
議員お話しのとおり、県では、さいたま市を除く9つの二次医療圏域に難病対策地域協議会を10設置しております。
難病法では、難病患者への支援体制の整備を図るために、都道府県、保健所を設置する市及び特別区が単独又は共同して、難病対策地域協議会を置くよう努めることとされています。
県では、地域の実情に応じた支援体制の整備について協議するため、原則二次医療圏ごとに協議会を設置し、保健所長が委員を選任することとなっております。
委員は、保健所長が圏域の医療機関や関係団体の代表者などを選任しています。難病当事者や患者家族が委員として就任しているのは、10協議会のうち4協議会となります。
難病の患者に対する医療等に関する法律においては、難病の患者及びその家族を協議会の構成員とすることが求められていることから、議員御指摘のとおり、保健所に対して協議会の委員として選任をするよう指示いたします。
再Q 石川忠義 議員(県民)
ただ今指示をしていくということでしたけれども、いろいろ選任の任期の関係があって、ばらつきがある協議会もあるようですけれども、できるだけ早く、直ちに全ての協議会において当事者、患者あるいは家族が選任されるように指示をしていくということでいいですか。
再A 大野元裕 知事
指示は直ちに行います。他方で、その指示の実施につきましては、任期の関係もございますので、任期の更新期に反映するよう求めたいと考えます。
再々Q 石川忠義 議員(県民)
指示は直ちに行っていただくのは、もう要綱で決まっていることをしていないんですから、指示をすぐにしていただくのは分かるんですけれども、できるだけ早く選任してもらえるようにというのも付け加えて指示を出すのが、要綱どおりの運営に近づくんじゃないかと思いますが、いかがですか。
再々A 大野元裕 知事
要綱におきましては難病患者及びその家族を協議会の構成員とすることを求めているわけではなく例示でございます。他方で、法律においてこれが求められていることから、選任の権限のある保健所長に、まずは指示をすると申し上げたところです。直近の任期における任命の際にこの指示を履行させることになります。
社会への民生委員制度の理解促進を進め、担い手不足を解消すべき(知事)
民生委員の重要な役割に関する認識について
Q 石川忠義 議員(県民)
民生委員は、地域福祉のつなぎ役として高齢者や障害者、子育て中の皆さんが地域で安心して暮らせるようにボランティアでサポートをしてくださっています。複雑多様化した昨今の社会では、安心・安全な地域福祉社会の実現には必要不可欠な存在です。
しかしながら、県議会でもこれまで取り上げられているように、その重責の担い手不足が続いています。3年に1回、今年の12月1日の民生委員の改選期での委嘱状況は、さいたま市、川口市などを除く埼玉県全体の定数8,053人に対して7,285人で、768人の欠員となっています。
担い手不足の原因には、時間的制約や高齢化、精神的・肉体的な負担など様々に分析がされています。それぞれの市町村も対策を行っておりますが、県は、まず民生委員がどのような活動をして重要な役割を担っていただいているかを広く周知し、県全体に対して民生委員の活動をしてみたいという機運を醸成する必要があります。
民生委員の担い手不足を解消すべきですが、知事に伺います。
知事自身の民生委員の重要な役割に関する認識について伺います。
A 大野元裕 知事
地域にお住まいの方々が安心・安全に暮らすためには、人と人とのつながりというものが極めて重要と考えております。
しかしながら、核家族化の進展とともに人と人とのつながりが希薄化をし、一人暮らしの方や、あるいは高齢者、さらには子育てなどの悩みを抱える世帯が孤立化する傾向が強まっており、それに伴い支援を求める方も増加していると認識しています。
また、近年、老々介護や8050問題など、複雑で難しい課題を抱える世帯も増えていると理解しており、なるべく早い段階で支援の手を差し伸べることが有効と考えます。
こうした中、民生委員の皆様につきましては、地域住民の見守り役として身近な相談相手となり、支援を必要とする方と行政や専門機関との橋渡しをするなど、地域において大変重要な役割を過去においても現在においても担っていただいてきたと考えております。
本年9月の埼玉県民生委員・児童委員大会では、長年にわたり地域のために御尽力をいただいた民生委員の皆様に対して、私から直接、賞状をお渡しして、改めて感謝の意をお伝えしたのも、このような認識に基づくものでございます。
広くアンケートなどを実施し、民生委員制度についての理解の現状把握をすべき
Q 石川忠義 議員(県民)
先ほども述べましたが、民生委員の担い手不足解消のためには、民生委員の役割や責任、活動のほかに民生委員の皆さんが社会に求められている重要な職責を担っていただいていることを広く社会に周知をする必要があります。
社会の機運醸成の前提として、まずは広くアンケート調査などを実施すべきですが、知事に伺います。
A 大野元裕 知事
民生委員制度につきまして、その役割や活動内容などを広く県民に理解していただくことは、民生委員が活発に、そして円滑にその任務を実施していくためにも、あるいは担い手不足を解消するためにも大変重要ではないかと思います。
全国民生委員児童委員連合会が令和4年3月に実施をした民生委員の認知度などに関する調査によりますと、6割以上の方が民生委員の存在を知っているものの、役割や活動内容を御存じの方は5.4%にとどまっております。
一般的に、都市部においては民生委員制度について余り知られていない傾向がある一方で、地方では民生委員の認知度が高いとの話も伺っております。
今後は、埼玉県LINE公式アカウントや県政サポーターなどを活用し、アンケート調査により民生委員制度の理解の現状を把握するとともに、分かりやすく民生委員の役割や活動内容などを紹介したいと考えております。
若年層からの民生委員制度の啓発事業を進めるべき
Q 石川忠義 議員(県民)
全国民生委員・児童委員連合会が行った調査では、10代・20代の皆さんが民生委員に「なってみたい」と答えています。今年6月定例会の八子議員の担い手不足対策の一般質問には、民生委員の活動環境の優良事例を市町村に紹介するとのことでした。
活動環境の整備に加え、広く若者に制度の周知、啓発を進めることが将来の担い手不足解消の一助になると考えますがいかがか、知事に伺います。
A 大野元裕 知事
民生委員の担い手を確保していくためには、広く民生委員制度の普及啓発を進める必要があると考えます。
これまで県では、毎年5月、民生委員の日に合わせて、彩の国だよりに特集記事を掲載するほか、FM-NACK5や県内のコミュニティFMラジオ放送局11局でPR放送を行うなど、啓発に努めてまいりました。
また、県内の各市町村においても、時期を合わせて、広報紙への記事掲載や啓発用チラシの各戸配布を行うなど、民生委員制度の積極的な広報に取り組んでいるところです。
しかしながら先ほど申し上げたとおり、民生委員の役割に関する認知度の低さに鑑みれば、これまでの広報にとどまってはならないと思います。
議員御指摘の、10代、20代の指摘も踏まえれば、担い手の裾野を広げるべく、特に若い世代の方々に民生委員制度のことをより詳しく御存じいただくことが必要と思い、LINE、ツイッターなど、比較的若い世代に情報が届きやすい媒体を活用した広報を強化してまいります。
また、本年7月、埼玉県民生委員・児童委員協議会では、埼玉県立大学の学生に対して、民生委員制度やその役割についての特別講義を実施しています。
参加した学生からも好意的なお声を頂いていることから、今後、県内の他の大学においても、同様の取組が行われるよう働きかけてまいります。
県といたしましては、先ほど申し上げたとおり認知度の低さに鑑みれば全ての世代に周知が必要とは思いますが、市町村、埼玉県民生委員・児童委員協議会、大学などの関係機関と連携をしながら、特に、若い世代への民生委員制度の一層の普及活動に取り組んでまいりたいと考えます。
県附属機関等とその他の会議の会議録作成等の基準を定めるべき(知事)
会議録の作成と基準を定める意義の認識について
Q 石川忠義 議員(県民)
県には、県の行政委員会を含めて審議会などの多くの附属機関等が設置されています。また、附属機関等以外にも県民や専門家を委員として加えた会議が複数存在しています。これらの附属機関等とその他の会議は、県や行政委員会の政策立案や方向性を定めるもの、関係者の利害にも関わる決定を行うなど重要な役割を担っています。
そして、附属機関等の運営と公開方法は、附属機関等への県民参加の促進に関する指針で定め、その他の会議は会議の公開に関する指針で定められています。ほかに指針や基準などもなく設けられた会議もあります。
附属機関等への県民参加の促進に関する指針では、目的を附属機関等の活性化を図ることとし、会議の公開に関する指針は、公正で開かれた県政を推進することを目的として定め、それぞれが会議の公開方法や会議開催の周知を定めています。しかしながら、どのような情報をどのような形で残すのか、両指針には定めがなく、それぞれの会議を所管する部署の裁量によって記録が公表されています。
会議の公正・公平性を担保し、透明な開かれた県政の推進を進める県情報公開条例の運用の前提は、正しく普遍的な基準による記録です。今さら言うまでもなく、基準に沿った正しい記録があってこそ、公開された情報で県政への信頼を築くことができます。
そこで、会議録の作成と基準を定める意義について、知事の認識を伺います。
A 大野元裕 知事
県政運営の意思形成過程が分かるよう、会議録を作成し、そこに記載すべき事項の基準を定めることは意義があるものと考えます。
再Q 石川忠義 議員(県民)
意思形成過程を作ることには意義があるということですが、作成と基準を定めることについてどういう意義があると認識しているのかを伺っているので、お願いします。
再A 大野元裕 知事
会議録の作成につきましては、県政運営における意思形成過程が分かるようにするためだと理解をしております。したがって、会議録を作成すること、そしてその基準を定めることにつきましては、会議の意思形成過程が分かる上で意義が高いと考えております。
再々Q 石川忠義 議員(県民)
意思形成過程を示すことに意義があるということですけれども、作成と基準についてそれぞれの意義について伺っています。例えば、作成については記録を残すことですとか、証拠といいますか、どういう議論があったという意思形成過程もそうですけれども、そういうものを記録することに意義がある。あるいは基準については客観性ですとか、正当性を担保するという意義があるですとか、そういう考えはございませんか。
再々A 大野元裕 知事
国においても県においても同じだと思いますけれども、行政において会議録を作るのは意思形成過程が後から検証ができるためだと思っております。ただし、議員御指摘のとおり、仮に基準がバラバラということであれば、これは当然の話ですけれども、その意思形成過程を検証することが担保されなくなります。したがって、基準を作ることは有意義だと考えています。
埼玉県の附属機関等及びその他の会議の公開、会議録作成の違いの認識について
Q 石川忠義 議員(県民)
会議によっては両指針にも基づかない運用により、会議開催の周知さえ行わないところもあります。また、会議録が要点筆記、全文筆記で違うところ、会議開会時刻・閉会時刻の記録がないもの、会議録作成が早いものと時間が掛かるものなど様々です。
埼玉県の附属機関等及びその他の会議によっては、公開、会議録の作成に違いがあることについて、知事の認識を伺います。
A 大野元裕 知事
会議の公開につきましては、附属機関等及びその他の会議のいずれの会議についての指針においても、会議開催の周知時期、周知すべき事項を定めているところであります。
会議録は意思決定過程が分かるようにすることを目的としており、例えば議事内容をどのように記載するかは、会議の取り扱う内容により、要点筆記や全文筆記など様々であります。
他方、いかなる会議であれば全文筆記とするべきか等についての具体的な基準がないことは御指摘のとおりであります。
また、会議録の公表時期については、公表は速やかに行うこととしていますが、具体的な基準はなく、会議によって現実の問題として違いがございます。
このため、会議録の記載内容や公表の時期に統一性がないことが課題であるというふうに考えています。
埼玉県が設置する附属機関等及びその他の会議の会議録作成と公表に関わる一定の基準をつくるべき
Q 石川忠義 議員(県民)
現在は附属機関等の会議録作成については、附属機関等の管理に関する要綱第15条において審議の内容が十分に理解できるような形式にしなければならないという裁量を残した定めになっていることから、公表されている附属機関等の会議録は様々です。また、その他の会議も会議録作成の基準がありません。
附属機関等、その他の会議とも、会議の会議録の作成、公表などについて基準を普遍化することで、会議の公正・公平性を担保し、透明な開かれた県政となり、県民の信頼にもつながります。埼玉県が設置する附属機関等及びその他の会議の会議録作成と公表に関わる一定の基準を作るべきですが、知事に伺います。
A 大野元裕 知事
現在、附属機関等では、審議内容が十分に理解できる会議録とするという基準があり、また、その他の会議では、会議録公表の原則の定めがあり、会議録の作成が前提となっておりますが、議員御指摘のとおり、具体的な内容まで定めているわけではございません。
DXの進展により、県民が県の情報にアクセスすることが容易になる中、県政に関する正確で分かりやすい情報を県民に提供することが一層重要になっています。会議結果についても、時期や内容についてより分かりやすく公表することが求められていると考えます。
このため、附属機関や協議会等及びその他の会議いずれについても、会議録の作成と公表に一定の基準を定めることを検討したいと思います。
プレコンセプションケア、思春期保健事業の充実をはかるべき(保健医療部長)
思春期保健事業の重要性に関する認識について
Q 石川忠義 議員(県民)
プレコンセプションケアとは、「妊娠前の女性とカップルに医学的・行動学的・社会的な保健介入を行うこと」と、世界保健機関が定義をしています。そして、埼玉県では、「様々な選択肢があるなか、自分の人生として納得のいく選択ができるよう、早いうちから妊娠も含めた健康に関する正しい知識を持ちましょう」と呼び掛けています。
こうしたことから、これまで埼玉県では、プレコンセプションケアの一環として思春期保健事業を推進していますが、実態としては予算の制約で余り幅広い取組ができているとは言い難い状況です。思春期保健事業としての思春期講座は、子供たちや若者を対象に生と性の健康講座を行い、県はプレコンセプションケアのプログラム受講も推奨しています。受講した方々からは良い反響が多く、大きな効果も得ていることが確認できます。
県は、こうした現状から思春期保健事業を更に充実させるべきですが、思春期保健事業の重要性に関する認識について、保健医療部長に伺います。
A 山崎達也 保健医療部長
思春期の若者への健康教育や、女性やカップルが、将来の妊娠や出産等についての正しい知識を習得し、人生設計を若いうちから意識してもらうための取り組みを指すプレコンセプションケアは、非常に重要であると認識しております。
こうしたことから、県では、思春期にある中高生や大学生を対象とした講座の開催、養護教諭をはじめとした教員や自治体の保健師等を対象とした研修会を開催し、正しい知識の普及啓発に取り組んでいます。
また、県のホームページにおいて、妊娠や妊娠に向けた健康管理に関連する情報を掲載するとともに、厚生労働省が作成した若者向けの健康相談支援サイト「スマート保健相談室」の紹介を行い、正しい情報が発信できるように努めているところでございます。
思春期保健事業を充実すべき
Q 石川忠義 議員(県民)
この思春期保健事業は、重要な事業でもあるにもかかわらず、約100万円足らずの予算で事業が執行されています。これでは年に数回の講座や講演で潜在需要に応えることもできません。こうした啓発事業は少しずつやるものではなく、ターゲットとなる層に一定の大きな規模で実施することで啓発の効果が生じるものと理解をしています。
今後の思春期保健事業を更に充実すべきですが、保健医療部長の考えを伺います。
A 山崎達也 保健医療部長
若いうちから正しい知識を持ってもらうため、県では、思春期にある中高生や大学生を対象とした講座を実施をしております。
学校において、健康に関する教育活動を実施する中で、知識習得の成果がよりあがるものとして、本講座をご活用いただいております。
全ての学校ではございませんが、講座を希望された学校では概ね実施をできております。
若者への知識の普及にあたっては、講座の開催も一つの手法ではありますが、広く普及を行うには、養護教諭をはじめとした教員や自治体の保健師等若者に接する機会が多い専門職が健康教育に必要な知識を習得し、日頃の業務で活かしていただくことが重要であるというふうに考えております。
そのため、こうした方々を対象とし、思春期の健康に関することや、将来の妊娠や出産等の正しい知識についての教育を行えるようにするための研修会を開催しております。
今後は、研修会の内容の充実を図るとともに、多忙な専門職の方々がいつでも参考にできるよう、研修資料を県のホームページに掲載をしてまいります。
また、このような取組を推進していく上で、教育局等との連携が不可欠であると認識しております。
関係機関と連携を図りながら、正しい知識の普及啓発が進むように取り組んでまいります。
再Q 石川忠義 議員(県民)
思春期保健事業について、この思春期保健事業の中で、例えば、大学巡回思春期講座、それから、思春期保健セミナーというものを若い人向けに開催しておりますけれども、開催回数で言うと、平成30年に1回から令和3年度2回ですとか、思春期保健セミナーに関しては平成30年度8回から令和3年度4回へと半減していたり、回数自体も減っている。
先ほど部長の方で開催を希望した学校ではおおむね実施しているということですが、終了した後にアンケート調査や何かすると、おおむね好評です。こういう機会にもっと内容を充実させるのもいいんですが、回数自体も充実していくように努力をすべきですがいかがか、再度伺います。
再A 山崎達也 保健医療部長
先ほど申し上げましたように、現時点では、講座を希望されている学校では概ね実施ができている状況でございます。
議員お話のとおり、受講した生徒学生からは良い反響がございまして、今後ともできるかぎり要望のある学校で実施をしてまいりたいというふうに考えております。
一方、先ほど申し上げましたように、養護教諭をはじめとした教員や自治体の保健師等若者に接する機会が多い専門職が健康教育に必要な知識を多く持っていただいて、日頃の業務で活かしていただくことが、若い世代への普及啓発に成果が上がるのではないかと考えているところでございます。
希望する学校での講座の開催と、こうした方々への研修会の内容の充実を図ることによりまして、思春期保健事業の充実を図ってまいりたいというふうに考えております。
認知症への理解を進めるために「認知症サポーター養成講座」等の充実をはかるべき(福祉部長)
小学校・中学校での認知症サポーター養成講座開催の充実を進めるべき
Q 石川忠義 議員(県民)
埼玉県の推計では、団塊の世代が後期高齢者になる令和7年の高齢者人口は約203万人、高齢化率は28.2%です。認知症を有する高齢者は、平成27年の推計26万人から大幅に増加し、40万人に達すると推計されています。
今後、更に認知症を有する高齢者は実数、率ともに上昇し、認知症は身近なものになります。加えて、高齢者世帯も増加すると見込まれることから、社会全体で認知症の人が尊厳を持って今後も生活が続けられる社会環境を整備する必要があります。
こうしたことから、埼玉県では、埼玉県高齢者支援計画第3節を埼玉県認知症施策推進計画として策定し、様々な認知症施策に取り組んでいます。
中でも、国が進める認知症サポーターの養成は、認知症への正しい理解を広げ、認知症の人や家族を温かい目で見守る機運の醸成に貢献をしています。また、地域や職場で認知症の人や家族をサポートする機運を高め、安心して暮らせる地域づくりに貢献しています。埼玉県でも市町村と連携をして、令和4年9月末時点で認知症サポーター養成者は累計57万8,002人となり、一定の効果を得ています。
しかしながら、今後の埼玉県の高齢化と認知症の高齢者数の推移を見据えた場合、更に認知症への理解を広め、認知症サポーター養成の事業充実を図るべきですがいかがか、伺います。
認知症サポーター養成講座は国が進めるとおり、埼玉県でも小中高校での講座を開催し、若年層への認知症の理解促進を行っています。しかしながら、県は、埼玉県高齢者支援計画において小学校・中学校・高校などにおける養成講座を更に充実させるとしながら、実際には小学校・中学校での開催は同講座を主催する市町村にお任せで、県は開催の実態すら把握をしていません。
比較的認知症への理解は幅広く、今後の社会に定着させるには、若年層への養成講座の実施が有用です。小学校・中学校での認知症サポーター養成講座の開催を充実させるべきですが、福祉部長に伺います。
A 金子直史 福祉部長
子どもたちにとって認知症に関する基本的な知識や対応方法を学べることは、今後の社会生活においても大変有意義なことだと考えております。
県内小中学校における「認知症サポーター養成講座」については、令和3年度末まで小学校で1,361回開催し、合計88,546人養成し、中学校では737回開催し、合計77,847人養成したところです。
県では、これまで「埼玉版中学生向け認知症サポーター養成講座テキスト」を独自に作成するなど、養成講座の開催を支援してまいりました。
また今後は、小中学校での開催に際しては、認知症の人を支援する目印である、県オリジナルのオレンジリングの配布なども行ってまいります。
さらに、座学による知識の習得だけでなく、テキストの内容に沿って認知症の方への対応を具体的に演じる寸劇の実施など、より分かりやすく伝える工夫をしている学校もございます。
こうした好事例を広く周知することで、小中学校での認知症サポーター養成講座の開催の拡充を図ってまいります。
再Q 石川忠義 議員(県民)
ただ今、部長から、これから拡充を図っていくということですので、おおむね理解はするんですけれども、先ほど小学校の実績ということで1,361回、中学校で737回というふうな答弁がありました。これは関係団体が集計したデータからの数だとは思うんですが、このデータからすると、例えば、令和4年度で言うと小学校が45回、中学校が7回しか開催をしていません。
先ほども申し上げましたけれども、実態すら把握していないというのが今の現状だと思います。きちんと実態を把握して、これは回数で今述べられていますけれども、同じ学校に何回かやっているかもしれないし、同じ人に何回か講座をしているかもしれないし、実数というのも把握できません。地域に偏在があるかもしれません。
きちんと実態を把握して地域偏在などがないようにも拡充に努めていくべきだと思いますがいかがか、伺います。
再A 金子直史 福祉部長
認知症サポーターの養成講座につきましては、実施主体は県と市町村ということになっておりまして、これまでもある程度の役割分担をして養成をしてまいりました。
例えば広域的な面での推進は県、地域での推進は市町村といった形である程度線引きしてやってまいりました。
今後は議員おっしゃるように、やはり小中での推進というのは非常に重要というふうに思いますので、県といたしましても小中学校での実態の把握に努めてまいりたいと存じます。
再々Q 石川忠義 議員(県民)
実態把握をしていくということで、実態把握をして先ほど申し上げましたとおり、地域偏在があれば地域偏在がないようにですとか、実数が上がるようにですとか、そういう意味で拡充をしていくということでいいですか。
再々A 金子直史 福祉部長
実態を把握したうえで、地域偏在また拡充等に努めてまいりたいと存じます。
高等学校での認知症サポーター養成講座開催の充実を進めるべき
Q 石川忠義 議員(県民)
小学校・中学校と同様に、高校での同講座の実施も市町村任せということです。県立高校を含めた高校への同講座の投げ掛けを、高校の校長が在席していない市町村の校長会に行うやり方は改める必要があります。少なくとも県立高校への投げ掛けは、県が責任を持って市町村を紹介するなり、実効性のある方法を取るべきです。
高校での認知症サポーター養成講座開催の充実を進めるべきですが、福祉部長に伺います。
A 金子直史 福祉部長
高等学校における「認知症サポーター養成講座」については、令和3年度末までで205回開催し、合計12,259人養成したところです。
高等学校での講座開催は、市から働きかける場合のほか、高等学校からの希望により開催する場合もございます。
また、これまでも、学校などから県への依頼に対し講師の派遣や講座内容の企画など、開催の支援を行ってまいりました。
今後は、高等学校での講座開催が一層進むよう、教育局とも連携して高等学校に積極的に働きかけてまいります。
併せて、市町村との会議の場などを通じまして、市町村の高等学校における講座開催を促し、高等学校とマッチングするなどの対応も行ってまいります。
認知症サポート企業の増加をはかるべき
Q 石川忠義 議員(県民)
認知症サポーター養成講座は、県でも県内の企業・団体での実施を推奨しています。そして、同講座を経て継続的なフォローアップと自主的な取組をすることで、認知症サポート企業として県内の44の企業が登録をしています。
広く認知症への理解を広げ、企業と行政が一体となる認知症を応援する機運醸成に期待をしていますが、残念ながら登録企業数が年度でばらつきが多く、ここ数年は減少傾向です。県は、認知症サポート企業の増加を図るべきですが、福祉部長に伺います。
A 金子直史 福祉部長
認知症サポート企業は、認知症への適切な理解と対応に努める企業等で従業員の過半数が認知症サポーターとなることや、認知症の普及啓発などの活動をお願いしております。
最近では、コロナ禍の影響などもあり登録数は増えておりませんが、現在、都県境を越える医療機関が認知症サポート企業への登録を目指して認知症サポーターの養成に努めるなどの動きも出てきております。
サポート企業は、認知症カフェの会場の提供や地域で認知症の普及啓発イベントを実施したり、地域の見守り活動に参加するなど、様々な活動を行っております。
サポート企業として新たに登録していただくためには、企業や団体が活動イメージを持っていただくことも必要ですので、今後はこうした取組についても県のホームページなどで広く紹介してまいります。
また、企業等が地域での見守り活動を行うなど高齢者のサポートを行うプラチナ・サポート・ショップ登録企業に対しましても積極的に登録を働きかけてまいります。
認知症の人にやさしい地域社会を築くためには、民間企業との連携が重要と考えておりますので、認知症サポート企業の拡大に積極的に取り組んでまいります。
生物多様性を進めるべき(環境部長)
レッドデータブック植物編の改訂を急ぐべき
Q 石川忠義 議員(県民)
埼玉県は都市化が進み、緑地率は現在まで年々減少しています。緑地の分断化の傾向もあります。
緑地などの自然減少に伴い、多様な生物の生息空間が危ぶまれています。県でも5か年計画をはじめ、各施策の中で緑の保全や生物多様性の保全に取り組んでいますが、持続可能な社会の実現のために生物多様性を更に進めるべきです。
レッドデータブック植物編の改訂を急ぐべきですが、いかがか伺います。
県内の絶滅するおそれがある動植物のリストであるレッドデータブックは、動物編と植物編があります。動物編は2018年に策定されていますが、植物編は2011年に策定され、既に10年以上が経過をしています。これまでは大体7年周期で見直しがされていますが、今回は10年以上が経過し、県内植物の状況も変わっています。
県レッドデータブック植物編の改訂を急ぐべきですが、環境部長に伺います。
A 目良聡 環境部長
埼玉県レッドデータブックは、県内で絶滅のおそれのある野生生物をリストアップし、その現状をまとめた資料であり、動物編と植物編を交互に策定しております。
平成30年度に動物編を改訂したのち、令和元年度から植物編の改訂作業に着手しており、これまでに約1,200種の植物について、最新の分布状況を把握するための文献調査、新たに追加すべき種の標本調査、並びに現地での確認調査を実施しているところでございます。
今後、学識経験者や環境保全団体などで構成する検討委員会において調査結果を評価し、生息状況の解説などの執筆や編集を進め、令和5年度には改訂する予定でございます。
埼玉県生物多様性保全戦略の策定を進めるべき
Q 石川忠義 議員(県民)
生物多様性保全戦略は多様な生物の保全と利用について定め、自然共生社会を目指すものです。埼玉県では、平成30年2月に策定をしましたが、計画期間は昨年度までです。開発や都市化が進む埼玉県は、計画期間が切れた埼玉県生物多様性保全戦略を改めて策定を進めるべきです。
昨年の一般質問では私の質問に、これまでの取組に加えて5か年計画で位置付けた埼玉版SDGsの重要テーマにしたとしています。しかしながら、両計画とも具体的な緑地、生物多様性については踏み込めていません。
国家戦略は国の生物多様性国家戦略小委員会のロードマップで、年度内の閣議決定の見込みが示されました。県は、これまでの同戦略を磨き上げ、策定を進めるべきです。さらに、生物多様性に生かすべきですが、環境部長に伺います。
A 目良聡 環境部長
県では、次期埼玉県生物多様性保全戦略の策定に向けて、庁内ワーキンググループを令和2年度に設置し、これまでの取組の成果や課題の整理などを行うとともに、今後の方向性や新たな取組の検討を進めております。
一方で、都道府県が生物多様性地域戦略を策定するに当たっては、国家戦略を基本とする旨が、生物多様性基本法第13条に定められております。
生物多様性条約第15回締約国会議、いわゆるCOP15が度重なる延期の末、今まさに開催されるところで、次期国家戦略の策定は当初予定よりも約2年遅れて、令和5年3月の予定と伺っております。
次期国家戦略では、2030年までの目標として、自然の損失を止め回復軌道に乗せるネイチャーポジティブを掲げ、陸上と海域のそれぞれ30%以上を保全しようとする「30by30」などの新しい概念が検討されております。
関係団体からは、次期国家戦略の新しい知見や最新の社会情勢を十分に反映して県戦略を策定するようにとの御意見もいただいております。
新たな国家戦略が策定されましたら、専門家や県民の御意見も伺いながら、できるだけ早期に次期県戦略を策定したいと考えております。
市町村に生物多様性地域戦略の策定を促すべき
Q 石川忠義 議員(県民)
もともとこれまでの県生物多様性保全戦略では、市町村が生物多様性地域戦略の策定を進め、個々の地域特有の生物多様性に取り組むことを期待していました。狭い単位での自然の喪失が、やがて広い単位での自然喪失につながります。地域特有の自然が失われることは、県の自然が失われることと同じです。
県は、市町村に生物多様性地域戦略の策定を促すべきですが、環境部長に伺います。
A 目良聡 環境部長
生物多様性の保全は、県民の身近な問題として捉えることが必要であり、市町村の果たす役割は重要と考えております。
生物多様性基本法でも、市町村の地域戦略の策定を努力義務と規定しております。
県では、様々な機会を捉え市町村に呼び掛けてまいりましたが、県内で策定している市町村は10市町にとどまっており、更なる促進の必要性を認識しております。
そこで、今年度、環境科学国際センター内に生物多様性センターを設置し、生物多様性に関する技術支援や情報提供の体制を整え、専門的な知見を有する職員が市町村に出向いて技術的助言を行っているところでございます。
今後、改めて市町村に戦略策定を働き掛けるとともに、生物多様性センターを中心に専門性を生かした技術支援を積極的に行ってまいります。
県内祭りの無形民俗文化財指定を積極的に進めるべき(教育長)
県内の祭り・行事などを守ることの重要性に関する認識について
Q 石川忠義 議員(県民)
各地で開催される祭りや伝統行事は、地域の特性や伝統を引き継ぎ、歴史的、文化的価値が高く、積極的に守っていく姿勢が必要です。県内には、久喜市の鷲宮催馬楽神楽、ユネスコの無形文化遺産として登録された秩父祭の屋台行事と神楽、川越市の川越氷川祭の山車行事など、8つの国指定重要無形民俗文化財があります。また、県指定無形民俗文化財には51の祭りや伝統行事が指定をされています。
県内にはほかにも各地に多くの祭り、伝統行事があり、平成28年2月定例会では教育長が、未指定の民俗文化財の全体状況を把握する調査を行い、指定を積極的に進めていくとありました。しかしながら、新型コロナウイルス感染症の影響で、県内各地での祭りや伝統行事は規模縮小や中止などが相次ぎ、伝承が難しい状況が見えます。教育委員会は、このような状況を踏まえ、積極的に指定を進める姿勢を持つべきです。
県内の祭り・行事などを守ることの重要性について、教育長の認識を伺います。
A 高田直芳 教育長
県内各地の祭りや伝統行事は、世代や立場を超えて、地域の人々を結び付ける大きな力を持つものであり、それぞれの地域において将来にしっかり継承されていくことは大変重要なことと認識しております。
県教育委員会といたしましても、本県にとって重要な祭りや伝統行事については、県指定無形民俗文化財に指定し、市町村と協力して保護団体を支援しているところでございます。
また、市町村を通じて祭りや伝統行事の保護に関する情報提供などにも取り組んでおります。
今後とも、こうした取組を積極的に進め、祭りや伝統行事の継承に努めてまいります。
県内の祭り・行事の調査を行うべき
Q 石川忠義 議員(県民)
現在の県無形民俗文化財指定の方針では、平成6年度から8年度にかけて行われた埼玉県の祭り・行事調査において、埼玉県の特色ある行事に挙げられているもののうち、県指定及び県選択となっていない行事を優先的に検討することになっています。しかしながら、実際には審議会の中に設けられた部会が積極的に調査と検討を進めなければ、審議会に諮ることもできないと伺っています。
そこで、教育委員会として先ほどの答弁を踏まえて、県内の祭り・行事の調査を積極的に行う姿勢を示すべきですが、教育長に伺います。
A 高田直芳 教育長
文化財の保存と活用に関する重要事項について審議する埼玉県文化財保護審議会では、議員お話しの民俗文化財指定方針に基づいて、県内の祭りや伝統行事の調査を積極的に行っております。
例えば、平成27年度から、「身体や神輿を川の水で清め、邪気を祓う行事」の一つとして、荒川流域に広く分布する「埼玉県の川瀬行事」の調査を実施し、令和3年に「秩父川瀬祭」の一部の行事を無形民俗文化財に指定したところでございます。
こうした審議会の調査が円滑に進むよう、県においても、平成29年度から3年間にわたり、県全域における山・鉾・屋台行事の調査を実施するなど、県内に一定の広がりをもって分布する祭りや伝統行事の状況の把握に努めております。
県では、こうした審議会や県の調査と、市町村が中心となって行う個別の祭りや伝統行事の調査の成果を合わせて、県指定へ向けた評価を行っております。
県といたしましては、今後とも、市町村と連携協力しながら、積極的に県内の祭りや伝統行事の全体の状況について把握し、審議会の調査が円滑に進むよう努めてまいります。
再Q 石川忠義 議員(県民)
これまでも平成29年度から調査を実施して把握をしているということですけれども、基礎的な調査、もっと幅広くいろいろな、平成6年、8年の調査のときにその中から文化財を検討していくということで、漏れているところの方が今のところ多くなっています。
そういったところについても基礎的な調査をまず県の方でしてあげて、補完する部分を市町村にお任せをして、そうすることで審議会にかかることも可能になってくると思いますが、この幅広い基礎調査についてはいかがですか。
再A 高田直芳 教育長
地域に残る伝統的な祭りや行事などをしっかりと継承していくことは、非常に重要なことだと考えております。
議員からお話がございましたとおり、まずは基礎的な調査を県教育委員会としてしっかり行った上で、市町村の調査も含めて、審議会にお諮りをするようにという御趣旨かと承りました。
この間、3年ばかりの間、地域の祭りがなかなか実施できない状況もございましたので、なかなかそうしたことも難しい状況がございましたけれども、議員のお話を踏まえて、基礎的な調査について、取り組めるよう、検討を進めてまいります。
久喜八雲神社の山車行事(久喜提燈祭り「天王様」)の無形民俗文化財指定を進めるべき
Q 石川忠義 議員(県民)
先日の12月2日に、久喜市教育委員会から「久喜市指定文化財の埼玉県文化財保護審議会への諮問について」との要望書が提出されました。この祭りについて、市は「都市部の疫病退散を目的とした山・鉾・屋台行事で、人形山車からちょうちん山車へと大がかりに転換する行事は全国的に例が少なく、県内で唯一である。平成31年には調査報告書も3年がかりで刊行している」としています。
貴重な地域の祭り、文化である久喜市指定無形民俗文化財、久喜八雲神社の山車行事(久喜提燈祭り「天王様」)の指定を進めるべきですが、教育長の考えを伺います。
A 高田直芳 教育長
無形民俗文化財指定方針では、議員お話しの「久喜八雲神社の山車行事」、「久喜提燈祭り『天王様』」のような大規模な祭礼や行事等については、伝統的な民俗的要素を豊富に伝えているものを指定の要件としています。
具体的には、行事が長い歴史を有しており、伝統的な要素がよく残っていること、行事の内容及び山車・屋台等の祭礼に使用する道具類について今日に至る変遷の過程が明らかになっていること等の評価基準が定められております。
「久喜八雲神社の山車行事」、「久喜提燈祭り『天王様』」につきましては、平成30年度に久喜市教育委員会によって調査報告書が刊行されております。
埼玉県文化財保護審議会の委員からは、報告書は祭りの現状について詳細に記載しているものの、行事及び山車の今日に至る移り変わりを十分には明らかにしていないとの御意見をいただいており、県の文化財として指定するには更なる調査が必要な状況でございます。県では、こうした状況について久喜市教育委員会に丁寧にご説明しており、今後、久喜市教育委員会が更なる調査を進められる場合には、必要な情報提供や助言を行うなど支援してまいります。
地元問題について(県土整備部長)
県道さいたま栗橋線の門樋橋改修とこれに伴う交差点等の改良について
Q 石川忠義 議員(県民)
久喜市内の一級河川中川と県道さいたま栗橋線が交差する門樋橋の架替えについて、前回質問への答弁は「地元の要望を聞きながら市や警察と協議を進める」ということでした。その後、今年2月には地元説明会で要望などをいただき、意見交換も行いました。
当初は昨年度内に設計に着手ということでしたが、これを踏まえた進捗について、県土整備部長に伺います。
A 北田健夫 県土整備部長
県道さいたま栗橋線の門樋橋は、一級河川中川の拡幅に伴い、平成30年度から架換え事業に着手しております。
令和4年2月の地元説明会では、橋の南北2つの交差点の右折帯設置などについて直接ご意見を伺いました。
また、地元久喜市からも、北側の交差点について周辺の産業団地整備により、交通量の増加が見込まれることから、右折帯や定周期信号機の設置要望がございました。
このため、この2つの交差点については地元の要望を踏まえ、県警、久喜市、県の3者による道路協議を進めるとともに、橋梁の詳細設計を実施しております。
引き続き、県警や地元市と連携を図りながら事業を推進してまいります。
県道行田蓮田線の菖蒲町栢間地区に関わる早期整備について
Q 石川忠義 議員(県民)
久喜市菖蒲町栢間の下栢間交差点から久喜市鴻巣市境までの区間です。平成30年9月定例会でも取り上げました。
この道路は交通量が多い割に幅員が狭い区間があり、とても危険です。上栢間の一部は両側に歩道がない上に幅員が狭く、自動車がぎりぎりですれ違う道路を地元の皆さんは横断、通行を余儀なくされています。こうしたことから、平成22年、29年度にも地元から整備を求め、要望書も出ています。
県は、特に危険地帯から整備を進めるべきですが、同県道の未改良区間の早期整備について、県土整備部長に伺います。
A 北田健夫 県土整備部長
県道行田蓮田線の下栢間交差点から鴻巣市境までの区間につきましては、栢間小学校の通学路に指定されていた900メートル区間において、歩道整備と車道の拡幅を実施いたしました。
しかし、車道が狭く歩道も無い未改良区間が残っており、拡幅整備が必要であることは認識しております。
現在、県では久喜市内において、県道北根菖蒲線の拡幅事業や県道加須幸手線、県道春日部菖蒲線のバイパス事業などを進めているところでございます。
御質問の未改良区間につきましては、現在進めている事業の進捗状況、周辺地域の交通状況、土地利用の動向などを踏まえながら、整備の時期について検討してまいります。
再Q 石川忠義 議員(県民)
ほかの道路の事業の進捗も見ながら整備の時期について検討していくということですけれども、ほかの事業も少しずつどんどん進捗が進んでいます。こういう状況ですから、なるべく早く、ずっとこの道路は待たされている地域ですから、なるべく早くこの整備を、整備の時期についても検討していくべきと思いますがいかがか、お願いします。
再A 北田健夫 県土整備部長
只今御指摘いただきました視点も含めて、整備の時期については検討してまいります。
県道加須幸手線の鷲宮地区に関わる整備について
Q 石川忠義 議員(県民)
県道加須幸手線は、幸手市内の国道4号から久喜市の鷲宮地区を通り、加須市をつなぐ県道です。既に県道さいたま栗橋線までの整備はできていますが、西側の部分については用地買収や一部工事など事業を進めています。
そして今年9月に、杉戸県土整備事務所から地元で進捗についての説明をお願いしたところ、地元から、以前の説明にあった交差点整備の形と違うとの指摘がありました。同事務所では、警察との協議の結果ということですが、当初の地元への説明と相違があるまま事業が進むことへの懸念があります。
交差点部分を含めた同県道の鷲宮地区事業の見通しと進捗について、県土整備部長に伺います。
A 北田健夫 県土整備部長
県道加須幸手線の鷲宮地区につきましては、県道さいたま栗橋線から加須市境までの約1.3キロメートルのバイパス整備を進めております。
これまでに、鷲宮総合支所へ通じる市道鷲宮2号線から西側へ160メートルの工事が完了しており、令和4年度は、さらに西側へ100メートルの工事を実施しております。
現在の進捗状況は、用地買収率68%、工事進捗率36%となっております。
また、地元要望の交差点設置は、県警や久喜市と協議してまいりましたが、交差する市道は狭隘で交通需要が少ないため、現況では難しい状況でございます。
このため、再度、県警や市と意見交換を行い、交差点設置や代替案など課題解決に向けて検討してまいります。
引き続き、地元の皆様の御理解と御協力をいただきながら、事業を推進してまいります。
県道川越栗橋線の清久地区に関わる整備について
Q 石川忠義 議員(県民)
この道路の渋滞緩和・安全対策問題は、平成28年2月定例会から令和3年9月定例会まで過去5回、一般質問で取り上げてきました。この間、少しずつ安全対策などを進めていただき、発足した県・市・地元との検討会も動き出し、対策が始まっています。また、上清久交差点の改良事業なども進み、今後の進捗を期待しているところです。
先月にも今後の同県道の渋滞・安全対策として地元から整備などについていろいろな要望、意見があったと伺っています。これを踏まえ、今後の同県道の清久地区に関わる整備についての考えを、県土整備部長に伺います。
A 北田健夫 県土整備部長
この県道では、県、市、県警、地元自治会による「県道川越栗橋線の渋滞・安全対策に関する検討会」を設置し、意見交換を行っております。
これまでに、検討会でいただいた御意見を踏まえ、舗装の修繕や側溝の整備による段差の解消などの安全対策を行っております。
また、渋滞対策については、3箇所の交差点で交通量調査を行い、最も渋滞が著しい上清久交差点の整備に向けて測量設計に着手しております。
令和4年11月の検討会では、歩道部の除草や交差点部の安全対策など更なる御意見や御要望をいただきましたので、必要な対策について、現地の状況に応じて検討してまいります。
引き続き、検討会や地元の皆様の御意見を伺いながら、県道川越栗橋線の渋滞対策や安全対策を進めてまいります。