地方創生と移住促進、空き家対策について(知事、都市整備部長)

Q 松坂喜浩 議員(県民)

新型コロナウイルス流行前の2014年から2019年は、ほぼ一貫して転入者の増加が続き、毎年7万から8万人の転入超過で推移しておりました。しかし、総務省が1月28日に公表した2021年の人口移動報告によりますと、これは東京都の場合ではありますけれども、転入者が転出者を上回る転入超過、これが大幅に減少しました。
集計によりますと、2021年に東京都に転入者した人は、2020年度比で1万2,763人減の42万167人。一方、都外に転出した人は1万2,929人増の41万4,734人となり、差引き5,433人の転入超過とのことでありました。前年より2万5,692人減り、外国人を含める方法に変更した2014年以降の最小を更新し、東京一極集中が更に鈍くなってきました。新型コロナウイルス感染拡大で場所を問わず働けるテレワークが普及したことなどを背景に、東京居住を避ける人が増えてきた影響と見られます。
そのような状況の中で、転入超過が全国で最も大きかった市町村は、何と埼玉県のさいたま市が一番でございました。次いで横浜市となっていて、神奈川、埼玉、千葉3県では転入超過を増やしていますが、その要因である若い世代の地方移住への関心の高まりを捉え、子育て世代の移住を推進するため、地方においても安心して子育てできる環境を整えていくことが重要であります。
埼玉県は、県内9市町村と連携し人口減少が進む地域への移住を促進するため、対象地域を中小企業等に就職した方、対象地域に起業した方に移住支援金を支給する制度を実施しております。昨年4月からの移住後もテレワークで現在の仕事を続ける方、専門的人材制度を通して就業した方、市町村から関係人口と認められた方への支援に加え、令和4年度からは18歳未満の子供を帯同した場合、従来の支給額に30万円の加算を考えているとのことであります。まず、実績ではありますけれども、令和元年度は4件、令和2年度は1件、令和3年度は途中ですが26件であります。
また、令和2年度の決算審査では、「移住総合支援事業の実績から実際に移住に結び付いた件数の把握はされているのか」と問いに、「技術的に難しいことやプライバシーに配慮していることから実際には把握していない」ということでございました。「住むなら埼玉」移住サポートセンターに493人の方が相談され、実際に移住に結び付いた件数が15人であったとのことですが、果たして事業効果が出ているのかは疑問なところがあります。
そのような実情から移住政策を更に推進する上で、企画財政部、農林部で実施している移住政策につきまして部局を越えて一本化し、より成果が出せるようにしていただきたいと考えますが、大野知事に見解をお伺いいたします。
また、第2期埼玉県まち・ひと・しごと創生総合戦略における移住促進について、各市町村の情報や魅力を一元化して発信するなど本県への移住につなげるための支援を行うとしておりますが、県としてもう一歩踏み込んだ具体的な支援をしていかないと成果が出てこないかと考えますが、知事に見解をお伺いします。
さらに、県内でも西北部においては高齢化や過疎化の進展により、地域社会の維持に深刻な影響が生じてきております。また、地域活性化の観点からも農村整備や定住の促進に資するとし、国は優良田園住宅の建設の促進に関する法律、国土交通省と農林水産省の共管法でありますけれども、平成10年4月10日に公布し、同7月15日に施行されました。
私は、昨年の予算特別委員会の総括質疑にて、農ある暮らしを求める移住希望者が増える中で、農地の取得ができないなど課題も多く、市町村も苦慮しており、そのような状況の改善について大野知事に見解をお伺いしたところ、農地付き住宅につきましては、飯能市で優良田園住宅制度を活用した取組があり、移住実績もある。また、農ある暮らしが実現できるよう、市町村に対し市民農園の開設や農地付き住宅制度の活用などについて助言や優良事例などを紹介、支援を行っていくとのことでございました。
この優良田園住宅制度は、地域の活性化や移住を促進して定住人口を増やす取組として活用できるのではないかと考えています。この制度の事業主体は市町村となっていますが、県としてこの制度の活用についてどう考えているのか、都市整備部長に見解をお伺いいたします。
また、移住促進と切り離せないのが空き家活用になってくるかと思います。埼玉県内の空き家について、平成30年住宅土地統計調査によると、県内の住宅約338万戸のうち約34万6,000戸が空き家となっております。平成25年調査時点と比べ、空き家の戸数は約9,000戸、空き家率は0.7ポイントそれぞれ減少しておりますけれども、利用目的のない空き家は徐々に増加してきております。
私の地元の東松山市でも、相続等により住宅の所有者となり、管理や活用方法について悩まれている方も多く、特に年数がたった空き家の管理不全が問題となっていて、事前の対策が有効と考え、昨年末から自治会長さんが中心となり調査を行っていますし、私にも相談が寄せられています。その相談によりますと、取壊しは別として、空き家を活用したいという方は、居住したい、売却したい、賃貸したいの3例が挙げられていますが、その先の対応において市町村単独で支援することの難しさを感じております。
新年度予算案にも計上されております空き家対策の促進でありますが、県がワンストップで対応できる窓口を設置することによりまして、更に有効な空き家対策となることを期待いたしますけれども、都市整備部長の見解をお伺いいたします。

A 大野元裕 知事

移住政策の部局を超えた一本化についてでございます。
議員お話しのとおり、直近の総務省の調査では、東京都の転入超過数は前年から大きく減少しましたが、本県は転入超過数が大幅に増加いたしました。
都内に比べ自然が豊かで家賃も安く、交通の便が極めて高い本県が、コロナ禍におけるゆとりある暮らし、新しい働き方に適した地であることが浸透してきたと考えます。
一方、令和2年国勢調査によると、圏央道以北を中心に38市町村で前回調査から人口が減少しています。
そこに新たに人を呼び込み、地域の活力を維持するため、県では移住促進に力を入れているところであります。
議員御指摘の「住むなら埼玉」移住サポートセンターは、開設当時と比較して年間相談者数が1.6倍になるなど着実に実績を伸ばしております。
同センターでは、企画財政部と農林部が連携して移住セミナーを開催しているほか、イベントへの出展による情報提供や農林部の「農ある暮らし」などの情報を一元的に提供をしています。
移住希望者が知りたい情報は、住まいや仕事など多岐にわたるため、これらのニーズに的確に対応しながら移住を促進するには、庁内の各部局が連携して取り組むことが必要です。
県では、住宅や就職、就農など各分野の担当課を構成員として「埼玉県への移住等促進関係庁内連絡会議」を設置し、各部門が連携して移住施策に取り組んでいるところであります。
今後も庁内各課でワンチームとなって更なる移住促進に取り組んでまいります。
次に、県として、もう一歩踏み込んだ支援をすべきについてでございます。
県では、これまでホームページや移住相談窓口において、移住関連情報を、きめ細かに提供するよう努めてまいりました。
一方、内閣府の調査では、移住希望者が重視していることの一つとして、「移住先での人間関係や地域コミュニティへの円滑な加入」が挙げられています。
実際に県内に移住された方に話を伺うと、先輩移住者に、移住する際の悩み事を相談したり、地域のことをいろいろ聞けたりしたことが、移住の決め手になったとのことでありました。
そこで、これまでの行政による支援情報などに加え、人と人とのつながりを重視した情報提供に力を入れております。
具体的には、令和3年度の移住プロモーションにおいて、SNSによる情報発信力の高い先輩移住者を中心に御協力をいただき、都内での移住促進イベントや、移住セミナーなどを開催いたしました。
移住希望者が県の移住促進イベントなどに参加した後に、先輩移住者のSNSをフォローすることで、埼玉での暮らし方に関する身近な情報を、イベントの後でも継続的に収集していただくことができます。
さらに、こうした発信力のある先輩移住者が、継続的に移住希望者への対談相手となってもらえるような仕組みとして「先輩移住者ネットワーク」を構築しております。
今後も行政からの情報提供とあわせて、移住の決め手となるような、生きた情報を提供することで、本県への更なる移住促進につなげてまいります。

A 村田暁俊 都市整備部長

まず、優良田園住宅制度の活用についてでございます。
優良田園住宅の制度は、豊かな自然環境の中で健康的でゆとりある生活を送りたいとのニーズに応えられるよう、農山村地域などで優良な住宅の建設を後押しするものとして創設をされました。
制度の活用に当たり、市町村は、住宅の建設が適当と認める土地の区域や、地域材の活用など個性豊かな地域づくりに必要な事項を基本方針として策定することとされており、県内では飯能市と川口市の2市が定めております。
飯能市では家庭菜園など農業を実感していただく「農のある暮らし飯能住まい」に取り組み、移住や定住、地域の活性化につなげており、これまでに57件の住宅建設計画を認定し、うち28件が県外からの移住となっております。
令和3年8月に県が開催をした市町村移住・定住担当者会議において飯能市に御報告をいただきましたが、市では、制度の活用に加え農業に関する講習会や就農支援などのフォローアップ体制を充実させています。
優良田園住宅の制度を地域独自の取組に生かすことは、移住を希望する人を呼び込み、その後の定住を促し、地域の活性につながるものと考えます。
県といたしましては、地域の実情を踏まえ制度を御活用いただけるよう、今後、市町村から相談があった場合は、開発許可など関連する制度との調整が円滑に進むよう支援してまいります。
次に、県が空き家対策のワンストップ窓口を設置することについてでございます。
県では、平成26年に、全ての市町村、関係団体及び県で構成する「埼玉県空き家対策連絡会議」を設置し、「空き家にしない」「空き家をつかう」「空き家をこわす」の3本柱で、空き家対策に取り組んでまいりました。
具体的に対策のメニューを申し上げますと、「空き家にしない」予防の面では、司法書士や行政書士を講師派遣する「相続おしかけ講座」がございます。
また、「空き家をつかう」、すなわち管理と活用に関しましては、気軽に不動産業者へ相談できる「空き家の持ち主応援隊」や、市町村が空き家の情報を紹介する「空き家バンク」などを実施しております。
その一方で、空き家問題の一義的な窓口となる市町村では、建設、環境、防犯などの部門の職員が兼務をしていることも多く、幅広い相談への対応に苦慮されており、それぞれのメニューも十分には活用しきれていない状況にございます。
そこで、県では、来年度、空き家対策連絡会議の中に、専門的な知識や経験を持つ「空き家コーディネーター」を新たに配置し、空き家相談の総合窓口としての活用を予定しております。
空き家の相談については、まずは空き家コーディネーターがお受けし、相談内容に応じて、助言・提案をしたり、各種専門家へ繋ぐなど、相談の解決を目指します。
さらに、空き家所有者と活用希望者とのマッチングを図るなど、これまでにない空き家対策の体制を整えたいと存じます。
これにより、相談対応に苦慮する市町村の負担を軽減し、空き家対策をさらに前進させるとともに、「住むなら埼玉」移住サポートセンターなどとも連携し、県内への移住促進にも寄与してまいります。

がん対策について(産業労働部長、保健医療部長)

Q 松坂喜浩 議員(県民)

国立がん研究センターの推計で日本人の2人に1人が生涯でがんを経験するとされ、さらに定年延長などにより、現在ではがん患者の3人に1人は就労年齢でがんにり患すると言われております。また、がん治療の発達により通院での治療をする患者も増えていて、今後は経済的な問題や生きる意欲を持ち続けるため、仕事と治療の両立を支援することが必要であります。
しかし、治療と仕事の両立は困難という思い込みから、がんと診断された労働者の約35%が依願退職、あるいは解雇を余儀なくされております。さらには、既に離職してしまった労働者が再度就職しやすい環境整備が大変重要であります。東京都では、がん患者を新規に雇用した事業者に奨励金を支給するなど事業主への支援により、再就職に向けた諸施策が行われております。
そこで、がん治療と就業の両立に配慮し、新たにがん患者を雇用する事業所に対し、東京都のようながん患者就労支援奨励金制度を創設することについて、産業労働部長に見解をお伺いいたします。
また、がんは早期発見、早期治療により死亡率の低減が図られることから、早期発見に必要ながん検診の受診率向上へ施策の提言をたびたび一般質問で行ってきました。さきの決算特別委員会において、がん検診受診率向上に向け民間企業、団体と連携をしながら、がん検診受診率向上に向けた取組を促進するため協定を締結したとありました。一方、県が受診率向上を目指し取り組む、この検診受診促進事業に参加した事業所は1,000社程度であったということであり、埼玉県全体を考えると低過ぎるかと思います。
私は、さきの決算特別委員会で改善、又は検討を要する事項として、がん検診の受診率を向上させるため企業・団体と協定しているが、しっかりと目標を設定し結果が出せるように取り組むことを提言させていただきました。
このような実情から、商工会、商工会議所、関係団体を通じて広くがん検診受診率向上に向けて県内企業へ周知を図ることも重要と考えますが、いかがでしょうか。保健医療部長の見解をお伺いいたします。

A 板東博之 産業労働部長

がん患者就労支援奨励金制度を創設することについてお答えを申し上げます。
議員お話のとおり、治療技術の発達により、通院治療をしながら再就職を希望されるがん患者の方が増えております。
再就職を成功させるためには、まず、企業の皆様に病気に関する理解を深めていただくとともに、治療と仕事の両立を図るための職場環境整備を進めていただくことが重要です。
県では、平成30年度から「仕事と生活の両立支援相談窓口」を設置し、専門の相談員が、がんなどの治療と仕事との両立に悩む労働者や企業からの相談に対応しております。
企業からの相談には、時間単位の有給休暇制度やテレワークの導入など、治療と仕事との両立を図るために有効な職場環境の整備に関するアドバイスを行っております。
また、国では「治療と仕事の両立支援助成金」制度を設け、がんなどの傷病を抱える労働者のために、病状や治療内容に応じた職場環境の整備を行った企業に対して1人あたり20万円の助成を行っています。
県におきましては、まずは、国の助成金制度を「仕事と生活の両立支援相談窓口」や企業人材サポートデスクにおいて、県内企業にしっかりと周知してまいります。
御提案の東京都の制度は、例えば、がん患者の方を週20時間以上で雇用した場合、1人あたり60万円を助成するもので、国の制度と趣旨を同じくするものでございます。
新たな制度の創設につきましては、今後、他の自治体の導入状況や県内企業の意向、課題などを調査し、がん患者の雇用継続や採用促進の施策の一つとして研究してまいります。

A 関本建二 保健医療部長

がん検診受診率向上のため、関係団体を通じて広く県内企業へ周知を図ることについてお答えを申し上げます。
がんは県民の死亡原因の第1位であり、令和2年のがんによる死亡者数は2万人を超えています。
一方で、がんと診断された人が5年後に生存している割合を示す、がんの5年相対生存率は向上しており、転移のない早期のがんであれば9割を超えています。
そのため、がんの早期発見・早期治療を可能とするがん検診を受診することは、きわめて重要となります。
がん検診の受診者を分析いたしますと、職場でがん検診を受診する割合が増加しており、例えば、肺がん検診では受診者の約7割が職場で受診しています。
したがいまして、議員御指摘のとおり、企業等ががん検診の重要性・必要性について理解し、がん検診を受けやすい職場環境づくりを進めることは大変重要です。
このため、県では健康保険組合等と連携し、加入する企業等にリーフレットを配布し、がん検診の重要性・必要性を周知しております。
県といたしましては、関係団体と一層の連携に努め、県内企業等に対する周知に努めてまいります。

重度訪問介護の充実について(福祉部長)

Q 松坂喜浩 議員(県民)

「医療的ケアが必要な高等部卒業生を受け入れてくれる事業所不足を何とか改善できないでしょうか」との声が引き続き寄せられています。常時、介護が必要な卒業生(重度障害者)が在宅勤務中に重度訪問介護を利用できる制度についてであります。
重度訪問介護は、障害者総合支援法の規定に基づき、施設や病院を出て地域で暮らす重度障害者に対して入浴、排泄、食事のサービス・介助、外出時の移動の介助、日常生活の見守りを提供するサービスであります。しかしながら、厚生労働省告示により利用条件が定められていて、「通勤、営業活動などの経済活動に関わる外出、通年かつ長期にわたる外出及び社会通年上適当でない外出を除く」という一文によって、就労・就学時及び在宅勤務の利用は認められておりません。そのため、就労できる能力がある障害者の雇用の機会が奪われてしまっているのが現状であります。
このような現状を改善し、重度障害者が就労中も重度訪問介護が利用できるようになれば、就労期間中も支援を受け、安心して仕事ができるようになります。また、重度訪問介護の訪問先に係る制限を緩和することにより重度障害者の就労機会を促進し、障害者全体の就労機会の拡大にもつながり、就労で収入を得ることができ、経済面での自立に大きな一歩になると考えます。
現在、県内では、さいたま市が在宅就労時も重度訪問介護を受けられるサービスを提供しております。このような取組が埼玉県の多くの市町村で行われることが重度障害者の就労機会を確保する上で重要であると考えます。
今後、どのように他の市町村が実施できるよう働き掛けていくのか、福祉部長の見解をお伺いいたします。

A 山崎達也 福祉部長

重度障害者の就労支援については、国において、令和2年10月、「重度訪問介護サービス利用者等職場介助助成金」という制度が作られました。
この助成金は、企業が重度訪問介護を利用している障害者を雇用した場合、業務遂行に必要なパソコン操作の代行など職場での介助を、重度訪問介護事業者に委託した際に助成されるもので、在宅勤務の場合にも適用されます。
企業が、助成金制度を利用するためには、障害者の居住地の市町村が、「雇用施策との連携による重度障害者等就労支援特別事業」を実施していることが要件となります。
この特別事業は、助成金では対象とならない、職場での喀痰吸引や姿勢の調整といった、就労中にも必要となる生活上の基本的な支援を対象としています。
助成金制度と特別事業により、業務遂行に必要な支援と生活上の支援の両方を受けることが可能となり、重度障害者の就労を大きく前進させるものになります。
議員お話しのとおり、この特別事業を実施している市町村は県内ではさいたま市のみとなっています。
さいたま市ではこの事業を活用し、7名の重度障害者が在宅で、給与計算事務やホームページの更新など、パソコンを使って仕事をしておられます。
重度障害者の就労を進めるためには、市町村が特別事業を実施するだけではなく、重度障害者を雇用する企業が増えることが重要であることから、助成金制度の企業への周知や活用について関係機関の御協力もいただきながら対応してまいります。
さらに、さいたま市以外の市町村でも事業が展開されるよう、さいたま市の事例は基より、他県の先進事例も情報収集し、県内市町村へ必要性や効果などについてきめ細かく提供してまいります。
働く意欲をお持ちの障害者が一人でも多くその希望をかなえることができるよう就労環境の整備に全力で取り組んでまいります。

乳幼児医療費支給範囲の拡大について(保健医療部長)

Q 松坂喜浩 議員(県民)

少子高齢化や核家族化が加速する中にあって、子育てにかかる金銭的負担の軽減は喫緊の課題となっております。その一環として実施されている乳幼児医療費支給制度においては、義務教育終了まで拡大している都道府県があるほか、高校生終了まで拡大する市町村も相当数上っています。
埼玉県内について言えば、例えば入院については32の自治体が15歳の年度末まで、31の自治体が18歳の年度末まで。こうした状況を踏まえ、埼玉県乳幼児医療費支給制度の助成対象年齢を現行の就学前から段階的に引き上げていただきたいと考えております。
釈迦に説法でありますけれども、これから医療費の現物給付の制度化が進んでいきます。医療費の現物給付とは、患者の窓口の2割負担がない制度であります。ただし、そのお金の流れは、患者が窓口で2割を負担しない代わりに国保連、また審査支払機関が一旦医療機関に10割を支払い、患者負担の2割は後日、市町村に請求するため、従来の償還払いとは違い、手数料が発生する仕組みとなっています。その手数料に対しては県も負担するため、それが県の乳幼児医療費の増額要因となり、対象年齢引上げに影響してくると考えられます。
そこで、県内全域での現物給付化を進めている今、今後の対象年齢の引上げについてどのように考えているのか、保健医療部長に見解をお伺いいたします。

A 関本建二 保健医療部長

乳幼児医療費につきましては、福祉3医療として、本年10月から、医療機関の窓口での自己負担がなくなる現物給付化を県内全域で予定しております。
それにあたり、審査支払機関への手数料など、新たに市町村に対して助成を行う必要がある経費が年間2.5億円程度発生いたします。
加えて、支給対象を中学校卒業まで拡大した場合は令和3年度予算額の2倍以上となる約53億円、小学校卒業までとしても約47億円と、多額の予算措置が必要になると見込んでおります。
支給対象年齢を引き上げた場合、受給対象者数が増加するため、県内現物給付化に要する経費も更に増加することとなります。
このため、現時点で対象年齢を引き上ることは難しいと考えております。
対象の拡大につきましては、現物給付化によるコストの増加や対象者数の動向なども踏まえて検討してまいります。
まずは、県内全域における現物給付化を着実に進めてまいります。

再Q 松坂喜浩 議員(県民)

部長から詳細、お話がございましたけれども、この仕組み、私も手数料がある関係で、それは県の方からの負担を逆に圧迫しているということで、なかなか改善ができないというふうにも思っておりました。この手数料について、やはり見直しをある程度かけられていくのではないかなというふうにも考えておるわけであります。
市町村から切実な思いという中で、何とか改善してほしいという声が寄せていただいております。これを改善するには、その手数料について見直しも図れるものかどうか、もう一度御回答いただければと思います。よろしくお願いいたします。

再A 関本建二 保健医療部長

県内現物給付化を行うにあたり、審査支払機関に対して新たに手数料が発生することについて、軽減などについて検討できないかということでございます。
先程、御答弁申し上げましたように、現時点では、審査支払機関への手数料などとして、新たに年間2億5千万円程度と試算しておりますが、こういった現物給付化によるコストの増加につきましては、今後も更に圧縮について検討してまいります。

発達障害児(者)への支援について(福祉部長)

Q 松坂喜浩 議員(県民)

先日、埼玉県教育委員会から発行された発達障害者の早期発見、早期支援に向けた資料に目を通しました。幼児期の子供たちの発達は一人ひとり違います。家庭環境も一人っ子や兄弟姉妹がいる子、祖父母と同居されている子など様々であります。
まず、先に目についたのは、「早目の気付きがより良い支援の第一歩」という記述でありました。当たり前のことでありますが、本当に早目に気付いているかが重要であります。ここで大切なのが、幼稚園や保育園に入園する前の段階で、子供の変異に気付かなければならないということであります。
乳幼児健診として1歳6か月児、3歳児健診は受診率も高く、診察内容や調査内容を見直すことで、発達障害のある子供のスクリーニングの場として有効に機能すると考えられます。しかし、早期発見の精度を上げるだけでなく早期支援を充実させるためには、気付きを支援につなげる相談体制や支援体制が幼少期から求められています。各自治体では助産師、保健師による発達、発育相談が実施されていますが、現状は県内自治体ではまちまちなのが現実で、現状改善を求める声が寄せられております。
そこで、県内全ての保健センターにおいて発達障害を早期発見し、切れ目のない支援につながる方策の充実が必要であり、ガイドラインを設けることも重要と考えますが、福祉部長の見解をお伺いいたします。

A 山崎達也 福祉部長

発達障害は、早期に気づき、早期に適切な支援を行うことが大変重要です。
そこで、県では、平成23年度から全国に先駆けて、県内の全ての保育所・幼稚園・小学校の教員等を対象に、気づきに関する研修を計画的に実施し、令和2年度末までに約2万人の方に受講していただきました。
また、1歳6か月児健診や3歳児健診を行う保健センターにおいても、気付きの目を養っていただくため、子どもの年齢に相応したコミュニケーション能力やこだわりの強さ等を確認するための有効な検査ツールの活用を働き掛けております。
さらに、保健師等を対象に、保護者に検査結果をフィードバックし、正しく理解してもらい、次の行動につなげていただく技法を学ぶための実践的な研修も開催しています。
県内の保健センターにおいて、発達障害に関する対応能力のレベルアップを図っていただくためには、こうした研修などのほか、早期発見、相談、療育の場面ごとに重要なポイントをリアルな映像で学ぶことができる動画の作成が必要と考えております。
動画により、分かりやすく知識や技法を習得できることから、これを保健センターの保健師等に見ていただくことで、県内での対応の差が生じないようになるものと考えております。
発達障害に関する専門家の御協力をいただき、研修動画の作成に着手し、早期発見、切れ目のない支援の充実につながるよう取り組んでまいります。

障害者施設の感染防止対策について(福祉部長)

Q 松坂喜浩 議員(県民)

令和2年度に感染症対策を徹底した上で障害福祉サービス提供支援事業として、例えば生活介護だと補助上限額75万7,000円、在宅サービス計画相談支援及び障害児相談支援における環境整備への助成事業として補助上限額20万円が予算化されました。この事業は、障害福祉サービス事業所などの新型コロナウイルスの感染等により、緊急時のサービス提供に必要な障害福祉人材を確保し、職場環境の復旧、改善を支援する目的として、予算の範囲内において補助金を交付するものでありました。
令和3年度では特例的な報酬改定で、9月まで基本報酬に僅かに上乗せされました。10月以降は、例えば生活介護だと1万4,000円上限の補助となり、しかも10月から12月に購入したマスク、消毒液などの衛生用品の掛かり増し経費に限るとされました。
今年1月から日頃の感染対策に係る補助金が少なくなり、オミクロン株の感染拡大の中、不安を抱えてサービスを提供している事業所も少なくないと聞いております。このため、事業所が安心してサービスが提供できるよう、県として事業所の感染防止対策の取組を積極的に支援すべきと考えますが、福祉部長の見解をお伺いします。

A 山崎達也 福祉部長

障害者施設等においては、障害の特性から、マスクをつけることができない利用者の方がいるなど、感染防止対策に不安を持つ施設等が多いと伺っております。
施設等のこうした不安を取り除くとともに、福祉サービスを継続して提供していただけるよう支援していくことが求められております。
そこで、感染拡大の防止を図るため、昨年2月から11月にかけて、施設等の職員、延べ13万5,000人に対しPCR検査を実施し、陽性者の早期発見に努めてまいりました。
今年に入り、オミクロン株による感染が急拡大したため、1月から、検査対象をこれまでの入所施設やグループホーム等から訪問事業所や障害児の通所事業所にまで拡げてPCR検査を再開いたしました。
また、感染管理認定看護師による、感染防止に役立つ取組を分かりやすくまとめたワンポイントアドバイスを施設等にメールでプッシュ配信するとともに、感染防止に係る研修動画も作成し、ホームページで紹介しております。
さらに、COVMATがクラスター発生施設に派遣された際の事例を踏まえ、感染防止対策のポイントをまとめた事例集についても、併せてホームページやメールにより周知しております。
昨年末からは、新型コロナウイルスの感染により、施設の看護師が不在となるなど療養体制が不十分となった場合に看護師を派遣するリリーフナース事業を実施しております。
今後も、施設等が安心してサービスを提供できるよう、感染防止対策への取組をしっかりと支援してまいります。

食品衛生の重要性について(保健医療部長)

Q 松坂喜浩 議員(県民)

先月2日、所沢市内医療機関から、市内の施設に入所している児31人中13人が前日1日の20時頃から腹痛、下痢、嘔吐を発症、入所児童は全員、当該施設内の給食を喫食している旨の通報があり、狭山保健所が調査を開始したと報道発表がありました。原因はノロウイルスによる健康被害を生じさせたものであり、時には食中毒だけでも命に関わります。食品衛生の重要性を御認識いただき、その上で質問に入らせていただきます。
改正食品衛生法が昨年6月に施行され、新たな許可や届出制度が開始されました。この件に関し、地元関係機関に問い合わせたところ、現在は改正法による改めての許可取得や届出の手続の交付、立入検査が順次行われているとのことでありました。今回の改正では、簡易な加工で作られる食品の製造であっても、資格を擁する食品衛生責任者の配置やHACCP(ハサップ)による衛生管理計画の策定実施が義務付けられています。このほかに、令和2年に完全施行された食品表示法に基づく食品表示など、食品等事業者が対応しなければならない事項はここ数年で非常に増加しています。
私の地元比企地域では、本来であれば一人で新しいことを始めることが難しい小規模事業者や高齢の経営事業者による施設運営が多い地域でありますが、比企食品衛生協会が主導し、東松山保健所が後援する「比企のカタチ」プロジェクトにより、改正法などへの対応がスムーズに実施されています。「比企のカタチ」は、食品衛生において実施しなければならない最も重要な7点をポスターやステッカーに掲げ、食品等事業者が自ら、また各事業者同士が研さんし、衛生環境を良くするという取組でございます。
「比企のカタチ」の考えの下、同協会を中心に保健所や農林振興センターなど県の機関と地元商工会や地元農協などの共同と連携が構築され、立入検査や相談会が実施されたことで、食品等事業者が法の趣旨を細やかに理解し、衛生管理の向上につながっているものと考えております。特に保健所や農林振興センターと連携しての定期的な直売所の食品監視や、そのフォローアップの相談会が定期的に開催されたことは、非常に大きな取組と考えております。
しかしながら、「比企のカタチ」のような仕組みを持たない地域において、これだけ大きな改正法を円滑に履行することは難しいと考えます。改正食品衛生法や食品表示法は法律であり、その運用に地域差があってはならないと思っております。
そこで、「比企のカタチ」のような取組を県内に広め、県としてしっかり後押ししていくべきと考えますが、いかがでしょうか。また、コロナ禍で従前のような講習会が頻繁に行えない中、県としてこれから食品等事業者にどのようなサポートをしていくのか、お聞かせいただきたいと思います。また、比企地域の相談会についても継続的な開催に期待をしているところですが、いかがでしょうか。
さらに、この事業は埼玉県食品衛生協会が食品衛生責任者の講習会をオンラインで実施していると聞いておりますが、オンライン等に精通していない御高齢の方や不得意な方などが排除されてはならないと考えます。「比企のカタチ」のような新しい考えの下、各地域の取組と併せて食品衛生責任者養成講習会が実施される仕組みが必要と考えますが、以上、保健医療部長の見解をお伺いいたします。

A 関本建二 保健医療部長

比企のカタチのような取組を県内に広め、県として後押ししていくことについてでございます。
比企のカタチは、業界誌にも取り上げられた地域ぐるみで食品衛生意識の向上を目指す取組と理解しております。
比企のカタチでは、事業者がハサップを行う上でやらなければならないことを7項目にまとめ、自主衛生管理を推し進める観点からステッカーやポスターを掲示することにより、ハサップが適切に機能する施設の増加につながるものと認識しております。
また、比企地域の直売所の監視や相談会の開催については、地元農家が製造加工した食品などが農産物直売所に多く出荷されている地域特性に対応し、きめ細かく相談、助言を行っている素晴らしい取組であります。
このため、こうした取組を県内保健所にも広く情報提供するとともに、関係機関との連携を図り講師の派遣など後押しをしてまいります。
次に、コロナ禍で従前のようなハサップ講習会が行えない中、食品営業者にどのようなサポートをするのかについてでございます。
令和3年度のハサップ講習会につきましては、1月末までに365回開催し、1万2,461名の方に受講いただいております。
しかしながら、新型コロナウイルス感染症の影響により、全施設への導入には至ってないのが現状でございます。
このため、一般飲食店等を対象に、ハサップの衛生管理計画を作成するための講習会は従来の半数程度の定員とし、その分回数を増やして継続して開催するとともに、保健所窓口での相談、施設の監視時の助言等、積極的に支援してまいります。
なお、ハサップのフォローアップを含む比企地域の相談会については継続してまいります。
最後に、食品衛生責任者養成講習会についてでございます。
食品衛生責任者養成講習会については、当初は新型コロナウイルス感染症の影響により、受講人数や会場を制限しながら開催してまいりました。
受講希望者のニーズに十分対応できない状況を改善するため、対面の講習会とは別に、7月から新たにオンライン講習も始めました。
コロナ以前の実績として食品衛生責任者養成講習会の年間平均受講者数は5,500名程度でしたが、今年度は1月までにオンラインで約2,500名、対面で5,228名が受講しております。
対面の会場は浦和会場、東松山会場ではありますが、少しでも利便性が高まるよう出張による講習会の開催を埼玉県食品衛生協会に要請してまいります。

経営革新計画の更なる充実について(産業労働部長)

Q 松坂喜浩 議員(県民)

本県の中小企業の経営力向上を進める制度として経営革新計画ですが、累計承認件数も8,900件を超え、令和2年度実績からも1,103件となり、福岡県に次いで全国2位となり、県内中小企業への浸透が順調に進んでいるものと考えます。
この経営革新計画は、産業支援課、地域支援センターと県内69団体の商工会、商工会議所が連携し、計画作成支援、申請受付、承認後のアフターフォローや専門家派遣など、商工会、商工会議所の経営指導員が中心となって事業を進めております。新年度当初予算案にも、経営革新計画の承認からフォローアップまで商工団体と連携して一貫支援を継続するとしております。更なる支援を期待しますし、私も昨年の決算審査から意見、提言として、事業本来の目的を達するために経営革新計画策定後のフォローアップを更に進めることを提言しております。
そして、今回の質問は、経営革新計画の手続に関わる依頼書、承諾書、報告書、請求書等々、一連の手続がいまだ紙ベースで行われているという実態から、経営指導員の業務を圧迫しているという現実がございます。この作業をデジタル化するだけでも作業効率が上がり、承認件数も更に増えることも可能なことから改善すべきと考えます。
このような状況を少しでも改善することにより、商工会、商工会議所への支援にもつながることと、埼玉県として独自で事業、事務の効率化に進めるべきと考えますが、産業労働部長の見解をお伺いいたします。

A 板東博之 産業労働部長

経営革新計画は、経営の向上を目指す中小企業の新たな事業の計画を県知事が承認する制度で、県内商工団体と連携して推進しております。
商工団体には、事業者からの申請の受付に始まり、外部機関への審査依頼や承認書の交付など、多くの事務手続きを担っていただいております。
申請に際しては、法人の登記簿謄本や決算書などの添付が必要なため、事業者から紙の書類で提出されることが多い状況でございます。
そうした中、国では、経営革新計画の電子申請システムの構築を進めており、昨年11月から、本県など10都県が参加して実証実験を行っております。
このシステムは、事業者がインターネットを経由してログインし、計画書や決算書などを電子データで申請するもので、書類の提出に出向く必要がなくなります。
また、交付されたIDで国の各種補助金申請も行えるなど、事業者の利便性向上に寄与します。
県や商工団体も、システム上で審査等を行うことになり事務の効率化が図られるとともに、計画実行中の事業者へのフォローアップや、データ分析による効果的な中小企業支援に活用してまいりたいと考えております。
現在、国に対し、今回の実証実験で得られた事業者や支援機関のニーズを伝えるとともに、本県の実情にあったシステムになるよう要望しております。
このシステムを活用して経営革新計画の手続きのデジタル化を推進し、事業者・商工団体・県それぞれの利便性向上や事務の効率化を図ってまいります。

地元問題について(県土整備部長)

通学路の交通安全対策について

Q 松坂喜浩 議員(県民)

埼玉県では、今年度で5回目となる通学路安全点検を実施、特に昨年6月に発生した千葉県八街市の交通死亡事故を受け、危険箇所の安全対策を取りまとめた第5期埼玉県通学路整備計画が予定より1か月も前倒しで策定されました。今後、この計画に基づき、1日も早く子供たちを守る安全対策を進めていく必要があります。これは県内全域でございます。
そこで、私の地元で整備計画の対象路線に位置付けられた3か所の歩道整備についてお伺いいたします。
まず、県道東松山越生線の東松山市石橋地内の市立南中学校から国道254号までの区間でございます。次に、県道川越栗橋線と県道日高川島線が交差する川島町牛ヶ谷戸地内にあります山ヶ谷戸交差点から、県道平沼中老袋線までの区間です。最後に、県道小八林久保田下青鳥線について、吉見町下細谷地内にある吉見町役場から南側200メートルの区間です。これらの3か所について、地元では小中学校の通学路として早期に事業着手していただけることに期待を寄せています。
そこで、3か所の通学路の整備に向けた今後の見通しについて、県土整備部長にお伺いいたします。

A 北田健夫 県土整備部長

議員御質問の3箇所につきましては、令和3年10月に策定した第5期埼玉県通学路整備計画の対象路線に位置付けております。
まず、県道東松山越生線につきましては、越生町方面から東松山市立南中学校までの4.1キロメートル区間で歩道が整備されております。
この中学校から国道254号までの840メートル区間については、歩道が未整備となっているため、順次、中学校側から整備を進める予定です。
次に、県道川越栗橋線につきましては、現在、太郎衛門橋から川島町の山ケ谷戸交差点までの680メートル区間について整備を進めており、令和4年度に完成する予定です。
この完成を受け、御質問の山ケ谷戸交差点から県道平沼中老袋線までの区間のうち、まずは、交差点から170メートル区間の整備を進める予定です。
最後に、県道小八林久保田下青鳥線につきましては、吉見町役場から県道東松山鴻巣線までの350メートル区間の歩道が未整備となっております。
このうち、南側の150メートル区間は、県道東松山鴻巣線の4車線化事業に併せて、歩道を整備するため、残る200メートル区間について、新たに整備を進める予定です。
今後は、地元の皆様の御理解と御協力を頂きながら、事業に着手してまいります。

市野川の治水対策について

Q 松坂喜浩 議員(県民)

平成29年9月定例会の一般質問において、川島町下小見野地区徒橋下流右岸において堤防裏ののり尻付近から漏水していたとの情報から、早期の対策が必要とお願いをしたところ、堤防の腹付けによる補修が完了いたしました。また、令和元年の台風第19号の影響により、徒橋上流右岸において堤防のり尻浸食されたことから修繕を実施していただきました。心配された漏水もなくなり、町民の方々からも安心したとの声が寄せられました。
今回は、徒橋下流右岸における堤防の水際部の浸食に対する修繕についてであります。台風第19号の時点では大きな浸食が見られなかったものの、流水の影響により今後更に浸食が進むおそれもあるため、何らかの対策が必要だと考え、今回の質問とさせていただきました。
徒橋下流右岸堤防の修繕について、見解を県土整備部長にお伺いいたします。

A 北田健夫 県土整備部長

県では、定期的に河川の点検を行う中で、堤防の変状把握に努めるとともに、緊急性や進行度合い等を踏まえ、優先順位をつけて対策工事を実施しているところです。
徒歩橋周辺についても、これまでに緊急性の高い漏水箇所、侵食の進んだ箇所の対策工事を行ってきております。
徒歩橋下流右岸の堤防の箇所につきましては、出水により水際部が侵食されたもので、堤防本体への影響度合いを見ながら経過観察をしてきたところです。
今後、修繕方法等について検討を行い、対策工事を実施してまいります。