令和元年台風15号の被害を踏まえて(知事)

Q 鈴木正人 議員(県民)

本県にも人的被害10名、強風による屋根の損壊15棟、床上浸水1棟などの被害を出した令和元年の台風15号でありますが、御承知のとおり千葉県においては直接被害を受けた9月9日未明から2週間以上経過した段階でも、大規模停電は8市町村、約2,300戸で続き、いまだに千葉市緑区や君津市など9地区、127件については復旧のめどが立っていないとのことであります。
この台風により、千葉県内で送電線2本と電柱84本が倒壊したほか、約2,000本の電柱が損傷していることが確認され、東京電力による9日午前8時のピーク時に約64万戸の大規模な停電が発生いたしました。驚いたことに、1週間以上経過した17日午後7時半時点でも6万戸余りで停電が続き、その後の復旧に時間を要したことによって、停電は異例の長期に及んだのが特徴であります。
その間、通信網が途絶した地域からは被害の報告ができず、状況が正確に把握できない状態が続いておりました。大切な水のライフラインでも、浄水場などから家庭に送るポンプが停電の影響で使えず、また高台にたまっていた水が減ったことなどから断水が発生したため、県知事から災害派遣要請を受けた自衛隊が給水車を派遣するという事態になりました。
森田知事も、12日の定例記者会見で情報収集などの遅れを認め、東京電力に不眠不休でやってほしいと発言したことが炎上する一方、県の災害対策本部から職員を被災地域に派遣していない事実も判明をしております。埼玉県も、9日の被害発生以降、千葉県に対して支援できることはないかと問い合わせておりましたが、4日経過した12日の夕方の段階まで、今は救援は必要としていない、千葉県も被災市町村から救援要請を受けていないので、県として要請を出していないということだったとも伺っております。
森田知事が、市町村では報告が遅れているところもあるので、県の職員を出そうと思っていると語ったのが停電から4日目の発言、報道陣から県が情報を収集し、支援を行っていくことが必要ではなかったかと問われると、大きな反省材料としてやっていかなければならないと、対応の遅れを認める形となりましたが、情報収集などの初動の遅れがライフライン復旧への混乱を招き、復旧を長期化させたという見方が広まっております。
大野元裕新知事におかれましては、国会議員時代から危機管理に関してのエキスパートとして人の命を守る政治を心掛けておりましたので、台風15号の被害を踏まえて、本庁と地域機関の危機管理体制についても早速検討を開始していると就任挨拶でも述べられております。
そこで、埼玉県では、台風15号被害での千葉県の対応の遅れなどの反省を踏まえて、2点ほど大野知事にお伺いいたします。
まず、埼玉県はようやく支援要請のあった9月13日から千葉県に職員を派遣していると伺っておりますが、今日までの本県から千葉県への支援の状況について、どのように貢献されてきたのかお伺いいたします。
次に、今回、多くの疑問の声や批判を浴びることとなった千葉県の対応ですが、客観的に振り返ってみて、どのあたりに問題があり、県のトップの指揮官として県の対応はどうすべきであったと考えるのか、本県にも多大な被害を与えかねない台風被害による大規模停電について、今後の備えをどうされるのかお伺いをいたします。

A 大野元裕 知事

「本県から千葉県への支援の状況について」でございます。
まず、台風15号により被災された皆様に心からお見舞いを申し上げます。
本県では被害の大きかった千葉県に対して、9月9日未明の台風直撃直後から人的・物的の両面から支援を行ってまいりました。
まず、人的支援でございますが、9月10日に災害派遣精神医療チームとして4人を、翌11日には災害派遣医療チームとして22人を派遣して被災した病院の状況確認や患者搬送などを行いました。
9月13日からは、全国知事会関東ブロックの代表として延べ8人の県職員を千葉県庁に派遣して、現地と関東各都県を結ぶ連絡調整役として任に当たっています。
例えば、ブルーシートの提供可能枚数を各都県に打診し、関東地方から1万4,000枚を千葉県内の市町村に提供する調整などを行いました。
また、同じ13日には総務省からの要請を受け、その日のうちに災害マネジメント総括支援チームとして3人を富津市へ派遣し、現在までに延べ7人が活動しています。
支援チームでは、災害対策本部会議などを通じて、災害対応について市長への助言や支援に関する連絡調整を行っています。
さらに、住宅被害認定調査を支援するため、県が県内の市町村と調整し、9月20日から12市町の職員12人を派遣しています。
翌21日からは、環境省からの要請により、県職員1人を同じく富津市に派遣し、仮置き場での災害廃棄物の仕分け指導などを担っています。
本県は、他県に先んじて職員派遣を行っており、懸命に支援をしてまいりました。
物的支援といたしましては、ブルーシート計6,000枚を埼玉県トラック協会に輸送の協力をいただき、富津市、八街市、多古町に提供しております。
自然災害の脅威は正に人ごとではありません。引き続き近隣都県と協力し、千葉県に対しできる限りの支援を行ってまいります。
次に、「大規模停電に向けた、本県の備えについて」のうち、千葉県の対応はどこに問題があり、どうすべきであったかについてでございます。
現時点までに報道されていることが事実であるならば、千葉県の対応は情報収集が十分にできず、被害状況の把握が遅れたことが一番の問題と捉えています。
仮に本県でこのような災害が発生し、通信が混乱した場合、まず、地上系、衛星系の防災行政無線、さらには衛星携帯電話といったあらゆる通信手段を活用しながら市町村の情報を得ることが重要で、改めて確認をさせたところでございます。
あわせて、災害発生時には、防災ヘリで上空から被害の全体像を把握するよう指示いたします。
さらに、大きな被害が見込まれる場合には、市町村にはプッシュ型で県職員を派遣し、県の災害対策本部との連絡調整を行わせたいと考えています。
次に台風被害による大規模停電への今後の備えをどうするのかについてでございます。
今回の千葉県の台風被害は、広範囲で長期に及ぶ大規模停電を引き起こし、電気だけでなく通信、水道と極めて重要なインフラ機能を停止させるなど生活全般に深刻な影響をもたらすことが改めて浮き彫りとなりました。
現在、長期間にわたる停電への備えとして、県庁をはじめとする県の防災拠点での電源の多重化や、石油連盟との覚書による公共施設や災害拠点病院など重要施設への燃料供給体制を整備しています。
また、電源車や発電機などを速やかに配備していただけるよう国との緊急連絡体制も整えております。
避難所の電源としての電気自動車活用についても、自動車会社と協議を進めております。
また、家庭や地域での備えも重要です。
各家庭に対しては、彩の国だよりやイツモ防災タウンページ、停電時に役立つ情報を盛り込む新たなマニュアルブックなどにより、水、食料のほか照明用ランタンなどを備える必要性を周知してまいります。
一方、地域では、災害時に助け合いの核となる自主防災組織に対し、発電機の整備を支援しています。
大規模停電に対しては、行政はもちろん、家庭、地域が一体となって備えることが大切であると認識しております。
さらに、今回、対応が遅れた倒木の処理など速やかな電力復旧を支援するための方策についても検討を進めてまいります。
今後行われる国や千葉県の検証結果も踏まえて、関係機関や専門家の意見も伺いながら、大規模停電への備えにしっかりと取り組んでまいります。

本県から千葉県への支援の状況について

大規模停電に向けた、本県の備えについて

豚コレラの発生に係る対応について(知事)

Q 鈴木正人 議員(県民)

去る9月13日、17日に秩父市及び小鹿野町において豚コレラが発生しました。この緊急事態に対し、県は予備費を活用し、殺処分等の防疫措置を速やかに実施していること、詳細に状況報告を行うなど、これまでの対応を高く評価するものであります。
しかしながら、収束宣言がいまだ出されていない現状、更なる感染拡大の防止策や発生養豚場への支援、風評被害防止等、県として取り組まなければならないことは山積しております。
そこで、まずお尋ねをいたします。
現時点での被害をどの程度と把握し、発生した農家への支援をどのように行っていくお考えなのでしょうか。
また、日々刻々と変わる状況に合わせ、今後も更なる人的、財政的な支援やワクチン接種に関して国への要望活動なども必要と考えますが、今後どのような対応を行っていくつもりでしょうか。補正予算を組まれているとも聞いております。大野知事には、危機管理対応の経験を生かして、埼玉県の畜産業を守る更なる対策を期待して知事にお伺いをいたします。

A 大野元裕 知事

現時点での被害の程度と発生した農家への支援についてでございます。
本県では、県内の養豚農場での豚コレラの発生が確認された後、豚コレラ緊急対策本部において、家畜伝染病予防法などに沿って豚の殺処分などを内容とする防疫方針を速やかに決定し、実施いたしました。
その結果、1例目の秩父市の養豚農場では924頭、2例目の小鹿野町の養豚農場では1,307頭、合計で2,231頭の豚の殺処分を行いました。
これらの豚については、養豚農家が出荷できなくなりましたが、家畜伝染病予防法においては、殺処分された豚の評価額について豚の所有者に対して国から手当金が交付されることとされています。
県としては、その評価額の算定に当たり、適切に処理をしてまいります。
次に、さらなる人的・財政的な支援やワクチン接種に関しての国への要望活動などの今後の対応についてでございます。
本県で2例目の豚コレラの発生が、9月17日に確認されたことなどを受け、私の判断で、急きょ、同日夕刻に農林水産省に対して要望活動を行ったところです。
その要望の中で、私からは、関東圏への感染拡大が非常に危惧されることや、今後の感染拡大などの事態の悪化を阻止するために必要な財政的・人的支援を講ずることを、農林水産省に対し強く求めました。
また、豚コレラのワクチン接種についても、そのメリット・デメリットなどを総合的に踏まえた、国としての考え方の早急の整理をお願いしました。
農林水産省は、9月20日に、予防的ワクチンの接種が可能となるよう特定家畜伝染病防疫指針の改定に着手することを決定いたしました。
本日の朝刊各紙で指針改定案について報道されておりますが、国において都道府県向けの会議が本日夕方に実施される予定と聞いております。
改定案をよく精査した上で適切に対応したいと考えております。
また、今議会において、感染予防・まん延防止のための各種対策、被害農家に対する経営支援策、消費者に対する正しい知識の普及・啓発などを含む補正予算案を、提案したいと考えておりますので、なにとぞ議会の御協力をよろしくお願い申し上げます。
本県としては、これ以上、感染区域を拡大させないという固い決意を持って、豚コレラの発生予防などの措置を的確に講じ、県内養豚業者などをはじめ県民の皆様の不安の解消に全力を挙げてまいります。

北朝鮮による拉致問題解決に向けた、上田県政の継承と大野知事の方針について(知事)

Q 鈴木正人 議員(県民)

埼玉県は、上田清司前知事初当選以降から、北朝鮮による拉致問題に対して積極的に支援をしてまいりました。上田前知事は、当選直後に、救う会埼玉が平成15年9月に初めて開催し、以後第10弾まで続いた拉致問題を考える埼玉県民の集いを皮切りに退任までの間、街頭署名活動やその他の集会など、合計58回、北朝鮮による拉致問題解決のための活動を積極的に行ってまいりました。平成20年には、北朝鮮による拉致被害者を救出する知事の会も結成され、2代目会長に上田清司前知事が就任いたしました。
大野新知事におかれましても、参議院議員時代に北朝鮮による拉致問題等に関する特別委員会の委員として活動され、知事選挙前や選挙期間中、そして当選後もブルーリボンバッジを着用し、拉致問題解決に向けた姿勢をしっかりと見せていただいていると思っております。
一方で、さきの埼玉県知事選挙において、私自身は大野知事が県民を主語とした県民党として戦っていたと認識しておりましたが、国政における与野党対決の構図ということがマスコミで多数報道されたことによって、北朝鮮による拉致問題解決に向けた過去の上田県政における積極的な取組が継承されないのではないか、最大の人権問題である北朝鮮による拉致問題の解決のないまま、人民を飢えさせ、ミサイルや核を開発し、力しか信じない独裁国家北朝鮮の影響を受けている朝鮮学校への県の補助金が再開されるのではないかとの心配の声が救う会埼玉や家族会の皆様などから上がっているのも事実であります。
大野知事におかれましては、地元川口からも拉致被害者や特定失踪者が多数出ており、拉致問題には真摯に取り組んでいただけると思いますが、大野新知事の北朝鮮による拉致問題解決に向けた対応と今後の方針について御所見をお伺いいたします。

A 大野元裕 知事

北朝鮮による拉致問題は、我が国の主権及び国民の生命と安全に関わる重大な問題であり、鈴木県議におかれても、この県議会の皆様とともに懸命に取り組んでおられたことについて、感謝を申し上げます。
政府においては、安倍総理がトランプ大統領へ働き掛け、米朝首脳会談において拉致問題が取り上げられました。
また、先月、フランスで開催されたG7(先進7か国首脳会議)で日本人拉致問題解決に向けて各首脳に働き掛け、理解と支持を得ました。
現在開催中の国連総会でも、金正恩委員長と直接向き合う決意を示しているところでございます。
日朝首脳会談開催の期待が高まっておりますが、これまでのところ拉致問題解決に大きな進展がないことは大変残念であります。
議員からは、北朝鮮による拉致問題解決に向けた積極的な取組が継承されないのではないか、朝鮮学校への県の補助金が再開されるのではないかと心配する声が上がっているとの御懸念が示されました。
拉致被害者御家族の高齢化が進み、その中には亡くなられたり、また、救出に向けた活動を続けていくことが難しい方も出てきております。
私は国会議員時代、「北朝鮮に拉致された日本人を早期に救出するために行動する議員連盟」に所属し、「北朝鮮による拉致問題等に関する特別委員会」の筆頭理事として拉致問題解決に取り組んでまいりました。
今月14日には、「拉致問題を考える埼玉県民の集い」に出席し、飯塚繁雄代表をはじめ御家族の皆様にお会いをいたしました。
私は、一刻も早い拉致被害者の救出を、という御家族の切実な思いを受け止め、決意を新たにしたところであります。
私がこれまで政治家として取り組んできた「人の命を守る政治」は、知事となった今日も変わることはありません。
拉致問題の早期解決に向けた活動など、上田県政が取り組んできたことをしっかりと継承し、進展させる覚悟でございます。

北朝鮮拉致問題啓発教材「めぐみ」と「横田滋・早紀江さんからのメッセージ」DVDの活用について(教育長)

Q 鈴木正人 議員(県民)

北朝鮮による拉致被害者救出活動に欠かせないのは、何よりも国民の世論であります。国民の世論や人の人生を一生奪う人権弾圧国家北朝鮮による拉致被害者を他人事でなく、我が身内のごとく真剣に考えて、救出を願う国民の理解がなければ、政府も本気で動こうとせず、拉致問題の解決は望めません。
しかし、平成14年に、まず拉致被害者5人が帰国し、その後、家族が帰国できましたが、既に17年の月日が経過し、その間、新たな進展がない中で、若い世代は北朝鮮による拉致問題すら知らない世代になっており、拉致被害者救出の街頭署名活動を行っていても、最近では若者たちの反応は薄いと感じております。
このような状況の中、最大の人権教育でもある北朝鮮による拉致問題について、若い世代に伝えることが重要であり、アニメ「めぐみ」や「横田滋 早紀江さんからのメッセージ」DVDが学校でしっかり活用されることが大切であると考えております。
産経新聞が調査した今年6月のアニメ「めぐみ」の教育現場での活用状況については、我が埼玉県は単年度として活用した学校数の把握ができておりませんでした。ただし、埼玉県の担当者は公立学校の担当者研修などで卒業までに一度は視聴するように呼び掛けている、全学年の生徒を集めて3年に一度の上映計画を立て、別年度に異なる教材を用いることも可能だと説明したとも報道されており、単なる活用率アップだけでなく、生徒たちが必ず1回は拉致問題啓発DVDを見て、人権教育を学ぶことができる環境づくりが私も大切であると考えております。
また、桶川西中学校では、全国で初めて北朝鮮による拉致被害者の横田めぐみさん(当時13歳)の両親のメッセージ動画を活用した公開授業が行われ、非常に有意義な授業が3年生の社会科の一環で行われましたが、こうした取組も広めていくべきだと考えております。
そこで、改めて確認いたしますが、アニメ「めぐみ」「横田滋 早紀江さんからのメッセージ」DVDの活用状況と活用率向上のための努力をどうされているのか、またDVDが配られてからの活用状況だけでなく、一度活用後も3年に一度の上映計画を立てて活用されているのか、最後に桶川西中学校での公開授業というすばらしい取組が他校に広がっているのかについて、小松教育長にお伺いいたします。

A 小松弥生 教育長

まず、拉致問題に関する啓発DVDの活用状況についてでございます。
DVDアニメ「めぐみ」のこれまでの活用率は、さいたま市を除く公立学校につきまして小学校98.2%、中学校99.4%、高校78.4%、特別支援学校62.8%となっております。
いずれも前年度と比較して2から7ポイント増加しております。
また、平成28年度に公立高校と特別支援学校に配付したDVD「横田滋 早紀江さんからのメッセージ」は、高校54.3%で、前年度と比較し12.2ポイント増、特別支援学校は39.5%で4.6ポイント増となっております。
次に、活用率を向上させるための取組についてでございます。
これまでアニメ「めぐみ」や「横田滋 早紀江さんからのメッセージ」などに係る教師用「指導の手引」を作成し、研修会などで授業での活用を働き掛けてまいりました。
さらに今年度の研修会では、桶川市立桶川西中学校での実践を紹介するなど、授業での積極的な活用を促したところです。
今後も様々な機会において、アニメ「めぐみ」や「横田滋 早紀江さんからのメッセージ」の活用についての好事例を提供し、活用を働き掛けてまいります。
次に、DVDの上映計画を立てて活用しているのかについてでございます。
県教育委員会といたしましては、各学校がDVDの視聴を指導計画に位置付け、児童生徒が卒業までの間に一度はDVDを使った学習が行われるよう、校長や人権教育担当者を対象とした研修会で周知しております。
次に、桶川西中学校での公開授業の取組が広がっているのかについてでございます。
桶川西中学校での公開授業の取組につきましては、今年度、様々な研修会で紹介いたしましたところ、積極的な問い合わせがいくつか寄せられております。
今後も、授業でのDVDの活用を働き掛けるとともに、拉致問題を人権教育にしっかりと位置付け、学習するよう、様々な機会を捉えて働き掛けてまいります。

児童相談所の体制強化について(知事)

Q 鈴木正人 議員(県民)

まず、新たな児童相談所の設置についてでありますが、全国的に児童虐待の事件が後を絶ちません。昨年3月には目黒区で結愛ちゃん(5歳)がノートに「もうおねがい、ゆるして、ゆるしてください」と書き残し、虐待死をいたしました。今年に入り、1月には野田市で心愛さん(10歳)が学校のアンケートに「お父さんに暴力を受けています。夜中に起こされたり、起きているときにけられたり、たたかれたりしています。先生、どうにかできませんか」と書いたにもかかわらず、虐待死いたしました。
こうした頻発する事件について、児童相談所の対応を批判することは簡単ですが、それでは問題の解決にはなりません。今、児童相談所は激増する通告件数の対応に追われ、疲弊状態にあります。県の児童相談所の通告件数は、平成25年度は4,255件でありましたが、5年後の平成30年度には1万2,597件と短期間で約300%増となりました。
一方で、児童福祉司は平成25年度、139人であったのが、30年度には162人と16%増にしか過ぎません。また、児童福祉司1人当たりの相談件数は73件で、全国で一番多い状況であります。これは危機的な状況と言わざるを得ません。
こんな状況でも、本県の児童相談所の職員は頑張っております。本県において悲惨な虐待事件を起こさないため、今求められているのは児童相談所の新たな設置だと思います。今年の4月に越谷児童相談所、草加支所を格上げし、県内7カ所目の児童相談所が設置されました。これに引き続き、新たな児童相談所を管内人口の多い川越児童相談所と所沢児童相談所の管内区域を見直すなどして、我が県南西部地区に設置すべきであると考えております。
知事は、日本一暮らしやすい埼玉を実現する政策集2019の中で、相談件数の多いエリアでの児童相談所整備を進めますと公約をしております。児童相談所は、設置しようと思っても、土地の取得、建設、人員の確保など一定の年数を要するものであります。1年や2年でできるものではありません。速やかな英断が必要であります。知事の決意とお考えをお伺いいたします。
次に、職員の増員についてでありますが、国では東京都目黒区で発生した事案を受けて、平成30年12月に児童虐待防止対策体制総合強化プランを策定し、児童福祉司の数について国の配置基準を見直しました。平成29年度時点での全国に3,240人いる児童福祉司について、令和4年度には5,260人へと2,020人増員することとしております。児童福祉法施行令も改正され、人口4万人当たり児童福祉司1人の配置だったのが、3万人当たり1人の配置となりました。相当の数の児童福祉司を採用し、配置しなければなりません。首都圏の都県でも同様に採用を拡大することが必至であります。
こうした中、知事は本県の児童福祉司の増員についてどうお考えなのか、またどのように職員の育成を図っていくのかお伺いをいたします。

A 大野元裕 知事

児童相談所の設置についての決意と考えについてでございます。
増加する虐待通告に迅速に対応し、子供の安全を確保するため、児童相談所の体制強化に努めています。
令和元年度は児童福祉司を35人、児童心理司を7人増員するとともに、県内7カ所目となる草加児童相談所を新たに設置いたしました。
平成30年度の全国調査によれば、全国の児童相談所の管内人口の平均は58万9,000人となっています。
本県で管内人口が全国平均を下回っているのは草加児童相談所のみで、川越児童相談所と所沢児童相談所にあっては、それぞれ110万人を上回っており、平均の約2倍に及んでいます。
また、議員ご指摘のとおり、埼玉県の平成30年度の児童福祉司1人当たりの相談対応件数は73件であり、全国平均の49件と比べ突出しています。
議員からは、児童相談所の設置について大変重要なご指摘をいただきました。
私は、子供を虐待から守るためには、児童相談所のさらなる設置が必要であると考えています。
今後、管内人口や相談対応件数などを丁寧に分析し、新たな児童相談所の設置を早急に検討してまいります。
次に、児童福祉司の増員についての考えと職員の育成についてでございます。
児童虐待に迅速かつ適切に対応していくためには、児童福祉司の増員が不可欠です。
国の新しい配置基準によると、本県の児童福祉司は現在の197人から令和4年度までに379人へと、182人増員する必要があります。
国全体では2,020人の増員が必要とされており、他の自治体においても同様に採用を拡大することから、人材の確保は難しい状況です。
社会福祉士、精神保健福祉士など民間での業務経験者の採用拡大や、関東近県の福祉系大学を所長や担当職員が直接訪問し、学生に対して本県への受験を勧奨する取組を充実してまいります。
また、一般事務職のうち、児童福祉司に発令可能な者の活用を進めます。
こうした様々な方法により、児童福祉司の増員を図ってまいります。
職員の育成については、近年の採用拡大により、経験年数の短い職員が多くなっていることから大きな課題の一つとなっています。
そこで、職位ごとの研修、重大事案の検証や弁護士を講師とした法的対応を学ぶ研修などを充実させ、職務遂行能力の向上を図ってまいります。
加えて、若手職員が経験豊富な先輩職員の家庭訪問に同行するOJTを実施するなど、きめ細やかな人材育成に取り組んでまいります。
未来の宝である子供たちを虐待からしっかり守り、健やかに成長できるよう児童相談所の体制強化に全力で取り組んでまいります。

2020年オリンピック・パラリンピックを前に、国旗、国歌の成り立ちや国歌の意味を小・中学校の授業でしっかり教えているのか(教育長)

Q 鈴木正人 議員(県民)

平成11年8月の国旗・国歌法制定により、国旗は日章旗とする、国歌は君が代とすると定められ、当時の小渕総理大臣も法制化を契機として、「国民の皆様方が日章旗の歴史や君が代の由来、歌詞などについて、より理解を深めていただくことを願い、学校教育においても国旗と国歌に対する正しい理解が促進され、我が国のみならず、他国の国旗と国歌についても尊重する教育が適切に行われることを通じて、次代を担う子供たちが国際社会で必要とされているマナーを身に付け、尊敬される日本人として成長することを期待しております」と述べられており、大いに賛同するものでありますが、法律制定から20年の月日がたち、国旗、国歌に対する正しい理解が進んだのかと考えると、いささか疑問なのであります。
学習指導要領の小学校音楽科では、国歌「君が代」について、「いずれの学年においても歌えるように指導すること」となっていて、学習指導要領解説では「児童が将来、国際社会において尊敬され、信頼される日本人として成長するためには、国歌を尊重する態度を養うようにすることが大切である。国歌の指導に当たっては、国歌「君が代」は日本国憲法の下において日本国民の総意に基づき、天皇を日本国及び日本国統合の象徴とする我が国の末永い繁栄と平和を祈念した歌であることを理解できるようにする必要がある」とされております。
しかし、実態は一般の学校で入学式、卒業式などの行事で国旗が掲揚され、国歌も斉唱されてはいるものの、日本の国歌「君が代」について子供たちはうろ覚えのまま、何の意味も分からずに歌っているのが現状のようで、小学校6年生で歌詞を正しく書けるのは20%くらいだったというデータもあります。
また、先生方も今まで特に学ぶ機会も少なかったようであり、意味や成り立ちについて知らなかった方がほとんどで、あるアンケート結果では、意味まで分かっている先生は10人に1人であったということであります。
現実には、多くの学校では国旗、国歌の意味や成り立ちを教えることなく、特に国歌に至ってはうろ覚えの中、とりあえず式典で歌っているのが実態のようであります。現役の先生方に伺っても、音楽の教科書の最後のページに載っているので、子供たちの目には触れてはいるが、教材としてはほとんど扱われていないということのようであります。
このような実態では、世界の常識である自分の国の国旗や国歌について、その意味をしっかりと理解した上で、誇りを持って尊重し、他国の国旗や国歌を尊重する態度とかけ離れていると言わざるを得ません。
現在も、ラグビーワールドカップが開催され、来年度は東京オリンピック2020が開催される中、ホスト国の多くの国民が自国の国歌「君が代」の意味すらよく分からず、教える教師も1割程度しかその意味が分からないまま、世界中の皆さんを日本に迎えるのはいかがなものかと考えるのであります。
君が代は、古今和歌集から1,000年間、人々に愛されてきた世界最古の歌詞を持った国歌であります。国歌の意味については、天皇陛下を象徴としていただく日本国民が末永くずっと平和で繁栄しますようにという祈りが込められており、世界の国歌には戦争を経て建国をして生まれた国歌も多いことから、戦いの歌も多く見受けられる中で、日本の国歌「君が代」は大変平和的な歌であります。
ある教師の方が授業で国歌「君が代」の意味や歴史をしっかりと教えるようにしたところ、子供たちのほぼ全員が感想で、「今まで知らなかったけれども、僕たちもこれから意味を考え、日本の繁栄と平和を祈って歌いたい」「平安時代からある和歌だと聞いてびっくりした」などの、自分の国に対して誇りを感じられる内容を書いていたそうであります。
このように、国歌の意味をしっかりと子供に教えるということは、国際常識から考えてみても大変重要なことであります。最近では、留学先や修学旅行などの渡航先で、日本の国歌の意味を教えてほしいと聞かれたときに答えられず、恥をかいたなどというエピソードも伺っております。そうならないためにも、国旗、国歌について教員もその意味を知り、子供たちにしっかり教える必要があると考えておりますが、本県はどのように教師の方に研修などで理解させ、県はその実態を調査しているのでしょうか。
また、まだまだ国旗、国歌の歌詞や意味の理解が足りない子供たちが多数いると感じておりますが、現状はどのように国旗、国歌について教育されているのか、小松教育長にお伺いをいたします。

A 小松弥生 教育長

まず、本県では、どのように教員が研修などで理解し、県はその実態を調査しているのかについてでございます。
全ての子供たちに共通して指導しなければならない内容を定めている学習指導要領では、「国旗・国歌」の意義について、社会科や音楽科、特別活動において指導することとされております。
例えば、小学校社会科では、「我が国の国旗と国歌は、それぞれの歴史を背景に、長年の慣行により、『日章旗』が国旗であり、『君が代』が国歌であることが広く国民の認識として定着していることを踏まえて、法律によって定められていること」を理解できるようにすることとされております。
また、「国旗・国歌はいずれの国でもその国の象徴として大切にされており、互いに尊重し合うことが必要であること」を理解できるようにすることとされております。
議員御指摘のとおり、ラグビーワールドカップやオリンピック・パラリンピックの機会を捉え、教員に対して、「国旗・国歌」の意義や成り立ちについて、更に理解を促すことは大変重要と考えております。
県としては、教員の理解を問う調査は行っておりませんが、今後、オリンピック・パラリンピックを前に「国旗・国歌」の意義や由来などをまとめた資料を作成し、教員一人一人の理解を深めてまいります。
次に、現状ではどのように「国旗・国歌」について教育されているのかについてでございます。
各学校では、社会科、音楽科において指導を行うとともに、入学式や卒業式などにおける国旗・国歌の指導とを関連付けながら指導しております。
例えば9月24日に、熊谷ラグビー場で行われた、ラグビーワールドカップのロシア対サモア戦において、熊谷市内の子供たちが両国の国旗を掲げ、国歌を歌って歓迎しておりました。
来年は、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会が開催され、本県の子供たちも、今まで以上に諸外国の方と接する機会が多くなると想定されます。
県といたしましては、「国旗・国歌」の意義や尊重する態度の育成に向けて、教員の更なる理解を促すとともに、指導の充実を図ってまいります。

地域包括ケアシステム構築の現状と今後の促進について(福祉部長)

Q 鈴木正人 議員(県民)

要介護状態となっても、住み慣れた地域で自分らしい生活を最後まで続けることができるように、地域内で助け合う体制づくりである地域包括ケアシステムでありますが、それぞれの地域の実情に合った医療、介護、介護予防、住まい、生活支援が一体に提供される体制を目指しているものの、まだまだ課題は地域によって違いもあり、課題解決に向けて各市町村の実情に合った支援体制の強化など、県の役割や更なる努力が必要であると考えております。
私自身も、地元志木市の担当課からお話も伺いましたが、自立支援型地域ケア会議が普及するよう、介護事業所経営者向けのセミナーを開催していただきたい。認知症サポート医の養成を支援していただきたい。定期巡回、随時対応型訪問介護、看護への事業者が参入しやすいよう、補助対象費を拡大するとともに、在宅療養支援病院の設置に向け、県医師会との協議及び財政支援をしてほしいなど、地域によって抱える課題は多岐にわたり、解決に向けては独自の要望が多くあることが理解できました。県も要望に対しては真摯に受け止め、対応はしておりますが、まだまだ地域包括ケアシステム構築に向けた課題解決には、過去のモデル事業によるノウハウを構築した上で、きめ細やかな市町村支援が大切であると痛感をしております。
県は、総合支援チーム派遣によるオーダーメード、並走型支援、ケアサポートセンターによる専門職の派遣などを行っているようですが、その派遣実績と成果について伺います。また、県民や民間企業、ケアマネジャーなどに対してどのような支援をしているのか、今後どのようにシステム構築を進めていこうと考えているのか、併せて福祉部長にお伺いいたします。

A 知久清志 福祉部長

まず、総合支援チーム、ケアサポートセンターの派遣実績と成果についてでございます。
県では、きめ細やかな支援のため、職員が全ての市町村を訪問し意見交換を行い、市町村の課題や要望に合わせて、専門職で構成する総合支援チームを派遣しています。
平成30年度は、県職員、リハビリテーション専門職、県社会福祉協議会などの地域づくりの専門家等を延べ598回市町村に派遣し支援してきました。
また、ケアサポートセンターでは、市町村の介護予防事業や地域ケア会議にリハビリテーション専門職を6,047人派遣しました。
これらの取組により現在全ての市町村で、地域の課題を話し合う協議体や介護予防の通いの場が設置されるなど活動が広がってきているところです。
次に、県民や民間企業、ケアマネジャーなどに対する支援についてでございます。
地域包括ケアシステムの構築のためには、県民の皆様や民間企業など様々な主体の理解や参画が必要です。
そこで平成30年度に地域包括ケアシステムについてのアニメーション、令和元年度は認知症の理解などをテーマにした広報ツールを作成し、県民の方の理解促進に努めています。
また、例えば、重い物が持てない高齢者でも商品の配送サービスがあれば、買い物を楽しむことができ外出支援につながります。
今後、こうした高齢者向けのサービス提供に関心のある企業向けにセミナーを実施するほか、現場の声を届けるため市町村と企業が交流する機会を設けてまいります。
さらに、ケアマネジャーのスキルアップを支援するため、ケアプランづくりの参考となるマニュアルの作成や研修を行ってまいります。
最後に、今後どのような地域包括ケアシステムの構築促進策を進めていくかについてでございます。
これまでの取組により、市町村における地域包括ケアシステムの基礎的な体制は整いつつあります。
今後、後期高齢者や認知症高齢者の急速な増加が見込まれることから、支え手の確保や成年後見制度の利用促進などが一層求められます。
そのため、引き続き市町村の意見や状況を丁寧にお聞きし、総合支援チームなどを活用した個別支援を充実させ、地域の実情に即した地域包括ケアシステムの構築に取り組んでまいります。

警察官の訓練状況と警察力強化の取組について(警察本部長)

Q 鈴木正人 議員(県民)

本年の6月23日に、実刑の確定後に逃走した男が神奈川県で逮捕されました。男は保釈中に実刑が確定し、横浜地検が刑務所に収容に向かったところ、職員や応援の警察官2人に刃物を振り回して車で逃走してしまったのであります。また、大阪では6月16日に交番の巡査が刃物で襲われ、重傷を負い、拳銃を奪われたばかりでありました。大阪の巡査は、不意を襲われた不幸もあり、早い回復を願っております。神奈川の事件について、体を張って収容するのは警察の仕事だが、刺されても連れてこいというわけにもいかないとの関係者のコメントもありましたが、それでも連れてくるのが警察の仕事ということになるのだと思います。
ですから、警察官は地域で尊敬をされており、そういう存在にならなくてはならず、そのための準備は必要であります。本県におきましても、近年このような事案は発生してはおりませんが、他県の術科の取組については大差はないと思います。そのような情勢において、警察は最近、柔剣道や逮捕術を軽視していないか、これが術科の指導者の待遇にも現れているのではないかとの警察官OBの方々からの心配の声と、警察官よ、もっと強くあれという激励のお言葉をいただくことがあります。
そこで、警察官の訓練状況や強化に向けて、警察本部長にお伺いいたします。
まず、警察署において術科訓練はどのように実施されているのでしょうか。警察官として採用され、警察学校で柔道、逮捕術の訓練を行っておりますが、ほとんどの学生は初めての体験であります。警察署での訓練の頻度はどのような状況になっているのかお尋ねいたします。
次に、埼玉県の警察官の負担は全国一重い状況で、県議会としても県と連携して警察官の増員を引き続き国に働き掛けて取り組まなければならないのですが、日常の業務に追われて術科訓練が低調なのではないか、訓練の時間不足だけでなく、警察署における指導体制が弱体化しているのではないかとの心配もありますので、警察には柔道特別強化選手、剣道特別強化選手、逮捕術特別強化選手のOBが指導者として訓練を担当している中、本来の担当の業務多忙によって術科訓練まで手が回らない、待遇も不十分で指導者として意欲も低調なのではとの心配の声に対して、実際の状況はどうなっているのかお尋ねをいたします。
さらに、警察官の大部分が術科の初心者であることから、意欲的に術科訓練に参加させるためにも、術科の底辺拡大を図る必要があるのではないかと考えますが、その方策についてもお尋ねをいたします。

A 高木紳一郎 警察本部長

各警察署における術科は、年度当初に策定している訓練計画に基づき、各所属で計画的に術科訓練を実施しております。
特に各警察署や、現場活動に従事する自動車警ら隊、機動捜査隊等については、1カ月に数日間の訓練日を設け、専門的知識を有する指導者の指導により柔道、剣道、逮捕術等について訓練を実施しており、原則、若手はそのいずれかの日に2回以上、若手以外の者については1回以上の訓練に参加しております。
加えて、各警察署においては創意工夫を凝らし、就勤時における短時間の逮捕術訓練を行っているほか、暑中稽古及び寒稽古期間を設け集中的に訓練を実施しております。
また、警察署における術科訓練の更なる向上と、警察署の訓練指導者の負担を軽減するため、警察本部の術科指導者による巡回指導を月1回から2回実施しており、この巡回指導の際には、昨今の交番襲撃事案を踏まえ、交番における実戦に即した逮捕術訓練を併せて実施しております。
さらには、業務多忙等により訓練が低調な者には、年に1度、警察本部の術科指導者により招致指導も実施しております。
各警察署には、柔道、剣道、逮捕術の複数の指導者を配置し、訓練を実施しており、指導者の指導力向上を図るため年間10回の指導者講習を実施するとともに、その活動実績等に応じて各種表彰を行うなど、指導者としてのモチベーションアップも図っております。
併せて、術科の底辺拡大を図るため、若手による柔道・剣道2段以上の取得奨励や、各種大会の出場枠において2段以下の選手の出場を義務付けるなどの施策を推進しております。
以上が本県警察における術科訓練の状況でありますが、警察官が凶悪な事案に相対し、職務を遂行するためには、犯罪に立ち向かう精強な執行力が必要であり、警察官一人一人が意識を高く持ち、各種術科訓練を積極的に推進してまいります。

地元問題について(県土整備部長)

国道254号和光富士見バイパスの早期開通について

Q 鈴木正人 議員(県民)

周辺道路の渋滞緩和のみならず、広域的な物流の効率化、それに伴う企業立地、防災機能の強化等、様々な効果が期待のできる重要な幹線道路である国道254号和光富士見バイパスの早期完成につきましては、私の選挙区である志木市だけでなく、関係する近隣の富士見市、朝霞市、和光市の皆様方からも早期完成を望む声が高まっております。
特に、志木市が多く関わる県道朝霞蕨線から国道463号線までの第2期整備区間につきましては、国道463号から県道さいたま東村山線までの約1.4キロメートル区間を、令和3年度に供用できるよう事業を推進すると伺っております。しかし、工事の始まった区間でも用地買収が難航している箇所や、遺跡が発見され、発掘作業に追われるなど、令和3年度供用が遅れるのではないかという心配の声も上がっております。
そうした状況の中、地元志木市長が会長を務めるバイパス建設促進期成同盟会からも早期完成に向けて国に対し、円滑な物流の確保に向け、大きな補助を得られる重要物流道路に指定していただきたいとの要望がなされております。
このように、国道254号和光富士見バイパス第2期整備区間が予定どおり令和3年度までに国道463号から県道さいたま東村山線までの間が整備され、全体としても早期完成ができるよう本県には更なる努力をしていただきたいと思いますが、早期完成に向けた取組の内容と意気込みについて県土整備部長にお伺いをいたします。

A 中村一之 県土整備部長

このバイパスは、外環道から国道463号を結ぶ延長約6.9キロメートルの県内道路網の骨格を形成する重要な幹線道路です。
これまでに、外環道から県道朝霞蕨線までの約2.6キロメートル区間が開通しており、残る県道朝霞蕨線から国道463号までの約4.3キロメートルの早期開通に向けて、整備を進めております。
現在、富士見市内の国道463号との交差点において、立体交差工事を進めており、今年度中に橋桁の架設工事に着手する予定です。
また、この立体交差南側の志木市区間においては、用地買収率が94%となっており、用地がまとまって取得できた箇所から埋蔵文化財調査や地盤改良などの工事を進めております。
今後も残る用地の早期取得に努めるとともに、鋭意工事を進め、まずは国道463号から県道さいたま東村山線までの約1.4キロメートルを令和3年度に供用できるよう重点的に取り組んでまいります。

中央通停車場線第3工区の整備について

Q 鈴木正人 議員(県民)

志木市の表玄関、志木駅東口と志木市役所を結び、重要な道路である中央通停車場線の全線の無電柱化や歩道の拡幅工事も、残りは3工区と呼ばれる本町5丁目ゆりのき通りの交差点から本町3丁目交差点手前、市道1193号線まで全長330メートルの街路事業整備だけとなりました。こちらも、地元の皆様方から早期の完成に向けた整備の声が日増しに強くなっており、多くの該当する地権者の皆様方からも早く用地買収に協力をしたいという声が多数寄せられております。
志木市では、市役所の建替え工事もいよいよ始まる予定で、駅前から市役所を結ぶ中央通停車場線の整備の重要度は増しております。そこで、早期完成に向け、用地買収などのスピードを速めていく必要があると考えますが、現在の進捗状況と今後の見通しについて県土整備部長にお伺いをいたします。

A 中村一之 県土整備部長

この道路は、東武東上線志木駅東口から志木市役所へ向かう延長約1.3キロメートルの都市計画道路であり、これまでに約1.0キロメートルの整備が完了しております。
現在、本町5丁目交差点から市道1193号線までの延長330メートルを第3工区として、電線類の地中化を含む歩道拡幅整備を進めているところです。
平成30年度から用地取得に着手し、現在の用地買収率は15%となっており、令和元年度も引き続き用地の取得に努めてまいります。
今後も、地元の皆様のご協力をいただきながら、まずは重点的に用地の取得を進め、早期に工事に着手できるよう取り組んでまいります。