1 いわゆる「高校無償化」への対策について
(1)公立高校の役割、存在意義について(知事)
Q 八子朋弘 議員(県民)
今年の春から公立、私立を問わず、所得制限のない高校の授業料無償化がスタートいたしました。結果、私立高校への進学希望者が増加し、埼玉県では令和7年度入学者選抜で公立普通科1.16倍であった倍率が、令和8年度1.08倍とマイナス0.08ポイント低下となり、全国的にも公立高校の志願倍率が低下をいたしました。
高校教育を取り巻く環境が大きく変化する中で、これからの時代、公立高校に求められる役割、存在意義を埼玉県はどう考えておられるでしょうか。私は、県民の税金を使いまして運営している以上、県の発展や課題解決に資する人材育成という視点も大切であると考えております。
さきの議会の代表質問でも民主フォーラムの木村議員が同趣旨の質問をしておりましたが、私からも改めて知事にお伺いいたします。
A 大野元裕 知事
高校の授業料が無償化されることで、多くの生徒にとって、私立高校への進学が大きな選択肢となり得るものと考えます。
我が国においては、私立大学が多くの学生を輩出する役割を担う一方で、これら私立大学が都市圏に集中した結果、地方部における大学の選択肢が減少したとの指摘もあります。
このような中、公立高校は、私立高校の配置状況を考慮しながら、県内全ての地域において、誰もが等しく教育を受けられる機会を保障する教育基盤としての役割を担っております。
また、地域の産業や課題と密接に関わる分野については、地域社会の発展に資する人材育成を進めていくことが重要であり、今後の私学の在り方を注視しながら公立高校の在り方を検討する必要があると考えます。
このように、公立高校は、教育の機会均等、地域社会の維持・発展への貢献といった教育に求められる役割を確かなものとしていくことが重要と考えております。
(2)公立高校の価値、強みについて(教育長)
Q 八子朋弘 議員(県民)
ただ今の答弁では、代表質問の際と同様、公立高校の役割については主に大きく2点、私立高校がない人口の少ない地域の学びの保障、職業教育など私立高校に設置の少ない分野の教育といった趣旨であったかと理解いたしました。
もちろんそれらも大切ですが、果たしてそれだけでいいのでしょうか。税金を使って高校教育を行う以上、幅広い知識と教養を身に付け、大学進学や将来の多様な進路に対応できる力を育成し、埼玉県、日本にとって有為な人材を積極的に育てていく必要はないのでしょうか。つまり、専門教育だけでなく普通教育もしっかりやっていく必要はないのでしょうか。
無償化とはいえ、実際にはまだ公立高校の方が教育費は安いです。また、私立と違い、採算にとらわれない教育活動も展開できます。体系的な研修制度があり、教員の異動があることも私立にはない利点かと思います。そのような強みを武器に、公立高校をさらに発展させてほしいと私は思っております。
教育長は就任される前、本年3月の文教委員会で所信表明をされました。その際、「公立高校の価値が問われている。私学に勤務し、公立の強みを再認識」といった趣旨のお話をされました。私は興味深く拝聴させていただきましたが、ここで改めて教育長の言われる公立高校の価値、再認識された公立の強みについて、教育長に伺いたいと思います。
A 石川薫 教育長
公立高校には、普通科をはじめ、専門学科、総合学科、更には定時制など多様な学科等が設置されており、生徒の進学や就職といった幅広い進路希望に的確に対応できる体制が整っています。
こうした多様な学びの場を維持し、一人一人の意欲や能力に応じて力を発揮できる環境を提供し続けることが、公立高校の大きな価値であると考えております。
また、公立高校には多数の教員が在籍しており、それぞれが長年蓄積した豊富な指導ノウハウを共有できる強みがございます。
さらに、個々の学校に閉じず、学校間でネットワークを構築し連携を進めることで、県全体の教育の質を組織的に高めていくことが可能です。
これら公立高校としての価値や強みを生かし、生徒一人一人の個性を尊重し、その可能性を高める教育を推進してまいります。
(3)公立高校への支援について(教育長)
Q 八子朋弘 議員(県民)
高校無償化の時代にあっても、公立高校をしっかり運営していくとの方針は確認ができました。
それでは、具体的にどのような支援をしていくのかについて伺います。
国の示したグランドデザインにのっとり、国の財政支援も活用していくという話もございますが、空調をはじめとする施設整備や特色ある学科・学校の設置等々、埼玉県として独自の取組も求められます。
視察をいたしました長野県では、学校ごとに魅力を発信するため、全県立高校のホームページの更新の予算を付けておりました。同じく視察をした富山県では、大胆な再編で公立高校の付加価値を高めようとしていました。
埼玉県としての取組について、教育長に伺います。
A 石川薫 教育長
県では、令和8年度、全県立高校へ、生徒一人ひとりの理解度を教員がリアルタイムで把握することのできる学習支援アプリを導入し、これまで以上に個々の学習状況に合わせた適切な指導助言を行うことで、更なる学びの質の向上につなげてまいります。
また、令和8年4月には、先端産業分野で活躍できる人材を育成する大宮科学技術高校や、アニメーション・美術分野で活躍できる人材を育成する越生翔桜高校などの、特色ある学びを実践する6校を開校したところです。
今後も、県として県立高校を支援するための様々な取組を実施し、県立高校の魅力づくりを積極的に進めてまいります。
2 県立高校の倍率向上策について(教育長)
Q 八子朋弘 議員(県民)
今年春の入学志願倍率は、埼玉県の公立全日制高校136校中73校が定員割れ、あるいは倍率が1.0倍でございました。73校には1校で複数の学科を持ち、そのうちの1学科でも1.0倍以下であった学校も含まれますが、実に半分以上の学校の志願倍率が1倍に届かなかったことになります。
倍率向上策といいますと、定員を削減すればいいではないかという単純な話になりがちですが、その学校の魅力を向上させなければ生徒は集まらず、いずれ更なる定員削減という負のスパイラルに陥ってしまうかと思います。いかにして学校の魅力を高め、中学生に進学したいと思ってもらえるかが重要です。
そこで、生徒募集に成功している、つまり魅力向上に成功している学校の事例、あるいは過去に倍率を向上させた学校の事例に学び、それらを横展開すべきであると考えますがいかがでしょうか、教育長に伺います。
A 石川薫 教育長
県立高校の志願倍率の向上に当たりましては、各学校の魅力を高めるとともに、その魅力を効果的に発信していくことが重要であると認識しております。
令和8年度入学者選抜において志願倍率が上昇した高校では、科学技術人材の育成を打ち出し、全校を挙げて探究活動に力を入れることで、学校の魅力を向上させている例がございました。
また、充実した学校行事や部活動、進学に向けた丁寧な学習指導などを、中学生や保護者に積極的に発信し、生徒募集につなげている例もございました。
さらに、魅力発信の手法については、学校が外部の専門家を招いた校内研修会を実施している例もございます。
今後は、学校における優れた実践について、横展開を図るとともに、魅力ある学校づくりとその魅力の発信に取り組んでまいります。
再Q 八子朋弘 議員(県民)
再質問させていただきます。
倍率が出ている高校を見てみますと、いわゆる進学実績を上げている学校は総じて高い傾向にあると思います。
一方、その他の個別の事例を聞いてみますと、例えば制服をモデルチェンジした、あるいは先生方が手分けをして中学校や学習塾に小まめにPRをして回ったといったケースもあるようです。制服は度々変更することはできませんが、学校の魅力を打ち出した上での中学校や学習塾への小まめなPR等は、その気になればすぐにできると思います。
生徒募集に苦戦している学校を中心に情報提供してみてはどうかと思いますが、教育長に伺います。
再A 石川薫 教育長
中学生やその保護者に学校の魅力を的確に伝えるためのすぐにできる工夫について、その好事例を、県が各学校に情報提供することはとても効果的だと考えております。
志願者数を伸ばしている学校では、学校説明会やホームページでの広報にとどまらず、SNSを活用した情報発信を積極的に行い、日々の教育活動や生徒の様子を継続的に発信している事例も見られます。
こうした取組により、中学生や保護者が学校の雰囲気や学びの内容をリアルタイムで具体的にイメージできるようになり、志願者の増加につながっているものと考えております。
県としても、こうした効果的な情報発信等の手法や工夫について、積極的に情報提供してまいります。
3 県立男女別学校の維持について
(1)就任記者会見における発言について(教育長)
Q 八子朋弘 議員(県民)
この質問については、ちょうど2年前、苦情処理委員会からの共学化すべきとの勧告を受けて措置報告書が出される直前のタイミングに質問いたしました。その際、私は様々な観点から別学教育の意義を当時の教育長に質問を通して投げ掛けましたが、結局、主体的に共学化は進めるとの結論になってしまいました。私は今でも大変残念に思っております。
3万4,461人分の署名や県教委が実施した意見交換会でも別学維持を求める多くの声があります。埼玉県こども・若者基本条例の趣旨を踏まえれば、どこかのタイミングで軌道修正すべきではないかと思っております。
そのような中、この春、教育長が交代されました。そこで、改めてこの問題に対する新教育長のお考えをお伺いしたいと思います。
そして、その上で男女別学校を維持すべきであるとの立場から、別学教育に対する考え方を教育長に確認していきたいと思います。
そこで、(1)就任記者会見における発言について伺います。
報道によりますと、教育長は就任記者会見の際、記者団からの共学化問題に対する質問に対し、主体的に推進したいとした上で、「別学の良さも理解しています。男女共同参画社会の中、男女が協力して学校生活を送る意義も大きい」と発言されたとのことであります。この内容で間違いがないかどうか、教育長に伺います。
A 石川薫 教育長
4月17日の教育長会見で、私は、「女子校の校長も務めた経験もあるので、私なりに女子高の良さを理解している」、「男女共同参画社会の中で、貴重な子供たちの高校生活3年間を、男女がお互いに協力して学校生活を送ることは意義がある」と発言しました。
その上で、「現在、生徒数が減少して、教育ニーズが多様化していく中で、男女における教育の機会均等を確保しながら、将来にわたって個人の能力と希望に応じた進学先の選択を用意することが求められていることから、県立高校の在り方について、今後、総合的に検討する中で、これまでの方針どおり、主体的に推進してまいります」と発言しました。
(2)男女別学校の良さについて(教育長)
Q 八子朋弘 議員(県民)
教育長は今の答弁で、女子校の校長先生をされたということで女子校の良さも理解していると。つまり、別学校の良さも理解しているという発言をされたということは確認できたわけですが、それでは具体的にどのような良さがあると思っていらっしゃるのか、教育長に伺います。
A 石川薫 教育長
令和6年度に県内に在住又は在学の中学生及び高校生とその保護者へ実施したアンケート結果では、男女別学校の良さは、「学校生活を安心して過ごせるような友人ができる」や「自分の力を発揮できる」などの回答が多くありました。
また、共学校の良さは、「男女共同参画やジェンダー平等に対する理解が進む」や「性別によらず、いろいろな係や役割などを経験することができる」などの回答が多くありました。
男女別学校も含め、全ての県立高校には、それぞれの良さがあると考えております。
再Q 八子朋弘 議員(県民)
再質問させていただきます。
教育長が別学校の良さをどう考えているのかということを伺っていますので、改めて答弁を求めます。
再A 石川薫 教育長
例えば、私自身の高校時代を振り返りますと、学校行事や部活動など、あらゆる役割を自分たちで担えたことは、貴重で豊かな経験であったというふうに思っております。
(3)所信表明の際の発言について(教育長)
Q 八子朋弘 議員(県民)
教育長は本年3月に行われた所信表明の際、「生徒のニーズに的確に対応した学びを充実していきたい」とも発言されておられます。ちなみにこのときは、前段で「公立高校には多様な学科が設置されている」とも言われておりまして、ここでいうニーズは多様な学科を指しているものと思いますが、一方、別学教育を望む声も、つまりニーズも少なからず存在しております。
別学校を望む生徒のニーズにも的確に対応していくべきと考えますが、教育長の見解を伺います。
A 石川薫 教育長
所信表明の際にいただいた、「今後の魅力ある学校づくり」に関する御質問に対して、公立学校の強みである社会の変化や生徒ニーズに的確に対応した学びの充実、また学校間連携なども進める中で、公立学校の魅力づくりを積極的に進めていきたいと回答いたしました。
男女別学校、共学校に関わらず、県立高校には、多様なニーズがあることは承知しております。
このことから、共学化に当たっては、県民の意見を丁寧に把握していく必要があると考えております。
(4)教育長ご自身の経験について(教育長)
ア 別学校の出身者としての見解について
Q 八子朋弘 議員(県民)
教育長は県立熊谷女子高校の出身と聞いております。今、当時を振り返って別学校はいかがであったでしょうか。
私は別学校出身者の1人として、高校時代は異性の目を気にせず、伸び伸びと楽しく過ごすことができたかけがえのない3年間であったと思っています。今の自分があるのは、あの3年間の経験があったからとも思っています。そして、多くの別学校出身者が同じような思いを抱いているはずであります。
教育長ご自身の思いを伺いたいと思います。
A 石川薫 教育長
先ほども申し上げましたが、私自身の高校時代を振り返りますと、学校行事や部活動など、あらゆる役割を自分たち自身で担えたということは、貴重で豊かな経験になったと思っております。
イ 別学校の校長経験者としての見解について
Q 八子朋弘 議員(県民)
教育長は県立鴻巣女子高校の校長先生も経験されています。そこで、校長先生のお立場から、別学校及びそこで学ぶ生徒たちをどのように評価しておられるのかについても、教育長に伺いたいと思います。
A 石川薫 教育長
女子高校において、あらゆる役割を生徒たちが担い、様々な教育活動に生き生きと取り組む姿が見られました。
一方、共学校においては、生徒一人一人がお互いの強みを生かしながら協力して取り組む姿が見られるなど、それぞれの学校において、教育活動の成果が現れているものと評価しております。
ウ 仮に高校時代にこの問題が起こった場合の対応について
Q 八子朋弘 議員(県民)
仮定の質問で大変恐縮ですが、もし教育長が熊谷女子高生だった頃、御自身の母校が共学化されるかもしれない、そんな話が持ち上がったら、どう思って、どのように行動していたと思うのでしょうか、教育長に伺います。
A 石川薫 教育長
私自身、高校を卒業したのち、様々な立場で経験を積んで現在の職に至っております。
そのため、現時点で当時の高校生としての心情に立ち返って考えることは困難でございますが、友人たちと様々なことを思い、考えを巡らせていたのではないかというふうに思います。
(5)埼玉県こども・若者基本条例の遵守について(教育長)
Q 八子朋弘 議員(県民)
皆様御承知のとおり、令和6年埼玉県こども・若者基本条例が施行されました。この条例の第12条では、こども・若者等からの意見聴取及び意見交換をうたっています。
令和7年12月定例会で、井上航議員はこの条文に照らし、男女別学校の維持を求める生徒たちの声をどのように反映させるか質問しました。質問に対して当時の教育長は、「県民の意見の丁寧な把握が必要」と言いながらも、最終的には「今後とも、こども・若者基本条例の趣旨を踏まえ、こども・若者の最善の利益を考慮しながら共学化を推進してまいります」と答弁を締めくくりました。
私は驚きました。生徒の声を反映させるならば、別学教育の維持しか答えないはずだと聞いていたんですけれども、共学化を推進してまいりますとの話になったからです。理解に苦しみます。
そこで、あえて新教育長に同じ質問をさせていただきます。条例の趣旨を遵守して適切な、そして丁寧な対応をお願いしたいと考えますが、教育長に答弁を求めます。
A 石川薫 教育長
男女別学校、共学校には多様なニーズがあることから、男女別学校の共学化に当たっては、県民の意見の丁寧な把握が必要と考えております。
県教育委員会としては、男女共同参画社会の中において、高校の3年間を男女が互いに協力して学校生活を送ることには意義があると考えております。
今後、中学校卒業者数が減少し、また、教育ニーズが多様化していく中、男女における教育の機会均等を確保しながら、将来にわたり個人の能力と希望に応じた進学先の選択肢を用意することが求められます。
県教育委員会としては、埼玉県こども・若者基本条例の趣旨を踏まえ、こども・若者の最善の利益を考慮しながら、今後の県立高校の在り方について総合的に検討する中で、主体的に共学化を推進してまいります。
再Q 八子朋弘 議員(県民)
今の答弁でも最終的には「主体的に共学化を推進してまいります」という一言が最後に出てきたんですけれども、では伺いたいんですが、今、この場面で、この議論の中における子供たち、生徒たちの意見、反映しなければならない意見というのは、どういう意見だとお考えですか。
再A 石川薫 教育長
先ほどから申し上げているように、子供たちには様々なニーズがあると考えております。
県教育委員会としては、別学校を維持してほしいという意見の反映については、こども・若者の最善の利益を実現する観点から合理的に判断をするものと考えております。
(6)教育委員との意見交換について(教育長)
ア 中学生・高校生からの要望について
Q 八子朋弘 議員(県民)
別学の維持を求める県内在住又は在学の中学生、高校生及び保護者有志の皆さんは、様々な教育の課題を議論し、決定する教育委員の皆さんに何とか自分たちの思いを直接伝えよう、理解していただこうと、何回にもわたりまして意見交換会の開催を求めてまいりました。その数は知事宛てのものも含めますと10回にも及びますけれども、なかなか実現しません。
つい先日の6月4日にも実質お断りの回答をされたとのことでありますが、4月6日の直接の意見交換の要望は何名の方からの要望書であると認識されておられますでしょうか、教育長に伺います。
A 石川薫 教育長
議員お話しの団体から、4月6日に提出された要望書については、賛同する方、2,730名からの要望と認識しております。
イ 意見交換に応じるべき
Q 八子朋弘 議員(県民)
なぜ教育委員の皆様に会えないのでしょうか、会わせようとしないのでしょうか。前教育長は意見交換を実施いたしましたが、それ以外は組織として職員が対応し、その内容は教育委員全員と共有しているので必要ないとのことでございましたが、教育委員会議が合議体である以上、それで十分とは言えないのではないかと思います。
知事の方から何度も責任を有しているのは教育委員会と説明しておられることを鑑みても、教育施策の責任者が替われば、教育長、教育委員が県民との直接の対話を改めて行う意義は十分にあると考えます。
重要な教育施策の方向性や意思決定については、教育長や教育委員が責任を持っています。県民が求めているのは、意思決定権を持つ教育長・教育委員との直接対話であります。職員による対応はその代替にはなりません。
また、子供の意見表明の機会の確保を基本理念にうたい、意見聴取することを第12条で定めているこども・若者基本条例に照らしても、会いたいと要望する子供たちに対し、かたくなに面会を拒否する姿勢はいかがなものかと思います。
もちろん教育委員の皆様はほかに仕事をお持ちだったりと多忙な皆様であることは理解できますが、5人それぞれ考えも違うはずであります。執行部に沿わない意見が出るのをおそれているのではないかと勘ぐりたくもなります。
ただの追認機関と言われないためにも、これだけ大きな問題なのですから意見交換すべきであると思いますが、教育長に答弁を求めます。
A 石川薫 教育長
県教育委員会では、これまで、生徒や保護者などの意見を丁寧に把握するために、共学化に関する意見交換会、アンケート調査を実施してまいりました。
令和7年11月に実施した「県教育長と中学生、高校生及び保護者との意見交換会」においては、前任の教育長が教育委員会を代表して直接お会いして意見を伺っており、その際、県教育委員会の考え方についても説明させていただきました。
これらの内容につきましては、教育委員全員と共有を図っております。
また、事務局職員が、令和7年度に地域別に中学生、高校生、保護者、県内在住者との意見交換会を9回実施したほか、男女共同参画苦情処理委員からの勧告以降、様々な立場の方から直接ご意見やご要望をいただく機会を30回以上設けてまいりました。
今後も、意見交換につきましては、引き続き事務局職員が伺い、その内容を教育委員全員と共有し、今後の検討の参考としてまいります。
(7)共学化を求める市民団体との接触について(教育長)
Q 八子朋弘 議員(県民)
前教育長は共学を推進する立場の市民団体と2回会って意見を聞いておられます。
さて、昨年12月議会の一般質問で、井上議員は共学推進を求める市民団体が発行した活動報告に、「2002年は埼玉県の教員やその仲間たちからの苦情申請でありました。今回は学校に入る女性個人、教育を受ける当事者による申請であります」との記載があった旨を紹介しました。
この質問以降、当該団体からこの記載に関して県教育委員会に何らかの連絡があったのかどうか、教育長に伺います。
A 石川薫 教育長
昨年12月下旬に議員お話しの市民団体から事務局職員に連絡がありました。
その中で、「苦情申出人の情報は非公開であり憶測であった。」との話がございました。
(8)埼玉県男女共同参画苦情処理委員の勧告に至る議論の公開について(県民生活部長)
Q 八子朋弘 議員(県民)
昨年12月議会における一般質問で、井上議員は埼玉県男女共同参画苦情処理委員の勧告に至る議論の公開について、所管する県民生活部長に質問しております。そこで主に議論したのは、非公開の理由のうちの一つである情報公開条例の第10条の第5号、以後の同種の合議での公正な発言が妨げられて、当該事務の適正な遂行に影響を及ぼすおそれがあるからという点でした。
しかしながら、その後、令和8年3月31日に埼玉県情報公開審査会が県民からの審査請求を審査した結果である答申書によりますと、「不開示は妥当ではなく開示すべきである」という部分がありました。これは、昨年12月定例会での県側の答弁を覆すことになり、埼玉県の情報公開条例の解釈に誤りがあるのではないかと思われますが、県民生活部長の見解を伺います。
A 横内ゆり 県民生活部長
議員お話しのとおり、埼玉県情報公開審査会の答申書では、一部分に開示すべきとされた点はございましたが、「以後同種の合議の適正な遂行に支障をおよぼすおそれがある場合」という当初決定における県の不開示理由自体は維持されておりますので、昨年12月定例県議会での井上航議員への答弁内容は覆ってはおりません。
なお、その不開示理由が維持された上で、合議の適正な遂行に影響しないため開示すべきとされたものは、調査開始通知書及び説明等依頼書といった手続上の文書や資料一覧などの24枚でございます。
これらにつきましては、既に開示をさせていただいたところでございます。
(9)埼玉県の県立高校教育の独自性について(教育長)
Q 八子朋弘 議員(県民)
埼玉県には全国的にも珍しくなった県立の別学高校が存在しています。これぞ、正に多様性の時代にふさわしい埼玉の高校教育の特色であります。
現在、県内私学にも別学校は存在しておりますが、今後、少子化が進めば経営的観点からどうなるか分かりません。少子化の時代にあっても、あえて残していくべきものと考えます。
私学の無償化がスタートした今こそ、埼玉県立高校の教育の独自性、特色として別学教育を残していくべきではないかと考えます。令和3年9月、当時の高田教育長も大きな特色の一つと答弁しておられます。教育長に伺います。
A 石川薫 教育長
男女別学校を含め、全ての県立高校は、これまでの歴史の中で、それぞれの特色を生かした教育活動を行うことにより、生徒の成長を支援し、社会に有為な人材を送り続けてきたものと考えております。
繰り返しになりますが、男女共同参画社会の中において、高校の3年間を男女が互いに協力して学校生活を送ることには意義があると考えております。
今後、中学校の卒業者数が減少し、また、教育ニーズが多様化していく中、男女における、教育の機会均等を確保しながら、将来にわたり、個人の能力と希望に応じた進学先の選択肢を用意することが求められます。
県教育委員会として、今後の県立高校の在り方について、総合的に検討する中で、主体的に共学化を推進していくこととしております。
4 教員の働き方改革について(教育長)
Q 八子朋弘 議員(県民)
現在、小・中学校の現場では、文部科学大臣が定める指針に即し時間外在校等時間、つまり残業時間を1か月平均30時間程度に削減するため業務の見直しを行い、削れるものは削っておりますが、これ以上は無理、限界が来ているとの声を現場から聞きます。
これ以上削減すると、学校行事の更なる削減、教育の質の低下が懸念される状況です。さらに業務を減らしていくためには人の手当てが必要かと思いますが、先生方を増やすといっても簡単な話ではございません。
そこで、今年度拡充したところではございますが、効果が上がっているとされる国の補助金を活用した教員業務支援員の更なる拡充を図ってはどうでしょうか。あるいは、ほかの手立てを検討できないでしょうか、教育長に伺います。
A 石川薫 教育長
各学校では、教員の働き方改革について、学校や地域の実情に応じた様々な工夫を凝らし、取組を進めているものと承知しております。
また、働き方改革の目的は、「働きやすさ」と「働きがい」を両立し、子供たちによりよい教育を行うことであるため、教育の質を確保しつつ取組を進める必要があります。
県では、国の掲げる時間外在校等時間の縮減目標を踏まえ、令和8年度は、教員業務支援員の予算を拡充したところです。
そのため、教員業務支援員の更なる拡充については、配置効果を検証したうえで、引き続き必要な予算の確保に努めてまいります。
また、働き方改革の更なる推進に向けては、議員お話の人的支援とともに、教員が教育活動に専念できる環境整備に一層取り組む必要があります。
県といたしましては、様々な業務の整理や見直しを徹底するとともに、校務DXの好事例や、教員業務支援員の効果的な活用事例の横展開を図り、市町村や学校を支援してまいります。
5 県立特別支援学校坂戸ろう学園を取り巻く課題について
(1)体育館への空調設備設置について(教育長)
Q 八子朋弘 議員(県民)
皆さん、こんにちは。私の名前は八子です。恥ずかしながら、私はここまでしか手話はできませんけれども、続いて5、県立特別支援学校坂戸ろう学園を取り巻く課題について伺いたいと思います。
(1)体育館への空調設備設置について。
今月1日、無所属県民会議のメンバーで県立坂戸ろう学園を視察しました。坂戸ろう学園は「自分らしく生きる」という教育目標を掲げ、耳の聞こえない、あるいは聞こえにくいお子さんを対象に幼稚部から高等部まで設置され、ほかにも乳幼児教育相談や地域支援部において通級による指導や教育相談を行うなど、主に荒川を挟んで埼玉県の西側エリアを通学区に、大宮ろう学園と共に埼玉県のろう教育を担っています。
視察当日は大規模改修中ではあったものの、校舎をくまなく回り、授業風景も見学させていただき大変感銘を受けるとともに、児童生徒の皆さんを応援したいと強く思いました。そのような中で、坂戸ろう学園の体育館の蒸し風呂のような暑さが特に印象に残りました。現在、県では県立学校の体育館に順次空調設備を設置することを決定しておりますが、坂戸ろう学園の設置はいつになるのでしょうか。
この学校も災害時に避難所になるのは当然ですが、多くの県立学校と違うのは、幼稚部から高等部まで体育館を使用するということでございます。空調設備を整える優先順位は高いと考えます。
今日は坂戸ろう学園の高等部の皆さんも傍聴に来ておりますので、前向きな答弁を期待し、教育長に伺います。
A 石川薫 教育長
県では、近年の異常な暑さの中で、県立学校に在籍する幼児・児童・生徒が安全な学校生活を送ることができる環境を整備するため、全ての県立学校の体育館に空調設備を整備することにしました。
高校については令和15年度、特別支援学校については令和12年度を整備完了の目標としております。
整備順序については、学校規模や高校の学科、特別支援学校の障害種などを踏まえて検討しております。
また、空調設備の整備工事による学校教育活動への影響を少なくするため、今後予定されている大規模改修等の工事と合わせて整備できる場合には、その点を優先的に考慮します。
体育館の空調設備の整備について、議員お話しの県立特別支援学校坂戸ろう学園も含めて令和9年度以降の具体的な整備順序は確定しておりませんが、完了目標年度を目指して着実に整備を進めてまいります。
(2)先生への支援について(教育長)
Q 八子朋弘 議員(県民)
坂戸ろう学園の先生は子供たちと手話を使ってコミュニケーションをとっていますが、手話をマスターしていない学校に赴任して間もない先生には、手話通訳者がついた授業等が展開されています。現在、校長先生付きの通訳士も含め3名の通訳者がフル稼働しているとのことですが、十分とは言えない状況だと思われます。
また、学校では手話をマスターしていない先生などを対象に研修会を行っておりますが、更なる充実を求める声もございます。
坂戸ろう学園に勤める先生方への支援が必要であると考えますが、教育長の見解を伺います。
A 石川薫 教育長
ろう学園において、聴覚に障害のある子供たちと教職員が、授業や学校生活の中で円滑なコミュニケーションをとることができるよう、教職員を支援することは大変重要です。
そこで、県では、手話を習得している教員の配置に努めるとともに、日々の授業や面談をサポートするため、手話通訳士の資格を持つ方を配置しております。
また、着任前から継続的に手話の研修を実施するとともに、全国手話検定試験の検定費補助を行うなど、教職員の手話能力を高める取組を行っております。
さらに、音声を文字化できるUDトークなどのコミュニケーションツールを活用した授業も行っております。
引き続き、学校のニーズを丁寧に把握し、教職員の手話能力を高める取組などを進め、子供たちとのコミュニケーションが円滑に行われるよう支援してまいります。
(3)手話の更なる広報・啓発について(福祉部長)
Q 八子朋弘 議員(県民)
坂戸ろう学園の高等部の生徒たちは、学園の魅力を外部に発信するため、手話の魅力を知ろうということでインスタグラムを利用した発信をしています。
そこで提案ですが、手話言語条例を持つ埼玉県として手話の普及啓発に高等部の生徒さんたちに協力を求めてはいかがでしょうか、福祉部長に答弁を求めます。
A 岸田正寿 福祉部長
坂戸ろう学園の生徒の皆さんに、県ホームページに掲載する手話紹介動画の制作や、障害者週間記念事業である「みんな幸せ・共生社会 県民のつどい」のステージ発表で和太鼓演奏を披露していただくなど、県の手話の普及事業の推進に御協力いただいております。
また、埼玉りそな銀行の発案により川越市内で開催された「手話カフェ」の運営に坂戸ろう学園の生徒の皆さんが参加され、「ケーキ」や「コーヒー」などを手話で表したポスターを制作したり、店員として手話や指差しをしながら笑顔で接客を行い、多くの方に手話の魅力を発信されたと伺っております。
県では、手話は言語であるとの認識に基づき、ろう者とろう者以外の人が手話によって心を通わせ、お互いを尊重し共生できる社会の実現を目指しております。
手話の魅力を発信していくために、是非、生徒の皆さん、協力をいただきたいので、学校とも相談しながら、検討してまいります。
6 埼玉県歌の更なる周知・活用について(県民生活部長)
Q 八子朋弘 議員(県民)
先日、会派メンバーで長野県に視察に出かけた際、新幹線の長野駅ホームで聞き慣れないメロディーが流れていました。何の曲か確認してみると、市の長野県の歌「信濃の国」ということでございました。ちなみに長野県のホームページによりますと、平成27年のアンケート調査で約8割の県民が「歌える」と回答し、「長野県民のほとんどが歌える」と記載されております。なお、長野県では小学校の授業で歌われているようです。
さて、それでは我が埼玉県の歌は県民にどれだけ認知されているのでしょうか。イベントで流されたり、県庁に電話をかけた際の保留音として再生をされていることは承知しておりますが、個人的な感想としては余り知られておらず、長野県の真逆で残念ながら埼玉県民のほとんどの人が歌えないのではないでしょうか。正直私も小学4年から埼玉県民ですが、これまで歌った記憶はありません。
せっかくの県歌です。例えば、長野駅のように埼玉県の玄関口である大宮駅の新幹線ホームで使用していただく等の更なる周知に努め、またさらに活用すべきではないかと思いますが、県民生活部長に伺います。
A 横内ゆり 県民生活部長
埼玉県歌は、第22回埼玉国体の開催に先立ち、昭和40年に制定されました。
平成16年に37年ぶりに開催された「彩の国まごころ国体」や「第4回全国障害者スポーツ大会」のほか、毎年開催される県民の日記念式典などで歌われています。
また、県民の皆様にいつでもどこでも触れていただけるよう、音源やプロモーション動画を公開し、埼玉バーチャル観光大使・春日部つくしさんにも歌っていただいております。
令和6年8月にはカラオケの配信を開始するなど、県としては、県歌に触れる機会を増やしてきましたが、更に多くの県民の皆さんに県歌を知っていただく必要があると考えております。
議員御提案の、大宮駅新幹線ホームでの活用は、そのための有効な手段の一つですが、一定の費用を要すると伺っておりまして、費用対効果の観点から慎重な検討が必要です。
まずは、県で作成する動画のBGMとして積極的に活用を図るとともに、県歌がより身近になるためにはどうすればよいか、例えば、オルゴールやロック調アレンジなど県民の皆様が利用しやすい工夫などを検討しながら、更なる普及に努めてまいります。
7 ナガエツルノゲイトウ対策について(環境部長)
Q 八子朋弘 議員(県民)
皆さんはナガエツルノゲイトウを御存じでしょうか。繁殖力の強さから地球上最悪の侵略的植物と呼ばれる南米産の水草で、特定外来生物に指定されております。ちょうど彩の国だより6月号に特定外来生物の特集が組まれており、その記事には「ナガエツルノゲイトウは田んぼで繁茂すると稲を倒してしまい、収穫量が減る」等の被害が挙げられております。
この植物に対して今年度どのような対策を取っていくのか伺います。
この問題については、今年の予算特別委員会でも取り上げられていましたが、対策は発生してからの事後対応に終始しております。未然に防ぐ方策はないのでしょうか。
私の地元富士見市のびん沼川でも昨年発生が確認され、11月8日に地域の皆さんで駆除作業を行ったことから、関係者の皆様の懸念は大変強いものがあります。よって、私からも改めて対策について質問したいと思います。環境部長に伺います。
A 竹内康樹 環境部長
ナガエツルノゲイトウは、繁殖力や再生力が強く、一度定着すると駆除が困難な特定外来生物であることから、発生初期の段階で確実に駆除をすることが重要です。
これまで県では、関係部局や市町村が連携して発生状況の把握を行うとともに、農業従事者や水路管理者などに対しまして、県ホームページでの周知や現地での指導を通じまして、早期発見・早期駆除の重要性や適切な駆除方法の普及を図ってまいりました。
今年度も関係部局などと連携しながら発生状況の把握や関係者への周知啓発に取り組んでまいります。
一方、議員お話しのとおり、発生後の駆除だけではなく、未然防止の観点を持って取り組んでいくことが重要です。
具体的に申し上げますと、駆除作業に伴い発生する植物の断片を適切に回収し、拡散を防ぐことで、他の農地や水路への新たな定着を未然に防止することができます。
また、被害が発生していない市町村に対し、近隣の被害発生状況を速やかに共有することで、注意喚起や巡回指導などの初動対応につなげ、被害の拡大を防ぐことができます。
このような拡散や定着を未然に防ぐための取組についても着実に進めてまいります。
今後とも、県関係部局や市町村、関係者との連携を一層密にし、早期発見・早期駆除を徹底するとともに、未然防止の観点も踏まえながら、ナガエツルノゲイトウの拡大防止に取り組んでまいります。
8 勝手橋について(県土整備部長)
Q 八子朋弘 議員(県民)
先日、NHKのニュースを見ていますと、富山県で勝手橋を撤去したとの内容が放送されていました。
勝手橋とは、正式な行政の許可を得ずに設置され、設置者、管理者が分からなくなっている橋のことを指しますが、この勝手橋があることにより、例えば洪水の発生時に流木等が引っかかり、堤防決壊につながるケースもあると言われています。
そこで伺いますが、県内におけるいわゆる勝手橋の現状と、それらに対する今後の対策について、県土整備部長に伺います。
A 小島茂 県土整備部長
勝手橋は、河川法の許可を取得せず無断で設置され、管理者が不明となっている橋りょうの通称で、県が管理する河川におきましては、現在12橋あります。
これらは人の往来を目的として築造された橋と推察され、簡易的な構造のものとなっております。
現状では、橋脚のみの2橋を含め、安全面等の理由から通行止めとしているものが11橋、利用しているものは1橋のみとなっております。
今後につきましては、引き続き管理者の特定に努めるとともに、治水安全上の観点などから撤去を含めた対応も検討してまいります。
9 救急医療体制について(保健医療部長)
(1)救急搬送困難事案の状況について
Q 八子朋弘 議員(県民)
市民の方から救急車を呼んでもなかなか病院に運ばれないという声をよく伺います。この件は先日も新聞記事になっておりましたし、先ほどの質問もございました。
県では平成25年以降、この問題に対して様々な対策を打ってまいりました。結果、重症以上傷病者搬送事案のうち医療機関への受入照会4回以上の割合は、コロナ禍の令和4年の11パーセントをピークに徐々に数値が改善しているものの、例えば令和6年全国平均5.4パーセントに対し埼玉県は8.4パーセントと、残念ながら高い状況が続いています。
県では令和7年度から75歳以上の搬送困難患者救急受入体制強化事業をスタートし、ほかにも救急医療情報システムの動画・画像・チャット機能追加、#7119体制強化など、新たな取組も始めています。ですが、なぜ状況を改善し切れていないのでしょうか。その要因をどのように分析しているのか、保健医療部長に伺います。
A 縄田敬子 保健医療部長
令和6年における救急搬送困難事案の割合は本県が8.4%、東京都が15.4%、千葉県が8.8%と都市部で高止まりの傾向がございます。
また、本県では65歳以上の高齢者の救急搬送人員が10年前と比較すると1.5倍以上に増加し、救急搬送人員全体の6割以上を占めるようになっております。
中でも搬送困難患者の約7割が75歳以上の高齢者となるなど、急速に進む高齢化の影響もございます。
このため、脳梗塞や大動脈解離などの患者を迅速に搬送するためのネットワークを構築するなど、高齢者の救急搬送に多い疾患に対応した施策を講じてきたところですが、その他の疾患も含め、高齢者の救急医療機関での受入れには、より人手と時間を要することが、搬送困難の状況を改善しきれていない主要な要因であると分析しております。
そこで、昨年度より議員お話の「75歳以上の搬送困難患者救急受入体制強化事業」を開始し、救急医療機関における受入体制確保の支援に取り組んでいるところでございます。
(2)救急搬送の有料化について
Q 八子朋弘 議員(県民)
茨城県では、2024年から救急車で搬送された方のうち、救急車要請時の緊急性が認められない場合に、一部の大病院において選定療養費を徴収しています。市町村では三重県松阪市でも同様の取組がスタートしています。
ちなみに、これらのケースは一般的に救急車の有料化と言われますが、実際には救急車の運行自体にかかる費用を徴収するというより、自分で病院に来た患者が徴収されて救急車利用の患者が免除されていたものが、同じように徴収されるようになるということでございます。
ただ、分かりやすくするため私も今回あえて有料化という表現を使いますが、埼玉県でも救急搬送困難事案件数を減らすため有料化を導入すべきではないかと思いますが、保健医療部長に伺います。
A 縄田敬子 保健医療部長
選定療養費は、一般病床200床以上などの条件を満たした大病院において徴収することができるとされております。
本県では、救急患者の半数以上が、こうした大病院ではなく地域の病院に搬送されており、この状況を踏まえつつ、救急患者からの選定療養費の徴収について検討することが必要であると認識しております。
そこで、県では、救命救急センター長などで構成する会議において意見を伺ったほか、対象病院と意見交換を行っております。
いただいた御意見には、救急の適正受診の効果を期待する声がある一方、搬送先により選定療養費が徴収される場合、されない場合が生じることの是非や、救急車を呼ぶことを躊躇することによる重症化への懸念などがございました。
また、今月の診療報酬改定で救急医療の加算が引き上げられ、患者の自己負担が増加したことから、その影響を見極めるべきとの御意見もあり、引き続き対象病院からお話を伺って検討してまいります。
同時に、搬送困難事案の削減には受入体制の整備などが重要であることから取組を一層強化してまいります。
10 市町村における大型公共施設の整備への支援について(企画財政部長)
(1)公共施設等適正管理推進事業債について
Q 八子朋弘 議員(県民)
中東情勢等の影響を受け、社会情勢、経済情勢の先行きの不透明感が増しています。そのような状況下、今後、大型の公共施設の整備を予定する市町村は資金調達に不安を抱えております。
そこで、(1)公共施設等適正管理推進事業債について。
令和8年度までとなっている公共施設等適正管理推進事業債を継続、そして拡充するとともに、庁舎整備への活用など活用範囲の拡大と更なる制度の拡充を国に要望すべきと考えますがいかがでしょうか、企画財政部長に伺います。
A 都丸久 企画財政部長
議員お話しの公共施設等適正管理推進事業債は、市町村が策定する公共施設等総合管理計画に基づく施設の集約化・複合化や長寿命化等に活用出来る財政措置の有利な地方債であり、令和8年度が最終年度となっております。
県においても、計画的な施設管理に係る財政負担軽減の観点から県内の活用事例を優良事例集としてまとめ、活用を促してきたところですが、県内市町村においては、小中学校の統廃合などの事業に、令和6年度は48団体で327億円、令和7年度も48団体で392億円と多くの団体で活用されております。
一方、市庁舎をはじめとする公用施設の長寿命化や集約化等については、対象外となっております。
県内市町村では今後も多くの施設が更新時期を迎え、公用施設の長寿命化や公共施設と公用施設の複合化の取組などが想定されるため、制度の拡充が必要であると考えております。
そこで県では、これまでも同事業債の制度延長を国に要望してきたところですが、令和8年度は新たに、国への政府要望や関東地方知事会、九都県市首脳会議を通じて、同事業債の制度延長に加え、公用施設を対象とするよう、制度の拡充を要望したところです。
今後も、制度の延長、拡充に向け、あらゆる機会を通じて国に要望してまいります。
(2)新庁舎整備に対する建設費コスト高騰を踏まえた財政的支援の拡充について
Q 八子朋弘 議員(県民)
厳しい財政状況を受けて、財政的支援の拡充を検討していただきたいと考えます。例えば、埼玉県ふるさと創造貸付金等の既存の制度の拡充を求めたいがいかがでしょうか、企画財政部長に伺います。
A 都丸久 企画財政部長
県では、市町村による主体的な地域づくりを支援するため、ふるさと創造貸付金による低利な貸付けを行っております。
特に、公共施設等総合管理計画に基づき実施する公共施設のほか、公用施設の更新や統廃合、長寿命化事業についても、特定支援事業として位置づけ、公的資金の貸付金利からマイナス1.0ポイントと極めて低利な貸付けを行っているところです。
ふるさと創造貸付金制度は、市町村からのニーズ等を踏まえ、これまでも償還期間の延長や貸付対象事業の拡充など制度改正を行ってまいりました。
例えば、市町村からの長期の借り入れによって財政負担の平準化を図りたいとの要望を受け、これまでの5年債、12年債に加え、新たに17年債を創設したほか、公共施設等適正管理推進事業債では対象外となっている庁舎等の公用施設も貸付対象に新たに加えたところです。
今後も市町村の状況や意見を踏まえ、地域の実情に即した支援制度となるよう、柔軟に対応してまいります。
11 警察力の強化について(警察本部長)
(1)警察と市町村の情報共有強化について
Q 八子朋弘 議員(県民)
侵入窃盗等の事件が発生した場合の市町村への情報提供について、もう少し早く、また、発生状況や手口について詳しく提供していただくことはできないでしょうか。市町村は提供いただいた情報を基に住民に対して防犯の啓発を行ったり、青色パトロールカーを走らせたりしていますが、もう少しタイムリーかつ具体的に情報を頂ければ、もっと効果的な防犯対策を打つことができるとの話を聞きます。
防犯対策を担う市町村と警察との間でもう少し迅速かつ実務的な情報共有が必要ではないでしょうか、警察本部長に伺います。
A 小澤孝文 警察本部長
県警察では、各警察署が、管轄する全ての市町村との間で犯罪情報の住民提供等に関する協定を締結し、侵入窃盗等の犯罪の発生状況や防犯対策など、地域の安全と安心を確保するための必要な情報をプライバシー等に配意しつつ提供しているところです。
なお、警察署から市町村への情報提供のタイミングについては、相手方の市町村によって異なりますが、警察署といたしましては可能な限り迅速な提供に努めております。
さらに、警察本部からも、事件等の発生状況を、メールマガジン、ヤフー防災速報、X等のSNSを活用し、迅速に被害防止の注意喚起も行っております。
市町村においては、警察署からの情報提供や警察本部からのメールマガジン等の情報を活用し、市町村が運用するメールマガジン等における情報発信や青色防犯パトロールによる警戒活動に活用していると承知しています。
県警察といたしましても、引き続き、市町村と緊密に連携し、地域の安全確保に資する情報提供を適切に実施してまいります。
(2)サイバー警察部の新設について
Q 八子朋弘 議員(県民)
政府は5月26日、都道府県警がサイバー警察部を新たに設けられると盛り込んだ警察法施行令の一部を改正する政令を閣議決定し、29日に公布、施行されました。
2027年度以降の組織改編を念頭に各警察が検討することになりますが、高度化・国際化するサイバー犯罪への対処に有効であります。埼玉県警でも是非、設置すべきと考えますが、警察本部長の見解を伺います。
A 小澤孝文 警察本部長
議員お話しのとおり、本年5月26日、都道府県警察の内部組織として、サイバー事案に関する警察に関する事務を担うサイバー警察部を設置することができることとした、「警察法施行令の一部を改正する政令」が閣議決定され、同月29日、公布、施行されたところであります。
高度化・国際化するサイバー事案に的確に対処するため、都道府県警察において、高度なサイバー人材や資機材、捜査情報を集約し、業務の更なる高度化・効率化・合理化を進める観点から、都道府県警察の内部組織を条例で定める場合の基準を定める警察法施行令が改正されたものと承知しております。
県警察としましては、政令改正の趣旨を踏まえ、一層のサイバー空間の脅威への的確な対処に取り組むため、サイバー部門の一元化組織の整備に向けた組織改編を検討してまいります。
12 地元問題について(県土整備部長)
(1)国道254号バイパスの全線開通に向けた見通しについて
ア 和光富士見バイパスの進捗状況と今後の見通しについて
Q 八子朋弘 議員(県民)
質問の機会を与えていただくたびに取り上げておりますが、和光富士見バイパスは全線開通まで残すところ2.9キロとなっております。2年前の答弁では、用地買収率が95パーセントのことでございました。全線開通により分譲引渡しが完了した上南畑産業団地の価値は一層高まり、富士見市民の東京への利便性も格段に向上します。
和光富士見バイパスにおける朝霞市内の県道朝霞蕨線から志木市内の県道さいたま東村山線までの残り区間の進捗状況と今後の見通しを、県土整備部長に伺います。
A 小島茂 県土整備部長
国道254号和光富士見バイパスは、和光市内の東京外かく環状道路から富士見市内の国道463号に至る延長約6.9キロメートルのバイパスで、県内道路網の骨格を形成する幹線道路です。
これまで、約4キロメートルを供用開始しており、現在は、残る2.9キロメートル区間について整備を行っております。
まず、現在の進捗状況ですが、用地買収率が97パーセントとなっており、工事については、これまで、用地が取得できたところから、軟弱地盤対策工事などを実施してまいりました。
令和8年度は、残る用地の取得に向け、任意交渉に努めながら土地収用制度を活用して取り組んでまいります。
また、工事については、引き続き、軟弱地盤対策工事を実施するとともに、JR武蔵野線との交差部の工事などにも着手します。
今後も、鋭意事業を推進し、全線開通に向け、取り組んでまいります。
イ 和光バイパスの進捗状況と今後の見通しについて
Q 八子朋弘 議員(県民)
和光市内の県道練馬川口線から外環道までの和光バイパス区間1.6キロの状況についても伺いたいと思います。こちらについては、2年前は路線測量が完了し、予備設計や地質調査を行っていくとのことでございました。県土整備部長に答弁を求めます。
A 小島茂 県土整備部長
県道練馬川口線から東京外かく環状道路までの和光バイパス約1.6キロメートル区間につきましては、土地区画整理事業と連携し、令和6年度から用地取得を進めており、用地買収率は約21パーセントとなっております。
令和8年度は、引き続き、用地取得に努めるとともに、道路の詳細設計を実施してまいります。
今後も、地元の皆様の御理解、御協力をいただきながら、事業を推進してまいります。
(2)都市計画道路水子鶴馬通線の現状と今後の見通しについて
Q 八子朋弘 議員(県民)
県道ふじみ野朝霞線の振替道路となる都市計画道路水子鶴馬通線、国道463号から性蓮寺の脇を通り、東みずほ台に抜けるこの道は、現道の渋滞緩和、通学路の安全対策といった観点からも早期の完成が期待されます。
2年前の答弁では、用地買収率は34パーセントで、取得した用地の埋蔵文化財の調査を進めていくとのことでございました。
事業区間の現在の進捗状況と今後の見通しを、県土整備部長に伺います。
A 小島茂 県土整備部長
都市計画道路水子鶴馬通線では、国道463号から水谷一丁目交差点までの720メートル区間について、県道ふじみ野朝霞線のバイパスとして整備を進めております。
進捗状況でございますが、令和4年度から用地取得に着手し、用地買収率は54パーセントとなっております。
事業区間は全て埋蔵文化財の包蔵地となっており、これまで用地を取得した際には順次調査を行ってまいりました。
令和8年度は、引き続き用地取得を進めるとともに、取得した用地の埋蔵文化財の調査を行ってまいります。
今後とも、地元の皆様の御理解、御協力をいただきながら用地取得を推進してまいります。
