代表質問・一般質問

【一般質問】 並木正年(鴻巣市)10月2日(金曜日)

県庁の働き方改革と職員の増員について

Q 並木正年 議員(県民)

厚生労働省は、令和元年度の労災申請として、仕事を起因とするうつ病や睡眠障害など精神疾患を理由とした件数が前年比プラス240件の2,060件、脳や心疾患に関する事案が前年比プラス59件の936件であったと公表しました。男女別に見ると、女性では就労機会の増加からセクハラ、マタハラ、ニイハラなど女性特有のハラスメントによって164件増加して952件、男性では仕事内容や量の多さからの過重労働による心疾患など申請、認定ともに1983年の統計開始以降、最多となっています。
昨年4月に働き方改革関連法が施行され、常時雇用する人数が300名を超える企業に対しては、残業時間の罰則付き上限規制が適用されましたが、労災申請は増加傾向にあるようです。
そこで、最初の質問です。全てが仕事によるものではないと思いますが、本県職員の精神疾患による休職の状況、そして復職に向けた支援について伺います。
次に、職員の負担軽減についてです。
本県の人口は全国第5位の734万人ですが、同規模である全国第4位、755万人の愛知県と平成31年度における職員数を比較すると、教育部門は約2,600人少ない3万7,012人、警察部門は約1,600人少ない1万2,878人、知事部局でも約1,600人少ない6,776人と、いずれも少ない人員で県政運営を行っています。
また、県民1万人当たりに対する一般行政部門職員数は、全国平均の23.3人を大きく下回る全国最少の11.3人となっています。本県の平成18年から今年までの人口増加率は4%、数にして28万2,000人増加していますが、この間に知事部局の職員数は1,169名が削減されています。
また、直近10年間では、ラグビーワールドカップやオリンピック・パラリンピックに関係する県民生活部が12%増、福祉部も15%増員されている一方、知事部局全体としての増員はわずか22名であることから、職員一人当たりの業務量が過大になっていると感じます。
保健医療部では業務量の増大から7月6日付けで感染症対策課が新設されましたが、機構改革や職員の増員は、新型コロナウイルスの陽性者数が増加し始めた4月7日の緊急事態宣言前に行っておく必要があったと思います。機構改革による人員の確保は、医療や相談体制をはじめとした対策を強化するために先手を打つことが重要だったはずであり、危機管理を専門とする知事は、空振りを恐れることなく事前に対策を打っていくと様々な場面で答弁されています。
そこで、2つ目の質問として、感染症対策課の設置が7月6日付けと遅れた理由について。また、この課の新設によって、これまでの体制と異なり、どのような対策が強化できているか伺います。
次に、ICTツール等を活用したテレワークの推進と時差通勤についてです。
県では、新型コロナウイルス感染防止対策として、テレワークを導入する企業に奨励金を支給するなど積極的に支援するとともに、テレワークを活用したローテーション勤務や時差通勤などを実施して感染症対策を進めています。
今後は、県庁において感染防止対策のみにとどまらず、子育て世帯や女性、遠距離通勤者などを優先し、テレワークや時差通勤などで仕事と生活の両立支援を更に推進していくべきだと考えますが、実施状況とともに、今後の取組の推進について伺います。
次に、時間外勤務の縮減についてです。
本県職員は極めて優秀なことは分かりますが、734万県民を全国最少の職員数で行政サービスを行う場合には、幾つかの弊害が顕著に表れます。それは時間外の勤務です。平成30年度決算によると、本県職員一人当たりの時間外勤務手当の平均は年間54万3,000円、総支給額は122億円を超え、東京都職員一人当たりの時間外勤務手当平均34万2,000円を20万円上回っています。
労働基準法第33条第3項にあるように、県土整備事務所など一部の職員を除いては、時間外労働の上限規制適用外であるため、民間企業とは単純に比較できないことは承知しています。コロナ特別委員会で私が行った質疑において職員の時間外勤務の状況は、新型コロナウイルス感染症に対応するために県庁全体で1割以上増えており、個人では月200時間を超える時間外勤務を行った職員がいたことが明らかになっています。
そこで、非常時とはいえ、特定の部署や個人に大きな負担となっている現状をどう改善していくのか。また、年度途中ですが、保健所などの負担軽減のために、さらに職員の採用を図るべきと考えますが、いかがでしょうか。
最後に、職員の増員についてです。
保健医療部では医療機関、保健所との調整、宿泊施設の確保や物資調達など、少数で深夜にも及ぶ業務に追われ、各部局から延べ2,000名を超える総動員の応援を行うなど、今も多くの対応に当たっていただいています。災害時や非常時の対応を確実に行う体制や、多様化する県民ニーズを捉え実行するためにも、全国最少の職員数ではなく、本県の人口規模に相応な職員の増員を行っていくべきです。
また、人事委員会からは、総実勤務時間の縮減、民間労働法制の改正等を踏まえ、任命権者において時間外勤務命令の上限が遵守されるよう、実効性のある措置を講じていくことが必要であると報告されています。
今年度、その一環として、庁内の提携業務を集約して処理するスマートステーション「flat」が開設されました。このような取組に加えて、今後、時間外勤務の縮減に向けた働き方改革をどのように進め、実効性のある取組を行っていくのか、職員の増員の必要性の認識と併せて、以上5点、知事の所見を伺います。

A 大野元裕 知事

本県職員の精神疾患による休職の状況についてでございます。
令和元年度の精神疾患による休職者は82人であり、平成30年度と比べ残念ながら10人増加をいたしました。
休職に至った原因は、仕事や家庭など複数の要因が関係していることが多く、仕事面では、職場内の人間関係や業務量の増加、異動による業務内容や職場環境の変化などが多くなっています。
また、休職者の内訳は、主事や主任である一般職員が8割弱であり、30代までの職員で約半数となるなど、いわゆる若手職員が多くなっています。
将来の県庁を支える若手職員に精神疾患が多いということは、非常に憂慮するべきことでありますので、状況に合わせたきめ細やかな対策を進めているところであります。
次に、復職に向けた支援についてでございます。
本県では、精神疾患による休職者については、所属だけに任せることなく、必要な場合には精神科産業医を中心としたメンタルケアチームにより対応しています。
また、業務への不適応による精神疾患を発症した職員については、経験のある分野でリハビリ勤務を行い、復職と同時に配置換えを行うなどの対応を実施しました。
これらの取組により、令和元年度は28人の復職を実現をいたしました。
なお、精神疾患による休職から復職する場合、必ず精神科嘱託医に判断を求めることとしており、復職による健康状況の悪化を防いでおります。
この1年間、職員には豚熱、台風、新型コロナウイルス感染症への対応など大変な苦労の中、頑張っていただいています。
職員が心身ともに健康な状態で勤務できるような環境を整えることは、任命権者である私に課せられた重要な責務と考えております。
また、職員が心身ともに健康で能力をいかんなく発揮することは、県民サービスの向上にもつながります。
今後も、精神疾患の発生予防と早期復職に向けた取組を充実させてまいります。
次に、感染症対策課の設置が7月6日付けとなった理由についてでございます。
新型コロナウイルス感染症は未知の感染症であり、その感染速度、感染規模や予防策など、いまだ不明なところが多くありますが、特に3月から5月頃の感染拡大期においては、対応や職務分担について手探りの中でも感染症対策に万全を期すべく、全庁からの応援体制で対応いたしました。
6月に入り、徐々に蓄えられた知見を踏まえ、新規の感染者が落ち着いた中で、再拡大への備えを進めるため、業務の執行体制を見直しました。
その中で、この非常事態が長期化するおそれを否定できないこと、クラスター対策などを推進する必要があることから、感染症対策に関する専任の担当課として、感染症対策課を設置したものです。
設置の時期については、未知の新型コロナウイルス感染症の流行状況に応じた体制を整える中で、感染症対策への知見が蓄積され、専任の組織が必要となったタイミングで適切に設置をしたものと考えております。
次に、感染症対策課の設置により、どのような対策が強化できているのかについてでございます。
感染症対策課の新設により、大きく二つの対策を強化することができました。
第一に、宿泊療養施設の確保及び運営です。
感染症対策課を設置するまでの間、宿泊療養施設の確保及び運営は他の所属の応援職員が中心となって進めてきたところです。
一方、軽症者及び無症状者は宿泊療養施設での療養を原則とする中で、長期間、複数の施設を運営する必要があることが判明をいたしました。
そこで、感染症対策課が専任組織として継続的に宿泊療養施設の確保や運営に当たる体制を整えました。
同一の職員が継続的に業務に当たることで、知識や経験の蓄積を生かした効率的な運営を行うことができるようになりました。
第二に、クラスター対策です。
感染症対策課はクラスター対策チーム(COVMAT)業務を所掌しております。
医療機関や介護施設などで一人でも陽性者が発生した場合には、医師、看護師、保健師及び事務職員によるチームを派遣し、クラスターの発生を未然に防ぎます。
これまでクラスター対策は各保健所が行っていましたが、COVMATの発足により、保健所の負担を大きく軽減することができました。
なお、COVMATは10月1日までに16回出動しております。
今後も専任組織としての特性を生かし、新型コロナウイルス感染症対策を推進してまいります。
次に、テレワークや時差通勤などによる「仕事と生活の両立支援」の推進についてでございます。
まず、実施状況でございますが、新型コロナウイルス感染症防止対策が必要となった今年2月以降、約6割の職員が、1回以上テレワークを経験しております。
緊急事態宣言下においては平日1日当たり平均約900人、緊急事態宣言が解除された後は、1日当たり平均約200人の職員がテレワークを利用しています。
また、時差通勤につきましては、同じく約4割の職員が経験をし、緊急事態宣言下においては平日1日当たり平均約1,500人、緊急事態宣言が解除された後は、1日当たり平均約900人の職員が行っております。
次に、今後の取組の推進についてです。
テレワーク・時差通勤を行った職員へのアンケート調査におきましては、多くの職員から、「通勤時間が削減できる」「通勤に伴う疲労感がない」などの声が寄せられました。
テレワークや時差通勤など多様な働き方の普及は、子育て世帯や遠距離通勤などの職員が「仕事と生活の両立」を図る上で非常に有効な手段だと考えます。
また、私が進める女性活躍の推進にもつながるのではないかと思います。
一方、テレワークの普及に当たっては、ICT機器などの環境整備やペーパーレス化の推進などの働き方の見直しが不可欠であります。
ハード・ソフト両面での対策を進め、「仕事と生活の両立」を図りやすい職場環境づくりに取り組み、働き方改革を進めてまいります。
次に、職員の負担軽減についてでございます。
議員御指摘のとおり、新型コロナウイルス感染症の拡大期であった4月には、未知の感染症への対応の全体像が見えない中で、一部の職員に業務が偏り、月200時間を超える時間外勤務を行った者がおりました。
この状況を改善すべく、特に時間外勤務が過大となっている保健医療部では、業務の見直しや応援体制の拡充を行いました。
保健所においては、保健師の負担軽減のため、専門性を要しない業務について事務職への業務配分を行いました。
さらに、陽性者への健康観察を行うため、民間派遣看護師を増員し、現在42名が業務に当たっております。
また、検体の搬送や患者の移送を民間に委託し職員の負担軽減を図りました。
これらの対策により、7月以降の再拡大期におきましては、保健所全体の時間外勤務数の平均値を4月から約2割削減をすることができました。
いまだに負担が大きい状況を完全に解消できたとは言えません。最も時間外勤務が多い職員の時間数も4月から約4割削減することができました。
また、本庁においても、応援体制を拡充して対応したほか、特に負担が大きい所属には職員の増員を行っております。
保健医療政策課及び感染症対策課では、業務繁忙の状況が続いていることから、10月1日付けで増員を行いました。
保健所の負担軽減のための増員についても、年度途中での職員採用も含め、検討を進めてまいります。
今後も業務の見直しや応援体制の拡充、職員の採用などあらゆる方法によって、職員の負担軽減に努めてまいります。
次に、時間外勤務の縮減に向けた働き方改革と増員の必要性の認識についてでございます。
働き方改革の推進に向けては、今後、ペーパーレス化などデジタル技術を活用して効率化を図る行政プロセスの見直しに取り組みます。
例えば、申請を紙から電子にすると、職員の手入力が省略できたり、結果通知の郵送が不要になるなど一連のプロセスの効率化が期待できます。
また、会議録の作成では、音声認識ソフトを活用することにより、大幅な作業時間の削減が期待できます。
こうした見直しにより、業務の効率化や時間外勤務の削減を図り、職員が能力を最大限に発揮する働き方改革を進め、県民サービス向上につなげてまいります。
また、新たな行政需要や県政の重要課題に重点的に対応できるよう、事業の不断の見直しを図りながら、業務量に応じメリハリをつけた人員配置を行うことも必要です。
今回の新型コロナウイルス感染症対策のように年度途中における業務量の急増につきましては、緊急的な応援体制をとりつつ、必要に応じて年度途中であっても増員をするなど時宜にかなった対応を行ってまいります。
今後も、行政改革の努力をした上で、なお、県民の生命や財産に重大な影響を及ぼす事案等の対応には必要な職員を増員するなど、多様な課題に的確かつ弾力的に対応してまいります。

新型コロナウイルスの影響を踏まえた知事公約の進め方について

Q 並木正年 議員(県民)

大野知事は、昨年8月31日の就任以来間もなく、9月13日には豚熱の感染確認、10月には令和元年東日本台風による災害発生から、姉妹都市提携を結ぶオーストラリア、クイーンズランド州の訪問を取りやめての災害対応、そして2月からは新型コロナウイルス感染症対応など、寸暇を惜しんで公務に当たってこられたことと思います。
そして、いまだ終息のめどが立たないコロナ禍の状況において、今後の県政運営は未知の領域に突入するかもしれません。新型コロナウイルスによる影響は、平成20年のリーマン・ショックとは違い金融不安ではありませんが、平成19年の日経平均は1万8,000円を超える場面もありましたが、徐々に1万2,000円を割り込み、そして10月には最安値となる6,994円を記録しました。その後、一時的な回復もありましたが、1万円を回復したのは夏になってからと、以前の水準に戻るまでには4年の歳月を費やしています。
本県を見ても、リーマン・ショックのあった平成20年の実質経済成長率はマイナス1.8%、翌年はマイナス2.1%と、国と比較するとマイナス分はやや低いものの、県内企業の利益なども含めた県民所得を人口で割った一人当たり県民所得も、それぞれマイナス4.1%、マイナス4.8%と、その影響は翌年以降に大きく響いてきました。
また、リーマン・ショック時と翌年を比較すると、県民税や不動産取得税、自動車取得税など、いずれの項目も税収は前年度を下回り、法人事業税においては約805億円の減、県税全体では1,095億円の減、また納税率も前年より1%減の94.6%になるなど、景気の低迷が県の歳入に大きな影響を与えました。
そして、今後は災害対策費や社会保障関連費などを除き、これまで取り組んできた既存事業の見直し、あるいは縮小など選択と集中を図りながらも、真に必要な事業は継承、実行しなければならないという知事の手腕による高度な県政運営が求められます。
就任から1年を迎えた知事の定例記者会見では、知事公約約128項目とSDGsを加えた129項目のうち、一部の遅れや事業の中止を余儀なくされたものがあるものの、約8割に当たる106項目についてはおおむね順調に進んでいるとのことでした。
近年にない災害やコロナ禍という状況の中で、新たな生活様式の構築が求められるなど、知事が当選した1年前とは世の中の情勢が大きく変わってきており、密に配慮した事業手法や財源の確保など、公約を進める上での厳しい制約も出てきています。知事はこの1年間、県政のかじ取りを行ってきて、今まで見えなかった部分も多くあるのではないかと思います。
そこで、知事就任2年目を迎え、今後の公約実現に向けた工程表の進め方について、知事の考えを伺います。

A 大野元裕 知事

議員お話しのとおり、これまでは、起きてほしくない非常事態への対応に追われた1年でした。
残念ながら、今なお、新型コロナウイルス感染症への特効薬がない中、当面は、感染拡大防止と県経済の迅速な回復が最優先となり、オリンピック・パラリンピック関連事業をはじめ、「工程表」に一部遅延が発生せざるを得ない状況であります。
しかし、既存事業をゼロベースで見直すことなどにより、限られた資源を公約実現のためにできる限り振り向け、事業の進め方の見直しや工夫などを行い、「工程表」に沿った成果が出せるよう取り組んでまいります。
また、コロナ禍を経験し強く再認識したのは、デジタルトランスフォーメーションの実現に向けた環境を整備し、「新たな社会」を構築していくことの重要性であります。
このような情勢の変化により、行政改革とIT化という公約を更に強力に推進する必要性を痛感しており、申請手続のデジタル化や庁内のIT化・ペーパーレス化など、県民生活の利便性向上と業務の効率化の両立を図ってまいります。
併せて、この新たな視点を県の施策として総合的に反映し、強力に推進させるためには、最終的には最上位に位置付けられる5か年計画に反映させる必要があります。
次期5か年計画の策定に当たっては、「工程表」にお示しした内容に「新たな社会」の構築などといった視点も加味し、県議会の皆様の御意見を賜りながら、検討を進めてまいります。

企業活動の継続に向けた支援について

Q 並木正年 議員(県民)

財務省の「新型コロナウイルス感染症による企業活動への影響とその対応」によると、6月から7月時点の業績は、全産業の約69%で減少しているとの回答があります。また、東京商工リサーチの第7回埼玉県新型コロナに関するアンケート調査では、約77%の企業が前年同月比で売上高が減少したと回答するなど、99.8%が中小零細企業である県内企業は、外出や県外への移動自粛、休業要請などが企業活動に大きな影響を与えたことがうかがえます。
平成28年経済センサスによると、本県の産業大分類別事業所数は、最も多い業種が卸・小売業で約5万6,000事業所、続いて宿泊業・飲食サービス業が約2万7,000事業所、製造業が約2万6,000事業所、建設業が約2万5,000事業所であり、これらの業種だけでも本県の6割弱を占めています。
ここで注目すべきは、事業所数の推移であり、平成24年調査と比較すると、これらの業種だけでも4.1%も減少しています。長引く景気の低迷と、平均年齢60歳と言われる経営者の高齢化、68%と言われる後継者不在率ですが、今後はさらに新型コロナウイルスの影響によって、廃業などによる事業所数の減少割合が増加していくものと考えられます。
本県の経済を長年支えていただいた事業者の方には、自治会やPTA、消防団、そして防犯活動など、常に地域の主役として活動し、貢献されてこられた方も多いはずです。いまだ終息が見えないコロナ禍において、県経済の活力を維持するための事業継続は予断を許さない状況にありますので、どのような実効性のある企業支援を行っていくのか伺います。
また、現在、約7割の事業者が後継者不在と言われる中で、県内事業者の技術や雇用を維持していくための埼玉県事業承継ネットワークにおける取組が重要であり、これには従業員や第三者による親族外の継承が大きな鍵を握ると思います。
県では、今年3月から後継者不在情報と創業希望者とのマッチングを進めるために人材バンクを創設して、事業の承継支援を図っています。これまでの成果と後継者不在の事業所に対する支援を今後どのように進めていくのか、以上2点、産業労働部長に伺います。

A 加藤和男 産業労働部長

まず、実効性ある企業支援についてでございます。
コロナ禍で、企業が事業継続していく上でまず必要となるのは資金繰りに対する支援と考えております。
県では、止血的措置として本年2月に制度融資の要件を緩和して以降、多くの企業の資金需要に対応するため、順次、融資枠の拡大を行い、例年3,600億円の融資枠を1兆2,000億円としております。
引き続き、県内中小企業の資金ニーズを注視し、資金繰りに支障が生じないよう、迅速かつ弾力的に対応してまいります。
また、感染症の影響が長期化する中で、感染防止の取組と社会経済活動の両立を図っていく必要があります。
これまでも、業種別組合や商店街が取り組む感染防止や販路拡大、新しい生活様式に対応するためのテレワークの整備費用の助成などを実施してまいりました。
また、今議会においても販路開拓のためのオンライン化支援や、観光関連事業者への支援に関する補正予算をお願いしているところでございます。
引き続き、県経済、更には地域社会を支える事業者に対し、適時適切に実効性ある支援を行ってまいります。
次に、後継者人材バンクの成果についてでございます。
埼玉県後継者人材バンクは、創業を目指す起業家と後継者不在の事業者をマッチングする仕組みとして、今年3月に事業を開始いたしました。
半年経過した現時点ではマッチングは成立しておりませんが、バンクには意欲のある起業家12名が登録しており、後継者不在で譲渡希望の事業者178社と、成立を目指してマッチングを進めております。
次に、後継者不在の事業者に対する支援でございます。
県では、平成30年度に商工団体、金融機関、税理士会など多くの専門家で構成する「埼玉県事業承継ネットワーク」を構築し、相談があった場合には連携して支援する体制を整備いたしました。
例えば、後継者不在のため、親族以外の従業員への承継に関する相談が寄せられた場合には、ネットワーク構成員のうち第三者承継にノウハウを有する事業引継ぎ支援センターに取り次ぎ、支援を行っております。
昨年度は、ネットワークに寄せられた501件の事案を事業引継ぎ支援センターに取り次ぎ、38件の承継につなげました。
今後とも、県内事業者の後継者に関する情報を幅広く収集し、的確な支援を提供することで、より多くの事業承継を進め、県内事業者の技術と雇用の維持に努めてまいります。

埼玉観光の拡大と拠点施設の在り方について

Q 並木正年 議員(県民)

観光局が発表した訪日外国人数は、昨年の10月から10カ月連続して対前年同月比で減少するなど、実はコロナ禍以前からアジアを中心とした外国人旅行者は減少傾向にありました。そして、今年の1月こそ前年度をやや下回る程度の約267万人のインバウンドでしたが、4月は2,900人、5月も1,700人など、4月からは4カ月連続して前年同月比で99.9%減少するなど、今なお大きな打撃を受けています。
訪日外国人のインバウンド消費はイメージ的には巨額に見えますが、国内の日本人と訪日外国人旅行者の旅行消費額は合わせて約27億円で、そのうちインバウンドが占める割合は18%の約5億円です。このことから、日本人の宿泊に関連する消費額は約22億円もあることが、旅行観光消費動向調査から分かるように、しばらくインバウンドに期待できない中では、今後は日本人、より多くの県民にも埼玉観光の魅力を発信しなければなりません。
昨年の東日本台風の影響で秋の行楽シーズンであった県内の宿泊施設は、約4,000件のキャンセルが相次ぎ、また新型コロナウイルスの影響でも全国旅行業協会埼玉県支部の調査では、4月から7月までに約15万件の旅行がキャンセルになっていることから、物産品の購入費や飲食費を含めた一人当たりの観光消費額に多大な影響を及ぼしています。
そこで、一つ目の質問として、県内における観光に関する影響額を伺います。
二つ目として、観光消費額を上げるためには、資源の認知度の向上から、訪問地点数の増加、そして滞在時間の長期化といったフローが大切であると考えます。
今定例会で観光関連事業者への支援に対する補正予算が出されていますが、今後、観光分野の回復と拡大を図るために、どのような取組を行っていくのか、中長期的な視点でお聞かせください。
三つ目として、多彩で豊かな観光資源の再認識を図るため、多様な人材を持つ市町村の観光協会や近隣県との情報共有から埼玉観光を進めたいとして観光サミットを開催するなど、相互連携から資源の掘り起こしを図ってはどうか伺います。
次に、観光拠点の在り方についてです。
観光には、その土地ならではの食やお土産、民芸品など物産の魅力を消費者に広く紹介し、購入していただくことで、観光と一体となった観光消費額の底上げを図る必要があります。本県の観光と物産拠点は、ソニックシティ2階の物産観光館「そぴあ」であると思いますが、日曜日と祝日に休業しているこの拠点施設が、果たしてその役割をしっかり担えているのか、大きな疑問を持っています。都内には他県のアンテナショップが多くあり、近県を見ても、栃木県は東武線と接続する東京ソラマチ、また群馬県は銀座7丁目に構えるなど、常に新しいマーケットの開拓に余念がありません。
都道府県魅力度ランキングで毎年下位である群馬県は、その危機感からか、平成20年に銀座にオープンしていますが、コロナ禍の影響で4月に始めた通販は好調と伺っており、県産食材100%を使ったレストランを併設するなど、昨年度は年間33万人が来店し、売上げは1億3,000万円にも上っています。売上げが伸びれば、当然、物産品を扱う事業者の業績アップにもつながり、またそこに食材や物品などを納入する業者にも利益が生まれることで、事業の継続から後継者の育成にもつながります。
物産観光館「そぴあ」は、リニューアルから7年目を迎えていますが、この拠点を多くの人が往来する場所、例えば大宮駅構内や知事公約である大宮スーパー・ボールパーク構想を見据えた大宮駅東口などに移転することで、販売促進はもちろん、県が進める埼玉県おもてなし通訳案内士による外国人旅行者への対応、そして旅行業の資格を生かした観光提案を行うなど、より価値の高い観光拠点を目指すべきだと思います。
本県の観光拠点の施設の在り方について、また移転を進めるべきであると思いますが、以上4点、産業労働部長に伺います。

A 加藤和男 産業労働部長

まず、県内における観光に関する影響額についてでございます。
全国旅行業協会埼玉県支部では、4月から7月の日帰りも含めた旅行のキャンセルによる県内旅行業者への影響額を約23億円と集計しております。
また、埼玉県ホテル旅館生活衛生同業組合が行った調査では、時期は1月から5月となりますが、約6万9,000人のキャンセルがあり、これに一人当たりの消費額を掛けますと影響額は約16億円と推計されます。
次に、観光分野の回復と拡大を図るため中長期的にどのような取組を行っていくかについてでございます。
新型コロナウイルス感染症が収束するまでの間は、安心して楽しめる近場の観光が主流になると考えております。
その第一歩として、広く県民に埼玉の魅力を再発見していただき、観光関連事業者も幅広く支援するための事業を今議会の補正予算でお願いしております。
まず、県民限定のクーポン券配布事業では、旅行期間中に限り利用可能なGoTo トラベル事業の地域共通クーポンよりも有効期間を長く設定し、宿泊旅行の後にも再び日帰り旅行等に活用していただけるものとしております。
また、デジタルスタンプラリーでは、各市町村1カ所以上で県内100カ所以上のポイントを設け、より一層の県内周遊を促してまいります。
さらに、バス事業者の支援では、観光バスの利用を促すことで、小中学生の社会科見学も含めた幅広い観光需要の掘り起こしに努めてまいります。
これらを通じて、観光資源の認知度の向上と訪問地点数の増加、滞在時間の長期化を図り、観光消費額の増加につなげてまいります。
こうした視点での取組を中長期的に積み上げ、本県観光の回復と拡大を図ってまいります。
次に、観光サミットの開催などによる相互連携についてでございます。
県内の観光連携としては、埼玉県物産観光協会が事務局となり県内全ての市町村等で構成する「埼玉みどころ旬感協議会」を通じて観光資源の発掘や情報共有を図っております。
また、近隣の群馬県や新潟県と連携し、各県主催イベントにおける共同観光PRや、3県周遊観光コースの海外への情報発信にも取り組んでおります。
こうした取組の現状を踏まえ、議員御提案の観光サミットの開催につきましても、埼玉みどころ旬感協議会や近隣県と協議してまいります。
最後に、物産観光館「そぴあ」の在り方と移転についてでございます。
「そぴあ」は、県産品の販路拡大や物産・観光業の振興を目的として設置され、埼玉を代表する土産物など常時650種類以上の商品を取り扱っております。
現状の「そぴあ」は県産品の販路拡大やPRが主となっておりますが、議員御提案の外国人旅行者への対応などのサービスが提供できれば、観光拠点としての価値がより一層高まります。
「そぴあ」の在り方につきましては、今後、物産事業者なども交えて観光拠点施設としての機能や場所、更には運営方法などをしっかり議論しながら、移転という選択肢も視野に入れて検討してまいります。

再Q 並木正年 議員(県民)

私が質問した中身というのは埼玉県の中長期的な観光でありまして、今回、今答弁されたような今定例会の議案の中身というのはまた委員会で議論されるわけですから、どこに配るとか、クーポン券が幾らのがどうだとかという話を聞いてきたわけではないのです。埼玉県まち・ひと・しごと創生総合戦略の中にもあるように、従来型の観光の枠を超えた本県独自の観光立県を目指すというのが埼玉県まち・ひと・しごと創生総合戦略の中身ですので、ぜひ部長には中長期的な視点に立った観光を答弁いただきたいと思います。

再A 加藤和男 産業労働部長 

中長期的な視点での施策をというお話でございましたけれども、先ほど申し上げましたのも一つの事例といたしまして、議員の方からお話がありました観光資源の認知度の向上、それから訪問地点数の増加、それから滞在時間の長期化というのが有効な手段ではないかというお話でございましたので、それを踏まえましてまずは近い場所でのお話をさせていただきました。
こうした視点を中長期的に積み上げるというお話を差し上げましたが、やはり今後状況の変化等に十分対応しながら本県観光の回復が図れますよう、しっかりと中長期的なビジョンを考え今後の計画に生かしてまいりたいと考えております。

コウノトリが飛来する豊かな環境を育もう

Q 並木正年 議員(県民)

生態系の頂点であるコウノトリをシンボルとした自然環境の保全、再生については、予算特別委員会や平成29年9月議会で一般質問を行っています。また、同じ鴻巣市選出の中屋敷議員も、昨年12月に質問されています。
国の特別天然記念物であるコウノトリは、県内で唯一、今年40周年を迎えた埼玉県こども動物自然公園で飼育されていますが、そのきっかけは約30年前、国内で絶滅したコウノトリの保護と野生復帰を目指すため、埼玉の豊かな自然環境の再生を図りたいといった初代園長の強い思いから、中国より2羽のつがいが譲渡されたことに遡ります。
私の所属する会派では、県有施設でコウノトリを飼育している意義、そして希少動物保護の重要性から、兵庫県豊岡市のコウノトリの郷公園を平成29年5月に視察しています。
現在、関東5県の29市町が参加しているコウノトリ・トキの舞う関東自治体フォーラムでは、荒川流域エリアや渡良瀬遊水地エリアなど7つのエリアで、水辺や緑地の保全と再生の取組が推進されています。そして、今年6月には、渡良瀬遊水地に設置された人工巣塔で、自然界では東日本初めてとなるコウノトリのひなが確認され、個体識別のための足輪装着時には700名を超える見物客が訪れるなど、関心の高さがうかがえました。
現在、コウノトリをシンボルとして自然環境の保全と地域の活性化を目指す鴻巣市では、国の地方創生拠点整備交付金を活用してコウノトリの飼育施設の建設に着手しており、いよいよ来年度からは飼育と放鳥に向けた取組が始まる予定です。
この間、13年にも及ぶ活動を行ってきたNPO法人コウノトリを育む会を代表するように、多くの関係者の熱意から事業開始に至ったことは、豊かな県土を形成する一翼を担っていただいたことと思っています。3年前、コウノトリを指標とした埼玉モデルの構築を図ってはどうかとの私の一般質問に対して、当時の部長からは、西日本を中心に100羽程度の生息数であることから、野生での絶滅が特に危惧されており、現状では指標を生物とすることは難しい状況であると答弁されています。しかし、当時わずか100羽程度の生息数であったコウノトリは、関係者の懸命な活動によって、今では220羽を超えるまでに至っています。
一般質問後の平成30年2月に改定された埼玉県生物多様性保全戦略では、答弁において、個体数が少ないために指標生物とすることが難しいとされたコウノトリに関する記述を、初めて明記していただいたことは大いに評価しています。前戦略との相違点として、生物多様性保全に関する具体的な施策や目標が設定されており、国や市町村、保全団体等と連携し、必要となる事業の推進を図ることを明記していただきました。
そこで、一つ目の質問として、この間、コウノトリを含めた多様な生物が生息、生育できる豊かな生態系の確保に、これまで国や市町村、保全団体等とどのように取り組んできたのか伺います。
二つ目として、現戦略に明記された必要となる事業の推進とは、人的支援、技術的支援、そして何よりも財政的支援こそが、事業の推進には欠かせない必要な支援だと思います。また、必要な支援を行う場合には、支援される側の求める内容を十分に把握することが重要です。埼玉県の施設以外で、コウノトリを飼育する意義や希少動物保護の重要性を鑑み、埼玉県では初めてとなるコウノトリの飼育、放鳥に向けた取組に対して、どのような必要な支援を行っていくのか伺います。
次に、自然環境の保全と再生についてです。
先月、都市化の進む見沼田んぼで、半世紀以上ぶりとなるキツネの繁殖が確認され、また数日前には3羽のコウノトリも確認されています。野生動物の生息と繁殖には、餌場となる豊かな自然環境の維持と再生が最も重要であり、コウノトリが飛来する豊かな環境を育むことは、埼玉の豊かな水と緑を守ることを意味します。
そこで、三つ目の質問として、自動車税の1.5%相当を財源としている彩の国みどりの基金については、公園や施設周辺の緑化ではなく、生物多様性に限定して運用するべきだと考えます。
以上、3点、環境部長に伺います。

A 小池要子 環境部長

まず、コウノトリを含めた多様な生物が生息・生育できる豊かな生態系の確保に、国や市町村、保全団体等とどのように取り組んできたのか、についてでございます。
豊かな生態系の確保には、緑の保全・創出や希少な動植物の保護が極めて重要です。
緑の保全・創出につきましては、国や市町村と協力しながら貴重な緑地の公有地化を進めるほか、ボランティア団体や自治会などの活動を支援し、環境整備に努めております。
また、希少な動植物につきましては、ムサシトミヨやサクラソウなどの保護増殖や保全活動を、団体や学校、市町村の協力をいただき県内各地で行っております。
生態系の頂点に位置するコウノトリは、エサが多種多様であることや 行動範囲が広大であることから、県を越えた広域的な連携が必要です。
国や関係する県と市町で構成する協議会で、生息環境の保全整備について専門家も交えての検討を行うなど、コウノトリを含めた多様な生物が生息・生育できる生態系の確保に努めてまいります。
次に、コウノトリの飼育、放鳥に向けた取組への「必要な支援」についてでございます。
鴻巣市でのコウノトリ飼育に向けた取組は、生物多様性保全の観点からも意義深いものであり、県といたしましては、鴻巣市と連携協力してまいりたいと考えております。
これまでも、県こども動物自然公園において、コウノトリを長年にわたり飼育し、ノウハウを蓄積している県公園緑地協会が、餌の与え方や衛生管理に関する助言を行っております。
また、県水産研究所では餌となるフナの増殖の指導を行うなど、専門的な技術を提供してまいります。
飼育を開始した後も放鳥までには長い時間と多くの課題解決が必要です。
議員お話しの点を踏まえ、まずは他県での支援事例も参考にしながら、ニーズを把握した上で財政的支援を含め、どのような支援が必要か、幅広く検討してまいります。
次に、彩の国みどりの基金は、生物多様性に限定して運用するべき、についてでございます。
県は、彩の国みどりの基金条例に基づき、「森林の整備」、「身近な緑の保全・創出」、「県民運動の展開」の3つの柱で事業を展開しております。
これらの事業により豊かな植生が回復し、希少種が保全されるなど、多様な動植物から成る生態系が形成され、生物多様性の保全につながっております。
彩の国みどりの基金につきましては、その活用が、生物多様性保全につながるという点も重視し、事業を実施してまいります。

指定管理者における県内事業者の活用について

Q 並木正年 議員(県民)

中小企業振興基本条例や小規模企業振興条例では、受注機会の増大に努めること、地域における広域の増進に寄与した活動の実績を考慮することなどがうたわれています。つまり、こうした条例は、県内各地域において県が発注する公共工事や指定管理の選定については、県外の企業と広域的に連携することはあるものの、本質的に県が行う予算の支出に関しては、県民や県内企業を主とするべきだという点です。
指定管理者制度は、平成15年の地方自治法改正によって、県や市などの出資法人や公共団体などに限られてきた公の施設の管理運営を、地方公共団体が指定する法人や民間企業などに委ねることができるようになった制度であり、本県では今年4月1日現在、68の施設で指定管理者による管理運営が行われています。
その68施設の中でも、さいたまスーパーアリーナや彩の国さいたま芸術劇場、社会福祉事業団が管理運営する施設などは、特別な知識と技術が必要とされることから随意指定となっています。一方、その他の施設については、公募による選定が行われていますが、ほとんどの施設で応募は2社程度、最大でも3社という極めて少ない状況です。
県営公園に限ると、久喜菖蒲公園や森林公園緑道などは、以前は東京都に登記されている公園財団が指定管理者でしたが、前回の公募からは本店が県内に登記されている法人等と募集要項で変更されたことは、県内企業の受注を推進するものだと思っています。
しかし、グループでの提案の場合はその限りではなく、代表企業を県内の事業者としてしまえば、ほかは県外事業者でもこの要項を満たしてしまうため、条例で定めたような地域活動に貢献している地元の企業がわずか数点差で選定から漏れるケースがあるなど、県内企業を育成するという視点から外れた募集要項の変更になっています。地域のネットワークを生かせる身近な事業者は、目配り、気配りから緊急時の対応や質の向上、そして効果的、効率的な運営から細やかなサービスが可能です。
そこで、県営規模の公園の規模に応じては、施設の所在地に登記されている民間企業への加点、そして県内企業に限定した選定を行うなど、地域振興と企業育成の視点を十分に配慮した形とするべきであると考えますが、いかがでしょうか。
次に、指定管理者選定の今後の進め方についてです。
選定は選定委員会で行われますが、選定理由では、これまでの管理と運営実績を大きく評価する傾向があるのではないかと感じます。継続して選定された場合には、実績があることは当然であり、このことが制度始まって以来、同じ事業者の選定につながりやすく、新規の参入を難しくしている要因の一つではないかと思っております。
そこで、公募に手を挙げづらい状況をどう改善し、今後の管理の選定を進めていくのか、都市整備部長に伺います。

A 濱川敦 都市整備部長

まず、地域振興と企業育成の視点に十分配慮すべきについてでございます。
県営公園の指定管理者選定に当たっては、利用者サービスや効率的な運営、特色を生かした運営などとともに、地域振興や県内企業の育成も大切な視点です。
これまでも提案者の事務所が公園に近いことや、管理・運営上の工事発注や雇用への取組など、地域貢献や地元企業に配慮した提案を評価してまいりました。
議員御提案の、公園の規模に応じて施設の所在地にある事業者への加点や県内企業に限定した選定を行うことは、県内企業育成のために有益であると考えております。
公園には幅広い業務がありますが、規模などにより業務の比重も異なるため、御提案の趣旨を生かせる公園もあると考えております。
今後、指定管理者制度の目的であるサービス向上と効果的な運営を確保しつつ、地域振興や県内企業の育成について、どのように評価できるか検討してまいります。
次に、指定管理者選定の今後の進め方についてでございます。
議員お話のとおり、実績がないことが新規参入の障壁となっては、事業者の参加機会を減らし望ましいことではありません。
指定管理者の選定では、実績も一つの評価項目ではございますが、サービス向上や利活用、危機管理対応など、公園の特性に応じた評価項目を設定し、より高い配点をしております。
一方で、評価項目や配点は公開していますが、こうした選定で重視している点が、応募者には十分に伝わっていない面もあったと考えております。
このため、事業者が応募する際の提案に生かせるよう、公募説明会等で、重要な評価項目や配点などをはっきりと明示してまいります。
選定結果についても、選定理由の中で何が評価されたかなどをわかりやすく公表するなど、新たに参入しやすい環境づくりを進めてまいります。
新規参入の促進に努め、利用者視点に立った、効率的かつ効果的な管理運営を行う指定管理者の選定ができるよう取り組んでまいります。

東松山鴻巣線、御成橋を含めた荒川河川区域内の4車線化について

Q 並木正年 議員(県民)

県道東松山鴻巣線は、東松山市から吉見町、鴻巣市に至る幹線道路であり、国道254号や国道407号に接続し、また荒川を超えた御成橋東交差点では、上尾道路とも交差する予定になっています。
現在、埼玉県では、企業立地ポテンシャルを高めるため、埼玉県の骨格を形成する主要な幹線道路である4路線、4カ所について開通年度目標を公表し、インターチェンジへのアクセス機能強化を図る道路整備が推進されており、この路線では令和3年度末の供用開始を目指して、道の駅いちごの里よしみから久米田交差点までの4車線化工事が進められています。
東松山鴻巣線の最重要課題は、河川区域である川幅日本一、2,537メートルの荒川に架かる御成橋の4車線化であり、事業に当たっては河川区域内の都市計画の変更、805メートルの御成橋とともに、横堤区間の工事が挙げられます。現在の御成橋は、55年前の昭和40年に3億8,000万円の建設費をかけて完成し、竣工式には当時の知事も出席するなど、待望の橋りょうであったことが当時の記録から見てとれます。
現在、圏央道桶川北本インターチェンジから国道17号バイパス、鴻巣市箕田交差点を結ぶ上尾道路2期工事9.1キロメートル区間の事業化によって用地買収も進んでいることから、この路線が接続する御成橋東交差点までの4車線化が待たれます。県内では東西を結ぶ路線には4車線は少なく、災害時の緊急輸送道路としても重要であることから、早期の整備が必要です。御成橋を含めた荒川河川区域内の4車線化の見通しについて、県土整備部長の見解を伺います。

A 中村一之 県土整備部長

県道東松山鴻巣線は、東松山市内の国道254号、国道407号と鴻巣市内の国道17号をつなぐ幹線道路で、国が整備を進めている国道17号上尾道路とも接続する重要な路線です。
現在、県では吉見町において4車線化事業を進めており、令和2年度は用地取得を進めるとともに、横断歩道橋の工事に着手してまいります。
御質問の荒川河川区域内の4車線化については、御成橋の構造や横堤沿いにある家屋への影響といった課題を解決した上で、都市計画の変更が必要となります。
これまで河川管理者である国と4車線化に向けた協議を進めており、令和2年度には、道路構造の検討に必要な現況測量を実施してまいります。
引き続き、国などの関係機関との調整を図りながら、まずは都市計画の変更に向けた作業を順次進めてまいります。

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