1 防災・減災対策について
(1)冠水対策及び冠水箇所の事前通行規制を(知事、県土整備部長)
Q 金野桃子 議員(県民)
近年、気候変動の影響により、従前の想定を超える短時間豪雨が全国で頻発しています。この問題は、初日に権守幸男議員も取り上げられました。県民の命を守り、災害時に緊急輸送路を確保し、地域の社会経済活動を維持するという県土全体の強靱化の視点から、冠水対策を一段と強化する必要があります。雨水の排水先となる河川整備の強化に加え、冠水情報の把握、周知などハード・ソフト両面から総合的に対策を進める必要があると考えますが、知事にお伺いします。
特に、事前通行止め対策です。
8月13日、千葉豪雨では死者13人のうち2人がアンダーパスで亡くなりました。22日には県南部で記録的大雨が生じ、戸田市では警察や道路管理者による通行止めが間に合わず、地域住民がずぶぬれになりながら冠水した道路へ進入しようとする車両を自ら誘導した例もありました。
9月には、国土交通省では、全国22か所の国道アンダーパスで冠水前に通行止めを行う方針を示しました。埼玉県はアンダーパスが270か所と全国最多です。アンダーパスなどの冠水頻発箇所において、浸水センサー等を活用した予防的な事前通行規制を行うとともに、遮断機の設置を含む車両進入防止対策を警察や市町村と連携して進めるべきと考えますが、県土整備部長にお伺いします。
A 小島茂 県土整備部長
冠水被害リスクの高いアンダーパスは、県管理道路で13箇所あり、全ての箇所で排水設備に加え、注意表示板及び監視カメラを設置しております。
さらに、アンダーパス以外の冠水常襲箇所にも、冠水センサー及び警報装置を設置し、道路利用者への注意喚起を図っております。
引き続き、設備の点検や更新を適切に行うとともに、必要な箇所へ冠水センサー等を設置してまいります。
アンダーパス等の予防的な事前通行規制や遮断機等による車両進入防止対策については、国の取組や迂回路等の周辺状況などを踏まえ、検討を進めてまいります。
今後とも、道路冠水による車両被害を防止するため、警察や市町村等と緊密に連携し、迅速な対応が図れるよう取り組んでまいります。
A 大野元裕 知事
令和8年8月千葉豪雨など、全国各地で記録的な大雨による甚大な都市型水害が発生をしております。
治水対策につきましては、国は令和2年に「流域治水プロジェクトの推進について」の通知において、今後はハード対策のみでは対応できず、ソフト対策が重要であることを明確に述べており、本県でも個別のインフラ強化にとどまることのない流域治水等の地域における防災対策を推進してきております。
都市型水害の脅威についても、県民の命や財産を守るため、議員御指摘のとおり、被害の未然防止に向けた総合的な冠水対策の強化は喫緊の課題と認識します。
道路については、冠水リスクの高い箇所において、自家発電設備を備えたポンプなどの排水設備に加え、冠水センサーなどの監視装置を整備し、被害防止を図っております。
また、県民に対し、分かりやすい情報の発信、道路利用者に対する注意表示を充実させるとともに、埼玉版FEMAを通じて、迅速かつ適切な危機管理体制を確立するなど、総合的かつ多面的なアプローチを強化してまいります。
(2)1.5次・2次避難等、広域的な避難対策の強化を(知事)
Q 金野桃子 議員(県民)
災害関連死の多くは高齢者であり、基礎疾患のある方などを早期に良好な環境へ移すことが重要です。能登半島地震では、石川県が1.5次避難所を設置し、高齢者などを2次避難につなぐ一方、その後の住まいへの移行などに課題が生じ、平時から一連の避難、生活再建を見据えた体制整備の必要性が明らかになりました。
これを受け、国の「令和6年能登半島地震を踏まえた災害対応の在り方について」では、都道府県において2次避難の対象者やホテル、旅館等の確保、移送、避難先とのマッチング、継続的な支援などについて仕組みを検討し、平時からマニュアルを整備する必要があるとしています。大規模災害時、市町村の区域を越える避難を調整することは、広域自治体である県が果たすべき重要な役割です。
そこで、広域的な避難の指針、マニュアルを整備するとともに、ホテル、旅館なども活用した広域的な避難先を平時から確保する体制を構築できないか、知事にお伺いします。
A 大野元裕 知事
被災者が健康で安心した避難生活を送るため、ホテル等に2次避難し、生活環境の改善を行うことは、被災者の命を守るために重要な取組です。
過去の災害では、令和6年能登半島地震で、最大約5,000人がホテル等への2次避難を行い、令和8年熊本地震においては、8月31日時点で延べ約1,200人が2次避難を行っています。
2次避難の範囲は広域になることから、円滑な避難に向けて、県が積極的役割を果たすべきと考えます。
令和7年12月に、国から「災害時においてホテル・旅館等を避難所として活用する際のガイドライン」が示され、都道府県においても、庁内の役割分担を決めた上で、ホテル・旅館等の確保方策やマッチング方法等に関するマニュアルを平時から整備しておくことが求められております。
近年の能登半島地震や熊本地震での2次避難の状況を踏まえ、市町村と連携しながら、まずは、マニュアルの作成を検討してまいります。
その上で、作成したマニュアルに基づき、広域的な避難先の確保に関する平時からの体制構築を進めてまいります。
2 税収の東京一極集中について(知事)
Q 金野桃子 議員(県民)
この問題については、知事をはじめ、これまで多くの議員の方々が取り組んでこられました。令和7年度の東京都の財源超過額は約2兆円まで増加し、人口1人当たりの地方法人関係税収については東京都との格差が約3倍とのことです。令和8年度与党税制改正大綱では、地方法人課税における偏在是正措置として特別法人事業税・譲与税制度の拡充について検討し、令和9年度税制改正において結論を得る旨が明記されました。
知事は、大綱に示された措置を早急かつ確実に講じるとともに、国の責任において、偏在性が小さく税収が安定的な地方税体系を構築するよう求められ、記者会見では特別法人事業税・譲与税を何割にすべきかという点だけに焦点を絞る考えはない旨を述べられています。
確かに特定の制度だけではなく、地方税体系全体として議論することは重要だと考えますが、その上で税源偏在の深刻さを踏まえれば、国の結論を待つだけではなく、本県としてどの程度の是正が必要なのか、具体的な目標や試算を持って議論に臨むべきではないでしょうか。
実際に、東京都と同様の一部の子育て施策を本県で実施するには、年間約1,000億円の財源が必要になるとの試算も示されています。こうした試算も踏まえ、県としてどの程度の是正が必要と考えるのか、具体的に示すとともに、現在検討されている偏在是正措置により本県税収にどの程度の効果が見込まれるのかを試算し、それを基に国に制度設計を求めていくべきと考えますが、知事にお伺いします。
A 大野元裕 知事
Eコマースやキャッシュレス決済の進展などにより、東京都への税収集中が一層進み、周辺自治体との行政サービスの格差は看過し得ない水準に拡大しています。
正に税源の偏在是正は待ったなしです。
他方、特別法人事業税及び特別法人事業譲与税に関する法律の附則第9条に「政府は法律の施行の状況を勘案し検討を加え、その結果に基づき所要の措置を講ずること」と明記されており、国には現状を的確に把握し、速やかに是正措置を行う義務がありますが、それは放置されております。
そのため、千葉県・神奈川県の知事と連携した国への要望など、私自身が先頭に立ち税源偏在の是正を訴えてまいりました。
その結果、令和8年度与党税制改正大綱においては、地方法人課税の偏在是正措置として現行の譲与税制度の拡充について検討し、令和9年度税制改正において結論を得る旨が明記されたところであります。
平成30年度当時、東京都の財源超過額が1.2兆円であったことなどを踏まえ、現行の譲与税制度が導入されたにもかかわらず、令和8年度の財源超過額は2.2兆円、平成30年度当時の約2倍にまで拡大をしており、国の責任において速やかに是正を図るべきです。
議員お話しの子育て施策の試算額は、東京都への税収集中を背景とした行政サービス格差を明らかにするためのファクトとしてお示ししたものであります。その一方、行政サービスの提供に必要であるからという理由だけで是正を求めても説得力に欠けると思います。そもそも公平な税制の在り方や、埼玉県における経済活動の結果もたらされる法人関係税が本社の所在する東京都に納められる等の不公正を明らかにし、この不公正を是正しなければならないと要望すべきものと考えております。引き続き、与党税制改正大綱に示された具体的な措置の確実な実施につき、あらゆる機会を捉え国に要望してまいります。
3 女性の健康について
(1)「女性の健康プロジェクト」を(知事)
Q 金野桃子 議員(県民)
女性の健康課題は、思春期、性成熟期、妊娠出産期、更年期、老年期とライフステージによって大きく変化します。一方、女性は自分の健康を後回しにしがちです。
本県の子宮頸がん検診受診率は38.2パーセントと全国平均を下回り、全国では令和4年から6年までの3年間に自殺で亡くなった妊産婦162人のうち、約7割が産後1年以内です。経済産業省の試算では、月経随伴症状、更年期症状などの女性特有の健康課題による経済損失は年間約3.4兆円に上ります。県では、妊娠出産支援、がん検診、更年期の啓発などライフステージに応じた施策を行っていますが、部局や制度ごとに個別施策を行うだけでは、どの年代にどのような支援の空白があるのか、また実際に検診や医療につながっているかを生涯を通じて捉えることは困難です。
そこで、女性の健康施策をライフステージに沿って整理、見える化し、年代ごとの健康課題や支援の空白、検診・相談へのアクセス状況を検証し、必要な施策につなげるとともに、保健医療、福祉、教育、産業労働などが部局横断で取り組む女性の健康プロジェクトを立ち上げ、生涯を通じて女性の健康を支える体制を構築すべきと考えますが、知事にお伺いします。
A 大野元裕 知事
議員お話しのとおり、女性はライフステージに応じて様々な女性特有の健康課題を抱えており、生涯を通じて女性が意欲と能力に応じて生き生きと活躍できる社会を実現するためには、それらの健康課題に対応した切れ目のない支援が必要だと思います。
そこで、県では、埼玉県地域保健医療計画の一部である健康長寿計画において、「ライフコースアプローチを踏まえた健康づくり」を基本方針の一つに掲げ、地域、学校、職域などの場を通じて、ライフステージに応じた健康づくりの取組を部局横断で支援しております。
思春期においては、小・中・高校や大学等と連携し、児童生徒、学生を対象として、妊娠・出産に関する正しい知識を身に付ける出前講座を実施しているほか、プレコンセプションケア相談センター埼玉、通称「ぷれたま」などの窓口で相談に対応しております。
成人期、高齢期においては、乳がんなど女性特有のがんに関する検診受診の啓発に取り組むほか、働く女性の健康に配慮した企業の取組の促進などに取り組んでいます。
また、各保健所においても、女性とその家族を対象に、妊娠、不妊、メンタルヘルスケア、更年期などの女性特有の健康問題に関する電話相談等を実施しております。
人口減少・超少子高齢社会の進展の中、本県が持続的発展を続けるために、女性活躍の推進は重要です。
現在の取組の中で対応ができるか否かも含め、生涯を通じて女性の健康を支える取組について健康長寿計画推進検討会議にも御意見を伺い、部局横断で議論してまいりたいと思います。
(2)高校生のためのユースヘルスケア・ユースクリニックの実施を(教育長、保健医療部長)
Q 金野桃子 議員(県民)
東京都では、産婦人科医が都立高校に出向き、性や身体に関する相談に応じるユースヘルスケアの取組に加え、必要に応じて診療につなげるユースクリニックが行われています。本県でも有志の産婦人科医などが手弁当で県立高校へ講座などを行っています。県教育委員会が医療関係者と学校との橋渡しや実施校の募集、広報、経費支援なども行い、まずはモデル校からでも埼玉版ユースヘルスケアを始められないか、教育長にお伺いします。
また、協力医療機関を募るなど、高校でのユースヘルスケアから地域の医療へ切れ目なくつなぐユースクリニックの仕組みを構築できないか、保健医療部長にお伺いします。
A 石川薫 教育長
高校生の身体的・精神的な健康の保持増進を図るためには、正しい知識の提供や支援体制を整備することが大切です。
県立高校では、学習指導要領に基づき、思春期を含めた生涯の各段階における健康について指導しており、産婦人科医や助産師による講演会を行っている事例もございます。
県では、発達段階に応じた性に関する指導を充実させるため、学識経験者を含めた検討委員会において、指導法の研究等を行っております。
引き続き、学校における効果的な「性に関する指導」の研究等を行うとともに、産婦人科医や助産師による講演会の開催を支援するなど、ユースヘルスケアの取組を進めてまいります。
A 縄田敬子 保健医療部長
高校生を含む若者が、年齢や発達に応じた性や健康の正しい知識を持つことは大変重要です。
県では、若者が性や健康の悩みを身近な地域で相談できるよう、適切な指導・助言ができる医療機関を県ホームページで公開しております。
また、市町村ではユースクリニックの取組が行われており、県では、市町村職員等の資質向上のための研修を実施しております。
引き続き、若者が性や健康の正しい知識を得られるよう取り組んでまいります。
4 県立高校の共学化について
(1)苦情申出に係る事実確認について(教育長、県民生活部長)
Q 金野桃子 議員(県民)
これまで我が会派からは、井上航議員、東松山市長に就任された松坂喜浩元議員、八子朋弘議員が共学化に反対、慎重の立場から質問をしてまいりました。前回の八子議員の質問に対する御答弁の中で、共学化を求める市民団体から、苦情申出人の情報は非公開であり憶測であったとの話があったとのことです。
第1に、ほかの団体からの要望書などにも、苦情申出人が当事者であるという事実確認が確認されていない記載があったか。その後、それらの団体から訂正の申入れなどがあったか、教育長にお伺いします。
第2に、令和4年4月の苦情申出には、県立の男子高校が女子であることを理由に入学を拒んでいると記載されていますが、令和4年度の入学者選抜に際し、実際に女子中学生から県立男子高校への受験あるいはその反対の受験を希望する申出や相談があり、性別を理由として受験を認めなかった事実があったか。
また、同年度に限らず、それ以降、県内12の男女別学校において、自身の性別と異なる学校への入学を希望する申出や相談が県教育委員会及び学校に寄せられた事実はあったか、教育長にお伺いします。
第3に、埼玉県男女共同参画苦情処理委員が勧告書を求める過程や、県教育委員会が勧告書に対する措置報告書をまとめる過程において、申出や相談の有無を確認したか、県民生活部長及び教育長にお伺いします。
A 石川薫 教育長
まず、他の団体からの要望書等において、苦情申出人を当事者とする記載があったかについてでございます。
他の団体からの要望書等に、「高校入学を希望する生徒からの思いを受けての勧告」という記載がありましたが、その生徒が当事者であることについての記載はありませんでした。
また、当該団体から訂正したいとの申入れはございませんでした。
次に、自身の性別と異なる別学校への入学希望の申出等の有無についてでございます。
令和4年度入学者選抜において、県教育委員会及び学校に入学希望の申出等はなく、性別を理由として受検を認めなかった事実もございませんでした。
また、それ以降の男女別学校の入学者選抜においても、同様の申出等が寄せられた事実はございません。
次に、「勧告書に対する措置報告書」をまとめる過程における申出等の有無の確認をしたかについてでございます。
自身の性別と異なる別学校への入学を希望する申出や相談の有無については、男女別学校へは毎年度確認をしておりますので、措置報告書をまとめる過程において、改めて確認はしておりません。
A 横内ゆり 県民生活部長
苦情処理委員は、県が実施する男女共同参画の推進に関する施策などに対する県民からの苦情等の申出について調査・検討を行う、第三者機関であり、県はその調査過程に関与する立場ではございません。
したがいまして、お尋ねの申出等の有無の確認について回答することは適切ではないと考えております。
(2)県内市町村議会で議決された意見書等への認識は(教育長)
Q 金野桃子 議員(県民)
県内市町村議会において、私の地元である戸田市議会をはじめ、令和8年6月末時点で、上尾市議会、富士見市議会、羽生市議会、東松山市議会、春日部市議会、吉川市議会、伊奈町議会などから県立高校の共学化について、当事者である子供の声を聞くよう求める趣旨の意見書が相次いで議決されています。共学化について、過去このように同趣旨の意見書が複数の市町村議会から提出されたことはあったか。その上で、教育委員会はこのことをどのように受け止め、今後主体的、積極的に子供の声を聞いていくのか、教育長にお伺いします。
A 石川薫 教育長
把握している限りでは、令和6年度の措置報告書以前に共学化に関して、複数の市町村議会から意見書が提出された事例はございません。
今回、複数の市町村議会から意見書が提出されたことは、在校生や進学を目指す生徒の意見を丁寧に把握しながら、検討を進めるべきとの御意見として、重く受け止めております。
男女別学校、共学校には多様なニーズがあることから、引き続き共学化に当たっては、県民の意見を丁寧に伺ってまいります。
5 県立学校の給食について(教育長)
Q 金野桃子 議員(県民)
県立学校の栄養士の先生から、給食に関する課題を伺いました。
第1に、給食の提供能力について。
今回、全面改築が決定した和光南特別支援学校では、児童生徒数が当初想定していた給食提供数を超えていたと伺いましたが、ほかの県立学校でも同様の状況がないか、実態を調査できないか、教育長にお伺いします。
第2に、給食費について。
生活保護世帯の小・中学生の給食費は教育扶助の対象で、保護者を介さず、学校、地方公共団体等への直接支払いや代理納付が可能です。一方、高校では給食費が同様の扶助の対象ではないため、保護者が給食費を支払わずに給食を食べられない生徒がいると伺いました。本来的には国の制度改正が必要だと考えますが、県として、まずは県立高校での実態を把握し、市町村の福祉部局など関係機関とも連携して必要な対応を検討すべきと考えますが、教育長にお伺いします。
A 石川薫 教育長
まず、県立学校の給食の提供状況について、実態を調査できないか、についてでございます。
学校給食は、児童生徒の心身の健全な発達に資するものであり、重要な役割を果たすものです。
県では、児童生徒へ学校給食が提供できなくなることがないよう、実態について調査を実施しており、必要に応じて、施設の改修や設備の更新などの対策を進めております。
議員お話しの和光南特別支援学校においても、調理室の改修や調理機器の追加整備などの対応を行いました。
現在、全ての県立特別支援学校で児童生徒に学校給食を提供できておりますが、引き続き、給食の実施状況について調査を行い、調理室の状況なども含めた学校の実態を丁寧に確認してまいります。
次に、県立高校での実態を把握し、市町村の福祉部局等関係機関と連携して必要な対応を検討すべき、についてでございます。
県立高校の学校給食は、定時制の夜間課程において学ぶ生徒の身体の健全な発達に資する重要なものと捉えています。
県では、現在、学校給食に関する調査を実施しており、その中で給食を食べていない生徒の数は把握しておりますが、食べていない理由について、詳細には把握できていないため、今後、プライバシーに配慮しながら実態把握に努めてまいります。
その上で、必要に応じ、市町村の福祉部局等関係機関との連携も含めて対応できるよう、学校を支援してまいります。
6 工業高校の充実について(知事、教育長)
Q 金野桃子 議員(県民)
AIが急速に進展する一方、上下水道、建築、土木など現場で社会インフラを支える仕事の重要性が高まっています。先日の八潮市道路陥没事故を教訓に、こうした人材を県内で育成していくことは極めて重要です。
一方、工業高校の志願倍率は低迷し、上下水道インフラについて専門的に学ぶ学科は、県立工業高校にも県立高等技術専門校にも県内の専修学校にもないとのことです。現在、県では今後の高校教育改革について検討を進めていますが、これを機に社会インフラを支える人材の育成を工業高校の重要な役割と位置付け、インフラ分野を専門的に学ぶ教育内容の充実や県産業界と連携した実習、インターンシップなどを通じて積極的に人材育成に取り組むべきと考えますが、教育長にお伺いします。
また、社会インフラを支える人材の育成を県全体の政策課題と捉え、県内の関連産業への就職を目指す高校生の奨学金など、担い手確保を後押しする支援策を検討できないか、知事にお伺いします。
A 大野元裕 知事
本県は、激甚化・頻発化する自然災害など危機への対応という歴史的課題に直面しており、県民の安心・安全を支える建設業の将来にわたる担い手確保は喫緊の課題と考えます。
県では、「強い経済の構築に向けた埼玉県戦略会議」の下に「人手不足対策分科会」を設けており、建設分野における将来の担い手確保に向けても、建設業団体を含む関係者と連携して取組を進めています。
具体的には、県ホームページに「建設業の魅力発見ポータルサイト」を開設し、高校生の入職支援、就職面接会やセミナーの開催を紹介するほか、動画、パンフレットも掲載しております。
さらに、県も含めた産官学で構成する「埼玉県建設産業担い手確保・育成ネットワーク」においても、建設業の魅力発信や若者の入職支援・促進を目的として、高校生等を対象に、現場見学会や出前講座の開催、インターンシップの支援などを行っています。
また、これらの取組と併せて、官民連携により建設業の働き方改革や建設DXを進め、建設業界全体の魅力を高める取組も行っているほか、奨学金返還支援を行う企業に対し補助を行うなどの取組も進めております。
議員お話しの高校生への奨学金の在り方については、不断の検討を行う必要がある一方、教育委員会や関係団体とも連携し、関連する建設業等の担い手確保のボトルネックが奨学金であるかを含め、検討してまいります。
A 石川薫 教育長
工業高校では、建築・土木などの専門学科を設置しており、社会インフラを支える人材の育成において、重要な役割を担っていると認識しています。
各校では、道路整備や通信設備に関する実習など、産業界と連携した実践的な学びに取り組むとともに、県では、水道業などインフラ産業を含むインターンシップの実施を推進しています。
今後、高校教育改革の先導拠点である熊谷工業高校では、建築・土木・電気・機械・情報技術の各学科が連動した工業教育モデルを構築してまいります。
このモデルを他の工業高校にも展開し、教育内容の充実を図ることで、社会インフラを支える人材の育成という工業高校の役割を果たせるよう取り組んでまいります。
7 専修学校等への支援など、職業教育の充実について(知事、教育長、総務部長)
Q 金野桃子 議員(県民)
会派で県内の私立専修学校の先生方とお会いし、専門学校、高等専修学校では約2万2,000人が学び、県内産業を支えている状況を伺いました。
第1に、今後、埼玉県教育振興基本計画において、「大学等」としている箇所を「大学、専門学校等」とするなど、専修学校を高校との連携先として明確に位置付けるべきと考えますが、教育長にお伺いします。
第2に、私立学校助成審議会学校関係者委員について。
専修各種学校関係者が幼稚園などほかの学種に比べて1名少ないことから、幼稚園、中学・高校、専修学校、各種学校など、それぞれの教育現場の声が反映されるようバランスのとれた委員構成にすべきと考えますが、知事にお伺いします。
第3に、私立学校運営費補助は、全日制高校が生徒1人当たり約36万9,000円に対し、高等専修学校は約8万6,000円であり、父母負担軽減事業補助のうち授業料を除いた施設費等納付金と入学金への補助については、全日制高校が約42万3,000円に対し、高等専修学校は対象外です。いずれも中学校卒業後の進学先であり、職業教育を通じて社会を支える人材を育成しているにもかかわらず、支援には大きな差があります。こうした格差を是正すべきと考えますが、知事にお伺いします。
第4に、職業実践専門課程への加算については、令和4年度の特別地方交付税措置後も県単独で負担する額を維持すべきと考えますが、総務部長にお伺いします。
A 大野元裕 知事
本審議会は、私立学校に対する助成の更なる適正化及び効率化を図ることを目的として設置されており、委員は「埼玉県私立学校助成審議会管理運営要綱」の規定により、学識経験のある者、県議会の議員及び私立学校関係者から選任し、私が委嘱をしております。
さらに、私立学校関係者の構成人数については、補助金の総額や生徒数などの規模に応じて、学校種別ごとに決定をしております。
議員お話しのとおり、現在、専修各種学校関係の委員は一人しか選任されておりませんが、審議会の場では、他の委員と同様に、御自身の学校種別を代表した貴重な御意見を多数賜っているところであります。
そのため、現時点において、私立学校関係者の構成人数について、先程申し上げましたとおり、補助金の総額や生徒数などの規模に応じて決定された現在の構成人数について、特段課題があるとは考えておりませんが、引き続き、審議会の運営状況を踏まえながら、適切な委員構成を検討したいと思います。
最後に、高等専修学校に対する私立学校運営費補助及び父母負担軽減事業補助についてであります。
まず、私立学校運営費補助について、全日制高校は、国からの標準費として国庫補助金に加えて地方交付税措置がされ、補助単価に対して全額財政措置が講じられております。
他方、高等専修学校への補助については、国庫補助の対象とはなっておらず、現在その全額を県単独で補助をしているところであり、このような現状を踏まえると、大幅な増額は難しいところであります。
県ではこれまで、県が行う高等専修学校への運営費補助についても国庫補助の対象とするよう国に要望を行っており、引き続き、機会あるごとに国に要望したいと思っています。
また、施設費等納付金や入学金に対する県独自の父母負担軽減事業補助については、財源に限りがある中、現在は、対象となる生徒数を考慮し、主に県内の私立全日制高等学校に通う生徒について世帯年収に基づき補助しているところであります。
高等専修学校に通う生徒への施設費等納付金や入学金の補助については、その財源も含めて、引き続き検討したいと思います。
A 石川薫 教育長
県立高校では、職業教育の充実のため、企業や大学、専修学校などと連携した取組を実施しています。
例えば、大宮科学技術高校では、専修学校である日本航空大学校と協定を締結し、専門施設を使った航空エンジンの組立て実習などを行い、産業人材の育成を進めております。
このような取組は、第4期埼玉県教育振興基本計画では、専修学校を含め、大学や研究機関などとの連携として位置付けております。
次期計画の策定に当たっては、専修学校との連携をより明確にするよう検討してまいります。
A 三橋亨 総務部長
国は、平成26年度から企業等と連携し実践的な職業教育を行う学科を「職業実践専門課程」として認定しており、本県では、平成30年度から私立学校運営費補助事業におきまして、認定校に対する独自の加算を行っております。
この結果、認定数は平成29年度の28校57学科から、令和8年4月には34校65学科まで増加しております。
令和4年度からは加算額の2分の1が特別交付税の算定項目となっておりますが、議員御質問の特別交付税措置後も県単独の負担額を維持することにつきましては、加算措置の増額効果などを見極めるとともに、私立学校助成審議会の意見も踏まえながら、必要性について検討してまいります。
再Q 金野桃子 議員(県民)
父母負担軽減事業補助のうち、授業料を除いた施設費等納付金と入学金への補助については、全日制高校が約42万3,000円に対し、高等専修学校は対象外である点について、御答弁の中では生徒数によるとのことでした。確かに財源に限りはありますが、人数の多いところには補助をして、人数の少ないところには一切補助をしないというのであれば、公平性の観点から疑問が残ります。公正な制度構築についてどのように考えているのか、改めて知事に伺います。
再A 大野元裕 知事
私、先程の御答弁をさせていただきました際に申し上げましたけれども、人数が少ないので補助をしないというお話をしたつもりはございません。
改めて御答弁をさせていただきますと、国が全日制の私立学校に対する補助を行っている一方で、高等専修学校への補助については、国庫補助の対象となっておらず、その全額を県単独で補助をしているところであり、このような現状を踏まえると、大幅な増額というものは、困難であると申し上げたつもりでございます。
もちろん、様々な形で補助を設けることは望ましいと思いますけれども、我々といたしましては、財源を含めて、改めて検討する必要があると御答弁させていただいたつもりでございます。以上です。
再々Q 金野桃子 議員(県民)
先ほどの知事の御答弁の中では、国の国庫負担があったというお話ございましたが、1回目の御答弁、そのことは私立学校運営費補助の件でありまして、私が今回お伺いいたしましたのは、父母負担軽減事業補助のうち、授業料を除いた施設費等納付金と入学金への補助についての是正についてでございます。その点お間違いないか、改めて御答弁をお願いいたします。知事に伺います。
再々A 大野元裕 知事
まず、お詫びを申し上げますけれども、先程の答弁は、運営費補助に関してでございました。再質問にございました、入学金や施設費等納付金に対する答弁ではございません。
そこは、お詫びをして訂正をさせていただきますけれども、この施設費等納付金や入学金に関しましても、全日制高校も同じですけれども、国庫負担がなされていないところでございますので、この財源を含めてですね、この点については検討させていただきたいと思います。
8 コミュニティソーシャルワーカーについて(福祉部長)
Q 金野桃子 議員(県民)
県内の女性から、お子様の小児慢性特定疾病について御相談を受け、県立小児医療センターのメディカルソーシャルワーカーの方につなぎました。しかし、退院後、再び御自身で市役所各課や学校、保育園、教育委員会などと調整をしなければならず、大変な思いをされたそうです。その後、社会福祉協議会でコミュニティソーシャルワーカーと偶然出会い、伴走支援を受けて大変助かったと伺いました。
コミュニティソーシャルワーカーは、法律上の資格ではなく、地域によって名称や取組も異なります。
そこで、第1に、県内のコミュニティソーシャルワーカーや同様の役割を担う方の配置、取組状況を把握できないか。
第2に、メディカルソーシャルワーカーと地域のコミュニティソーシャルワーカー等との連携を進め、退院後も切れ目なく地域の支援につなげる仕組みをつくれないか。
第3に、コミュニティソーシャルワーカーがいない地域や配置が1人の場合、市町村を越えて連携できる体制づくりを県社会福祉協議会などと進められないか、併せて福祉部長にお伺いします。
A 岸田正寿 福祉部長
まず、コミュニティソーシャルワーカー等の配置や取組状況の把握についてです。
県では、令和8年5月に県内市町村のコミュニティソーシャルワーカーの配置状況を調査しました。
その結果、コミュニティソーシャルワーカーという名称に限らず、地域の高齢者や生活困窮者等からの相談に対応し、必要な支援機関につなぐ役割を担う職員が36市町に配置されていることを確認しています。
今後、取組事例を収集し、情報提供を行うなど、市町村による包括的な支援体制の整備を後押ししてまいります。
次に、メディカルソーシャルワーカーとコミュニティソーシャルワーカー等との連携を進めることについてです。
医療機関のメディカルソーシャルワーカーは、患者御本人が地域で安心して生活できるよう、必要に応じて、居住地の市町村へ情報提供しています。
市町村では関係部署で情報を共有し、地域の実情や個々のケースに応じて福祉サービスなどの地域資源につないで支援しています。
退院後、福祉的支援が必要な方に、医療と福祉の切れ目ない支援を提供するためには、コミュニティソーシャルワーカーとメディカルソーシャルワーカー、市町村の関係者等が連携していくことが重要であり、今後、研修の場などを通じてさらなる連携が進むよう取り組んでまいります。
次に、市町村を越えて連携できる体制づくりを県社会福祉協議会等と進めることについてです。
コミュニティソーシャルワーカーは、配置や活動状況が市町村ごとに異なり、配置されていない市町村や、1人で市町村全域を担当している場合もあります。
このような中、地域や所属を越えて、コミュニティソーシャルワーカー同士が情報交換を行い、事例などを共有することは意義があるものと考えます。
県では、県社会福祉協議会と連携し、コミュニティソーシャルワーカーをはじめ地域づくりの担い手が集まる研修等の機会を活用し、ネットワークづくりや好事例の共有を進め、地域福祉を支える人材育成を支援してまいります。
9 保育士、福祉人材確保について(福祉部長)
(1)地域限定保育士試験の実施を
Q 金野桃子 議員(県民)
地域限定保育士制度は、保育人材の確保に集中的に取り組むため、令和7年10月に児童福祉法上創設された制度で、筆記試験合格後、保育実技講習会を修了することで実技試験が免除され、地域限定で勤務できます。令和8年8月時点で、千葉県、神奈川県など1府11県で実施されています。県内で保育士を目指す方からも埼玉県での実施を求める声が上がっており、本県で実施できないか、福祉部長にお伺いします。
A 岸田正寿 福祉部長
現在、本県では地域限定保育士試験を取り入れておりません。
その理由は、本県では保育士試験を年2回実施し、十分な受験の機会を確保していることや、地域限定保育士試験は、実技試験が講習会に代替されることから、保育所等から保育における質の担保を懸念する声もあるためです。
他方、本県では、潜在保育士が一定数存在し、3年以内で退職される保育士の割合も48.6パーセントと高い水準です。
そこで、まずは、保育士資格を有する方の就職や定着を推進する施策を最優先に力を入れて取り組んでいます。
地域限定保育士試験については、他県の実施による効果等を見極め、研究してまいります。
(2)福祉人材の公的マッチングの強化を
Q 金野桃子 議員(県民)
県内で保育所や介護施設等を運営する方々から、人材紹介会社へ支払う紹介料が1人100万円弱、年間数百万円に上ることもあると伺いました。この問題については、本日、午前中に鈴木まさひろ議員も取り上げられました。県には、埼玉県保育士・保育園支援センターや埼玉県福祉人材センターがあり、無料でマッチングをしています。それにもかかわらず、なぜ保育所や介護施設などは高額な紹介料を支払い、民間の人材紹介会社を利用するのでしょうか。紹介料を軽減できれば、職員の処遇改善や施設環境の充実に充てることもできます。
そこで、民間の人材紹介会社が利用される理由を分析し、SEO対策やウェブ広告の強化、保育士試験合格者への登録案内など、登録者への迅速かつ積極的な求人紹介など、公的なマッチングの認知度と利便性を高めるべきと考えますが、福祉部長にお伺いします。
A 岸田正寿 福祉部長
民間の人材紹介会社では、求職者に直接積極的にアプローチをして早期のあっせんが期待できることなどから、利用が進んでいると考えております。
他方、県の保育士・保育園支援センターなどの公的支援センターでは、日ごろから、地域の保育所や介護施設等と密な情報交換を行っており、施設の特色や求める人材像などを詳細に把握しています。
こうした強みを生かして、求職者との丁寧なマッチングとともに、就職後も勤務状況等を確認し、定着できるよう支援しています。
今後、公的マッチングの認知度と利便性を高めるために、容易に検索されるようにホームページの改善を図る他、SNS等による求人情報の提供や広報強化、保育士登録された方へのダイレクトメールの送付などにより、さらなる利用拡大に努めてまいります。
10 「ほじょ犬」の理解促進について(福祉部長)
Q 金野桃子 議員(県民)
補助犬とは、身体障害者補助犬法に基づき、訓練認定された盲導犬、介助犬、聴導犬の総称です。本日は、補助犬ユーザーの方々が補助犬と共に議場に傍聴にお越しくださっています。どうもありがとうございます。
こちらのほじょ犬マークは、補助犬への理解を広げるためのシンボルマークです。先日、県営施設等で同マークが掲示されていないところがあるとの御意見を頂き、確認したところ、掲示のない公共施設が見受けられました。
第1に、県では約5年前に県有施設へ補助犬ステッカーを配布したと伺っていますが、改めて掲示状況を確認し、必要な施設へ配布できないか。また、市町村の意向を確認し、希望する全ての市町村へ配布できないか。
そして、第2に、補助犬ユーザーからは、現在も入店拒否や乗車拒否等があると伺っています。こうした受入れ拒否を減らすため、現在、郵便局や銀行、飲食店等に対し、補助犬への理解と適切な受入れを県から積極的に働き掛けるとともに、県主催のイベントなどで関係団体と連携し、県民が補助犬について理解する機会を増やせないか、併せて福祉部長にお伺いいたします。
A 岸田正寿 福祉部長
まず、県有施設の「ほじょ犬」ステッカーの掲示状況と施設への配布についてです。
補助犬ユーザーが公共施設などを利用する際、施設側には、身体障害者補助犬法に基づき、補助犬の同伴を受け入れる義務があります。
国では、この補助犬法の普及を図るため「ほじょ犬マーク」が描かれたステッカーを作成しており、県の施設でこのステッカーの掲示を広めていくことが、補助犬への理解促進を図る上で有効であると考えます。
県では、令和3年度に、ステッカーの掲示を希望する施設にステッカーを配付していましたが、それから5年経過していることを踏まえ、本年6月に改めて県の施設136か所にステッカーの掲示状況を調査しました。
その結果、ステッカーを掲示している施設は79か所、掲示していない施設が57か所でした。
今後、掲示していない施設に対してステッカーを配付し、全ての施設で掲示するよう求めてまいります。
次に、市町村へのステッカー配布についてです。
補助犬についての理解を広めていくためには、より県民に身近な市町村の施設にステッカーを掲示していただくことも重要と考えます。
そのため、全ての市町村にステッカーの趣旨を改めて周知するとともに、ステッカーを配布し、市町村の施設に掲示するよう働き掛けてまいります。
次に、県民が「ほじょ犬」について理解する機会を増やすことについてです。
盲導犬や聴導犬などの補助犬を連れた障害者が入店を拒否され、自立と社会参加の機会を奪われるようなことがあってはならないと考えます。
県では、ホームページや広報誌、浦和レッズのホームゲーム等のイベントなどを通じて補助犬についての普及啓発に取り組んでおります。
また、入店のトラブルは飲食店で起こることが多いため、飲食関連事業者が集まる総会で、補助犬の訓練施設を運営する団体と連携し、研修会を実施しています。
この研修会では、補助犬の働きぶりのデモンストレーションをしながら、例えば、レストランで食事中はテーブルの下でおとなしく待っていたり、他のお客様の迷惑にならないことなどを実感していただきました。
引き続き、関係団体や民間事業者と連携し、補助犬への適切な対応が進むよう機会を捉えて働き掛けてまいります。
11 里親制度の充実について(福祉部長)
Q 金野桃子 議員(県民)
埼玉県では、児童養護施設で暮らす子供を週末や長期休暇などに家庭へ迎える埼玉フレンドホームを実施しています。養育里親などに比べて参加しやすく、子供たちが家庭で過ごす機会を増やすことにつながります。現在は里親登録者を対象に周知しているそうですが、ホームページやSNS、ポスター掲示などより広く周知し、受入れ家庭を拡大できないか。
また、里親になるためには基礎研修などの受講が必要ですが、本県では全て対面で実施されています。千葉県などでは、法定研修をオンラインで実施しており、仕事や子育てをしながらでも里親を目指しやすくするため、可能な研修をオンライン化できないか、併せて福祉部長にお伺いします。
A 岸田正寿 福祉部長
まず、「さいたまフレンドほーむ」の受入れ家庭の拡大についてでございます。
この事業は、児童養護施設で生活するこどもと里親をマッチングし、週末や夏休みなどの数日間、こどもに家庭生活の温かみを経験する機会を提供するとともに、その後も定期的・継続的に交流し、特定の大人との関係を築く機会も提供しています。
これまで、主に里親登録者に対して周知してまいりましたが、この事業を知ったことがきっかけで里親に関心を持っていただければ、里親登録者の拡大につながります。
さらに、こどもたちが家庭で過ごす機会を増やすことにもつながりますので、今後、この募集について県ホームページやSNS等でも広く周知してまいります。
次に、研修のオンライン化についてでございます。
里親の登録には、法で定められた研修の受講が必要であり、講義、演習及び実習の方法で行っております。
国の通知では、法定研修は単なる講義形式にとどめることなく、グループワークなどの演習や施設での養育実習を行うことを求めており、講義については通信の方法での実施も認められています。
本県では、講義と演習は同じ日に実施しているため、全て対面での研修となっております。
一方、千葉県や山口県では研修の一部をオンラインで行っていると聞いております。
仕事や子育てをしながらでも受講しやすくするため、一部だけでもオンライン化するなど多様なニーズに応える視点も重要です。
まずは、研修のうち講義については、オンライン研修を導入するよう取り組んでまいります。
12 AI時代の障がい者就労について(福祉部長)
Q 金野桃子 議員(県民)
以前、県内の障害者施設を視察し、利用者の方々が細やかな検品作業など、それぞれの得意分野を生かして働く姿を拝見いたしました。その後、AIの最先端技術を視察し、その精巧さに驚くと同時に、AIや機械化の進展により、これまで障害者就労が担ってきた定型的な反復作業が失われていくのではないかという危機感を覚えました。効率だけを考えれば、AIや機械でできる時代だからこそ、障害のある方が働くことの意義を意識した仕組みづくりが大切だと考えます。
例えば、毎年新学期に多くの保護者が100円均一ショップなどで買い求めるものがあります。それは雑巾です。一般社団法人埼玉セルプセンターによれば、雑巾を製作できる施設もあります。障害のある方が作ったものを地域の子供たちが学校で使うことは、障害のある方と子供たちとをつなぐ意義のある取組だと考えます。
そこで、学校などで使用する雑巾を障害者施設から調達する仕組みをつくるなど、単に発注額を増やすだけではなく、障害のある方の仕事を地域や社会とつなぎ、その価値が社会に伝わる取組を県として進められないか、福祉部長にお伺いします。
A 岸田正寿 福祉部長
議員お話しのとおり、障害のある方の仕事を地域や社会とつなぎ、その仕事の価値を社会に伝えることは重要と考えます。
県では、令和6年6月に「就労B型受注拡大ステーション」を開設し、この窓口を通じて、例えば、昼食の提供が困難な県立高校で就労継続支援B型事業所がパンや弁当を販売するなど、生徒と障害者が直接触れ合い、障害者が担う仕事の価値や役割を伝える機会を創出しています。
また、具体例として挙げていただきました雑巾についても、実際に生産している事業所がありますので、御要望があれば、学校などとマッチングすることも可能です。
今後も、障害のある方が働くことを通じて、地域や社会とのつながりを実感でき、その仕事の価値や役割が社会に広く理解されるよう取り組んでまいります。
13 県営住宅での入居者死亡時の残置物について(都市整備部長)
Q 金野桃子 議員(県民)
県営住宅において、例えば単身入所者が亡くなり、相続人と連絡が取れない場合などには、残された家財などを県が直ちに処分することができず、次の入居者を募集できない事例があります。国土交通省と法務省は、民間賃貸住宅において単身高齢者などが亡くなった場合に備え、賃貸借契約の解除や残置物の処理をあらかじめ第三者に委任しておく残置物の処理等に関するモデル契約条項を示しています。
県営住宅においても、このモデル契約条項の考え方を参考に、入居者死亡時の残置物取扱要綱の策定など、単身入居者などが亡くなった場合に残置物を円滑かつ適切に処理できる方策を検討すべきではないか、都市整備部長にお伺いします。
A 中村克 都市整備部長
本県の県営住宅では、単身の入居者が亡くなった場合、緊急連絡先への聞き取りや戸籍調査等を通じて相続人を特定し、残置物の処理をお願いしております。
議員お話しの残置物の処理等に関するモデル契約条項は、入居者死亡時の契約解除や残置物の処理に関する委任契約等をモデル化したもので、あらかじめ入居者や相続人等に契約内容などの十分な理解と同意を得るものとされております。
また、国土交通省からは、公営住宅での対応として、委任契約等の締結のほか、入居者の同意を得て事業主体が残置物の所有権を取得する方法などが示されております。
一方、これらの方法では、残置された現金や第三者所有のレンタル品の取扱いなど、容易に解決できない課題もございます。
さらに、県が残置物の所有権を取得する方法では、入居者の同意のみで法的に成し得るのかという懸念に加え、残置物の処理費用に係る公費負担の問題も生じます。
県といたしましては、モデル契約条項等に加え、他の自治体の取組などを参考にしながら、残置物取扱要綱等の策定を含め、研究してまいります。
14 県内ごみ処理場における火災について(環境部長)
Q 金野桃子 議員(県民)
令和7年1月には川口市の朝日環境センターで、令和7年7月には戸田市の蕨戸田衛生センターで火災が発生し、多大な被害が生じました。蕨戸田衛生センターでの火災は、モバイルバッテリーによる可能性が否定できないと報告されています。リチウムイオン電池による火災は、どこのごみ処理施設でも起こり得ます。特に、電池が内蔵された小型家電は電池の有無が分かりにくいことも多く、ほかのごみへの混入が課題です。
戸田市では火災後、ごみの展開調査により混入実態を把握し、小型家電の分別区分を不燃物から危険物へと変更するとともに、このようなリチウムイオン電池等改修袋を全戸配布することにより、混入率を減らした実績があります。
こうした事例を踏まえ、県内市町村におけるリチウムイオン電池などの分別処理状況を確認するとともに、火災の原因や再発防止策を県内市町村で共有し、同様の火災を未然に防ぐ取組を進めるべきと考えますが、環境部長にお伺いいたします。
A 竹内康樹 環境部長
ごみ処理施設におけるリチウムイオン電池やその内蔵製品の混入に起因する火災を防止するためには、議員お話しのとおり、適切な分別・収集・処理が重要です。
家庭ごみの処理は市町村が担っていますが、収集体制や処理施設の状況は市町村ごとに異なるため、それぞれの実情に応じた対策が必要です。
県では、各市町村の分別・処理方法や消火設備の整備、住民向け広報の状況などを確認するとともに、研修会などを通じて、火災の発生状況や火災防止に向けた取組事例などを情報提供しています。
本年11月には、火災事故のあった蕨戸田衛生センターで、県内市町村を対象とした研修会を開催する予定です。
事故現場の見学に加え、火災の発生状況やその後に講じられた再発防止策などについて、情報共有を図ることで火災の未然防止につなげてまいります。
今後も、火災事例について原因や再発防止策などの情報を収集・共有するとともに、必要な技術的助言を行い、火災事故防止に向けた市町村の取組をしっかりと支援してまいります。
15 交通違反検挙件数の多い箇所の把握・公表・対策について(警察本部長)
Q 金野桃子 議員(県民)
県警では、事件事故発生マップや取締り重点時間・場所一覧を公表していますが、交通違反検挙が多い箇所は公表されていません。違反の多発を事故の予兆として捉え、交通環境の改善に生かす視点も重要です。実際に、警視庁では交通違反多発箇所を公表し、運転者への注意喚起をしています。
そこで、警察本部長に伺います。
そもそも警察は、違反検挙箇所を把握しているのか。把握していないのであれば、その把握、公表を検討するとともに、違反検挙が多い箇所について、道路構造、標識、視認性などに原因がないか検証し、違反を予防する交通環境整備を進めるべきと考えますが、御答弁を求めます。
A 小澤孝文 警察本部長
交通指導取締りは交通事故発生状況の分析や地域住民などからの取締要望等を踏まえ、重点的に交通指導取締りを推進すべき違反種別や時間帯等を検討した上で実施しております。
県警察では、交通指導取締りの実施結果や効果を定期的に確認し、次期交通指導取締り方針に反映させるため、交通違反検挙の多い路線等を把握しております。
交通指導取締りの公表については、県下一斉取締りや各警察署取締重点場所等について県警察ホームページやXにより情報発信しておりますが、交通違反検挙の多い箇所は公表しておりませんので、今後の公表にあたっては、その効果・必要性等について慎重に検討してまいります。
また、交通環境の整備については、交通違反、事故を誘発させない道路構造となるよう道路管理者等と連携を図るとともに、標識・標示の視認性や設置状況も確認しております。
引き続き、道路管理者等の関係機関と連携し交通の安全と円滑を図るとともに、交通事故抑止に資する交通指導取締りを推進してまいります。
16 高速道路ネットワークの強化と渋滞対策について(県土整備部長)
Q 金野桃子 議員(県民)
現在、新大宮上尾道路の整備が進められる一方、外環道と首都高速5号池袋線、埼玉大宮線が接続する美女木ジャンクション周辺では、外環道の外回り、内回りともに慢性的な渋滞が発生しています。この問題については、我が会派の井上航議員が、かねてより課題意識を持っており、私も本県の高速道路ネットワーク全体の課題として取り上げたいと思います。
新大宮上尾道路の整備効果を最大限に生かすためにも、美女木ジャンクションがボトルネックとならないよう対策が必要です。また、渋滞に伴う追突事故を防ぐ視点も重要です。例えば、関係道路管理者と連携し、渋滞原因や将来交通量を踏まえ、分岐・合流部の車線拡幅や付加車線の設置、路肩などの有効活用など、構造的な対策が考えられます。併せて、カラー舗装や誘導表示の改善など、早期に実施可能な対策も働き掛けるべきと考えます。
高速道路ネットワークの充実は、渋滞緩和だけではなく、物流の効率化、災害時の道路ネットワークの強靱化にもつながります。県として、外環道の美女木ジャンクション周辺の渋滞をどのように認識し、その解消に向け関係機関にどのような働き掛けを行っていくのか、県土整備部長にお伺いします。
A 小島茂 県土整備部長
外環道を管理するネクスコ東日本では、これまでに渋滞対策として美女木ジャンクションから和光北インターチェンジ間の内回りにおいて、適切な走行速度を保つよう点滅ライトを設置しております。
さらに、川口東インターチェンジから川口ジャンクション間については、慢性的な渋滞が発生していることから、関係機関での協議の結果、内回りで付加車線による3車線化が進められると聞いております。
また、美女木ジャンクションでは、首都高やネクスコ東日本により、減速を促すマークや追突注意の路面標示のほか、夜間でも視認性が高い標識への変更など、安全な走行環境の確保に向けた対策を実施しております。
議員お話しの美女木ジャンクション周辺の外環道につきましても交通量が多く渋滞が発生しやすい箇所と認識しておりますので、外環道の状況を注視し、国や首都高、ネクスコ東日本が集まる会議等の場を通じて、引き続き渋滞対策について働き掛けてまいります。
17 笹目川の治水対策について(県土整備部長)
Q 金野桃子 議員(県民)
令和8年3月に笹目川が特定都市河川に指定され、6月には第1回笹目川流域水害対策協議会が開催され、流域水害対策計画の策定に向けた議論が始まりました。
第1に、今後、関係自治体や関係機関と連携し、笹目川流域の治水対策をどのように進めていくのか。
第2に、同協議会は報道機関を通じて公開され、会議後に資料や開催概要が公表されていますが、流域住民や関係者の関心も高いテーマであることから、今後の協議会について会議の公開方法や情報発信の在り方を見直すことはできないか、併せて県土整備部長にお伺いします。
A 小島茂 県土整備部長
この河川では、流域の市街化が進展し、令和元年東日本台風で大規模な浸水被害が発生しております。
このため、特定都市河川へ指定し、現在、県、関係市などで構成する流域水害対策協議会において、浸水被害を防止・軽減する対策を議論しており、令和8年度中の流域水害対策計画の策定を目指しております。
策定後は、県はポンプの増強などを進め、市や民間事業者は下水道整備や雨水貯留浸透施設などの対策に取り組み、あらゆる関係者が一体となって流域治水を推進してまいります。
次に「会議の公開方法や情報発信の在り方を見直すことはできないか」についてでございます。
協議会における審議内容は検討中の情報であることから、「原則として報道機関を通じて公開」としておりました。
協議会の透明性を確保し、地域住民の理解を得ることは大変重要でありますので、会議の公開方法も含め、議事録の公開等、情報発信の在り方について改善を検討してまいります。
18 地元問題について
(1)荒川水循環センター及び周辺環境の改善を(下水道事業管理者)
Q 金野桃子 議員(県民)
荒川水循環センターでは、水処理施設の一部に覆蓋、いわゆる蓋かけを行い、その上部を公園として活用しています。地元からは、覆蓋によって臭気が低減したとの声が上がる一方、現在も時折臭気が発生するとの声もあります。そこで、未覆蓋部分についても覆蓋化や密閉、吸引、脱臭など更なる臭気低減対策を検討できないか。また、同センターの周辺の県管理地について、天王橋から上流の県管理地までのさくら川沿いでは、樹木やツル性植物が繁茂している箇所も見受けられます。防犯や景観の観点から、適切な維持管理を行うべきと考えますが、下水道事業管理者にお伺いします。
A 北田健夫 下水道事業管理者
まず、荒川水循環センターの未覆蓋部分についても臭気低減対策を検討できないかについてでございます。
臭気低減対策については、水処理の初期段階である最初沈殿池及び反応槽において、臭気が発生することから覆蓋を設置し、活性炭等で脱臭しています。
一方、未覆蓋の最終沈殿池では、河川に放流する水質と同程度であり、近隣に影響を及ぼす臭気は発生していない状況です。
臭気測定は敷地境界3か所、周辺住宅地4か所で定期的に実施しており、全ての測定点で基準内にあるため、更なる臭気低減対策は現在のところ検討しておりません。
次に、さくら川沿いの天王橋から上流における県管理地の適切な維持管理についてでございます。
さくら川沿いでは樹木やつる性植物が繁茂している状況であり、国や戸田市の管理地も含まれていることから、改善に向けて、戸田市と協議を進めているところです。
今後、県管理地について樹木の剪定やつる性植物の除去などを行い、適切な維持管理に努めてまいります。
(2)県民に愛される県営戸田公園の再整備を(都市整備部長)
Q 金野桃子 議員(県民)
現在、国の地域未来交付金を活用し、県と戸田市が連携して戸田公園周辺整備賑わい創出プロジェクトを進めています。県は、公園東側出入口、観客席、遊具などを一体的に整備する予定です。現在の公園東側出入口は狭く、初めて訪れる方には県営公園の出入口であるということが分かりにくい状況です。今回の再整備に合わせ、県有地を活用し、戸田市と連携して分かりやすく開放的な出入口に整備できないか。また戸田市では現在、戸田公園について市民などが意見を出し合うワークショップを実施しています。そこで出された意見を県と戸田市で共有し、今回の公園整備に反映できないか、併せて都市整備部長にお伺いいたします。
A 中村克 都市整備部長
年間を通じてローイング大会が開催され、ボート競技の拠点として知られる戸田公園は、日常的にもボートの練習風景を見ることができるなど、ここでしか見られない魅力的な水辺の景観が広がっております。
この地域資源を生かし、更なるにぎわいや交流の創出を図るため、戸田市と連携して、令和8年度から戸田公園周辺整備賑わい創出プロジェクトに着手をいたしました。
県では、公園管理棟を活用して交流機能の強化を図るとともに、議員お話しの公園東側出入口の再整備などを行う予定です。
閉鎖的な雰囲気のこの出入口は、駅から徒歩で来る来園者にとって分かりにくい状況にあります。
また、出入口につながる市道は幅員が狭く、イベントの際には来園者が集中するなど通行に支障が生じることもございます。戸田市では道路の改修を予定しており、既に関係機関との調整に着手していると伺っております。
この戸田市道の両側は県の公園敷地となっております。市の道路改修にあわせ、樹木を伐採することなどにより開放性を確保するとともに、公園の入口であることが一目で分かるよう、デザイン性にも配慮したエントランス空間の整備を検討してまいります。
次に「ワークショップでの意見の反映について」でございます。
公園の魅力向上を図るためには、利用者や地域の関係者の声に丁寧に耳を傾け、ニーズを把握することが重要と考えております。
今回のプロジェクト推進に当たり、戸田市では令和8年9月28日に、市民、事業者、ボート関係者など多様な主体が参加するワークショップを開催し、これに県の担当者も出席をしております。
当日は活発な意見が交わされ、参加者から公園の良いところとして景観が良い、ボートを身近に感じられる、また、課題としてはこどもが遊べる遊具がない、といった御意見が出されました。
今後もこのワークショップに参加を続け、頂いた意見を市と共有し、プロジェクトの推進に反映してまいります。
多くの人々が集まり、まちづくりの核となるよう、地域の声を伺いながら、市と連携した公園整備を進めてまいります。
