子どもを取り巻く課題について

虐待事件を0にするために(福祉部長)

Q 八子朋弘 議員(県民)

この課題は、先日、会派の松坂議員も取り上げておりましたが、私からもお伺いいたします。
目黒区や野田市で残念な事件が相次いで発生し、多くの国民が心を痛めております。そして、今月に入ってからも、札幌市で事件が起こってしまいました。これまで何度も、事件が発生するたびに様々な検証がなされ、事件が繰り返されないよう対策がとられてきましたが、なかなか不幸な事件が「0」になりません。このたび、国でも児童虐待防止法の改正がなされましたが、悲惨な事件を今度こそ起こさないため、県としてどのような対策を打っているのか。幸い最近、埼玉県では死亡事件は起こっていませんが、具体的な状況を福祉部長に伺います。
警察との連携については、今年度予算で児童相談所と警察署間において虐待情報を共有するシステムの構築が図られていますが、児童相談所へ相談した情報が警察へ共有されることが知れ渡れば、もしかしたら警察が家に来るかもしれない、もしかしたら逮捕されるかもしれないという不安から、育児に悩む親本人や学校、保育園などが相談や情報提供に二の足を踏み、支援が必要な家庭がより孤立するのではないかという懸念が根強いと言われております。こういった懸念も承知の上で、メリットを重視し、このようなシステムを構築する決断をされた県の考え方、そして懸念を払拭するための取組について福祉部長にお伺いいたします。
また、目黒区の事件では、対象の家庭が転居したことにより児童相談所間における引継ぎが不十分であったと言われています。野田市の事例では、児童は一度保護されたものの、結局親元に帰してしまい、結果としてあってはならない事件になってしまいました。これらの事例を踏まえ、埼玉県としてどのような対応を行っているのか、またいくのか、福祉部長の答弁を求めます。
最後に、私は虐待事件を「0」にするための一番のポイントは人であると考えています。どんなに完全に近いシステムを構築しても、それを有効に生かせる人がいなければ意味がありません。児童相談所だけの問題ではありませんが、経験を積んだ職員がその経験を基に共有した情報を生かして、いかにケースバイケースで適切な対応をしていくか、これが悲しい事件を発生させない一番の対策だと思います。人員の拡充は当然のこととして、児童相談所における現場の職員の人事異動はいかに行われているのでしょうか。若い職員に様々な経験を積んでいただくことは大事ですが、じっくり腰を据えて人間関係をつくり、事例に対処していく体制はとれているのでしょうか、福祉部長にお伺いいたします。

A 知久清志 福祉部長

まず「悲惨な事件を起こさないため、県としてどのような対策をうっているのか」についてでございます。
増加する虐待通告に迅速かつ適切に対応するため、児童相談所の体制を強化しています。
今年度は児童福祉司を35人、児童心理司を7人増員するとともに、7カ所目となる草加児童相談所を設置しました。
また、職員の資質向上を図るため、職位ごとの研修に加えて重大事案を検証する研修や弁護士を講師とした法的対応を学ぶ研修を新たに実施いたします。
さらに、警察との連携を強化するため、平成30年8月から全ての虐待情報の共有を始めました。
今年度は児童相談所と警察署を直接つなぎリアルタイムで情報を共有する全国初のシステムを構築いたします。
次に、「児童相談所と警察との情報共有システム構築を決断した県の考え方、懸念を払拭するための取組」についてでございます。
システムを構築することとしたのは、悲惨な事件を繰り返すことなく子供の命を守るためには児童相談所と警察が虐待情報を共有し、連携することが何よりも重要と考えたためです。
共有する情報は虐待情報のみで、虐待に関係のない養育に関する相談などの情報は共有されません。
相談に当たって情報の取扱いに不安を抱いている保護者等に対しては、この点を丁寧に説明してまいります。
次に、「目黒区や野田市の事例を踏まえ、県としてどのような対応を行っているのか、また対応していくのか」についてでございます。
児童相談所間の引継ぎについては、国の児童相談所運営指針に定められているとおり、緊急性が高い場合には対面等により行うという原則を徹底しています。
また、一時保護については、保護者が虐待を認めない、子供を職員に会わせないなどリスクが高いと認識した場合は、躊躇なく一時保護をするなどの対応をしています。
札幌市の事件を踏まえ、国から改めて示された「適切な一時保護」、「48時間以内の安全確認」などのルールを徹底し、子供の安全確保に全力を尽くしてまいります。
次に、「児童相談所の人事異動はいかに行われているのか、事例に対処していく体制はとれているのか」についてでございます。
児童相談所の職員には専門的な知識や経験のほか業務の継続性も求められていることから、一般的な異動基準年数より長い配置となっております。
また、平成31年4月1日付けで異動した職員のうち、引き続き児童相談所に異動した職員は役付職員で約85%、一般職員で約70%となっています。
日々の業務で培った経験や専門知識が生かせる人事ローテーションとしております。
今後も児童相談所職員の能力を最大限に生かせる人材育成に取り組み、現場の対応力向上を図ってまいります。

居場所づくりと貧困対策について(福祉部長)

Q 八子朋弘 議員(県民)

日本では、7人に1人の子供が貧困状態にあると言われています。その事実に対し、国をはじめとして様々な対策が取られていますが、中でも子ども食堂とアスポート事業について、埼玉県の現状と課題についてお伺いいたします。
まず、子ども食堂についてです。
私は、給食以外の食事が満足に食べられていないお子さんや、家庭に困難な事情を抱えているお子さんが一人残らず、毎日の開催ではないかもしれませんが、子ども食堂に足を運んでもらい、食事のみならず、勉強や遊びを通して安心や安らぎを感じてほしいと切望しています。しかし、真に支援が必要な子供、家庭に情報や支援が行き届いていないのが現状ではないかと思います。この点について認識と対策を福祉部長に伺います。
また、県内各地で運営されている子ども食堂から食材の調達に苦労しているとの声を聞きます。食品ロス削減法も成立した今、県としてフードバンクやフードドライブに更に力を入れ、子ども食堂に食材を供給するシステムを構築できないか、福祉部長の見解をお伺いします。
さらに、先日の13日、県庁内で県庁職員を対象にフードドライブが実施されたようですが、今後は大きなイベント等の機会を捉え、県庁職員だけではなく、県民の皆様を広く巻き込んで実施すべきではないでしょうか。福祉部長にお伺いいたします。
次に、アスポート事業についてです。
貧困の連鎖を断ち切る有効な施策として実績を上げており、埼玉県の取組が全国の事業に展開しつつあることを高く評価しております。私がお世話になりました富士見市議会でも、平成29年にこのアスポート事業について議員研修として学ばせていただきました。現在、高校進学支援の中学生教室が全市町村で実施されていますが、高校中退防止支援の高校生教室と小学生対象のジュニア・アスポート教室については、財政事情等の理由により全市町村で開催されているわけではありません。
ちなみに、私の地元富士見市ではジュニア・アスポート教室含め、小中高全てを対象に開催されておりまして、地元の議員として心強く思うのと同時に、担っていただいている皆様に敬意を表したいと思います。
一日も早く全市町村において、小中高全てのアスポート事業が実施されることを望みますが、教室を開催するに当たって大きな障害は会場の確保であると聞いております。県として会場の確保にどのように尽力しているのでしょうか。もっと力を入れるべきではないでしょうか。見解と取組の状況について、福祉部長に伺います。
また、地元富士見市には子ども未来応援センターが設置されております。妊娠期から子育て期に至るまでの切れ目のない支援体制を実現し、全ての子供が夢に向かってチャレンジできるよう、市民の皆さんの子育てを応援しており、子供に関する総合相談窓口としてセンター機能を果たしています。子ども食堂、アスポート事業、先の虐待対応、その他、子供に関する様々な支援事業を効率的につなげていく意味で、富士見市の子ども未来応援センターのような機能を市町村に持たせるよう、県として各市町村を支援していく必要があると考えますが、いかがでしょうか。
以上、福祉部長にお伺いいたします。

A 知久清志 福祉部長

まず、真に支援を必要とする子供、家庭に、情報や支援が届いていない現状に対する認識と対策です。
経済的困難を抱え、地域から孤立している家庭には、情報が届きにくい実態がございます。
民生委員や社会福祉協議会には、家庭訪問を通じた相談支援の中で、必要に応じて子ども食堂につなぐ役割を担っていただいております。
また県では、今年度新たに「ポータルサイト」を構築して子ども食堂のマップを掲載し、スマートフォンで簡単に子ども食堂の情報を入手できるよう取り組んでまいります。
次に、子ども食堂に食材を供給するシステムの構築についてでございます。
まず、フードバンクやフードドライブの認知度が低いため、ポータルサイトやセミナーを通じて情報発信に努めます。
さらに、今年6月から派遣を開始した「こどもの居場所づくりアドバイザー」が、子ども食堂に対し、フードバンクの利用や企業・農家との連携など食材確保のノウハウを提供します。
次に、フードドライブを、県庁職員だけでなく県民の皆様に広く巻き込んで実施すべきではないかについてでございます。
例えば、11月14日の県民の日のイベントなど、県民の皆様が集まる場を活用して実施したいと考えております。
フードドライブを通じて、「オール埼玉」で子供の貧困対策に取り組む機運を高めてまいります。
次に、アスポート事業の課題と取組の状況についてでございます。
議員お話のとおり会場の確保は課題であり、県では以前より特別養護老人ホームを運営する社会福祉法人等に協力を要請してまいりました。
県が実施している町村部では、現在、16カ所中5カ所が特別養護老人ホームで教室を開設しております。
今年度は、アスポート事業の全県展開を進めるために配置したコーディネーターを活用し、自治会の集会所など子供達の通いやすい会場を確保できるよう、より一層努めてまいります。
次に、富士見市の子ども未来応援センターのような機能を市町村に持たせる仕組みづくりについてでございます。
子供の貧困対策だけでなく、育児不安から就労支援まで、ワンストップで子供の相談に対応する富士見市の支援体制は、他の市町村にも大変参考になる好事例であると考えています。
県といたしましては市町村に対し、富士見市などの好事例を紹介し国の補助金を活用した事業の実施を働きかけてまいります。
生まれ育った環境に関わらず、子供たちにチャンスを与えられ、夢や希望をもって生きていくことができるよう、居場所づくりと貧困対策にしっかりと取り組んでまいります。

学力向上対策について(教育長)

Q 八子朋弘 議員(県民)

平成30年の全国学力・学習状況調査、いわゆる全国学力テストの正答率の埼玉県の順位は、小学生で36番目、中学生で29番目でありました。もちろん、子供の評価は学力が全てではありませんが、子供たちが将来、豊かな人生を送る上で学力を身に付けておくことは有効な手段の一つであります。埼玉県では、平成27年から県内児童生徒の更なる学力向上のため、小学4年生から中学3年生を対象に埼玉県学力・学習状況調査を行っています。この調査は、学力の経年変化などを継続して把握することができ、その結果から優れた指導法について教員間で共有することができるなど、極めて有効な施策と言えます。教育の分野において、その成果は一朝一夕には現れるものではありませんが、必ずや数年後に大きな成果を上げられるものと期待しています。スタートから5年目となりますが、現時点における成果と今後の取組について、昨日の質問でもございましたが、教育長に伺うものです。
併せて、全国学力テストの平均正答率の目標値についてもお示しいただきたいと思います。
また、埼玉県として全国学力テストの正答率が高い自治体に実践を学ぶ取組は行っているのでしょうか。全国学力テストの成績上位県である福井県に職員を派遣しているとのことですが、私は栃木県大田原市の取組を紹介したいと思っております。
大田原市では、学力向上のため多くの取組を行っています。平成17年から英語教育特区になり、小学校1年生から英語の授業を取り入れています。指導力強化のための市独自の予算を組み、約160名の臨時非常勤教員を配置しています。また、実際に学校で指導に当たっている先生が問題を分析し、発行している漢字・計算ドリル「ホップ・ステップ・ジャンプ」を毎日の朝学習、授業、家庭学習に活用しています。非常にできの良い教材のため、他の自治体から欲しいと言われることも多々あるそうです。
いずれにしても、それら取組の結果、全国学力テストの平均正答率は栃木県全体では全国平均を下回っているようですが、大田原市単独におきましては全国平均を大きく上回っており、全国トップクラスに位置しているとのことでございます。
私は、特に独自のドリルを使った毎日の基礎学習に注目していますが、全県を挙げてこのような取組ができないでしょうか。昨日の答弁によりますと、基礎学力におきましては一定の成果を上げているようでございますが、更に学力を伸ばす必要があると思います。教育長に伺います。

A 小松弥生 教育長

まず、「県学力・学習状況調査の現時点における成果と今後の取組」についてでございます。
これまでの調査結果の分析から分かってきたのは、「主体的・対話的で深い学び」の実施や落ち着いた学級づくりが、子供たちの非認知能力などを高め、そこから学力向上につながるということでございます。
また、子供一人ひとりの学力の伸びが分かる本調査の特徴から、学力を伸ばした学級や授業で行われていた効果的な取組や工夫を把握してまいりました。
そうした調査の分析結果や各学校の効果的な取組などについて、県の指導主事が直接市町村や学校に説明したり、リーフレットにまとめたりするなど県内で広く共有を図っております。
今後の取組といたしましては、学力を伸ばした教員の授業を映像資料にまとめ、研修などで広く活用していく新たな取組を開始し、効果的な授業のノウハウなどを県内に普及してまいります。
次に、「全国学力・学習状況調査の平均正答率の目標値について」でございます。
県では、「埼玉県5か年計画」において、令和3年度までに、国語、算数・数学の全てにおいて、全国平均正答率を1ポイント以上上回ることを目標値として設定しております。
次に、「県として、全国学力・学習状況調査の平均正答率が高い自治体に、実践を学ぶ取組は行っているのか」についてでございます。
議員お話しのとおり、昨年度から福井県に本県の教員を派遣し、実際に学校現場に入って学力向上の取組を直に体験する研修を行っております。
また秋田県を参考に、本県でも全教員が調査問題を実際に解き、子供たちが身に付けるべき力を把握した上で学習指導の改善・充実を進めるよう、市町村や学校に働き掛けております。
次に、「独自のドリルを使った毎日の基礎学習に、全県をあげて取り組むことはできないか」についてでございます。
子供一人ひとりの学力向上を図るためには、学習習慣を定着させるとともに、まずは、基礎的・基本的な知識などを確実に身に付けさせることが大切であると考えます。
本県では、「コバトン問題集」や「復習シート」といった問題集を独自に作成しております。
これらは、全国や県の調査を基に、基礎的な内容から応用的な内容まで、学年や領域、レベル別に分けた問題集であり、市町村や学校の関係者が集まる会議などで活用を促しております。
基礎的な内容はもちろん、個々の学力に応じた問題を用い、日々の授業で学習内容の定着の見届けを確実に行うよう各学校に働き掛け、子供一人ひとりの学力向上を図ってまいります。

保育士不足解消に向けて(福祉部長)

Q 八子朋弘 議員(県民)

待機児童解消に向けて保育所の整備促進が図られています。一方、現場では保育士の確保、特に正規職員として働く保育士の確保に苦労されています。本県の保育士の有効求人倍率は平成30年11月に4.76倍で、今後も保育士不足の深刻化が見込まれております。
保育士不足の主な原因は、給料が低い、業務量が多い、就業時間が合わない、人間関係、責任の重さと言われております。この課題に対し、本県でも宿舎借上補助事業や新卒保育士就職支援事業等、様々な取組を行っていますが、先ほど紹介した原因の中で県が対応できて、かつ一番効果的な対策は処遇改善であると思われます。
しかしながら、東京都に隣接し、通勤圏であります埼玉県は処遇の面で条件の良い都内に人材が流出しています。隣接する東京都と比較すると、国が定める公定価格の地域区分に差があるため、どうしても給料に差が付いてしまい、制度的に不利な状況にあります。県として国に対し、公定価格の差を是正するよう要望されていることは承知していますが、是正の見通しはどうなっているのでしょうか。また、要望するだけでなく、県として更に積極的に対策を打つことはできないでしょうか。
例えば、保育所はいわゆる早番・遅番の保育士確保に特に苦労されていると聞いております。ならば、その早番・遅番の保育士の人件費を県として補助することはできないでしょうか。昨年5月の時点で、県内には認可保育所が1,228園あります。様々な対策に付けている予算を精査し、保育士の処遇改善に県として予算を付けることについて、福祉部長に伺います。

A 知久清志 福祉部長

保育所の運営費を定める公定価格は、人事院が定める地域手当の地域区分に準拠し、設定され、各自治体間に差が生じています。
県といたしましては、地域の実情を踏まえ近隣自治体との格差を是正するよう国に公定価格の見直しを強く要望しており、その結果、国は今年度から見直しに着手すると聞いております。
今後も国の検討状況を注視し、あらゆる機会を通じ、公定価格の見直しが実現するよう要望してまいります。
次に、保育士の処遇改善について県として予算をつけることについてでございます。
保育士を確保するためには、保育士がその職責の重要性に応じた処遇を受けられるようにすることが重要と考えます。
平成29年度から国は、職務内容に応じた勤務条件を定めるなどキャリアパス要件を満たす保育所等に対し、保育士1人あたり月額最大4万円の処遇改善を図っています。
県は、保育所等がキャリアパス要件を満たせるようアドバイザーを派遣するなどの支援を行い、現在までに約8割の施設が導入しています。
また、今年度から一人あたり20万円の新卒保育士向けの就職準備金貸付制度を実施し、処遇改善に繋げていきます。
さらに、保育士宿舎借上補助事業について今年度は予算を20%増額しており、住宅費負担を軽減して職場定着や処遇改善の充実を図ります。
今後も市町村と連携し、処遇改善だけでなく保育の質の向上や職場定着など保育士確保に向け総合的に取り組んでまいります。

安心安全を確保するために

歩行者の交通安全対策について(警察本部長)

Q 八子朋弘 議員(県民)

昨今、池袋や滋賀県大津市等、歩行者が巻き込まれる事故が続いています。悲惨な事故を発生させないために、交差点における事故抑止対策として信号機の改良について伺います。
大津市の事故では、直進車と右折車の衝突事故が幼い園児の命を奪いました。もちろん、最後はドライバーの安全運転に対する意識によるところが大きいわけですが、少しでも事故発生の可能性を低減させるための方策が必要です。私は万一、交差点で事故が発生してしまった場合に、人が巻き込まれないための方策と併せて、そもそも交差点で事故が起こらないための方策を進めていくべきだと思います。
そこで、信号機を矢印式信号に改良し、直進車と右折車を分けることが有効であると考えます。矢印式信号の設置は、交通渋滞を招くデメリットもありますが、それ以上に事故を発生させないメリットのほうが大きいと思います。警察本部長の見解を求めます。

A 富田邦敬 警察本部長

平成30年中、当県で発生した全人身事故2万4,123件、このうち右折車と対向する直進車が衝突した事故は1,326件、全体の5.6%でございます。
このような直進車と右折車の事故抑止対策としては、交差点周辺の指導取締りは無論ですが、議員御指摘の直進車と右折車を分離する形の信号機が有効であると認識しています。
これは、通常の青色灯火を使用せず、直進矢印と右折の矢印に置き換えて、直進車は直進矢印でのみ進行、右折車は右折矢印でのみ進行する形にします。
右折矢印が出ている間は無論、順行対向とも直進は出来ないという形にするわけです。
これをすると、対向する直進車と右折車が交錯することはなくなりますので、事故の可能性は非常に減ります。
埼玉県では、平成25年から平成27年までの間、交差点で発生する人身事故の率が全国で一番高かったことから、平成29年度から4カ年計画で重点整備計画を策定し、この直進車と右折車を完全に分離する信号改良を進めています。
今年度も51基改良する予定であり、今年度末までに357基を整備することになります。
議員御指摘のとおり、これは交差する道路の赤が長くなるという欠点がありまして、交通渋滞を起こす可能性がありますので、全ての場所への設置というわけにはいきませんが、可能な場所については、今後改良整備を進めてまいります。
なお、これ以外にも通常の青色灯火に右折の青矢印を付加している信号を1,294基整備しています
なお、平成29年度で整備した72カ所について、検証を行いましたが、それまで直進車と右折車の事故はこれらの信号で39件発生していましたが、0件に激減したところです。
今後とも、交差点における事故を抑止するため、信号機の改良に努めてまいります。

高齢者の交通安全対策について(企画財政部長)

Q 八子朋弘 議員(県民)

最近、高齢ドライバーの事故が頻発しています。政府は18日、昨今の事故情勢を踏まえた交通安全対策に関する関係閣僚会議を実施しました。会議での議論を踏まえ安倍総理は、高齢者が自動車に頼らず暮らせる社会の実現に向けて施策を進めていく方針を示されております。
そこで、高齢の方ができるだけ運転をしなくても済む施策の推進について伺います。
県では、これまで高齢者安全運転推進プロジェクト等を通じ、高齢者の事故防止対策に取り組んできていると思います。ですが、そもそも高齢者が移動手段として自ら車の運転をしなくても済む施策、例えばタクシーを利用し、家の玄関先から目的地まで移動できるデマンド交通等、高齢者の足を確保する施策を実施する市町村に対して更に施策を促進させるため、県として補助金を出す等、事業を後押しする必要があると思いますが、企画財政部長に伺います。

A 石川英寛 企画財政部長

急速な高齢化に伴い、高齢者の安全な移動手段として公共交通を確保・充実することは大変重要な課題であると考えております。
このため、まずは、地域の実情をよく把握している市町村において、交通事業者や住民等をメンバーとする地域公共交通会議を設置し、今後の指針となる地域公共交通網形成計画の策定を進めています。
また、地域の実情に応じてコミュニティバスやデマンド交通などの手法を活用して、住民の交通手段の確保に取り組んでいます。
こうした取組を支援するため、県では市町村の地域公共交通会議に積極的に参加し、他市町村の優良事例の紹介や運行区域の設定等に係る助言を行っています。
また、市町村の取組を更に促進するため、本年度新たな補助制度を創設しました。
この制度は市町村が策定した地域公共交通網形成計画に基づくバス路線の再編やコミュニティバス・デマンド交通の導入などに係る初期費用を補助するものです。
本年4月以降、事業を予定している市町村との間で、具体的な再編事業の内容等について、現地の状況を把握した上で個別に調整を続けております。
例えば、ある市では、高齢者などが日常の買い物や通院に利用しやすいよう、循環方式のバスルートから、商業施設や医療機関等を往復するシャトル方式のルートに見直す予定です。
また、別の市では、高齢者の割合の高い住宅団地と病院を結ぶバスルートを新たに設ける予定です。
これらの事業を実施することにより地域公共交通の利便性が向上し、高齢者の足の確保・充実が図られるものと考えております。
県としては、事業実施のための具体的助言を積極的に行うとともに、補助制度を十分に活用することで、しっかりと市町村の取組を後押ししてまいります。

健康長寿埼玉プロジェクトについて(保健医療部長)

Q 八子朋弘 議員(県民)

現在、埼玉県では健康で長生きしていただくための有効な方策の一つとして、健康長寿埼玉プロジェクトが推進されています。ウォーキングや筋力アップトレーニングに取り組んでいただき、健康寿命の延伸や医療費の抑制を図る事業ですが、県内57の自治体に何らかの形でプロジェクトに参画していただいています。私は、健康長寿埼玉プロジェクトは自治体のできる健康長寿施策としてはよくできていると思いますので、改善する点は改善した上で、今後どなたが知事になったとしても更に推進していくべきであると考えております。
そして、この健康長寿埼玉プロジェクト、平成29年度からはプロジェクトの一環としてコバトン健康マイレージの運用を開始しています。コバトン健康マイレージは、忙しい人や健康づくりに関心が低い人にも参加してもらうために構築したものです。ウォーキングなどに応じてポイントがたまり、抽選で賞品が当たるなど、楽しみながら健康づくりに取り組むことができる仕組みとなっています。平成31年3月末時点での参加者数は約5万4,000人です。一人でも多くの県民の皆様にこの事業に参加してほしいところですが、一方、登録はしているものの、実際には行動できていない方、いわゆる幽霊会員が多いのではないかと危惧しています。この事業は、実際に健康づくりに取り組んでもらわなくては意味がありません。今年の予算特別委員会でも指摘があったようですが、現状の取組はいかがでしょうか。
また、参加をする際、保険証のコピーを郵送する等、登録手続が面倒であるとも聞きます。もっと手続を簡素化し、参加のハードルを下げるべきではないでしょうか。見解を保健医療部長に伺います。

A 関本建二 保健医療部長

まず、「実際に健康づくりに取り組んでもらうための取組について」でございます。
コバトン健康マイレージは、運用開始から3年目となり、今年度から7市町村及び3健康保険組合が新たに加入し、47市町村、10健康保険組合、7企業に参加いただいております。
5月末現在の参加者数は、約5万8,000人でございます。
健康づくりは、生活習慣を改善し、健康に役立つ取組を日々継続することが非常に重要です。
コバトン健康マイレージでは、運動習慣が身に付くよう、無理なく楽しみながらウォーキングを続けてもらうための仕組みを取り入れています。
具体的には、歩数などに応じてポイントが貯まり、県産の野菜や肉などの賞品が当たる抽選に参加することができます。
また、年代別、男女別の個人ランキングや、所属する企業等の団体戦ランキングなど、参加者のモチベーション維持につながる工夫をしています。
このほか、市町村等が主催する健康づくりのイベントとタイアップし、参加者にボーナスポイントを付与しています。
一方、参加者の中には、歩数データの送信が滞っている方も含めて、歩数が少ない方がいます。
こうした方に対しては、システムには、歩数が減っていることを気付かせる既存の機能があるため、その機能の有効活用を検討してまいります。
また、取り組みやすい歩数からボーナスポイントを付与したり、抽選賞品の数や種類を増やすなど、ウォーキングを促すための仕組みを検討してまいります。
次に、「登録手続の簡素化について」でございます。
企業等を経由して申し込む場合は、その企業の社員であることが容易に確認できるため、必ずしも本人確認書類の提出を求めておりません。
一方、市町村を経由して申し込む場合は、住民であることを確認するため、原則として保険証のコピーを提出いただいております。
議員の御指摘のとおり、参加者から登録手続が煩わしいという御意見もいただいております。
企業等と同様に手続の簡素化ができないか、市町村と協議し検討してまいります。
登録手続の見直し等を行い、より参加しやすいものとすることで、参加者のさらなる拡大を図ってまいります。

幼児教育類似施設における幼児教育無償化について(総務部長)

Q 八子朋弘 議員(県民)

子育て世帯を応援し、社会保障を全世代型へ抜本的に変えるため、幼児教育の無償化が今年の10月1日よりスタートする予定です。幼児教育の無償化は、生涯にわたる人格形成の基礎を培う幼児教育の重要性や幼児教育の負担軽減を図る少子化対策の観点などから取り組まれるものとされ、3歳から5歳までの子供たちの幼稚園、保育所、認定こども園などの利用料が無償化されます。
しかしながら、このたびの制度開始に当たり、県内に16カ所存在する幼児教育類似施設は無償化の対象になっていません。このたびの無償化は、内閣府、文科省、厚労省の連名で出された依頼文書によると、幼児教育の質が法律により制度的に担保された幼稚園、保育所、認定こども園に通う子供が対象であり、また、待機児童対策の観点から認可外保育施設に通う子供のうち、保育の必要性のある子供についても対象とするとのことであります。
一方、面積等が基準に達していないために、法律上、幼稚園と位置付けられていない施設は幼稚園と同等の教育を行っていたとしても、無償化の対象外となっています。国においてもこの問題は取り上げられており、今年2月8日の衆議院予算委員会において、自民党の萩生田光一議員が、幼稚園でもない、保育園でもないというこういう中間施設が今回のこの政策から漏れてしまうというのは、本来の政策目的と違うんじゃないかと質問し、そのやりとりの中で安倍総理は、そういうところに対しての支援について、どう国と地方が協力して支援していくということ、今度の新しい制度の中に入ってもらえるかどうかということについて、直ちに私は答えを持っておりませんが、検討させていきたいと答弁されております。
その後、4カ月の月日が流れました。14日には、上田知事も関係者から要望書を受け取られたと聞いています。対象に含めるか含めないか、どこで線を引くかは大変難しい問題ですが、この問題について県としてどのように考え、どう対応するのか総務部長に答弁を求めます。

A 北島通次 総務部長

御質問の幼児教育類似施設が、地域や保護者のニーズに応え特色のある幼児教育を実践されていることはよく承知しております。
本年6月14日には幼児教育類似施設の関係者の皆様から知事へ幼児教育の無償化についての要望があり、各施設がおかれている状況についてうかがったところでございます。
幼児教育の無償化は、少子化対策や子供の教育機会の保障の観点から国が打ち出した政策です。
そのため、無償化の制度設計は国が中心となって全国一律の基準を定めているところでございます。
議員御指摘のとおり、国は学校教育法の設置基準を満たし、幼児教育の質が制度的に担保された認可幼稚園を無償化の対象とする一方で、幼児教育類似施設は対象としておりません。
無償化の対象とするためには、幼児教育の質を確保するための方法について具体的な議論が必要ではないかと考えております。
幼児教育類似施設に通う子供への支援のあり方については全国共通の課題となっております。
国会審議におきましても、衆参両院の内閣委員会で、幼児教育類似施設について無償化の対象とすることを含め検討するよう附帯決議がなされております。
幼児教育類似施設に係る課題につきましてはしっかりと国に伝えるとともに、国の責任において早急に結論を出すよう要望してまいります。

地元の課題について

一級河川柳瀬川の水谷調節池の整備について(県土整備部長)

Q 八子朋弘 議員(県民)

平成28年8月、関東地方を襲った台風9号は、各地に甚大な被害をもたらしました。富士見市と志木市の境界を流れ、新河岸川に合流する柳瀬川は急激な増水により、あふれる一歩手前まで水位が上昇しました。富士見市、志木市に住む近隣住民の皆様は、約30年前に発生した浸水被害を思い起こすほど不安なひと時を過ごされたことと思います。また、上流に当たる所沢市でも浸水被害が発生、それらの状況を受けて県では関越自動車道の下流に位置する清柳橋付近の川幅を広げるとともに、柳瀬川の水を一旦貯留し、下流の浸水被害を防ぐ目的で、新河岸川との合流地点の手前に当たる富士見市大字水子に整備面積約4万6,000平方メートルの水谷調節池の整備を計画しました。昨年の10月には地権者説明会、今年の2月には地域住民の皆様向けに事業説明会が開催され、現在に至っております。
そこで伺います。事業は順調に計画どおりに進んでいるのでしょうか。現在の進捗状況について、県土整備部長に伺うものです。

A 中村一之 県土整備部長

一級河川柳瀬川は所沢市を起点とし新座市、富士見市などを流れる全長19.6キロメートルの河川です。
そのうち、新河岸川との合流点から関越自動車道付近までの延長約5.7キロメートル区間の河道整備が概ね完了しています。
水谷調節池については、これまでに説明会を4回開催するとともに、地質調査、測量が完了し、事業は計画通り進んでおります。
現在、詳細設計を実施しており、今年度から用地買収に着手する予定です。
地元の皆様の御理解、御協力をいただきながら、早期完成を目指し、事業の推進に鋭意努めてまいります。

砂川堀雨水幹線の治水対策等について(下水道事業管理者)

Q 八子朋弘 議員(県民)

富士見市における水害対策のもう一つのポイント、砂川堀雨水幹線の改良事業、こちらについては平成28年8月の台風9号の際、先の柳瀬川とは違い、浸水被害が発生してしまった地域です。被害発生後、今年の夏で3年となりますが、この間、県の御努力によりソフト面の対策として砂川堀雨水幹線水位監視システムが構築され、監視カメラにより現地映像や水位の状況がどこからでもリアルタイムで分かるようになりました。また、ハード面の対策として新河岸川との合流地点の改良、堤防のかさ上げ工事が現在急ピッチで進められています。
そこで、それぞれの工事の現在の進捗状況及び今後のスケジュールについて、下水道事業管理者に伺います。
また、3年前の浸水では周辺の山室地区の住宅エリアが床上まで浸水し、勝瀬地区にある保育園も浸水被害に見舞われ、保育園児がボートで救出されるという事態が発生しました。このたびの対策工事では、堤防のかさ上げが新河岸川の合流部からさかのぼること上流約1,250メートル地点、砂川堀第5号橋上流側までとなっており、周辺の住民からは堤防のかさ上げはそこまでで大丈夫か、また付近で合流する砂川堀第2雨水幹線の対策はと不安の声も聞こえます。
そこで、堤防かさ上げが第5橋上流側までとなる理由と併せ、県の事業ではありませんが、砂川堀第2雨水幹線の対策状況についても下水道事業管理者に伺います。

A 砂川裕紀 下水道事業管理者

まず、「工事の進捗状況及び今後のスケジュールについて」でございます。
砂川堀雨水幹線の治水対策は、国道254号の勝瀬橋から上流側を下水道局が、勝瀬橋から新河岸川合流点までを河川管理者の県土整備部が、協力しながら実施をしております。
勝瀬橋から砂川堀第5号橋上流側までの工事につきましては、堤防の嵩上げが概ね完了し、引き続き堤防上の舗装の工事などを含め、令和元年度中に完成する予定でございます。
勝瀬橋から新河岸川合流点までの工事につきましては、現在、富士見市道の砂川堀第1号橋の架換工事を進めておりまして、その後、堤防嵩上げ工事を行います。
さらに、新河岸川への合流量を増やすために、現在の樋管を撤去する工事を行い、令和2年度の事業完了を目指しております。
次に、「堤防嵩上げが砂川堀第5号橋上流側までとなる理由について」でございます。
現状では砂川堀第5号橋上流側までの堤防高が、合流先の新河岸川の計画堤防高よりも低いため、同じ高さまで嵩上げをすることとしております。
最後に、「砂川堀第2雨水幹線の対策状況について」でございます。
富士見市に確認したところ、砂川堀雨水幹線との合流地点に新たに逆流防止ゲートを設置する工事を、令和元年度に同市が実施する計画となっております。
今後とも、県土整備部や関連市町などと連携をしながら、砂川堀雨水幹線の治水対策に取り組んでまいります。

国道254号和光富士見バイパスの整備及び都内方向への延伸について(県土整備部長)

Q 八子朋弘 議員(県民)

県南地域の道路ネットワーク上、重要な幹線道路である国道254号和光富士見バイパスの完成は、富士見市民はもとより沿線の各自治体住民の長年の悲願であります。昭和59年度からスタートした事業も整備が進み、今年度、第一期整備区間である外環道から県道朝霞蕨線までの約2.6キロの全区間が4車線化される予定です。また、県道朝霞蕨線から国道463号までの第二期整備区間も用地買収、工事が推進され、現在橋脚のみが姿を見せている国道463号との立体交差工事の更なる前進が予定されています。
そこで、現時点における立体交差事業の進捗状況、また橋が完成しても、その先の道路が完成しないと意味をなさないわけで、その先の志木市部分の今後の見通しを県土整備部長に伺います。
また、さらには和光松ノ木島交差点以南、つまり東京外郭環状道路との交差地点から東京に向かう延伸部分の計画についても併せてお伺いいたします。
いずれにいたしましても、このバイパスの完成により周辺道路の渋滞緩和のみならず、広域的な物流の効率化、それに伴う企業立地、防災機能の強化等、様々な効果が期待されています。一日も早い完成を期待しております。

A 中村一之 県土整備部長

このバイパスは、外環道から国道463号を結ぶ延長6.9キロメートルの県内道路網の骨格を形成する重要な幹線道路です。
このうち、国道463号との立体交差は、平成30年度末までに陸橋の下部工事が全て完了しており、現在は、橋桁の製作を行っております。
この立体交差南側の志木市区間については、現在、用地買収率が93%となっており、平成30年度には用地がまとまって取得できた区間の工事を発注したところです。
今後も残る用地の取得に努めるとともに、順次工事を進め、国道463号から県道さいたま東村山線までの約1.4キロメートル区間を、令和3年度に供用できるよう事業を推進してまいります。
また、このバイパスの都内方面への延伸については、都市計画決定に向け、現在、国や東京都などの関係機関と具体的な道路の構造や今後の進め方などの協議を行っております。
今後も引き続き、国や都、地元和光市などと連携しながら、早期の都内方面への延伸の実現に向け取り組んでまいります。

県道ふじみ野朝霞線鶴瀬駅前交差点の改良について(県土整備部長)

Q 八子朋弘 議員(県民)

ららぽーと富士見開業以来、交通量の増加が著しく、特にふじみ野方面からみずほ台方面に向かうふじみ野朝霞線に右折レーンがないため、渋滞が頻繁に発生しています。この交差点は、その他の3方向からは右折レーンが設置されていますが、この1方向のみ右折レーンがなく、右折路面標示にとどまっているため、慢性的に渋滞が発生しています。地域の皆さんをはじめ利用者の要望が強く、市議会でも何度も取り上げられており、その市議会において平成29年9月に、以下のような答弁がなされております。
当該交差点については、以前より右折信号機の設置要望が出されており、埼玉県警としても安全対策が必要な交差点と認識していただいています。このような中、平成29年4月20日に埼玉県警、東入間警察署、埼玉県川越県土整備事務所、富士見市の4者で現地にて交差点診断を実施し、川越県土整備事務所では用地の協力が得られていないため、右折帯の設置ができないとのことから、埼玉県警では右折帯の設置ができない状況では右折信号機の設置ができない旨の意見が出され、当面の安全対策といたしましてみずほ台方面からの車両が右折待ちの際に、交差点中心まで進入しないようにリード線を設置することで協議がなされました。その結果、平成29年8月に川越県土整備事務所により右折待ち車両用のリード線が設置されておりますとのことであります。
以上の経緯を踏まえ、現時点における県の考え方を県土整備部長にお伺いいたします。

A 中村一之 県土整備部長

この県道は、みずほ台駅や鶴瀬駅の近くを通り、沿道には多くの住宅や商業施設が立地していることから、交通量の多い路線となっております。
鶴瀬駅前交差点は、3方向に右折帯等を整備してまいりましたが、北側の1方向には右折帯が未整備なため、右折待ちの車による渋滞が発生しております。
この渋滞を解消するためには、道路を拡幅して、右折帯を設ける等の対策を行う必要があると考えております。
今後は、交差点の設計を行い、地元の皆様の御理解をいただきながら整備に向けた検討を進めてまいります。