代表質問・一般質問

【一般質問】 金野桃子(戸田市)9月30日(水曜日)

手話の普及・啓発について

手話の普及・啓発について – 埼玉県手話言語条例の更なる推進を

Q 金野桃子 議員(県民)

埼玉県では、平成28年に手話言語条例が施行され、手話講習会などの開催などに取り組まれています。昨今のコロナ禍において、全国的に知事の会見に手話通訳者が配置されるなど、聴覚障害者の情報保障が改めて重要視されています。こうした状況において、手話の更なる普及推進が重要だと考えますが、知事の御所見をお伺いします。
また、より具体的に取組を進めていくために、進捗管理や効果測定のための工程表を作成、公開できないか、福祉部長にお伺いします。

A 大野元裕 知事

手話言語条例で定められているとおり、手話は独自の体系を持つ一つの言語であり、ろう者の方とのコミュニケーションのため、私は手話を広く県内に普及していくことが必要であると考えております。
手話の普及に当たりましては、条例に基づき設置した「埼玉県手話環境整備施策推進懇話会」において、委員である聴覚障害者団体関係者や手話通訳関係者、学識経験者などの御意見を伺いながら取組を進めております。
具体的には、様々な広報媒体による普及啓発のほか、県職員や公共的な仕事に従事する職員向けの手話講習会の開催、手話通訳者の養成と派遣などに取り組んでまいりました。
また、手話の普及を進める上では、市町村との連携・協力が欠かせません。
このため、市町村との共催により、県内各地を巡る手話普及リレーキャンペーンや初心者向けの手話講座などを実施しており、これまでに5,000人を超える方々に御参加いただいております。
こうした取組などを通じて、市町村レベルでも手話の普及に向けた機運が高まっており、県内33の市町村が手話に関する条例を制定しています。
新たに、大学の手話サークルに参加している学生や地域で活動する手話グループの方々なども巻き込みながら、手話の一層の普及に取り組んでまいります。
私は誰一人取り残すことなく、ろう者の方々と心を通わせ、お互いを尊重し合える共生社会を目指していきたいと考えております。
今後も手話の更なる普及・推進に全力で取り組んでまいります。

A 山崎達也 福祉部長

工程表の策定・公開についてでございます。
条例では、県障害者支援計画において手話に関する県の施策を定め、総合的・計画的に推進することとしています。
現行計画では、工程表という形ではありませんが、3年間の計画期間内に実施すべき11施策を位置づけ、取組を進めています。
これらの施策については、外部委員で構成する県障害者施策推進協議会において、毎年度、進捗や実績などを報告し、御意見を伺っております。
いただいた御意見は県ホームページで公開していますが、今後は県民の方々によりわかりやすい形に工夫してまいります。
引き続き事業の進捗や実績について客観的な評価を行いながら、手話に関する施策を進めてまいります。

手話の普及・啓発について – 聴覚障がい者の情報保障の拡充を

Q 金野桃子 議員(県民)

遠隔手話サービスとは、手話通訳者が同席する代わりに、タブレット端末等を介して手話による会話ができる取組です。埼玉県では、新型コロナウイルス感染症対策の一環として、今年の5月から開始されました。しかし、利用実績が0件とのことです。
埼玉県聴覚障害者協会は、セキュリティや通信の安定性を理由に、厚生労働省の遠隔手話サービス等を利用した聴覚障害者の意思疎通支援体制の強化事業の補助金を活用した制度の見直しを求めています。改めて、当事者等の声を聞き、事業の検証をするべきだと考えますが、福祉部長の御所見をお伺いします。
また、コロナ禍において聴覚障害者の方が病院で診察を受ける際、手話通訳者の同席を断られたり、タブレット端末の持込みが難しかったりする例が発生しているとの声を伺いました。これは障害者差別解消法の差別事例に当たり得るものです。県は、このような事実がないか、しっかりと確認を行うべきではないでしょうか。そして、手話通訳者の同席拒否等の事例が確認できた場合には、二度と発生させないためにも、医療機関に対して理解を求めるように指導していくべきだと考えますが、保健医療部長の御所見をお伺いします。

A 山崎達也 福祉部長

遠隔手話サービスについてでございます。
遠隔手話サービスは、新型コロナウイルス感染症の流行で外出の際に手話通訳者が同席できないケースでも意思疎通を図れるようにする取組です。
医療機関などの受診の際にタブレット型端末を利用し、離れた場所にいる手話通訳者を介して、医師とコミュニケーションをとるものです。
本年3月、埼玉県聴覚障害者協会から導入について御要望をいただき、早期の対応を図るため、国の補助事業が示される以前の5月1日からサービスを開始しました。
セキュリティや通信面なども考慮し、手話通訳者を派遣している埼玉聴覚障害者情報センターと協議を重ねるとともに、同協会にも御理解いただき、他県で導入実績のある現在の方式といたしました。
これまで利用実績がないことにつきましては、セキュリティや通信の安定性が不安であるといった御意見はなく、従来どおり手話通訳者が同席して対応できているためと考えております。
今後も引き続き聴覚障害者の方や手話通訳者の方の御意見を伺いながら、利用頻度や利用のしやすさ、費用面等を勘案し、事業の検証を行ってまいります。

A 関本建二 保健医療部長

「手話通訳者の同席拒否等の事実確認と、同様のことを二度と発生させないため、医療機関を指導していくことについて」でございます。
県では、障害者差別解消法の適切な施行のため、広報紙やホームページでの広報のほか、リーフレットの配布や差別に関する相談窓口を設置してまいりました。
議員御指摘のような不当な差別的取扱いは、決して許されるものではありません。しっかりと調査をしてまいります。
事実が確認された場合は、当該医療機関に対し適切な対応を求めてまいります。
福祉部とも連携しながら、不当な差別的取扱いが生じないよう努めてまいります。

手話の普及・啓発について – 手話通訳者の育成・処遇改善を

Q 金野桃子 議員(県民)

県によれば、令和2年4月時点で手話通訳者登録数は全114人です。このうち女性が105人で男性が9人、50歳以上が70人以上であり、圧倒的に女性が多く、高齢化も進んでいます。新たな手話通訳者を増やし、働きやすい環境を整備するためには、手話通訳はボランティアではなく職業とする人もいる、手話通訳は職業の一つでもあるという認識を広めていくことが大切だと考えますが、福祉部長の御所見をお伺いします。
また、若い女性が働きやすい環境として大切なことは、保育所等、子供を預ける場所があるかどうかです。県内で活動する若手の女性手話通訳者によると、手話通訳者が職業として認知されておらず、保育所等に入所するのも困難であるということです。埼玉聴覚障害者情報センターでは、稼働証明書を発行しているものの、同じく手話通訳者を派遣する各市町村及び各市町村の社会福祉協議会では、稼働証明書を発行していない場合も多いようです。県として、各市町村及び各市町村の社会福祉協議会に対し、稼働証明書を発行するよう求めることはできないか、福祉部長にお伺いします。

A 山崎達也 福祉部長

手話通訳者の方々には、人と人とのコミュニケーションを保障する極めて重要な役割を担っていただいています。
自治体などの登録制度に登録し、依頼があった都度一定の時間派遣されている手話通訳者の働き方が、一つの職業として認識されることは大切なことと考えています。
こうした観点から、保育所などへの入所申請に用いられる稼働証明書につきましては、御本人の意向に沿った取扱いが望まれます。
稼働証明書を発行していない市町村や市町村社会福祉協議会に対しましては、手話通訳者の働きやすい環境づくりへの配慮を求め、今後の発行について働き掛けてまいります。

手話の普及・啓発について – 「障害」の「害」の表記の協議を

Q 金野桃子 議員(県民)

「障害」の「害」の字について、現在、埼玉県では全てのものについて漢字で表記されています。この点について、内閣府では平成22年に障害者制度改革推進会議において「障害の表記に関する検討結果について」という文書を取りまとめていますが、賛否両論あり、結論は出ていません。しかし、「害」の字は害悪などマイナスのイメージを連想させてしまうことから、北海道、福島県、大阪府など16道府県において平仮名表記への見直しが行われています。
埼玉県においては、平成21年度に障害者施策推進協議会において一度検討され、漢字表記のままいくと決まりましたが、そこから10年が過ぎています。昨今の全国的な流れの中で、埼玉県においても平仮名表記をすべきかどうか賛否両論あることは承知していますが、改めて協議することはできないか、福祉部長にお伺いします。

A 山崎達也 福祉部長

障害の「害」の表記については、ひらがなで表記する方法と石へんの「碍」という漢字で表記する方法もあります。
議員お話の国の障がい者制度改革推進会議では、「法令等における「障害」の表記については当面現状の漢字表記を用いること」とされました。
また、昨年11月のNHK放送用語委員会では、障害者団体に対するアンケート結果を踏まえ、放送での呼称は原則、現行の漢字を使うこととしています。
本県では、障害者施策推進協議会において検討を行い、様々な意見がありましたが、平成21年に「現行の漢字表記を用いるべき」との結論になりました。
その後は、障害者団体などから表記の変更を求める要望は出されておらず、県内の主な団体の名称や発行物は現行の漢字表記となっています。
表記を変えるためには、当事者である障害者の方の意向が重要であると考えています。
今後とも、障害者団体などからの御意見に広く耳を傾けていくとともに、国などの動向を注視してまいります。

コロナ禍における高校中退者へのフォローと就職支援の拡充について

Q 金野桃子 議員(県民)

7月に、私たち無所属県民会議は、県立高校で教育相談をされている先生から、コロナ禍における学校の現状と就職についてお話を伺う機会がありました。先生によれば、母子家庭で母親と暮らすある男子生徒は、コロナにより母親が解雇されたため、学校を辞めてアルバイトに専念せざるを得ないと悩んでいるそうです。涙ながらに話す先生の姿に、私は胸の締め付けられる思いがしました。
東京新聞によれば、埼玉県高校教育指導課の担当者は、本格的な就職活動までは期間があるとし、進路面で影響はないと見解を示しました。また、新型コロナウイルス感染症対策特別委員会の説明資料によれば、高校中退について記載がありませんでした。県教育委員会の調査によると、県立高校における昨年度1年間の中退者は1,284人でした。7月末時点の中退者数と比較すると、昨年度は179人であったのに対し、今年度は82人、その内訳としては進路変更が54人から32人へ、学校生活・学業不適応が99人から25人へ、その他転居等が26人から25人へと、それぞれ減少しているとのことでした。
確かに県教育委員会としても種々取組をされていらっしゃると思いますし、実数自体は減っています。しかし、実数が減ったのは、これまで最も人数の多かった学校生活・学業不適応、つまり学校に合わなかったことを理由とする退学が、今年はコロナの影響でそもそも登校できていないために減ったと推測できます。誰も取り残さないためにも、本人の意に反する中退はゼロを目指し、実数には表れていない中退に追い込まれている声なき声に寄り添うべきと考えます。
そこで、以下四点を教育長にお伺いします。
一点目、コロナの影響により中退に追い込まれている生徒がいないか、実態把握をすべきだと考えますが、いかがでしょうか。
二点目、就職をサポートする職員やスクールソーシャルワーカーの加配ができないでしょうか。
三点目、山形県や佐賀県などではWEB合同企業紹介会、オンライン就職活動支援、就職支援担当教員及び連携コーディネーターの確保等を行っているとのことですが、埼玉県でも同様の取り組みを行うことはできないでしょうか。
四点目、就職支援についてです。国は、家庭と教育と福祉の一層の連携等の推進が必要であり、社会参加に至るまで切れ目ない支援が受けられる支援体制の整備を求めています。就職先が決まったら終わりではなく、ハローワークと連携するなど、卒業後の定着支援もしっかりと行う必要があると考えますが、どのようにお考えでしょうか。
以上四点、教育長にお伺いします。

A 高田直芳 教育長

まず、コロナの影響により、中退に追い込まれている生徒がいないか、実態把握をするべきについてでございます。
議員御指摘のとおり、中途退学者の実態の把握は重要であることから、県立高校について調査を行ったところ、7月末までの中途退学者は82人であり、昨年度と比較し減少しております。
その内、新型コロナウイルス感染症の影響により中途退学に至った事例がないか、各学校に対し、聞き取りを行いました。
その結果、7月末時点では、コロナウイルスの影響により、中途退学に至ったと認められるケースは確認されませんでしたが、今後も、生徒に寄り添った適切な支援となるよう、実態の把握に努めてまいります。
次に、就職をサポートする職員やスクールソーシャルワーカーの加配についてでございます。
就職支援が必要な県立高校には、生徒のキャリアカウンセリングや面接指導を行うため、民間企業の経験者や社会福祉士などの資格を持つ就職支援アドバイザーを配置しております。
また、家庭環境などに課題を抱える生徒が多い学校には、生徒や保護者を福祉や医療の支援に結びつけることや、学校と関係機関の円滑な連携を支援するため、スクールソーシャルワーカーを配置しております。
就職支援アドバイザーやスクールソーシャルワーカーの役割は、学校全体で行うべき支援を専門的な立場からサポートするものであり、その役割は現状の配置により、効果的に活用できているものと考えております。
今後も、支援の充実が図れるよう、適切な活用や配置の工夫に努めてまいります。
次に、山形県や佐賀県などと同様の取組を行うことはできないかについてでございます。
今年度は新たな取組として、求人がない企業等に教育局の担当者が直接、雇用確保を要請し、求人を増やしていただいた企業もございます。
また、埼玉労働局と連携し、県内企業の採用情報に関するガイドブックを全ての県立高校に配布すると共に、生徒が企業の人事担当者から直接、会社の説明を受ける機会も複数回設けるなどの取組も行っております。
今後も、他県の事例などを参考にしながら、積極的な就職支援に取り組んでまいります。
次に、家庭と教育と福祉の一層の連携を進めると共に、卒業後の定着支援をしっかりと行う必要があると考えるがいかがかについてでございます。
県では、内定者フォローアップ講習会の中で、卒業後に、仕事における様々な悩みを相談できるヤングキャリアセンターなどを紹介し、職場定着の支援をしております。
また、学校の進路担当者が、就職未内定者や早期に離職した卒業生の情報を、ハローワークの就職支援担当者と共有する等の連携を図り、個別支援に努めております。
さらに、教育と福祉の連携を一層進めるため、今年度からは、学校の進路担当者を対象に、福祉の知見を有した外部人材を講師とした研修会を、新たに実施することといたしました。
今後とも、職場定着までの切れ目ない支援ができるよう、ハローワークを含めた外部機関と積極的に連携してまいります。

子育て政策の充実について

子育て政策の充実について – 産前産後ケアや産後健診の見直し・拡充を

Q 金野桃子 議員(県民)

質問に入る前に私ごとで恐縮ですが、昨年12月に第一子を出産しました。現職の議員の任期中の妊娠・出産に関しては、賛否様々な御意見があるかと思いますが、県議会や関係者の皆様方の御理解、御協力を頂戴し、無事出産し、議会に復帰できましたことを感謝申し上げます。誠にありがとうございました。
今回は、私自身が妊娠・出産したことを通して、周りのお母さんたちの声を届けたいと思います。
妊産婦の死亡原因の第1位は自殺です。平成25年、26年の2年間に厚生労働科学研究班が実施した調査では、妊娠中及び産後1年未満の死亡件数357件のうち、自殺は102件と最も多くなっています。出産は全治数カ月もの事故に遭ったのと同じくらい女性の心身にダメージを与えると言われますが、これまでは里帰りして実家に頼ったり、本人の気概一つで乗り切ってきたように思います。しかし、共働き、核家族化が進み、産後の職場復帰が早まる中で、今後は産前産後のサポートを最低限の公的インフラとして整えていく必要があると強く感じています。
産前産後事業はまだ始まって日が浅く、母子保健法上、基本的に市町村を実施主体として国・県、市の制度設計を作っている最中です。県では、平成29年度よりエジンバラ産後うつ病質問票、いわゆるEPDS等を用いた市町村に対し助成を行う産後うつケア推進事業と、出産後間もない時期の身体と心の健康状態を確認する産後健診推進事業の二つの事業を行っています。しかし、県の産後うつケア推進事業は、現在15自治体と少なく、平成29年度の事業開始以来、1,000万円強の予算が付いていますが、毎年、予算執行率は40%程度です。
また、産後健診推進事業についても、現在7自治体と更に少なく、2,000万円強の予算が付いていますが、毎年、予算執行率は50%程度です。県内では、63市町村のうち53市町村が産後健診事業を行っていません。現に私自身について言えば、埼玉県内で出産しましたが、産後鬱の質問票チェックも受けていませんし、産後健診も全額自己負担で受診しました。これは私に限ったことではなく、県内の多くの方が同じ状況です。特に、コロナ禍においては立会い出産や入院中の面会の制限、乳幼児健診の中止や延期、児童館等の閉鎖など、妊産婦が孤立している現状があります。たくさんの妊産婦や母親が切実にサポートを求めているにもかかわらず、県内の自治体の産前産後事業は進んでおらず、毎年多くの予算が余っている現状です。そして、産前のケアは、県事業としては支援対象ではありません。
私は、県の事業が大変意義のあるものだと思っているからこそ、このミスマッチが非常に問題だと感じています。確かに母子保健事業の中で産前産後ケアは、市町村が主たる実施主体です。しかし、市町村には限界があります。だからこそ、県が主導的に取り組む必要があると考えます。県事業の現状を省みて、いま一度、産前産後にどのような事業を実施するべきか、市町村の声を聞いて補助条件を緩和するなど制度を見直す必要があると考えますが、保健医療部長の御所見をお伺いします。
また、産後ケア事業について、私が県内市町村の実施状況について調査したところ、原則として全員にEPDS検査を行っている自治体は限られており、医療機関からの連絡等があった場合にのみ検査を行っている自治体が数多くありました。しかし、EPDS検査は、自覚症状のない産婦に産後うつの傾向がないかどうかチェックするスクリーニングの意味があります。産後うつは、重症化すると子供への虐待や自殺などにつながるリスクがあります。そのようなことを防ぐためにも、原則として全員にEPDS検査をするよう市町村へ働き掛けできないか、保健医療部長にお伺いします。
次に、産後支援機能についてです。
山梨県では県が主導し新たな施設を造りましたが、必ずしも施設を造ることに限定せずに出産に伴う入院の延泊を可能にしたり、産院や助産院等にその機能を与えたりするなど、ソフト面での産後支援も大切です。民間では、独自にオンライン相談会やLINE相談をしたり、助産師さんが自宅に出向き沐浴や授乳のやり方を教える事業が行われており、これに助けられている母親も多くいます。妊産婦に対するサポートをより手厚く拡充させるためにも、もっと民間の力を活用する必要があると考えますが、保健医療部長の御所見をお伺いします。

A 関本建二 保健医療部長

まず、「県事業の補助条件を緩和することなど制度の見直しについて」です。
国庫補助事業の産後うつ病のスクリーニング検査であるEPDSと産後健診への助成は、宿泊や訪問による支援を行う産後ケア事業も併せて実施するという厳しい要件があるため、取組む市町村は極めて少ない状況です。
このため県では、市町村がより取組みやすくなるよう、EPDSを実施する事業と、産後健診の費用を助成する事業を独自に実施しています。
事業を実施する市町村は年々増えておりますが、まだまだ少ない状況です。
事業実施市町村の少ない要因の一つとして、事業における事務の負担が大きいことが挙げられます。
そこで、例えば産後健診の契約事務を県が代行するなど、市町村の意見を聞きながら事務負担の軽減につながる見直しを行い、より多くの市町村が事業を実施できるよう、努めてまいります。
次に、「原則全員にEPDSを実施するよう市町村へ働きかけをできないか」についてです。
令和元年度に全産婦を対象にEPDSを実施したのは36市町 、一部の産婦へ実施したのは25市町村、残る2市町はEPDS以外の方法で産婦の精神状態の確認を行っています。
産後うつの早期発見、支援には、EPDSなどによるスクリーニング検査は重要であり、全産婦に実施することが望ましいと考えております。
このため、毎年市町村の職員を対象に、EPDSの必要性や検査の適切な実施について研修会を行っております。
全産婦のEPDSの実施に向け、市町村の実情に合わせた、きめ細やかな支援を行ってまいります。
次に「サポートを手厚く拡充させるためにも、もっと民間を活用する必要があると考える」についてです。
産前産後のサポートは、個別訪問による相談支援や授乳指導などを行う事業、病院などを活用し宿泊により産婦を支援する事業などがあります。
県内においては、市町村職員による支援のほか、助産所や医療機関、NPO法人などの民間の力を活用している事例もあります。
一方で、産後のサポートに活用できる民間の資源が少ない市町村もあり、近隣との連携が必要な場合も考えられます。
このため、産後サポートの実施機関からアドバイザーを招き、地域別に市町村が相互に活用できる民間の資源や先進事例の共有を図る機会を設けるなど、産前産後のサポートが充実するよう努めてまいります。

子育て政策の充実について – 県立小児医療センターにおける対応の拡充を

  • Q 金野桃子 議員(県民)

    私の元に難病、小児慢性特定疾病に罹患し、地元の病院では診察が困難と言われ、県立小児医療センターにて治療しているお子さんの保護者から御相談がありました。このお子さんは通院で治療ができ、激しい運動を避けるなどに気をつければ、通常の保育園に通えるということでした。これまで通っていた保育所や病児保育に通うためには診断書が必要でしたが、診断書を作成依頼するまでに時間がかかってしまいました。その後、診断書の作成依頼を行いましたが、一般的に診断書ができるまでに一カ月程度かかるため、最終的に受け取れたのは初診から二カ月以上たった後でした。この間、医師の診断書がなかったために、それまで通っていた保育園では保育を断られ、病児保育も診断書がないため利用できず、また市役所も診断書がない状態で適切なサポートにつなぐことが難しかったようです。
    県立小児医療センターでは、NICU(新生児小児集中治療室)やGCU(NICUから移行した治療室)で治療を受けた子供には療育支援連絡票が出され、市町村等との情報共有に使われているとのことです。しかし、NICUやGCUを経ていなくても、難病、小児慢性特定疾病等に罹患した子供の保護者が診断書が出るまでの間、病気の疑いがあると分かってからすぐに動けるように連絡票を作ったり、また診断書が出た後も住んでいる自治体や通っている保育園、幼稚園、学校等と連携を取りやすくするための連絡ノートを作ることはできないでしょうか、病院事業管理者にお伺いします。
    また、今回のように病院側からすれば一見すると特段問題はないように見えても、診断書が必要であることを知らなかったり、通園・通学の問題や経済的な心配など、何らかの不安を抱えていたりするのは当然です。
    そこで、ソーシャルワーカーのアウトリーチ型でのサポートを原則とする、あるいは看護師からソーシャルワーカーへ相談できる旨の声掛けを徹底できないでしょうか、病院事業管理者にお伺いします。

    A 岩中督 病院事業管理者

    まず、病気の疑いが分かってからすぐ動けるようにするための連絡票を作ったり、自治体や通っている保育園・幼稚園・学校等と連携を取りやすくするための連絡ノートを作ることはできないかについてです。
    センターに通う患者さんは症状が様々であり、個々にきめ細やかな対応が必要であるため、日常生活に必要な手続きは診断書に基づいて判断されます。
    御提案の連絡ノートは、御家族が患者さんの療育状況を記録することで、これまでの経緯の把握ができますが、患者さんの状況のより正確な共有のためには、医師等との直接的な対話が最も効果的であると考えます。
    そのためセンターでは、保護者と相談の上でソーシャルワーカーが関係機関と直接連絡を取るなど、互いに顔が見える関係の構築を大切にしています。
    今後は、よりきめ細やかな支援を行うため、例えば保育園に必要な手続きなど、よくある相談内容と回答をまとめたQ&Aを診察時に配布するなど、関係機関への諸手続きの準備が円滑に進むよう努めてまいります。
    次に、ソーシャルワーカーのアウトリーチ型でのサポートを原則とする、あるいは、看護師からソーシャルワーカーへ相談できる旨の声掛けを徹底できないかについてです。
    現在、センターでは患者さんとその御家族の不安を取り除くため、受診の際に医療スタッフが公的支援の案内を含め様々なアドバイスを行っています。
    これまでも、職員が常駐する専用の相談窓口を会計横に設け、院内掲示ポスターなどでも患者さんをご案内し、7名のソーシャルワーカーが年間1万件を超える相談に対応しています。
    更に適切な支援を行っていくためには、早期から必要な患者さんにアプローチしていくことが必要です。
    今後は、初診の診療申し込み時に相談窓口のご案内を漏れなくお渡しし、さらに、看護師とソーシャルワーカーがより緊密に連携して今まで以上に相談しやすい環境を整えてまいります。

    子育て政策の充実について -子供乗せ自転車の年齢制限の緩和を

    Q 金野桃子 議員(県民)

    親が子供を自転車に乗せて保育園や幼稚園に通う様子は、街でよく見かける風景です。しかし、現状の埼玉県では自転車に乗せられる子供の年齢を六歳未満とし、これに違反した場合は2万円以下の罰金が科されます。そのため、5歳と6歳の子供が混在する年長クラスでは、6歳になったその日から親子での2人乗りができなくなり、多くの保護者の方が困っています。こうした保護者の声を受けて、大分県では今年の4月から自転車に乗せられる子供の年齢について、これまでは6歳未満だったものを小学校に入学するまでと改めています。毎日新聞によれば、全国で初めての試みということです。
    そこで、埼玉県においても、子供が小学校に入学するまでは2人乗せ自転車に乗せることができるよう、埼玉県道路交通法施行細則を改正すべきと考えますが、警察本部長に御所見をお伺いします。

    A 高木紳一郎 警察本部長

    自転車の乗車人員については、道路交通法第57条第2項により、都道府県公安委員会が定めることができるとされ、本県では、埼玉県道路交通法施行細則第8条において、自転車幼児用座席に乗車させる者を「6歳未満の者」と規定しております。
    現在、議員お話の大分県のほか16道府県において、自転車の幼児用座席に乗車させる者の年齢制限が、6歳未満の者から小学校就学の始期に達するまでの者と改正されたことは承知しております。
    これは、本年3月に、一般社団法人製品安全協会が定める自転車用幼児座席の安全基準が改正され、使用年齢の上限が小学校就学の始期に達するまでの者となったことを受けたものであり、県警察においても、改正の検討を進めているところであります。
    本県は、自転車が関係する交通事故の割合が他の都道府県より高い状況にあることから、既に改正を行った道府県の状況を踏まえながら、引き続き、改正に向けた検討を進めてまいります。

    デジタル県庁の推進について

    Q 金野桃子 議員(県民)

    9月に菅義偉元官房長官が内閣総理大臣に就任されました。今後、デジタル庁の創設や行政手続等のデジタル化の推進に取り組まれるそうです。今回のコロナ禍の流れの中で、テレワークやオンライン授業、マイナンバーカードによる支援金給付等、世の中のデジタル化は一気に進み、大きな社会変革をもたらしました。これを契機に、埼玉県としても行政サービスのデジタル化やデジタルを活用した働き方の推進などを更に加速させる必要があると感じています。
    例えば、愛媛県では全国に先駆けてデジタル化を推進し、デジタル技術を地域課題の解決に効果的に活用することを目的に、今年度、デジタル総合戦略本部を立ち上げ、愛媛県デジタル総合戦略の策定に取り組んでいます。
    そこで、埼玉県としても、行政サービスのデジタル化やデジタルを活用した働き方の推進など、デジタル県庁の更なる推進が必要と考えますが、どのように取り組んでいくのでしょうか。
    次に、デジタル県庁を推進する担当については、デジタル県庁推進担当など県民にも分かりやすい名称にし、埼玉県がデジタル化を進めていくことをアピールしていくべきだと考えますが、いかがでしょうか。
    以上二点、企画財政部長の御所見をお伺いします。

    A 堀光敦史 企画財政部長

    まず、デジタル県庁の更なる推進に向けてどのように取り組んでいくのかについてでございます。
    新型コロナウィルスの感染拡大により行政のデジタル化の重要性がこれまで以上に高くなっています。
    国においてはデジタル庁設置の検討がなされており、そこが司令塔となって、縦割り行政を排した省庁横断的なデジタル化が進められようとしています。
    県では、令和2年度当初からICT施策全般を統括する最高情報統括責任者として、砂川副知事が陣頭指揮をとり、「スマート県庁推進会議」などを通じて、全庁のデジタル化を推進しているところです。
    具体的には、当面の重点テーマとして、ペーパーレス化、AI・RPAなどの先端技術の活用による業務の効率化、電子申請の拡大による県民サービスの向上などに取り組んでいます。
    このことは、9月に開催された行財政改革戦略会議でも取り上げられ、改めて庁内に周知徹底しております。
    今後も、スピード感を持って、庁内横断的に県庁のデジタル化を進めてまいります。
    次に、デジタル県庁を推進する担当の名称についてでございます。
    県民に分かりやすい名称にすべきとの御指摘は大変重要であると認識しております。
    行政をデジタル化する目的は、業務の効率化と高いレベルの県民サービスを提供することにあります。
    この目的を達成するため、平成31年度から、改革推進課にAI推進担当を設置し、県庁業務において、AI等の新技術の積極的な活用を進めております。
    また、令和2年度からは、企画財政部に行政改革・ICT局長を設置し、デジタル化を担う改革推進課と情報システム課の両課を取りまとめることにより、組織体制を強化しております。
    担当組織の名称につきましては、これまでも業務内容を踏まえ、県民にとって分かりやすいものになるよう努めてまいりました。
    デジタル県庁を推進する担当の名称につきましても、国の動向や来年度以降の業務内容を踏まえ、適切に対応してまいります。

    動物愛護の推進について

    動物愛護の推進について – 殺処分ゼロに向けた取組の強化を

    Q 金野桃子 議員(県民)

    埼玉県では「殺処分ゼロ」を掲げ、地域猫活動推進事業等に取り組み、令和元年度には政令市、中核市を含め犬86頭、猫536頭、合計622頭まで殺処分数を減少できました。引き続き同事業の継続及び拡大をお願いするとともに、担当課や活動団体、その他関係者の皆様に敬意を表します。
    本県では、埼玉県5か年計画において令和3年度までに犬猫の殺処分数を600頭とする目標を掲げています。5か年計画の終期を来年度に控え、殺処分ゼロを一日でも早く達成するために、今後、どのような取組を進めていくのか、保健医療部長にお伺いします。
    また、殺処分ゼロに向け大切なのは、新たな飼い主を探すことです。そこで、埼玉県では県ホームページ上で新しい飼い主探し掲示板を掲載していますが、ホームページでは情報の拡散面で限界もあります。より情報が拡散されやすいSNSを活用してみてはどうか、保健医療部長にお伺いします。

    A 関本建二 保健医療部長

    まず、殺処分ゼロを一日でも早く達成するために、今後どのような取組を進めていくのかについてでございます。
    現在、殺処分される犬猫の比率については、猫が8割以上を占めており、その多くは野良猫が産んだ子猫です。
    そこで県では、野良猫の繁殖を抑えるため、市町村やボランティアに対して野良猫の避妊手術費用を補助する制度を充実させ、収容される子猫を減らす取組を進めております。
    また、収容された犬猫については、少しでも多く新しい飼い主を見つけるため、県庁をはじめ市役所や商業施設などを会場とする譲渡会の開催にも注力してまいりました。
    県では、収容される犬猫を減らす「入口対策」と、新しい飼い主へ譲渡する「出口対策」を両輪とした取組を着実に進め、一日も早く殺処分ゼロを実現できるよう努めてまいります。
    次に、新しい飼い主を探すことについて、より情報が拡散されやすいSNSを活用してみてはどうかについてでございます。
    県では、これまでもホームページやスマートホンアプリ「まいたま」などで、譲渡の対象となる犬猫の情報を発信してきましたが、コロナ収束の見通しが立たない中、今後はネット環境を生かした非対面型での譲渡活動が一層重要性を増します。
    そこで、県のツイッターやフェイスブックなど、議員から御提案いただいたSNSの活用という新たな視点も取り入れ、譲渡事業を拡充してまいります。

    動物愛護の推進について – 駅前等での譲渡会の開催の許可を

    Q 金野桃子 議員(県民)

    里親会という名称で活動している団体もいらっしゃいますが、ここでは「譲渡会」と呼びます。
    新しい飼い主を探す上で譲渡会は大変有効です。県内で譲渡会を行う団体はたくさんいらっしゃいますが、どの団体も譲渡会を行う場所を探すのに非常に苦慮しているそうです。ある団体は、コインパーキング等を転々としているようです。譲渡会を行う際は、何より人目に付く駅前等の道路で実施できることが一番です。
    そこで、譲渡会での道路の利用の拒否及び県内での譲渡会を理由とする道路使用許可の件数について、警察本部長にお伺いします。

    A 高木紳一郎 警察本部長

    道路交通法第77条第1項では、道路において道路工事、祭礼行事及び各種イベントや活動等を行う場合、管轄する警察署長の道路使用許可を受けなければならないこととされております。
    従って、譲渡会の方々が道路を使用し活動する場合は、道路使用許可が必要となり、警察では、その場所の交通状況、活動方法等を審査し、交通の障害とならない場合に許可をすることとしております。
    次に、県内における許可件数ですが、県警察では、令和元年中、譲渡会の活動に対し92件の道路使用を許可しております。
    今後とも、道路交通の円滑を図りつつ、道路の使用に係る様々なニーズに適切に対応してまいります。

    地元問題について

    戸田公園ボートコースの水草・アオコ対策を

    Q 金野桃子 議員(県民)

    戸田市にある戸田公園ボートコースでは、平成29年頃より藻や水草が大量に発生し、ボート競技に支障を来しています。平成29年に細田善則議員も取り上げられ、一定の対策を講じていただいております。令和2年には予算額約7,000万円を投じて刈取船で水草を刈ったり、ダイバーが潜って抜いたりしているとのことです。確かに一定の効果が出ていますが、最近では水草が減ったせいか、今度はアオコが大量に発生するようになりました。
    写真を御覧ください。
    ボートコース一面に水草とアオコが発生している状態です。競技自体に支障を来す上、周辺には悪臭も放っています。地元からはボートコースの水を全部抜くかいぼりを行い、底にたまっているヘドロなどもかき出し、水草を根元から刈ってほしいという声も出ています。かいぼりの検討も含め、水草及びアオコ対策を着実に行っていただきたいと思いますが、都市整備部長に御所見をお伺いします。

    A 濱川敦 都市整備部長

    水草対策は、競技日程や水草の繁茂状況を踏まえ計画的に実施するため、県とボートコースの利用者、戸田市などからなる水草対策協議会を設立し、検討、実施しております。
    今年度は6月下旬から水草の刈取を実施しております。
    さらに、今年の夏にはアオコが発生したため、8月下旬と9月中旬の2回、刈取と合わせて水面のアオコ類を回収しました。
    協議会では、専門家からの意見も踏まえ、類似の事例を調査し対策を検討しておりますが、水草などの発生には、気象、水温、水質などの要素が関わっており、抜本的な解決は非常に難しい状況でございます。
    かいぼりは、全ての水を抜く必要がありますので、大量の水の処理、天日干しに要する期間、その後の水の確保などに長期間を要し、その間はボート競技や競艇が開催できないなどの課題があります。
    また、ボート競技場の主な水源は、湧水と違い、雨水流入など表流水であるため、水質改善などの効果は限定的でございます。
    まずは、現在の対策について継続的に取り組み、併せて、更に効果的な対策がないか、協議会の中で検討してまいります。

    笹目川及び戸田公園周辺の治水対策を

    Q 金野桃子 議員(県民)

    昨年10月の台風第19号に際し、被害に遭われた皆様に深くお見舞い申し上げます。
    私の地元の戸田市では、荒川から笹目川に逆流する水を防ぐために笹目水門を閉めたことにより、本来であれば荒川に流れるべき水が、同じく笹目川とつながっている戸田公園ボートコースに押し寄せました。その結果、ボートコースの水があふれ、周辺一帯が水につかるという甚大な被害が生じました。私の元には、ものの数十分で腰まで水につかり、真夜中に二段ベッドの上で子供を抱き抱えて一晩夜を明かしたと、涙ながらに語る声が届いています。
    そこで、大変驚いたのですが、県から地元市町村である戸田市に対し、水門周辺の河川水位の情報提供はあったものの、水門を閉めた事実の情報提供をしていなかったということです。笹目水門を閉めれば、笹目川の水が戸田公園ボートコースに流れ込むことは容易に想像でき、地元市町村としてもそれを想定して避難指示等を出すこともできます。水門を閉めた旨を伝えたのかどうか。もし伝えていないのであれば、今後は関係市町村に可及的速やかに情報提供すべきと考えますが、県土整備部長の御所見をお伺いします。
    また、今回このように笹目川の水が戸田公園ボートコースに流れ込んだのは、笹目川と戸田公園とをつなぐ取入水門の構造に起因しています。
    こちらを御覧ください。
    手前側が笹目川で奥が戸田公園ボートコースですが、水門の上部両脇、写真でいうところの赤い部分が黄色で示された笹目川の護岸よりも低く、水門を閉めても簡単に水門の上部両脇より越水し、戸田公園ボートコースに水が流れ込みます。ここは平成27年度に完成した笹目川の川のまるごと再生プロジェクトのときも整備されておらず、数十年間にわたり、このままの状態だそうです。笹目川の水が戸田公園ボートコースに流れ込む結果、笹目川は越水を防ぐことになります。それであれば、戸田公園を調節池、または遊水地として指定する考えはないのでしょうか、県土整備部長にお伺いします。
    あるいは調整池、遊水地として指定しないのであれば、笹目川の水が戸田公園ボートコースに流れ込まないよう、笹目川護岸と同じ高さまで整備すべきと考えますが、県土整備部長の御所見をお伺いします。
    さらに、台風や豪雨がきそうな場合に、あらかじめ水を抜き、水量が増加した場合に備えることはできないのでしょうか、併せてお伺いいたします。

    A 中村一之 県土整備部長

    昨年の台風第19号の際、戸田市内では24時間雨量で約300ミリメートルもの降雨となり、戸田公園ボートコースの放流先である菖蒲川では、河川整備計画で想定している降雨を超える豪雨となりました。
    このため、菖蒲川では三領排水機場において最大能力で荒川にポンプ排水したものの、非常に高い水位が続き、ボートコースをはじめ、流域内で降った雨が菖蒲川に排水できず、内水被害が発生したと考えています。
    また、戸田公園に隣接する笹目川でも笹目川排水機場において最大能力で荒川にポンプ排水したものの、「取入水門」の上部からボートコース内へ洪水が流入したことを把握しております。
    ご質問の水門閉鎖時における市町村への情報提供でございますが、笹目水門は、洪水時に荒川から笹目川への逆流を防止する施設として国土交通省が管理しており、国からの委託を受け、県が洪水時の操作をしております。
    水門開閉時の情報伝達については、水門を操作するさいたま県土整備事務所から国土交通省荒川下流河川事務所に報告することとなっております。
    更にその情報を、荒川下流河川事務所から「洪水対策計画書」に定める関係機関へ通知することとなっております。
    水門周辺の水位情報や排水機場の稼働状況は、これまでも情報提供しておりましたが、水門開閉時の情報伝達については、国の計画書に定める関係機関に流域市が含まれていなかったことから、今年度、戸田市を含む流域市を関係機関に加えております。
    次に、戸田公園を「調節池」または「遊水地」として指定することについてでございます。
    ご質問の「取入水門」については、設置されて以来、地盤沈下によって低くなっており、改修の必要性があることは認識しております。
    そのため、「取入水門」を改修する方向で協議調整をしており、現時点においては、戸田公園ボートコースを「調節池」または「遊水地」として指定する予定はございません。
    次に、「取入水門」の整備についてでございますが、現在、水門を管理する公園管理者などと協議調整を進めており、改修する場合には、水門改修のほかに笹目川で必要となる治水対策なども含め検討をしてまいります。
    最後に、ボートコースの水位をあらかじめ下げておくことについてでございますが、平成15年度より、公園管理者などの協力をいただき、ボート競技の再開に支障を及ぼさない範囲で、あらかじめ水位を下げておく運用を行ってまいりました。
    台風第19号の後、この運用について改めて協議を行い、さらに10センチメートル水位を下げられるよう、現在、ボートコース施設の改修を実施していただいております。
    引き続き、関係機関との連携を図りながら、複数の河川が関係して浸水被害が発生したメカニズムの検証や、実現可能で効果的・効率的な対策の検討を進め、浸水被害の軽減を目指してまいります。

    荒川水循環センターの放流能力の向上を

    Q 金野桃子 議員(県民)

    通常、市内に降った雨水は荒川水循環センターに流れ、そこからポンプで荒川に水を吐き出しています。しかし、昨今の台風第19号の際には、荒川水循環センターの放流能力が追いつかなかったために、市内に降った雨水が荒川水循環センターに流れずに逆流し、市内各所のマンホールから噴き出す事例が多数生じました。早急に荒川水循環センターの放流能力を向上させる必要があると思いますが、下水道事業管理者にお伺いいたします。
    以上で一般質問を終了させていただきます。御清聴ありがとうございました。

    A 今成貞昭 下水道事業管理者

    戸田市の東部地域をはじめ、古くから下水道が整備された地域は、雨水と汚水を同一の下水管で処理する合流式下水道区域になっております。
    台風などの際には、雨水を含んだ大量の下水が荒川水循環センターに流入いたします。
    昨年の台風第19号がもたらした大雨により、荒川の水位が昭和47年に水循環センターを供用開始して以来、最高を記録いたしまして、長時間にわたり放流しづらい状況にございました。
    この結果、議員御指摘のとおり、戸田市内において、マンホールから下水が溢水する事案が複数箇所で発生したと承知をしております。
    そこで、早速今年4月から水循環センターの放流能力を向上させる改修工事に着手をいたしまして、台風シーズンが到来する前の8月に完了させたところでございます。
    このことによりまして、昨年同様の状況が発生した場合でも、流入する雨水をよりスムーズに荒川に放流することが可能となるものと考えております。

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